雑記1

(2025.04.27) 賑やかになってきた里山@厚木市
厚木市の里山も、いろいろ虫が出てきて賑やかになってきた。


ムネアカアワフキ サクラの新葉の葉柄にたくさん付いていた。


クロモンムクゲケシキスイ クワの花にたくさん集まっていた。


クロハネシロヒゲナガ 林縁とチラチラと飛翔。初夏の風物詩。


フジホソガの幼虫のマイン フジの新葉が出るとすぐに見つかり始める。葉の表皮がブカブカに浮き上がっている。


ヘリグロホソハマキモドキ 昨年見つけた墓地のスズメノヤリ群落で、今年も成虫を発見。


ツマベニヒメハマキ 林縁の葉上にたくさんとまっていた。


ニホンベニコメツキ この赤は目立つ。初見かも。


カノコマルハキバガ サクラ古木の根元で発見。マルハキバガ科の美麗種。

(2025.04.26) 急増したミイデラゴミムシ@南足柄市
南足柄市の某谷戸にて。ここには湧水の湿地があって、2017年から通って調査していたが、今回初めてミイデラゴミムシを見た。しかも、芝地にナガヒョウタンゴミムシと一緒に点々といる感じ。他、湿地の泥の上にはセマルガムシも多数発見。湿地性昆虫が最近増えてるのだろうか。


(2025.04.26) ゴマダラチビゲンゴロウ@相模原市
この川では、ゴマダラチビゲンゴロウは普通にいる。河原の池や、流れの遅いところの水際の砂礫を攪拌すると出てくる。


(2025.04.26) 急増したホソヒメツヤドロムシ@相模原市
里山の小川だが、ホソヒメツヤドロムシが無限に網に掛かった。2021年調査時には、ヒメドロは全く採れなかったのだが。年単位で個体数や相がこんなに変わるのか。


(2025.03.23) 相模川河川敷のヤナギの芽吹き
河原のヤナギ芽吹き、花に昆虫が集まりだした。


モモブトカミキリモドキ♂


セイヨウミツバチ

(2025.01.05) ヨシトミダルマガムシ、タニガワトビケラ属@西丹沢
神奈川県西丹沢の標高700 m付近の細流を調査。ヨシトミダルマガムシの健在を確認。他、水際の石の裏で越冬していたタニガワトビケラ属の成虫。


(2024.12.09) アキノヒメミノガ@神奈川県厚木市
ガードレールに生息するミノムシ。発生時期を逃した。1週間くらい遅すぎたか。見つかった成虫はこのメスのみ。ミノの中に産卵中。

(2024.10.20) アカギカメムシ@神奈川県厚木市
河川敷で唐突に発見。大きさに驚く。熱帯性のカメムシだが、近年、分布を北上中らしい。

(2024.09.23) コブドウトリバ@神奈川県厚木市
近所の日無川沿いのフェンスに絡まるアサガオ類の葉に、コブドウトリバがたくさんいた。同じフェンスに絡まるヤブガラシが発生源でしょう。


(2024.08.02) ミゾツヤドロムシ、セラドン石@神奈川県厚木市
猛暑のせいで日中に虫採りに出かける気にならず、わざわざ早朝に出掛けた。谷太郎川を調べたが、ヒメドロムシはミゾツヤドロムシとツヤヒメドロムシばかり。この2種は見飽きた。せっかくなので、相模川水系特産のセラドン石に乗せて撮影。

(2024.07.07) 夜の里山散策@神奈川県厚木市
コナラの伐採木に生える硬質キノコにいろいろな甲虫が集まっていた。


ハギキノコゴミムシ


オオナガコメツキ


オオツヤハダコメツキ


サトユミアシゴミムシダマシ キノコを喰ってる個体がたくさんいた。


ベニモンキノコゴミムシダマシ これも多い。


タイショウオオキノコ ヒメオビオオキノコの方はたくさんいたが、これは1頭のみ。


フタオビホソナガクチキ



トゲアリ 稀少なアリだが、個体群を2つ見た。うち一方がコレ。地表にあった落ち葉にゼリー状の物質が付いており、それに群がっていた。この物質は何??


(2024.05.11) 夜の里山散策@神奈川県厚木市

キマダラミヤマカミキリ
たくさんいた。樹液に集まってるのも。


クロホシテントウゴミムシダマシ


マダラマルハヒロズコガの幼虫
樹液が出ているところに2匹いた。樹液周辺で幼虫も成虫もよく見られるらしい。


ヨツボシケシキスイ 久しぶりに見た。


ヨツボシオオキスイか、ムナビロオオキスイのどっちか。この写真では判別不能。


クロホソナガクチキ 初見。

(2024.04.14) アカハネムシの大量発生@神奈川県厚木市
里山林縁に放置されたサクラの伐採木周辺に、アカハネムシ(未同定)が大量発生していた。ベニボタルの大量発生は見たことあるが、アカハネムシでは初見。朽木の中にいた幼虫が、一斉に羽化したのだろうか。




(2024.04.14) ヘリグロホソハマキモドキ@神奈川県厚木市
ようやく見られたヘリグロホソハマキモドキ。早春に現れる小蛾類。食草?のスズメノヤリが生える場所がなかなか見つからず、里山の墓地で生息地をようやく発見。地表近くをチラチラ飛ぶだけなので、虫自体も見つけにくい。


(2024.04.13) イカリモンガ@神奈川県厚木市
里山の林縁にて。美麗種。幼虫はシダの仲間のイノデを喰うらしい。

(2024.03.10) 真冬に現れるキクビアオアトキリゴミムシ@神奈川県厚木市
真冬の夜間のゴミムシ探しをしているが、2月からキクビアオアトキリゴミムシが河川敷の出現するようになった。個体数は少なく、1時間探し回って1頭見つかる感じ。寒すぎるのか、いずれの個体も地表に静止しているだけ。


2024年2月10日 相模川河川敷


2024年2月14日 中津川河川敷


2024年2月24日 小鮎川土手


2024年3月10日 小鮎川土手

(2024.02.10) キノカワガと、フユシャク2種@神奈川県厚木市
夕刻、相模川河川敷の河畔林を散策。


キノカワガ。初見。エノキの樹幹にとまっているのを発見した。成虫越冬するらしい。


まだいるウスバフユシャク♂ そろそろ見納めの時期。サクラやエノキの大木の下でオスが乱舞していた。メスは見つからず。


ヒロバフユエダシャク♂ 初見。エノキの樹幹にオスが1頭のみいた。

(2024.01.23) 真冬の夜に活動するキンモリヒラタゴミムシ@神奈川県南足柄市
最近、真冬のこの時期の夜でも、地面をライトで照らして探すと、活動しているゴミムシ類がけっこういることに気付いた。丘陵地の湧水流近傍の石の上に多くの個体が点々と静止していた。カメラのライトを当ててもほとんど無反応なので、やはり寒くてあまり動けないように見える。だったら春まで休眠していればよいと思うのだが、このように夜に出て来てしまうということは、この手の輩はそもそも冬眠という行動自体がはっきりしてないのかもしれない。この辺の生態は、当然ながら地域差がありそうだが。



(2024.01.07) キノコヒモミノガ多数@神奈川県厚木市
里山の尾根筋で見つけた大量のキノコヒモミノガ。見たいと思ってたミノムシだが、これほど大量にいるとは!ここ数年激しかったカシノナガキクイムシの寄生により、コナラの枯死木が大量に発生しており、この場所では伐採木がそこら中に放置されている状況。そこに硬質のキノコが大量に発生しているため、キノコに寄生する昆虫が増えているのかもしれない。暖かくなったら、夜に見に来れば、菌食性甲虫の楽園になって、かなり賑やかな光景が見られるのではないだろうか。キノコヒモミノガは神奈川県ではまだ正式には記録されてないので、夏になったら成虫を採集しないと。





(2024.01.05) テンの糞@神奈川県厚木市
荻野丘陵の遊歩道で、ナラ枯れの被害にあったコナラがたくさん伐採されており、切り株の上に動物の糞が見られた。一カ所でなく、複数の切り株に。調べると、これはテン(ホンドテンMartes melampus)の仕業らしい。このように目立つところにわざと糞をする習性があるとか。姿は見たことがないが、確かに生息しているようである。



(2024.01.03) 正月のフユシャク観察@神奈川県厚木市
近所の小鮎川土手のカワヅザクラを日中見て回ったら、ウスバフユシャク♂がたくさん見つかった。いずれも、北側の日陰の樹幹の低い所にとまっていた。


同じく、小鮎川河畔のソメイヨシノの樹幹には、イチモジフユナミシャクの♀がいた。コケや地衣類が生着している老木よりも、若い木の方が狙い目のようである。

イチモジフユナミシャク♀

飯山の長谷寺では、イチモジフユナミシャク、チャバネフユエダシャク、クロオビフユナミシャク、ウスバフユシャクのオスが見られた。オスは、サクラの樹幹よりも建物の壁面を見て回った方が見つけやすいかも。メスが見つからん。

イチモジフユナミシャク♂


チャバネフユエダシャク♂


クロオビフユナミシャク♂


ウスバフユシャク♂

暗くなってから、小鮎川土手のカワヅザクラを見に行ったら、ウスバフユシャクの交尾ペアが見られた。たくさんのオスがサクラ周辺を飛翔していた。

ウスバフユシャク交尾ペア

(2023.12.30) 最近見た冬の蛾

クロオビフユナミシャク♂ 2023.12.24 神奈川県厚木市
里山の寺院のサクラを2時間見て回って、見つかった蛾はこれ1匹。


ミドリハガタヨトウ 2023.12.29 神奈川県厚木市
丘陵地の公園内のサクラを2時間見て回って、見つかった蛾はこれ1匹。晩秋から初冬の出る蛾らしい。今の時期になると、緑色の鱗片はほとんど剥げている。


イチモジフユナミシャク?♀ 2023.12.30 厚木市
今季、ようやく見られたフユシャクのメス。小鮎川土手のサクラで発見。高い所にいたので、わざわざ木に登って撮影した。

(2023.11.11) 例によって長野の高原
日中気温が7℃くらいしかなくて、既に相当寒かった。


カシワミスジキンモンホソガの蛹室。カシワの落ち葉にたくさん見られた。一部持ち帰って羽化させる。


別荘地周辺の森林。以前は、この辺の森の地表はササだらけだったが、シカが増えたのか、最近ササの丈が低くなった。今では、日中でも別荘地内でシカの群れを見かけることがある。


別荘地から見え蓼科山。もう冬支度。


長門牧場で見つけた、ミズナラに寄生する大量のヤドリギ。1本の木にこれほどたくさんの株が寄生しているのは珍しい。


ヤドリギは高い所の枝にしか見られないことが多いため、なかなか観察する機会がない。ここでは、低い枝から出ている若い株を間近で見られた。本当に寄主の枝から生えているように見える。欧州では、幼虫がヤドリギの葉に潜るヒメハマキがいるらしいが、国内ではヤドリギのリーフマイナーは知られていない。もし見つかれば少なくとも日本新記録確定だが、今回は見つからず。


ヤドリギの実もたくさん落ちていた。食べてみたが、甘味はごく薄い。



(2023.10.26) サトユミアシゴミムシダマシ@厚木市
体長3 cmくらいある大型のゴミムシダマシ。個人的に見たことがなく、神奈川県でも県央から県西部では丹沢山地を除いて記録がなかったのだが、最近夜に河川敷や里山の朽木を見て回ったら、けっこう普通に見ることができた。果たして、最近増えたのか、単に詳細に調べられてなかったのか。
写真3枚は厚木市内のそれぞれ別の場所。3枚目の倒木では5, 6頭同時に見られた。4枚目はオマケのコヨツボシアトキリゴミムシ




(2023.10.13) 麦角菌に感染したイネ科植物の穂に集まる蛾たち@厚木市
夜、中津川河川敷を探索したら、足元のスズメノヒエ類の穂に多数の蛾がとまっているのを発見。よく見ると、穂から茶色い液体が染み出しており、蛾はそれを吸汁していた。スズメノヒエが麦角菌に感染すると、こうなるらしい。液を舐めると確かに甘味があった。

オオホシミミヨトウ


ハスモンヨトウ


オオウンモンクチバ


クサシロキヨトウ


カブラヤガ

(2023.10.03) ネナシカズラの花に集まる蛾@神奈川県開成町
酒匂川の土手でネナシカズラの群落を発見。ちょうど花が咲いており、夕刻に多数の蛾が集まっていた。

クロコマイコガ 
ニセマイコガ科の美麗ミクロ。幼虫はネナシカズラの茎に潜るらしい。これは花に集まっていたわけではなく、茎や葉にとまっていたり、群落周辺をチラチラと飛んでいたりしていた。


ワモンキバガ


マメノメイガ これが最も多い。大量にいた。



ナカジロシタバ


ソトウスグロアツバ


カブラヤガ


シロスジツトガ


アオアツバ

(2023.09.23) @長野の高原(標高1200 m)
例によって長野の高原。沢の河原の石を起こしたら、コホソクビゴミムシの集団を発見。本種は平野部の河原にもいるが、それほど多い種ではない。集団でいるのも初めて見た。沢本体でヒメドロムシを探したら、オプチオsp数個体と、なんとクロサワドロムシが1頭だけ採れた。大型の夏ヒメドロ。9月下旬に採れるのは珍しい。




(2023.09.10) シワムネマルドロムシ@相模原市
河原の石をひたすらひっくり返して、奇跡的に1匹だけ発見。小さい!動いてないと砂粒と区別がつかない。

写真中央にいる。


シワムネマルドロムシ 体長1.7 mm


採集地の河原


(2023.09.03) コニワハンミョウ@相模原市
河原の裸地に無限にいた。いるところにはたくさんいるんだなと。近所の相模川の河原では見たことがない。ナミハンミョウと比べると地味だが、よく見ると美しい。クロコウスバカゲロウと思しきアリジゴクの巣もたくさんあった。




(2023.09.02) 里山で見つけた御神木@厚木市
市内の里山を散策して見つけたすごい御神木。この立ち枯れに、ものすごい数の菌食性甲虫が集まっていた。微小美麗なゴミダマも多数。夜にも見に来ないと。ただし、薄暗い場所なので蚊もすごい。。


コブスジツノゴミムシダマシ♂

(2023.08.03) 九州旅行で訪れた天草市の砂浜
炎天下、子供たちが海で遊んでいる間、暇だったので砂浜の打ち上げくずの下を調べたら、ハマヒョウタンゴミムシダマシが多数。他、アリアケホソヒメアリモドキも2頭だけ採れた。ホテルの植樹のソテツにはクロマダラソテツシジミが多数群がっていた。



クロマダラソテツシジミ♂


クロマダラソテツシジミ♂

(2023.07.02) 三浦市のヒョウタンゴミムシ
神奈川県で絶滅危惧II類に指定されているヒョウタンゴミムシ。海浜性種だが、県内の生息地は現在三浦半島沿岸に限られる。家族で訪れた、こんな海水浴客が入る海岸でも、打ち上げゴミの下に隠れていた。


(2023.06.18) 厚木市飯山の里山散策
小蛾類の幼虫探しの傍らで見つけた虫たち。この辺はヤマビルがたくさんいるので、塩水バンド長靴で武装して行ったが、なぜか今回は、茂みに踏み入っても1匹も上がってこなかった。通りすがりの方も、シカが降りて来なくなってヤマビルがいなくなったと話していた。

ウンモンテントウ


ミドリカミキリ?


カザリバ


ホタルガ


マルウンカ

(2023.05.31) 水田の生きもの@神奈川
夜に水田を見て回った。シマゲンゴロウは、いるところには異様なほどたくさんいる。コオイムシはもはや普通種の様相。アカハライモリを初めて見た。



(2023.05.24) クロオビホソアリモドキを発見
海浜性の微小甲虫。神奈川では記録は2つしかない稀種。某海岸の打ち上げ木くずを漁ったら、コレがたくさんいた。簡単に見つかったので、他の場所でも普通に見つかるのではないかと追加で調べたが、これが全く見つからない。ピンポイントで生息地を引き当てたもよう。とりあえず報告しないと。


(2023.05.02) マツムラヒロコバネを発見!
神奈川県産コバネガ科の初記録。ようやく発見。美しい!山地のジャゴケ群落に多数の個体がいた。




(2023.04.30) ヒメウラナミジャノメとゴマダラチョウ
河川敷の林縁はヒメウラナミジャノメ天国。このチョウは近づいても逃げないので撮りやすい。よく見ると美しい模様。ゴマダラチョウも出てきた。




(2023.04.10) 夜の相模川河川敷

クロガネオオズハネカクシ。大型のハネカクシ。個体数は多い。今頃が繁殖期か。



ホソクロマメゲンゴロウ。河畔林縁の水溜まりに多くの個体がいた。



常連のクビボソコガシラミズムシ。水中から出て石の上に上がって休んでいる個体がたくさんにた。よくある生態なのだろうか。


常連のキベリマメゲンゴロウ。

(2023.04.09) コマルガムシCrenitis sp.出現!@相模川
1匹だけ水際で見つかった。これの出現時期は意外と早いらしい。


(2023.04.02) @長野の高原
例によって長野の高原、標高1300 m. この時期は中途半端で、虫もほとんどが冬眠中。オツネントンボ♂がいた。本沢の河原の石を手当たり次第ひっくり返してみたが、見つかったのはミズギワゴミムシ類ばかり。ヒョウタンハネカクシとか出てこないものか。別荘地の電柱には、昨年同様、謎ツツミノガのミノが付いていた。いい加減専門の方にお尋ねして種同定しないと。




本沢沿いの湧水流。ちゃんと探せばホソダルマガムシが見つかるはず。今回はパス。

(2023.02.12) クビボソコガシラミズムシの幼虫@相模川
河川敷に去年新しくできた池にアオミドロが繁殖して、クビボソコガシラミズムシが大量に住み着いた。幼虫も多数!



(2023.02.05) アオヘリホソゴミムシとヨツボシゴミムシ@相模川
河畔林の朽木の下にいた個体。アオヘリホソゴミムシは普通種らしいが初見。他、大量のアオゴミムシの集団越冬を久々に見た。


(2023.01.22) ヒメヒョウタンゴミムシ@厚木市
厚木市の荻野の谷戸。地形図を眺めて、ずっと行ってみたいと願っていたが、ヤマビル多発地帯につき、この時期にようやく念願達成。ほとんど人が入ってないと思われる湧水湿地。足の踏み場を間違えると本気で脱出不能になる恐れがあり、慎重を要する。最奥部まで往復して、あちこちを掘ってゴミムシを探したが、大した成果なし。どこを掘ったらよいのか、見当を付けるのが難しい。写真は、朽木の下にいたヒメヒョウタンゴミムシ


(2022.12.30) クビボソコガシラミズムシ@相模川河川敷
行きつけの相模川の河原に今年新しくできた池クビボソコガシラミズムシが大量にいた。今までいたすぐ近くの大きな池からはまったく見つからず。頻繁に飛んで移動しているのだろうか。
2枚目の写真の右端にはピンボケだが幼虫も写っている。今度、幼虫もちゃんと撮影しよう。



(2022.12.11) クズの枯れ葉をめくって見つかった虫@相模川河川敷
2時間以上ひたすらクズの枯れ葉をめくって見つかった虫いろいろ。目的はクズホソガクズマダラホソガの越冬幼虫探しだったが、クズホソガの幼虫が1匹だけ落葉前の葉の中に見つかっただけだった。いずれもこのクズ群落に相当な個体数いるはずだが、冬の間はどこにいるのか?

クズ食いツヤホソガ。円形の蛹室内に潜む幼虫。
後で分かったが、ミツオビツヤホソガNeolithocolletis hikomonticola.


上の写真と同種。このように葉を折り曲げて、蛹室を中途半端に隠しているのも見つかる。


種不明(科も不明)


種不明(科も不明)


ハスジカツオゾウムシ?


一体何が起きているのか??


かっこいいハネカクシ


アワダチソウグンバイ?


フサカイガラムシ?


フサカイガラムシ?

(2022.12.10) モミジニタイケアブラムシ@横浜市
イロハモミジの紅葉した葉に選択的に付いていた。紅葉した葉の方が、糖分が多い?


(2022.11.21) ムラサキツバメ@厚木市
中津川の土手の国道の橋の下にて。雨上がりに、ムラサキツバメ3頭がクサギの葉の上にとまっていた。雨宿りしていた?左の個体の翅の欠けた部分から、左前翅の青紫が覗く。

(2022.10.19) 秋に見た虫@神奈川


ツツハムシ類の幼虫 初見。飯山の長谷寺参道脇の石垣にて。


ツバメシジミ♂ @厚木市こどもの森公園


クサカゲロウ類の幼虫 @厚木市こどもの森公園 空中回廊の手すりに点々といた。


ホシホウジャク @横浜市新治市民の森


オオアオイトトンボ @横浜市新治市民の森


アキアカネ♂ @横浜市新治市民の森


ツツジグンバイ @厚木市七沢


クスサン @南足柄市地蔵堂

(2022.10.08) ネグロミノガの生息地を発見@厚木市
自宅近くで、ネグロミノガのミノが大量に見つかる場所を発見。クロツヤミノガと比べて、ネグロミノガのミノはそれほど簡単に見つかる印象はなかったが、いる所には高密度にいるようで。この付近に食草になりそうな樹木はない。ネグロの幼虫はイネ科の植物の葉も食うらしいので、すぐ隣のススキが繁茂した空地(下写真4枚目)がおそらく生息地か。周辺の柵に大量にミノが付いている。9月25日には支柱を登る幼虫も見つかった(1枚目)。オスの脱皮殻が付いているミノが見当たらないため、羽化はこれからか?




(2022.09.23) ルリチュウレンジの大発生@厚木市
雨上がりに近所の公園に散歩に行くと、植樹のツツジの上を、大量のルリチュウレンジがブンブンと飛び回っていた。初めて見た光景。集団の繁殖行動??この時期によくあるのだろうか?



(2022.09.11) 自宅の庭に来たオオミノガ
自宅の庭に置いてある鉢植えにいつの間にか来ていたオオミノガの幼虫。すでにミノの長さは5 cm超あり、十分大きい。これは珍しい秋繁殖型で、間もなく蛹化か?


葉を摂食するときは、ミノの開口部の一端を枝に固定している。


鉢を周回中。この後、残念ながら行方不明。おそらく、蛹化場所を探す旅に出たものと思われる。


(2022.08.21) 夏に見た虫

ミヤマカワトンボ♂ 2022.07.30 相模原市 串川


ナガニジゴミムシダマシ類 2022.08.01 愛川町 八菅山


オオミノガの古ミノ 2022.08.01 愛川町 八菅山近く
初めて見たかも。


オスグロトモエ♂ 2022.08.05 南足柄市


ノコギリカミキリ 2022.08.05 南足柄市


ハンミョウ 2022.08.07 相模原市
平地ではほとんど見られないが、丘陵地では割とよく見つかる。


ウバタマムシ 2022.08.14 厚木市
相模川河川敷のクズ群落にいた。個人的にあまり見たことがない。すぐ近くに放置された松林があるので、そこが発生源か。何と、神奈川県で準絶滅危惧に指定されているらしい。

(2022.08.12) @長野
いつもの長野の高原(標高1300 m)。あいにく悪天候で虫の出がイマイチだった。

この林床の草地にベニヒカゲが現れて驚いた。写真撮れず。


ミヤマカラスアゲハの集団吸水。


キタガミトビケラの幼虫。今の時期にまだ幼虫なのは珍しい。


ツノアオカメムシ


アカハナカミキリの前胸黒化型。


アカハナカミキリの通常型。


デオキノコsp.


シラホシヒメゾウムシ。女神湖の遊歩道沿いのシシウドにいろいろな虫が集まっていた。

(2022.07.24) @厚木市飯山
暑い中、里山を散策。地味なジャノメチョウ類もよく見ると美しい。

ヒメウラナミジャノメ


ムラサキシジミ


クロヒカゲ


アジアイトトンボ♂?


オオアオイトトンボ♂

(2022.07.18) @茨城
帰省するたびに、元薪炭林の森がソーラーパネルに変わってゆく。水田地帯にパッチワーク状に残る森はいつまで残るだろうか。


ドウガネブイブイ 久しぶりに見た。神奈川ではアオドウガネに駆逐された感があり、ほとんど見ない。



ニホンカナヘビ


ヤマイモハムシ


ハグロトンボ♂


ハグロトンボ♀


アミガサハゴロモ


ダイミョウセセリ関東型


アサマイチモンジ


ノコギリカミキリ

(2022.06.26) 酷暑の湿地帯@神奈川県相模原市
相模川の湿地帯。日中34℃。浅い水際におびただしい個体数のコチビミズムシがいた。クビボソコガシラミズムシも。一見良好な環境なのだが、水生甲虫の種数がとにかく少ない。

広大な河川敷に伏流水が湧くワンドや池が点在。水はとにかくきれいなのだが。。


コチビミズムシ


大量のコチビミズムシ。クビボソコガシラミズムシもいる。


クロイトトンボの雌雄ペア。産卵中。


ハラビロトンボ♀

(2022.06.19) ヒラタホソアリモドキ@神奈川県相模原市
晴れた日の日中に相模川の水際の乾いた砂地の表面を詳細に観察すると、微小なヒラタホソアリモドキがチョロチョロ動いているのがよく見つかる。厚木市内の河川敷にいるし、かなり普通に生息しているらしい。他、微小なミズギワコメツキ類も日中に活発に活動している。


ヒラタホソアリモドキ 雌雄ペア


ヨツモンミズギワコメツキ


(2022.06.05) ツヤドロムシ@神奈川県厚木市
市内を流れる中津川はそれなりに開けた河川ではあるが、水が清冽すぎるのか、すぐ隣の相模川とは全く環境が異なる。とにかく水生昆虫が異様に少ない。網を使わずに、水際の礫の表面にいたツヤドロムシの雌雄ペアを発見した。今頃が繁殖期らしい。

(2022.05.31) オサムシモドキ@神奈川県小田原市
夜に生息地を訪れ、健在確認。暴れるチビサクラコガネの成虫に食らいついていた。本種は砂の上でじっとしているのしか見たことがなかったが、捕食するときはけっこう素早く動くらしい。



(2022.05.28) アサヒナカワトンボ@神奈川県湯河原町
カワトンボ類は美しい。幕山公園近くの沢にて。地理的にアサヒナカワトンボの伊豆個体群の有色型と無色型。



(2022.05.04) 厚木市の里山散策
ヤマビル対策をしてゆっくりと散策して見つけた虫たち。

コケヒロズコガの幼虫


ミノガ幼虫 種不明





ネギオオアラメハムシ なぜか舗装道路上に多数。


ミヤマベニコメツキ♂

(2022.05.03) クビボソコガシラミズムシが復活@厚木市相模川
2019年の台風19号襲来時の増水以来、河川敷の池に多産していたクビボソコガシラミズムシが姿を消していたが、最近ようやく復活した。環境が残っていればちゃんと戻ってくる。キベリマメゲンゴロウは安定の存在。




(2022.04.30) 清里高原
標高1300 mの遅い春。

ホソミオツネントンボ♀


ホソアカガネオサムシ? 朽木の下から。


ゴミムシ類の蛹だろうか。朽木の下に小部屋を作って神々しく鎮座していた。


クロクサアリの樹上行列。降りてくるアリはアブラムシの甘露を腹に溜めている。

(2022.04.20) ハバビロドロムシの幼虫@厚木市
渓流に浸かったボロボロの朽木の裏に付いていた幼虫。これ、ツブスジドロムシではなくてハバビロドロムシですな。体長6 mmほどもある大型。この沢では成虫をまだ採ってないので、頃合いを見て再訪する。


(2022.03.04) 冬枯れの相模川河川敷@厚木市
荒涼とした冬枯れの河川敷だが、クズ群落だった場所でクズの枯れ葉を裏返していくと、いろいろな越冬中の虫が見つかった。クズホソガ?の幼虫が入っている繭、ブタクサハムシ、チビヒョウタンゾウムシ?、ナミテントウ?の卵、カメムシはちょっと分からない。






(2022.02.06) ヤチダモハイオボホソガの幼虫@海老名市
相模川河川敷に生えるネズミモチ類に見つけた食痕の中に幼虫を発見。常緑の植物をホストとするミクロならば、真冬でも幼虫が得られるわけである。つついてもまったく動かなかったため、ほぼ完全に休眠していたらしい。とりあえず飼育して羽化させる。当たり前だが、落葉広葉樹の葉に潜る種の場合、幼虫で越冬するのは難しいはずで、成虫か蛹で越冬しているのだろうが、今の時期、一体どこに潜んでいるのだろうか?探すコツが全然つかめない。


(2022.01.23) ズグロコブカザリバ@厚木市
越冬中の小蛾類を見つけてやろうと、市内の里山で樹木の枝を叩いて回ったが、落ちてくるのはハエ目と微小な寄生蜂ばかりで、蛾は全然落ちてこなかった。もうちょっと鬱蒼とした森の方がよいのか。休耕田の辺縁に生えていたヒノキの樹皮を剥がして、ようやく見つけた初見の本種。冬に樹皮でよく見つかるミクロらしい。見つけるとすぐに動き出す越冬中の甲虫とは違って完全に休眠していたようで、手に乗せてもほとんど動かなかった。



(2022.01.03) マルヒメツヤドロムシ@厚木市
この前のツブスジドロムシの幼虫を見つけた林道脇の湧水流の砂礫を目を皿のようにして調べて、目視で見つけた。体長1 mm強しかない超絶微小ヒメドロムシ。本種はかなり浅いひたひたの流れにいるようで、上翅が赤っぽいので、慣れると目視でも見つかる。特に珍しい種ではなく、記録は各地にある。

(2022.01.02) 厚木中央公園で見つけたミノガ小型種のミノ
厚木中央公園は市街地に囲まれた都市公園だが、こんな場所でも植樹の幹を丹念に見ていくと、ミノガ科小型種のミノが見つかった。見つけたのは、ヒロズミノガが1つ、アキノヒメミノガが2つのみ。いずれもケヤキの樹皮に付いていた。ミノガ科小型種のミノは、基本的にガードレールや石垣等の人工物で見つかるのがほとんどで、樹木に付いているのが本当になかなか見つからない。人工物をうまく利用して分布を広げているのだろうが、本来の生息環境はどういうところなのか気になる。


(2021.12.19) ツブスジドロムシの幼虫(→訂正 ハバビロドロムシ)
初見。というか、ヒメドロムシの幼虫をそれと認識したことがない。詳しい方に教えていただきました(訂正 ハバビロドロムシでした)。林道脇を流れる網も入れられないようなごく浅い細流で、大きな石の下にあった柔らかい朽木の破片に2匹の幼虫が喰い込んでいた。体長は5 mm弱くらい。ガッツリ喰ってるが、朽木専門なのだろうか?とりあえず成虫を探さないと。

(2021.11.26) またしてもヨシトミダルマガムシ
水系が変われば違うダルマガムシが分布するかもと期待してたが、あっさり裏切られた。コレの分布の境界は一体どこなのか。


(2021.11.21) アキノヒメミノガ♂の活動はやはり日中
午前中観察ポイントのガードレールに張り込んで、♂♀5ペア確認。もっとたくさん♂が飛来するのかと思ったが、1時間に2頭くらい気紛れにチラチラ飛んでくるだけで、交尾に預かれない♀が意外と多いことに気付いた。下の写真のペアは周辺のクモの巣が邪魔だったようで、♂はマウントしてから数分後に諦めて飛び去った。♀は2日後にミノにつかまったまま干からびて死亡していた。

(2021.11.15) アキノヒメミノガ♀の羽化
今年も始まった風物詩。しばらく近所のガードレールに通うことになる。こうして夜間にも健気にコーリングしているようだが、♂は夜間にはめったに見かけない。

(2021.10.31) 干無川のウグイ?の群れ
近所の干無川。三面護岸された都市河川だが、1年近く前に河川環境多様性向上のため河床に人工的に石を敷き詰める工事をしていた。当時はあまりピンとこなかったが、その後、おびただしい個体数のウグイ?の群れが日常的に見られるようになり、それを狙うサギ類もよく来るようになった。他、ハグロトンボやミヤマアカネも見られるように。たったアレだけでそんなに効果があるのかと。アユもそのうち遡上するようになったらおもしろい。



(2021.10.10) ミゾツヤドロムシとツヤヒメドロムシ
神奈川県内で河川の上流域でヒメドロ探しをやると、採れるのがこの2種ばかりでつまらん。両種とも、場所によっては非常に高密度にいる。


(2021.10.09) 赤いダルマガムシ
もうすぐシーズン到来だが、自分の報文が引き金となって、各地で続々と赤いダルマガムシ(シコクダルマガムシ種群)が見つかるようになったりしないものか。少なくとも、それなりに水量のある渓流に生息する種ならば、砂礫篩い法は有用なはず。落ち葉系の種には別の方法を考えないといけない。写真は神奈川県産ヨシトミダルマガムシ。

(2021.09.11) ナミアゲハとキアゲハの卍巴飛翔?
竹内剛「武器を持たないチョウの戦い方」を読んで思い出した昔見た光景。ナミアゲハとキアゲハの卍巴飛翔(?)。中2(1990年)のとき、たまたまカメラを持ってたときに遭遇して、連写もないマニュアルフォーカスで奇跡的に撮れたもの。数分間じゃれあってた気がする。チョウは大して見えてないというのは納得がいく。

(2021.09.05) 小鮎川の河原 半年間の変化
近所の小鮎川。年初にやってた河川改修工事で河川敷が除去され、重機が入るために河床に本来とは逆側が土砂で埋められて、工事後もそのままの状態で放置されてたが、この半年間で見事に元に戻りつつある。カーブの内側に土砂が溜まるのが直感的に分かりにくいが、確かにそうなっている。河川の土砂の運搬能力を実感。

↑2021年3月27日
↓2021年9月5日

(2021.07.02) ミカンコハモグリの食痕から得たヒメコバチ@南足柄市
ミカンコハモグリの幼虫を採集しようと、ミカン畑から食痕のある葉を失敬してしてきてが、中を開いても幼虫は見当たらず、何やら微小で平べったい蛹が入っていた。多くの葉にいろいろな大きさのが入っていた(写真2枚目)。最大の個体で体長1.5 mm. そのまま置いておいたら、ヒメコバチ科の寄生蜂が羽化した(3枚目)。体長1.1 mmで、写真2枚目の最大の蛹から羽化したもの。他の蛹も羽化したが、容器の隙間から逃げられたらしく行方不明。ミカンコハモグリの幼虫に寄生する生態なのだろうが、こんな微小な蛾にもちゃんと寄生蜂がいるのがすごい。



(2021.06.23) 水田で見つかる幼虫とか@厚木市
順に、ハイイロゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、コガムシの幼虫。ホウネンエビ。




(2021.06.18) 水田の水生昆虫@厚木市
最近近所の水田で見つけた水生昆虫。区画整理した水田も、あちこち巡れば案外いろいろな種が見られる。順に、コシマゲンゴロウ、ゴマフガムシ、タマガムシ、コオイムシ。卵を背負ったコオイムシは初めて見た。他、チビゲンゴロウとコガムシはどこでもいる感じ。マメガムシの分布は意外と広い。





(2021.06.01) アオハダトンボ♂@相模原市
美麗種。慎重に近づいて腕を伸ばしてカメラのみ近づければ、意外と逃げない。とまってから翅をパタパタして畳み直すクセがある。畳み直すと3枚目のように翅が下がり、せっかくの美しい腹部が隠れてしまうので、草とかにとまったらすぐに撮らないといけない。



(2021.05.29) キベリマメゲンゴロウ@厚木市相模川
相模川の水際に健在。個体数も多く、ツマキレオナガミズスマシ、コオナガミズスマシと一緒にせわしなく動き回っているのが観察できる。



(2021.05.23) ミヤマカワトンボ@相模原市
串川にて。石の上をせわしなくひらひらと飛び回る様子が美しく、すぐ隣の石に座り込んで時間を忘れて眺めていた。近くに人間がいても、動かなければさほど警戒しないらしい。




(2021.05.16) 近所の夜の水田@厚木市
近所の水田の田植えが始まって、夜に見に行くと環境が賑やかになってきた。この辺の水田は用水路もコンクリートの整地された水田で、あまり調べる気にならなかったが、実際行ってみると、おびただしい個体数のマメガムシとゴマフガムシがいて驚かされた。とにかく数が尋常じゃない。いずれも県内の他の水田では見たことがないし、分からんものだ。
他、トゲバコマフガムシ、コガムシ、チビゲンゴロウを確認。



(2021.05.15) ナベブタムシ@相模原市
ヒメドロを探したが、川底が泥っぽくてまったく採れず。ヒメツヤドロムシくらいいてもよいものだが。その代わりにナベブタムシが大量に網に掛かった。あまり見たことないが、いるところには極めて普通にいるようで。


(2021.05.03) アサヒナコマルガムシ@長野
標高1300 mのいつもの高原。新たに湧水湿地を発見。この辺にはこの手の場所がいくらでもある。アサヒナコマルガムシは健在。


鹿が嫌って食べないのか、バイケイソウ?が毒々しく芽吹いている。

写真ひどいがホソクロマメゲンゴロウも泥の中から出てきた。

(2021.05.02) いろいろ@相模川河川敷

ダイミョウセセリ関東型



アオヒゲナガトビケラ属の一種、らしい。樹葉上にたくさんいる。トビケラに見えん。

(2021.04.25) トゲバゴマフガムシ@相模川
相模川のワンドの水際で発見。普通種らしいが、個人的にあまり見たことがない。ワンドではあっても、川にいるのは珍しいのではなかろうか。他、おびただしい個体数のクビボソコガシラミズムシが見つかった。コモンシジミガムシより多い。初見のミズダニ類(オヨギダニ属?)もいた。このミズダニは湧水が流れ込むところのみに多産していたので、環境にうるさいらしい。



(2021.04.18) ツツミノガ科の一種@清里
3月に山梨県の清里高原で採ってきたミノから成虫が羽化したColeophora sp. ツツミノガは、ミノガと逆にミノの固着している端部から成虫が出てくるので、羽化時には足場が必要。発砲スチの土台にミノを接着しておいたら、5匹全部羽化成功(昨年はここで失敗)。果たして、種同定できるか??未記載かも。ちょっと調べた範囲だと、ツツミノガで黒っぽいのは少ないし、ミノの形態が一致する種は見つからず。ミノはすべて電柱に付いていたので、食草も不明。


(2021.03.28) ホソヒメツヤドロムシ@東京都
低山帯の沢の浅瀬で、網を使わず目視で発見。小さい!1.2 mmくらいしかない。

(2021.03.27) 近所の小鮎川(相模川支流)
近所の小鮎川。2019年の台風19号の増水時に壊れた土手の改修と川底の土砂除去の工事が完了したのだが、左側に河原を残しているのはなぜ????この場所は右に緩くカーブしており、元々は右側に河原があったのだが。意図的に逆に河原を作って川を蛇行させ、湿地帯の自然発生を目論んでいるのだろうか?実際問題、どのように遷移していくのか興味がある。

(2021.03.20) ホソアカガネオサムシとアオオサムシ@山梨県北杜市
標高1300 mほどの清里高原にて。森の中で普段めったにやらない朽木割りを少しだけやると、ホソアカガネオサムシアオオサムシが出てきた。ホソアカガネはこの辺で個体数が非常に多いらしい。アオオサは、神奈川では土中で越冬している個体しか見たことがなく、朽木からは初めて見つけた。


(2021.03.08) ヒメシジミガムシ
基本的にコモンシジミガムシと同所的に生息しており、コモンの方が個体数は多いのが普通かと思ってたが、場所によってはヒメの方が多いこともあるということに最近気づいた。頭部と前胸が赤みを帯びた個体がたまに見つかる。


(2021.03.07) 神奈川のセスジダルマガムシ
図鑑等では普通種扱いのセスジダルマガムシだが、神奈川で採るのは難しい、と思ってたが、普通の川沿いの止水域の多産地をようやく発見した。いるところには本当にたくさんいるんだな、これ。水際をかき混ぜると次々と浮かび上がってきた。

(2021.02.20) 神奈川のヨシトミダルマガムシ
体長1.5 mmの微小水生甲虫。コレは生息地を探すのも生息地で個体を見つけるのも一筋縄ではいかない。生息地では、潜在的な個体数は相当多いと思われるが、とにかく小さいし、水面に浮いてこないので大変。色彩に変異があるらしいが、神奈川では赤っぽくて頭部が黒いのが多い印象。


(2021.02.12) アシマダラヒメカゲロウ@神奈川
珍しい種ではないが、よく見ると美麗。カゲロウと言ってもカゲロウ目ではなく、アミメカゲロウ目ヒメカゲロウ科。幼虫は水生ではない。

(2021.02.11) 虫がいない相模川の湿地
相模川の本流脇にある湿地帯。ここだけでなく、探せばあちこちにあるが、この手の場所ではほとんど水生甲虫が見つからない不思議。むしろもっと小規模な池とかワンドの方がいろいろ見つかる。一体何でなんだか。湧水起源なので、水はきれいなのだが。

(2021.01.31) オオヒラタゴミムシの幼虫?@厚木市相模川
相模川の水際の礫を掘ると、同種と思われるいろいろな大きさのが出てくる。水生甲虫の幼虫かと思ったが、どうやらゴミムシ類。たぶんオオヒラタゴミムシと思われるが、自信なし。こんな水際にいて大丈夫なのか?そもそも、オオヒラタの成虫をこの場所で見たことがあったか?

(2021.01.17) 初見のカニムシ@相模原市
神奈川の身近な秘境探検。相模川の河岸段丘の崖下を掘ったらこれが出てきた。おそらくアカツノカニムシPararoncus japonicus. カニムシ類の存在は知っていたが、実際に見たのは初めて。動きは非常に遅い。地中性らしいが、この形態にどのような合理性があるのか、何とも不思議な生物。ヒメハバビロドロムシも浮いてきたが、採集する前に見失った。



(2021.01.16) ヒメシジミガムシとコモンシジミガムシ@厚木市相模川
冬でも相模川の伏流水が湧いているところを少し掘ると出てくる。ヒメの方が上翅の色が若干明るいため、現場でも大方区別がつく。相模川では、個体数でコモンの方が圧倒的に多い。ヒメは影が薄くて今まで関心なかったが、越冬場所で多くの個体が集積するような微環境はあるだろうか。



(2020.12.30) チビズマルヒメハナムシ@厚木市
丘陵地の湧水流でヒメハバビロドロムシ探しをしているときに、完全に水に浸かった流木の裏側に付いているのを見つけた。ちゃんと生きていたが、水生ではないはず。こういう場違いな微小甲虫が水中からたまに見つかるが、一体どういう生態なのだろうか?体長1.3 mmしかなく、ここまで小さいと脚を引っ張り出すが大変。


(2020.12.07) 越冬中のコクロマメゲンゴロウ@厚木市
丘陵地のゴルフ場外縁の湧水流を調べたら、落ち葉の下で発見。水中というより、こういう泥っぽいところで越冬するらしい。そもそも、コクロマメをこんな身近な丘陵地で見つけたのは初めて。同じような湧水流はこの辺一帯の所々にあるが、コクロマメを見つけたのは、今のところここのみ。この水路は、2018年の初夏に調べたときはマルガムシとモンキマメゲンゴロウがたくさんいて、マルガムシは今回も水中からたくさん見つかったが、モンキマメはゼロ。果たして、相が変わったのか、季節的なものなのか。

(2020.12.06) ゴマダラチビゲンゴロウ@相模原市道志川
初採集。瀬の落ち葉だまりをかき混ぜて掬ったら採れた。本種は水中で越冬するのか。

(2020.11.29) アキノヒメミノガの♂と交尾ペア@厚木市
今年も近所の小鮎川沿いのガードレールでアキノヒメミノガの羽化が始まった。昨年同様、無翅の♀はたくさん見られたが、昨年同様、夜間や早朝にいくら探しても♂が見つからず、もしやと思い、日中に見に行ったところ、羽化直後の♂や交尾ペアが容易に見つかった。まさか日中に交尾するとは!先入観に騙された。


無翅の♀。ミノに留まって♂をコーリング中。


羽化直後の♂。まだ翅が伸び切っていない。


交尾ペア。この写真を撮りたかった。

(2020.11.21) ホソクビゴミムシ類の幼虫の寄主
P. Saska and A. Honek, 2004. Development of the beetle parasitoids, Brachinus explodens and B. crepitans (Coleoptera: Carabidae). Journal of Zoology 262(1): 29--36.
ホソクビゴミムシ亜科の幼虫は変わった食性をもつことで知られるが、幼虫の食性が解明されているのは世界でも数種類のみ。日本産種ではミイデラゴミムシの幼虫がケラの卵を摂食することで知られる。この論文では、マルガタゴミムシ属Amaraの蛹に寄生するBrachinusを写真付きで報告。他、Brachinusで知られる幼虫の寄主は、ミズスマシ科、ゲンゴロウ科、ガムシ科で、いずれも蛹とか。国内で河原で普通に見かけるコホソクビゴミムシBrachinus stenoderusも幼虫の生態は未解明だが、この論文が参考にならないだろうか。

(2020.11.03) 入れ歯洗浄剤を用いた蛾類交尾器の観察

川端春佳, 2019. 入れ歯洗浄剤を用いた蛾類の交尾器の観察 (2). 房総の昆虫, (65): 52-54.
中学生の自由研究で行った内容とのこと。おもしろい。蛾の交尾器の観察には水酸化カリウムで不要なタンパク質を溶出する必要があるが、入れ歯洗浄剤に1日漬け込めば、同じ効果が得られるとのこと。水酸化カリウムと比べるとはるかに時間はかかるが、わざわざ個人で劇物を購入するよりはハードル下がるし、良い方法だと思う。これで観察は何とかなりそうだが、交尾器の標本化はまだまだハードルが高い。

(2020.10.23) 津久井の不思議な牧場計画

神奈川県相模原市長竹の辺りの国道412号沿いに「津久井農場計画反対」とか書いてある物々しい看板がたくさん立っていて、一体何事かと思っていたが、調べると、実に異様な牧場建設計画が進行中なのが分かった。

樫田秀樹氏の素晴らしい記事参照↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/19220d02ac00786ec6a1d661d4ef1d1730299496

長竹の志田峠のすぐ近くの山林の急斜面の谷に60万立方メートルもの残土を運び込んで、谷を埋め立て平らな土地を造成し、250頭の牛を飼育する牧場を作る計画、だとか。計画の準備書の完成予想図(上画像)がすごい。素人目にも異様さが分かる。普通、山林を平らに均すなら、尾根を削って谷を埋めればよい気がするが、この工事では、谷にわざわざ残土を運び込んできて、周囲の尾根よりも高く盛り土する(!)計画らしい。

こんなのを作られたら、谷の下流側に居住する方々はたまったものではないだろう。昨今の頻度を増してる豪雨災害を考慮すれば、大雨で崩れて土石流が押し寄せる危険に常にさらされることになる。

この計画の怪しいところは、
  • 近くで始まるリニア新幹線のトンネル工事で出る残土が運び込まれるのではないか?
  • 牧場建設名目で残土を受け入れば、何十億円もの収入が得られるため、牧場建設は、残土受け入れビジネスのカモフラージュに過ぎず、盛り土だけしたら いつの間にか牧場の話はなくなるのではないか?
の2点。1点目は、適切な土木工事のために残土を受け入れること自体は、一般論としては問題ない。とにかく問題なのは2点目の方で、盛り土した後は、事業の関係者は誰も責任を取る気がないのではないか、ということ。
リンク先の記事を読む限り、建設を請け負うフジタや事業主の方々の近隣住民の方々への対応は不誠実極まりないし、確かにそう見えてくる。

これ、環境アセスをとてもクリアできる気がしないし、行政側のまっとうな判断を期待するしかない。

そもそも件の事業主の方は、20年以上も昔に一体どういう経緯でこの土地を入手した(買わされた?)のだろうか??そこが事の発端なのだが。

(2020.09.26) 水中から見つかるホソチビゴミムシ@相模川




雨後の微妙な増水時、ヒメドロでも採ろうと、相模川の川底の礫を攪拌して網で掬ったら、何と地上性のホソチビゴミムシとミズギワヨツメハネカクシ類がたくさん掛かって驚いた。掬えばいくらでも掛かり、掬い上げると活発に動き回ったので、決して弱っていたわけでもなく、ハネカクシはすぐに翅を広げて飛んで行ったので、濡れていた様子もない。他、普段、あまり深いところから見つからないコモンシジミガムシもたくさん掛かった。
翌日、水位が30 cmほど下がり、ほぼ平常時に戻ったので(写真)、再度水中を掬うと、今度は全然採れず、前日とは様子が変わっていた。これらの甲虫は、通常は水際ギリギリに生息しているので、増水時は、わざわざ遠くに避難するのではなく、そのまま動かず、水中で耐えているように見える。特に、地上性の種が一体どうやって呼吸しているのか??

ついでに相模川産のツヤドロムシも採集。採れたのは水位が平常に戻ってから。

(2020.09.13) チャイロチビゲンゴロウ@神奈川沿岸


海岸の崖下のこんな水たまりに多数の個体がいた。水は濁っていたので、たまに大波は被るだろうが、ほぼ淡水と思われる。

(2020.08.04) 虫がいない中津川(相模川水系)




近所にある相模川水系の中津川。厚木市内で相模川本流に合流しており、合流点に近いところはそこそこ大きな河川だが、相模川と違って水がキレイすぎるのか、異様なほど虫が少ない。写真の場所のワンドを夜に訪れても、チビゲンゴロウすら見つかららず、コモンシジミガムシばかり。3年前は、別の場所でモンキマメゲンゴロウやマメガムシを見つけたりしたが。
川底の礫をガサガサして網で掬うと、とりあえずツヤドロムシは容易に掛かった。

(2020.07.05) イソジョウカイモドキ@神奈川県江の島


岩場に健在。昨年は島西端の稚児ヶ淵で見つけたが[齋藤2018d]、南岸でも簡単に見つかった。本気で探せば相当見つかるはず。

(2020.07.03) ナガヒラタムシ@神奈川県厚木市

右の触角が微妙に細い左右非対称の個体。
一度見てみたいと思っていた原始甲虫だが、唐突に自宅のトイレの床の上で見つかった。家屋の中に入ることがあるらしいが、一体どこから飛んできたのか。これをフィールドで狙って見つけるのは相当難しそうである。

(2020.06.28) キタガミトビケラ@長野県央の高原(標高1300 m)
水中で石に固着した筒巣に入り、上流側を向いて脚を広げ、獲物を待つ。去年見つけた場所で同じようにたくさん見つかった。筒巣を岩に固着する柄が青っぽいのも去年と同じ。
果たして効率がよい採餌方法なのかピンと来ないが、1年で成虫になる様子からして、優れた戦略なのでしょう。おそらく1か月後には、すべて羽化していなくなる。



(2020.05.31) 逆立ちするコガネムシ@神奈川県厚木市


小鮎川の土手の上で逆立ちして、尾部から交尾器と何やら臓器?を10秒くらいの周期で出したり引っ込めたりしていた。一体どういう生態なのだろうか???真面目に知りたいが。

(2020.05.26) ゲンジボタル@神奈川県開成町
この辺りでは、水田脇の用水路等にも普通に生息していることに今更ながら気づいた。都市化が進んでいる神奈川でも、西部では未だに普通に見られるというのは感動もの。
一説によると、西側にある箱根外輪山からの清冽な湧水が豊富にあるのが要因の1つとか。


(2020.05.24) クロオオアリの新女王@神奈川県厚木市

厚木中央公園で発見したクロオオアリの♀。巣穴から出てきた個体は一目散に近くの木を駆け上がり、高い所から次々と飛び立っていった。

(2020.03.28) トゲアリ(アリヅカコオロギも)@神奈川県厚木市
市内の某山寺でトゲアリの巨大なコロニーを発見。石灯籠の基部の穴から、すぐ近くのヒノキの樹上の洞に向かって行列が伸びていた。おそらく、地中の穴で冬を越し、暖かくなったので樹上に引っ越しの作業中か。幼虫をくわえた個体が多数。行列に追従するアリヅカコオロギの一種も見つかった。6月に再訪すれば、ケンランアリスアブが見つかるかも。




(2020.03.19) シロテンエダシャク@神奈川県厚木市
早春を告げるエダシャク。

(2020.03.19) ハルノチビミノガ@神奈川県厚木市
市内の山寺の裏山を散策して成虫を発見。早春に出る微小ミノガ。小さいながら、斑紋が美しい。本種のミノは寺の境内で見つけている。

(2020.01.19) コマダラウスバカゲロウの幼虫@神奈川県厚木市
民家の石垣に生えた地衣に数匹が紛れていた。こんな冬場でも、大顎を一杯に広げて獲物を待つらしい。

(2019.12.27) クロオビフユナミシャク@神奈川

日中飛翔していたのを追って、地上に降りたところを撮影。フユシャクは昼間でも活動するのか。

(2019.11.28) アミメクサカゲロウの一種@神奈川県開成町

種同定はともかく、灯火飛来した個体をよく見る。意外とメタリック。

(2019.11.06) ウスチャヤガ@神奈川県厚木市

夜間に飛翔する♂を追ったら、地上で待つ♀に舞い降りて、交尾が始まった。

(2019.11.04) ツツミノガ科の一種@山梨県清里
標高1300 m近い清里高原の道路脇の電柱にツツミノガ科らしき幼虫のミノが点々と付いていた。現状、種不明だが、キンバネツツミノガに近い?? 2個のみ持ち帰り、翌春の羽化を待つ。

(2019.0927) ヒメアリ@神奈川
石灯籠のてっぺんで繰り広げられる、旅立つ羽アリを送る祝宴、のように見えなくもない。

(2019.09.22) ミヤマショウブヨトウ?、他@長野県八島ヶ原湿原

ミヤマショウブヨトウ?
無冠のショウブヨトウかも。写真のみでは同定難。ハバヤマボクチの花でいつまでも吸蜜していた。


ウラナミシジミ。なかなか翅を広げてくれない。

ヒョウモンチョウ。ボロボロながら、健気にアザミに群がる個体がたくさんいた。

(2019.08.11) メクラチビゴミムシの一種 Trechiama sp. @山梨県道志村

初採集の地下性ゴミムシ。複眼は痕跡しかない。夜間の渓流探索で水際の石の上にいたのを発見。単なるルッキングで見つかったのはかなりの幸運。

(2019.08.11) トゲアリ@山梨県道志村
.
道志村のキャンプ場内で発見。何でもないケヤキの幹の所々に数10匹単位のグループを作り、クチナガオオアブラムシに群がっていた。特に行列を作っているわけでもなく、巣がどこにあるのかも全然分からず。キャンプ場内で見つけたのもこの木のみ。

(2019.08.04) アミメクサカゲロウの幼虫@神奈川県相模原市

相模川段丘崖の湧水付近にいた。不思議な白い綿のようなものを背負いながら歩く。

(2019.07.15) カブトムシ@茨城県桜川市
溜池の畔のヤナギの樹液に集まっていた。ここまでたくさん集まっているのは、子供のころからも見たことがない。なぜか♂が多かった。

ムナビロオオキスイ

(2019.06.22) スゲハムシ@長野県央の高原(標高1300 m)
2年前に見つけた生息地。成虫の発生期間が短く、時期を合わせて来ないと観察できない。昨年は7月に来て、既に発生期が終わって1頭も見られなかったが、今年は色とりどりの多くの個体を観察できた。

(2019.06.22) キタガミトビケラ@長野県央の高原(標高1300 m)

石に固着した筒巣に入り、脚を広げて流下する獲物を待ち構える。源流域の緩く浅いところで、コレが川底にたくさんいる場所を見つけた。水深も10 cmほどしかなかったので、水の上から楽々撮影。あの小松先生によると、本種の分布はかなり局所的で、刺激するとすぐに柄を噛み切って流下して逃げるので、撮影は難しいとか(小松貴「昆虫学者はやめられない」)。この生息地を見つけたのは幸運だった。

(2019.06.22) ホソクロマメゲンゴロウ@長野県央の高原(標高1450 m)
.
某スキー場ゲレンデ下にあった謎の土管穴から氷水のように冷たい水が湧いており、中を覗くとホソクロマメゲンゴロウが。
長野の高原ではこんなしょうもない水場も見逃してはいけない。

(2019.05.12) ミヤマベニコメツキ@神奈川県箱根

ベニコメツキ類は初見。前胸に十文字状に溝があるので、ニホンベニではなくミヤマベニ。

(2019.05.06) ハスオビエダシャク@長野(標高1300 m)

Descoreba simplex simplex Butler, 1878
春到来を告げるシャクガらしい。高原では下界より1か月ほど遅い。

(2019.03.29) コケシガムシ、ヒメホソハマベゴミムシダマシ@神奈川)

ガムシの方は、浜に打ち上げられた湿った海藻の下にハネカクシ類と一緒にたくさんいた。
ゴミダマの方は、やや乾いた流木の下に。

(2019.03.10) コカクツツトビケラの筒巣@厚木市、相模川
甲虫の翅のカケラを利用するオシャレなヤツ、ウキクサを利用する個体などがいておもしろい。ウキクサは大きさが初めからちょうどよいのか、わざわざ適当な形に切っている様子はない。切らずに済むなら積極的に利用して手間を省いているのか。

(2019.02.11) タテジマカミキリ越冬中@八王子市

長池公園にて。見事な擬態。よく見ると、自分の体に合わせて枝の一部を平らに削った上で、そこにピッタリと貼り付いている。この公園は採集禁止なので写真だけ。

(2019.01.16) クロバネフユシャク@柏市
Alsophila foedata Inoue
こんぶくろ池自然公園にて。チョウかと思って撮影したが、蛾だった。このように翅を閉じて留まっているのは、羽化直後、らしい。

(2019.01.16) クロモンホソコヤガ@柏市
クロモンホソコヤガ
Araeopteron kurokoi Inoue, 1958
こんぶくろ池自然公園にて。樹皮の裂け目に隠れて越冬していた個体。小さい!
ヤガ科コヤガ科

(2019.01.06) フユシャク3種@町田、厚木
イチモジフユナミシャク
Operophtera rectipostmediana Inoue, 1942
町田市忠生公園にて。初めて見たフユシャクの♀。
シャクガ科ナミシャク亜科
チャバネフユエダシャク
Erannis golda Djakonov, 1929
同じく町田市忠生公園にて。初めて見たフユシャク♀2種目。
シャクガ科エダシャク亜科
シロオビフユシャク
Alsophila japonensis (Warren, 1894)
厚木市内自宅マンションにて。
シャクガ科フユシャク亜科

(2018.12.01) オオトビモンアツバ@厚木市内
Telorta divergens (Butler, 1879)
自宅マンションに灯火飛来した個体。もう12月だが、まだ活動中?
ヤガ科アツバ亜科

(2018.11.18) ノコメトガリキリガ@厚木市内
Telorta divergens (Butler, 1879)
自宅マンションに灯火飛来した個体。市街地でも見られるキリガ普通種。
ヤガ科ヨトウガ亜科

(2018.11.04) オオチャバネフユエダシャク@長野(標高1300 m)

Erannis defoliaria gigantea Inoue, 1955
山地性のフユシャク。分布はかなり局地的らしい。周辺はカラマツ林なので、幼虫はカラマツに付いているのでしょう。

(2018.11.04) アリヅカウンカ@長野(標高1300 m)
そこら中に点々と見つかった。この時期に発生し、成虫越冬するらしい。何らかのアリに寄生すると言われているが、いまだ宿主は見つかっていないとか。とりあえずこの辺では個体数が多いらしいので、この季節にアリの巣を徹底的に見て回れば、宿主が見つかるかも。

(2018.10.29) ヒメガガンボ科@神奈川県愛川町

ヒメガガンボ科?@中津川。夜間、河道内にある岩の水際でたくさん群がっているのをよく見かける。かなり水際ギリギリの危険な場所を攻めている印象。♂♀のペアが重なって尾の先を岩の表面に付けている。交尾しているのか、産卵もしているのか?

(2018.09.17) ツノアオカメムシ@長野
美麗種!神奈川でも記録があるらしいが見たことがない。

(2018.09.06) コオイムシ@開成町

田んぼにたくさんいたが、何と神奈川県絶滅危惧IB。まだ厚木では見ていない。

(2018.08.30) 厚木市内某水田で見られる水生甲虫
チビゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、コガムシ、ヒメガムシ、キイロヒラタガムシ
他、ハイイロゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、トゲバゴマフガムシもいた。ハイイロゲン、キイロヒラタ、トゲバゴマフの個体数は少ないが、他は実におびただしい個体数がいた。種数、個体数いずれでもこれほど多くの水生甲虫が見られる場所は、神奈川県内でも稀少ではなかろうか?

(2018.07.18) @クビボソコガシラミズムシ@厚木市

自宅近くの相模川のワンドや河川敷の池の水際を覗くと、本種がチョロチョロ動き回っているのがよく見つかる。神奈川では相模川本流で生息地が点々と分布しているらしいが、支流では不思議と記録がない。本当に他の川にはいないのだろうか??生息地を決める要因がいまいち判然としない。

(2018.06.30) 鱗翅目@長野
トラガ
Chelonomorpha japana
地面で休息中?そろそろ寿命?
ウスベニヒゲナガ
Nemophora staudingerella
やはりヒゲナガの仲間は美しい。
セグロベニトゲアシガ
Atkinsonia ignipicta
脚を上げてベニボタルに擬態しているとか。確かに、同時に同じ場所にベニボタルがたくさんいたが。発生期も合わせているのだろうか。
クジャクチョウ
Inachis io
美しすぎる蝶。地面で休息中。おそらく羽化間もない新鮮な個体。
シロテンキノメイガ?
Nacoleia commixta
同定自信なし
キバラヒメアオシャク
Hemithea aestivaria
縞模様の縁取りがオシャレ。
ウラジャノメ
Lopinga achine jezoensis
どこにでもいそうだが、本州では山地性。多くの個体が汗を吸いにたかってきた。

(2018.06.25) ホタルガ@神奈川県厚木市内
ホタルガ Pidorus glaucopis
これも羽化直後の個体か?自宅マンションに灯火飛来。これからの季節、続々といろいろな蛾が来るはず。

(2018.06.08) ハセガワダルマガムシ@神奈川県内某渓流
ようやく採った神奈川産ダルマガムシ。定石通り渓流内にあるコケむした石の水際から3頭採集。体長がいずれの固体も1.9 mmほどしかなく、ハセガワダルマにしては小さ過ぎる気がするが、前胸の点刻の分布などから判断するとハセガワダルマとしか思えない。この渓流の個体群は小型なのだろうか?
渓流内を結構探索したが、今回は結局1つの石からしか採れず。

(2018.06.04) カノコガ@神奈川県厚木市内
カノコガ Amata fortunei
羽化直後の個体か?

(2018.05.27) クチキクシヒゲムシ@神奈川県南足柄市
明神ヶ岳山麓の鬱蒼とした杉林にて。登山道脇の杉の幹に付いていた。
体長21 mmもある大型の個体。一瞥してコガネムシ科の普通種と勘違いし、危うく素通りするところだった。よく見ると触角の形がコガネ類と違うし、大顎もあるではないか。この大きさにもかかわらず科名すらさっぱり分からず、マイナーな種の甲虫は小さいものばかり、という先入観を見事に裏切られた。
おそらく産卵前の♀だったもよう。本種はものすごく珍しいわけではないようだが、成虫の出現時期が5月末から6月初めの短期間に限られるため、発見される機会が少ないらしい。今回発生期に山に入って見つけられたのは非常に幸運だった。

(2018.05.25) 初ヒメドロ@神奈川県内某渓流

ヒメドロ初採集。ムナビロツヤドロムシで、正確にはヒメドロムシ科ではなく近縁のドロムシ科。
渓流内に落ちていた杉の枯れ葉に付いていた。まだ微小な水生甲虫類の採集に慣れてなく、採れたのは1頭のみ。

他、同渓流でフタモンヨツメハネカクシを採集。水際の濡れた石の表面を活発に動き回っていた。体長は3 mm程の細い体型で、目視では甲虫と判別できないレベル。鬱蒼とし過ぎて水生昆虫に乏しい環境だが、本種だけはたくさんいた。拡大してみると、ハネカクシ類としてはなかなかの格好よさ。

(2018.05.19) イソジョウカイモドキ@神奈川県江の島

江の島の岩礁に普通にいて驚いた。満潮時には海水をかぶるこんな場所にこんな見つけやすい甲虫がいるとは。
♂(左)と♀(右)。
海岸の断崖とか岩礁も興味深い。

(2018.05.17) ゴミムシ以外で気になる甲虫類 メモ(更新)
  • ガムシ上科
    • セスジガムシ科:日本産わずか5種。神奈川では宮ノ下産によるSharpによる1884年記載のセスジガムシ1種のみ記録。記載以来記録なし。東京都でも記録なし。
    • ホソガムシ科:日本産はわずか4種。神奈川県では記録なし。東京都ではヤマトホソガムシのみ記録がある(板橋区1991年)。ため池や湿地などの止水性。格好いい形をしているが、果たして見つかるかどうか。
  • ハネカクシ上科
    • ハネカクシ科:
      • ヒョウタンハネカクシ:一見ゴミムシ様の特異な形態のハネカクシ。Brathinus属は日本から2種のみ?湖沼の葦等の根際に群集する、らしい。
    • ダルマガムシ科:日本産39種。神奈川では以下の3種のみ。小さいが格好いい。
      • セスジダルマガムシ:湧水付近の藻類の中?寄沢1997, 小田原1981, 宮ノ下1884.
      • ハセガワスジダルマガムシ:岩がごろごろした日当たりのよい渓流の岩の表面。藤野町沢井栃谷1997, 鳥屋奥野水沢橋1997.
      • クロコブセスジダルマガムシ:神奈川県準絶滅危惧。淡水が染み出す岩礁の壁面!なぜこんな環境に生息??体長わずか1.5--1.6 mmほど。横須賀市天神島1978. 三浦半島の岩礁で広く分布している可能性がある、らしい。江の島とか真鶴半島はどうでしょう?
  • ドロムシ上科
    • ナガハナノミ科:日本産5属18種。神奈川では8種記録あり。
    • ヒメドロムシ科:日本産14属44種。神奈川では15種記録あり。とにかく、大小にかかわらず自然に水が流れている場所を熱帯魚用の目の細かい網(底には穴をあける)ですくえば、何かしら採れそうではある。
      • ハバビロドロムシ:座間市内丘陵地の「いっぺ窪湧水」で記録あり。
      • クロサワドロムシ:南足柄の矢倉沢で記録あり。
  • カッコウムシ上科
    • カッコウムシ科:日本産30属52種。神奈川県で18種記録あり。ほとんどが捕食性?未だに見たことすらない。どこをどう探したらよいのか。とりあえず初夏~初秋に森に入って探すしかない。
  • ゴミムシダマシ上科
    • ナガクチキムシ科:日本産39属100種。神奈川県で54種記録あり。中型で美麗種が多い。朽木やキノコに付く。未だに見たことすらない。とりあえず初夏~初秋に森に入って探すしかない。
    • アリモドキ科:日本産12属60種。神奈川県で35種記録あり。地表徘徊性なのでゴミムシ類と同様に見つかりそうだが、見たことがあるのは、相模川河原でのヨツボシホソアリモドキのみ。
  • ハムシ上科
    • ハムシ科ネクイハムシ亜科:日本産3属23種、神奈川県で記録のある(あった)のは以下の5種のみ。
      • スゲハムシ:5--6月。この仲間では普通種で、長野では採集したことがあるが、神奈川ではほとんど見られない。上荻野、鳥屋で記録があるようだが。
      • ホソネクイハムシ:不明種。5--6月。水路・ため池。ガマ類、ミクリ類。
      • ヒラタネクイハムシ:絶滅危惧I類。5--6月。山間の湿地。スゲ類。
      • イネネクイハムシ:絶滅危惧II類。6--9月。ため池・水路・休耕田。ヒルムシロ類、ヒシ、ハス等。ハスの害虫。
      • キイロネクイハムシ:絶滅。4月。池。1962年の記録が最後。スゲ?


(2018.05.07) ホソオビヒゲナガ
蛾撮り第3号は
ホソオビヒゲナガ♀ Nemophora aurifera (Butler, 1881)
@神奈川県南足柄市。一般の蛾のイメージからはかなりかけ離れる形態。メタリックな上翅が美しい。昼行性で、初夏の日中に見つかる。
ヒゲナガガ科の幼虫の食性は不明な種が多いとか。なかなか興味をそそられる分類群。

(2018.05.03) ホソダルマガムシ?@長野
長野県央の標高1500 mほどにある渓流で採集したダルマガムシ。ダルマガムシ類としては初採集。
体長2 mm。
ホソダルマガムシのように見えるが、知見のある人によると、長野で採れる未記載種の可能性もあるとのこと。
まだ肌寒い遅い新緑の季節にわざわざ冷たい渓流に分け入り、延べ3時間ひたすら水中の流木を拾い上げて表面を調べる作業を延々と続け、ある流木に本種が2頭付いていたのを発見。こんな小さいの、我ながらよくぞ見つけました。本命はヒメドロ狙いだったのでこんな探し方をしたわけだが、ヒメドロの方は死骸しか見つからず。

(2018.04.19) シマシマコメツキ??
3月に厚木市内の行きつけの湿地で掘り出した謎のコメツキムシ。
体長が16.5 mmもある比較的大型の種で、これほど特徴的な縞模様があるにも関わらず、保育社図鑑に載ってないのには驚いた。一体何という種なのでしょう?
雰囲気は明らかにシモフリコメツキ類(Actenicerus属)だが、上翅は霜降り模様ではない(光の当て方を変えても同じ)。分類が難解なコメツキ類に深入りするつもりはないのだが、大平仁夫先生の論文を取寄せて調べてみるか。
採集地の湿地ではツヤヒメヒョウタンゴミムシも見つけてるし、あの場所はまだまだ掘れる宝の山。
⇒オオシモフリコメツキの変異でした。詳しくは[齋藤2018c]。

(2018.04.12) 水生甲虫の生息場所を発見@厚木市 (#3)

今回は相模川の西岸。ヨシが生える水流が緩やかな水際で、キベリマメゲンゴロウの生息地を偶然発見。本種は神奈川県内でも分布が局所的で、相模川沿岸の他、数か所しかないらしい。
夜間に探索したが、ライトで水際を照らすと、非常に多数の成虫がキラキラと動き回るのが見られた。
こうして生息地には多数いるわけで、県内で数か所しか生息地が知られていないというのが感覚的に理解しにくい。本気で探せばもっと見つかるのではなかろうか。

本種がどれくらい移動するのか分からないが、一生を通してあまり移動しないと仮定すると、今ここにいる成虫たちは、2017年秋の長雨時の増水もくぐり抜けてきたわけで。当時、水位が2 m超も上昇し広大な濁流となっていたが、その時はどこでどうしていたのだか。

(2018.04.08) 水生甲虫の生息場所を発見@厚木市 (#2)

市内某自然公園の駐車場。裏の崖から年中湧水があり、あふれた水は駐車場の舗装の上を流れている。
もしや?と思い、駐車場と崖の境界にできている水溜まりの中を探索したら、キベリヒラタガムシとマメゲンゴロウを発見。特にキベリの方はたくさんいた。
良く見ると微細なミミズのような生物もたくさんおり、ここに棲む限り食物には困らない模様。
おそらくどこかから飛来して棲み付いたのだろうが、こんなミクロな環境を見つけ出して脈々と命をつないでいるたくましさには感心せざるを得ない。
上記2種は、水生甲虫類としては普通種。水生甲虫類は絶滅危惧種が多いが、普通種が普通種たる所以が垣間見える。

(2018.04.07) 生物多様性保全のために里山環境の保全が必要?②
(2018.02.02) 生物多様性保全のために里山環境の保全が必要?①の続き。
生物多様性の保全を目的とした場合に、里山環境の保全が必要な理由がようやく分かってきた。
富田啓介「里山の『人の気配』を追って」 花伝社 (2015) によると、理由は以下の3点に要約される:

①放置して植生が極相林に遷移すると、里山環境に依存していた生物種がいなくなり、返って多様性が減少してしまう
実は、適度に撹乱が入った方が、その環境の生物多様性は増大する(中程度撹乱説)。原生林のような環境の場合、その環境に適応しニッチを優占できる一部の種が増えて、種数はむしろ減る。

②人が手を入れ続けてきた里山を放置した場合、その後の植生の遷移が極相に向かって適切に進むとは限らない
里山林の植生は、その場所の気候に対応する極相林の樹種とは異なり、そのまま長い年月を経ているため、極相林樹種の種子の供給源が周囲にない場合が多い。関東地方の気候の場合でも、極相はシイ、カシ類の常緑樹であり、里山林を構成するコナラやクヌギではない。

③外来種が繁殖してしまう可能性がある
外来種は、極相林よりも攪乱の多い里山の環境の方が繁殖しやすいため、単純に放置すると、すでに侵入している外来種が余計に増える可能性がある。

いずれも、相当説明を要する気がする。
いずれにしても、生物多様性維持のためには、人が手を入れ続けて里山の環境を維持する必要があるのは納得。
しかし、生物多様性維持の本来の目的に立ち戻った場合、そこまでする必要があるのかという社会的な問題は依然残るのだが。

武内和彦ら編「里山の環境学」東京大学出版会 (2001) に、市民ボランティアによる里山環境の維持活動で、長年放置されササが生い茂った雑木林の下草刈りや皆伐を行った結果、強い日差しを受けた林床が、パンドラの箱を開けたようにササやツル植物が一気に茂り、元の状態よりもひどい藪になった、との記述がある。

とにかく思うのは、里山の維持という共通の目的をもって関心のある人が活動をしても、やって良いことと良くないことの区別が素人目には難しすぎる、ということ。
ちょっと考えても、以下のようなやり方が必要なのではなかろうか?

①生態学的な知見に基づいた、効率的な里山維持管理法の確立(既にあるのか?)

②既存の里山環境の生物相を調査し、維持すべき里山の優先順位付けをし、里山ごとに、最終的に目指す植生を決める。
里山維持、現状放置、それらの中間などいろいろなレベルで。全部を維持するのは経済的に非現実的。

③上記目標に向かって、専門家の指導の下、管理作業を行う(誰が?)

上記に掛かる労力とカネは誰が負担するのか、という問題はどうしても残るが、この手の自然環境維持の問題に関心のある人は潜在的には相当いそうだし、ボランティアによる作業の他、寄付による資金集めがもっと普及すればよいと思う。
以上、素人による戯言。

(2018.04.04) 「森の里東土地区画整備事業」が進行中@厚木市

七沢森林公園の展望台から東側を望むと、ずいぶん山を削ってるなと思っていたが、あの辺に残っている里山を潰して新しい街を作るらしい。
せっかく残っている下古沢地区の里山の谷戸が失われてしまうのは残念だが、計画の資料を見ると、南側の谷戸は自然緑地として残すようで、里山林の尾根も分断されることはないように配慮されるようなので、環境保全を意識したこの辺の判断には率直に敬意を払いたい。

それにしても、東京の町田の当たりと比べると、厚木市に残る谷戸地形は本当に数えるほどしかなくて貴重なのだが、それが今回の開発でまた減ってしまう。開発予定地の谷戸はどうせ完全になくなるのだし、工事が始まる前に谷戸に足繁く通って、目ぼしい虫たちはできるだけ採集して記録に残す方が得策。

そう思って、予定地の北側の谷戸に夜間行ってみたら、奥の方はすでに重機が入っていて、谷戸の底は完全に埋められていた。入口に近い方はまだ手付かずのようで、尾根からの湧水流も一見問題なく、見つかったゴミムシ類を徹底的に採集。

幸か不幸か、 今回は採ったことがある普通種ばかり。
もし、オオサカアオゴミムシとかのすごい希少種を見つけてしまったら、残す方の南側の谷戸に移してあげたくなる。
そういう行為の是非は高度に生態学的な問題なのだが、すぐ隣の似たような環境の谷戸だったら問題ないでしょう。
局所個体群が絶滅するよりははるかにマシ。

(2018.03.29) 水生甲虫の生息場所を発見@厚木市 (#1)


既に活動を開始しているマルガムシ。水面を裏向きに泳ぐ特技も見せてくれた。
モンキマメゲンゴロウもたくさんいたが、動きが速くて写真を撮れず。
場所は神奈川県厚木市内の某ゴルフ場外縁の道路脇側溝。ゴルフ場外縁の斜面から湧水があり、側溝に流れ込んでいる様子。恒常的に流水があるかどうかは不明。側溝内に流水がある部分は長いのだが、どいうわけか、上記甲虫類は長さ数メートルの範囲のみで見られた。
この辺りの湧水流は昨年からあちこち調査しているが、水生甲虫を見つけたのは今回が初めて。道路脇側溝とは盲点だった。我ながらよく見つけました。
この手の水生甲虫類は、日本全国どこでも絶滅しかかっているので、生息場所が見つかると嬉しい。

近所には某公園があって、公園内の水路に仰々しく保全エリアを設定しているが、そこではザリガニが繁殖していて水生甲虫類の気配なんて皆無だし、今回見つけた側溝の方がよっぽど重要。

(2018.02.22) 生物多様性保全のために里山環境の保全が必要?①
生物多様性が重要と昨今よく言われるが、なぜ重要かを改めて考えると少々説明を要する。
現存する生物の多様性を保存することが重要なのは現代人ならば直観的にも分かるが、「生物多様性」の字面のみを知って勝手に解釈すると、

様々な種の生物の多様性が維持されることが重要。
人間の開発行為は生物種の減少させるものであるから、開発行為はすべてやめるべき

とか、

多様な種が共存する方がよいのだったら、外来種もわざわざ排除する必要などない。
そもそも現存する生物種群も過去に別の場所から入ってきたものであり、一部の外来種のみ敵視するのは無意味である

とかいう両極端な考え方に行きつきやすい。

生物多様性の保全は、実は、「人間が」自然界からの恵みを持続的に利用可能にするのがそもそもの目的なのであって、あくまで人間本位の概念であることが、一般に見落とされやすい。
例えば、人間が古来から営んでいる農業は、自然環境を改変し、少なくとも農場では極めて単純な生態系を作る行為であり、農業栽培種も外来種が多くあるが、生物多様性保全の考えは、これらを否定するするものではない。
農業は、自然界からの恵みを持続的に利用する行為そのものであるし、外来種で問題になるのは、侵入先で生物多様性を減少させ、人間活動に害を及ぼす可能性のある「侵略的外来種」のみである。

と、ここまでは自分でも分かるのだが、、、よく言われる、

「生物多様性の保全が重要である」
したがって、
「日本人が古来から維持してきた里山の環境の保全が重要である」

の論理が未だに判然としない。別に、自分は里山環境の保全が不要と考えているわけではなく、現在残っている里山は可能な限り残して、そこに見られる希少種も未来永劫に命をつないで行って、生き物好きの我々の目を楽しませてほしいと思っているが、上記の論理のつながりの科学的な根拠が単に知りたいのである。

「里山」が原生林的な環境だったらまだ分かるのだが、実際は、人間が薪炭と水資源を利用するために人の手を入れて維持してきた半人工の産物にすぎない。
里山の環境を維持すれば、里山林から薪炭が得られ、田圃からは米を収穫できるが、現代において、わざわざ経済的な合理性を無視して里山環境を維持してまで享受すべき恵みと言えるのだろうか?

元里山だった場所をわざわざ積極的に潰して開発するのは論外だと思うが、最悪そのまま放置したとして、実際問題、何が起こるのでしょう?
田圃は雑草に覆われ、里山林も成り行きに任せて現状とは異なる樹種構成の森林に遷移していくのだろうが、その過程で生物多様性が確実に減少すると言えるのだろうか?
里山環境に強く依存していた一部の種は絶滅を免れないかもしれないが、それを避けるために、人間の経済合理性を無視してミクロな環境の保全を行うのは、生物多様性の保全の重要性が、本来人間の利益享受が目的だとするならば、本末転倒に見えてくる。

おそらく、里山の管理を放棄した場合の問題について自分がまだ不勉強なだけなのだが、いずれにしても、なかなか一般には理解しにくいのではなかろうか?
引き続き要勉強。

(2018.02.15) アオゴミムシ、コガシラアオゴミムシの産卵行動
国会図書館が便利すぎる。古い昆虫雑誌や同好会誌の記事も、ページさえ分かって入れば実費だけで丁寧にコピーして送ってもらえる。一般には入手しにくい博物館の研究報告とかでも可能。
今までわざわざ古書店で何千円も掛けて古本を買ってたのがアホだった。

田中康司, "何故アオゴミムシは集中して産卵するか?―飼育観察から", 昆虫と自然, 25(10), 29--33 (1990).
田中康司, "河原の歩行虫の活動時間(3)―コガシラアオゴミムシ", 昆虫と自然, 25(2), 31--32 (1990).

こんな文献を入手し読んでみた。アオゴミもコガシラアオも、産卵時には泥で作った容器(泥壺、mud cell)を作り、その中に産卵するらしい。泥壺は草の茎の地面に近いところに作られるとのこと。アオゴミ類は美麗種が多いので愛好家もそれなりにいるが、この産卵時の生態を知っている人は少ないのではなかろうか?泥壺も、それを知っていないと、実物を見ても単に土の塊が植物に点々と付いているようにしか見えないだろうし。

それにしても、一体どうやって泥壺を作るのだろうか?
泥の塊を少しずつ大顎でくわえて茎に付けていくのだろうか。
あるいは、一度地上で作ってから、顎でくわえて茎によじ登って付けるのだろうか。
いずれにしても、1個作るだけでも結構時間がかかりそうだが。
卵はどのタイミングでどのように産みつけるのだろうか?
茎に泥壺を付けた直後だと、産卵時に不用意に壺を落下させそうだが。
などなど、疑問だらけ。
繁殖期に某湿地に出向いて、泥壺の形成に励むアオゴミたちを写真に収めるべし。

(2018.02.09) 土浦市宍塚の里山林におけるゴミムシ類
茨城県土浦市にある宍塚大池は、ため池のある里山環境として有名らしい。
内田勝久, 湯本勝洋, "土浦市宍塚の里山林におけるゴミムシ類 (甲虫目:オサムシ科, クビボソゴミムシ科) の記録", 茨城県自然博物館研究報告, 13, 73--77 (2010).
なる資料を見つけたので、わざわざ国会図書館から取り寄せて読んでみた。
PFTを用いて2009年6~12月にかけて調査した結果で、採集種数はわずか32種で、平地の普通種が大半。自分が未採集の種はトウホククロナガオサムシ、クビナガゴモクムシ、ヒメホソクビゴミムシの3種のみ。
甲虫相の解明ではなく、短期間のPFTによる群集構造の把握が目的なので、こんなものかもしれない。
マルガタツヤヒラタゴミムシはここでもしっかり記録されているが、房総半島の先の方にはいない不思議さ。

(2018.02.08)「厚木市内某湿地のゴミムシ相」の先行研究
自分が調査しているこのフィールドで、2018年1月現在25種のゴミムシ類を採集しているが、この湿地を含む里山環境の昆虫を含む動物相の調査が過去にすでに行われていたことが判明。
国会図書館で関連する資料を取り寄せて調べると、厚木市教育委員会が主導で「丹沢動物調査団」を結成し、1993年4月から1994年3月の1年間の調査を行ったらしく、甲虫類に関しては、某著名な研究者も入れてさらに1年間の徹底的な追加調査も行ったらしい。手法も、ルッキングのみならずあらゆるトラップを駆使した模様。

結果、オサムシ科・ホソクビゴミムシ科の部分を見ると、この小さな里山環境の中で何と128種も記録している!
自分の記録は足元にも及ばず、まだまだ修行が足りない。
調査結果には、ヨツボシゴミムシや、キベリアオ、ヒメキベリアオ、コキベリアオもしっかりと記録されている。自分のルッキング調査では全然見つかる気配がないのだが。
しかし、よく見ると、自分は採集しているが同調査に記録のない種が3種あった:


いずれも活動期の夜間に徘徊しているのを見つけている。フタホシとオオホソクビは結構な頻度で見かけたのだが。同調査団の方々もさすがに夜間のルッキング調査はやってないからなのか、あるいは、この20年の間に増えたからなのか。
幸い、上記資料にある湿地は20年余り経た現在でも乾燥化が進まず健在している。
いずれにしても、この場所で最低100種は見つけるべし。

(2018.02.01) いいかげんにしろメガソーラー
昆虫採集を始めるまでは特に何とも思わなかったが、身近にあるちょっとした自然環境にも様々な種の虫たちが生息していることを認識するようになって、景色を見る目が変わってきた。
最近では、郊外に出ると野山を切り開いて太陽光発電のパネルを設置しているのがやたらと目に付くようになった。
問題は設置場所。元々利用価値のなかった人工的な場所に設置するのなら構わないのだが、わざわざ森林を切り開いて設置しているのを見ると、本当にゲンナリする。
自然環境を破壊して太陽光発電とは、本末転倒の極みにしか見えない。
Google Earthで故郷の茨城の地を上空から眺めると、そこかしこにソーラーパネルの筋模様が見えて目障りでしかたない。
平地ならまだしも、小高い山のけっこう急な斜面を切り開いて設置してる所を高速道路から見かけたりするが、あんな場所に設置したら斜面の保水力が落ちて、大雨時に最悪パネルごと流されなりしないのだろうか。

設置者からすれば、特に環境保全に関心がなければ、山林をただ保有するよりも、パネルを設置した方が経済合理性に適うからそうしているだけで、設置者を責めるのは筋違いかもしれない。
これはもう、パネル設置を推進するような政策を実施している行政側の問題。
何とかならないものか。ここでボヤいてもしかたないのだが。
パネル設置を検討している里山が近くにあったら、豪快に金を出して山を丸ごと買い取りたくなる衝動に駆られる。

(2018.01.31)「東大千葉演習林の甲虫相」考②
斉藤明子, 他, "東京大学千葉演習林(千葉県南部清澄山系)の昆虫相", 千葉中央自然誌研究報告特別号 (10), p61--232 (2017).
を眺めて気づいた点の続き。あくまで自分のフィールドの神奈川中~西部との比較だが、普通種であるはずの以下の種の記録がないのが意外過ぎる。
オオゴミやオオヒラタは山地性ではないが、平地性のゴモクムシ類は多数見つかっているのだから、同所的に見つかってもよさそうだが。
ニセマルガタは多数採れているが、普通のマルガタゴミムシがいない。これらは棲み分けしてたっけか。
アカコメツキなんぞ冬場の朽木崩しで出る定番種だし、サビキコリもライトトラップで多数飛来してもよさそうである。
カナブンはいるのに、アオカナとクロカナが採れてないとは。
大型のオオキノコ類も、深い山に入れば朽木に生えてるキノコに普通に見つかりそうだが(かく言う自分も神奈川でもまだ見たことがないが)。
同じ地続きの関東でもこれだけの違い。掘ればいろいろ知見が得られるかも。

(2018.01.19)「東大千葉演習林の甲虫相」考
斉藤明子, 他, "東京大学千葉演習林(千葉県南部清澄山系)の昆虫相", 千葉中央自然誌研究報告特別号 (10), p61--232 (2017).
なる文献を発見。房総半島の先端にほど近い低山地の演習林において、あらゆる手法を駆使して気合いを入れて採集調査を行った結果をまとめたものらしい。
各種の採集個体の収集方法まで記録されているので、非常に参考になる。

オサムシ科の採集記録をざっと眺めてみたが、自分のフィールドである神奈川県央~県西と比べて見ると、なかなか興味深い。

ルイスオサムシは神奈川県西の山地で極めて普通に見つかるが、それの飛び地分布である房総半島亜種が千葉演習林で確かに記録されている。これは、東京湾が形成される前に分布を広げていた名残りと言われている。
ところが、同じ神奈川県西の山地であれほど大量に見つかるマルガタツヤヒラタゴミムシが、千葉演習林では1頭も記録されていない(!)。
同様に、神奈川県西の山地で見られるアカガネオオゴミムシ、キバナガゴミムシ、クビアカツヤゴモクムシも千葉演習林では記録がない。
他、同じく山地性で、神奈川では厚木市内の里山的場所でも見つかるホソツヤヒラタゴミムシは、今回の調査で1頭のみ見つかり、千葉県初記録とのこと。
一方、タカオヒメナガゴミムシオオクロツヤヒラタゴミムシオオクロツヤゴモクムシ等は、両方で記録がある。

このように、神奈川では見られるのに、房総半島にいる種といない種があるのは、分布を拡大した時期に起因するのではなかろうか?
房総にいない種は、氷期が終わって海面が上昇し東京湾が形成された後に、西日本から関東山地へ分布を広げてきたのではなかろうか?関東山地と房総半島の丘陵地は、山地としてはつながっていないので、山地性の種は未だに房総まで分布を広げることができていないのかもしれない。
この仮説が成り立つとすると、平地にも生息する普通種では、神奈川と房総で分布にあまり違いがないはずである。
本当にそうなっているのか、宿題事項。

たかが普通種の記録も、読み解けばいろいろと仮説が思いつく。

(2018.01.17) ウスバフユシャク
蛾撮り第2号は
ウスバフユシャク Inurois fletcheri Inoue
@神奈川県厚木市内の自宅マンションの外通路。真冬の夜に灯火飛来した個体。
フユシャクという冬期に活動する蛾がいることは知っていたが、これがそうだと認識して見つけたのは今回が初めて。
わざわざ山の中に行かずとも、街中の灯りを見て回れば見つかるのではないかと考えていたら、すぐ近くにいた。
虫に興味を持ってないと、この時期にこれを見つけても気にも留めないだろう。
この手の、翅を左右非対称に重ねて閉じて止まる蛾をよく見るが、左右いずれの翅が上に来るかは毎回決まっているのだろうか?

シャクガ科フユシャク亜科。幼虫はかなりの多食性で、サクラ、コナラ、ケヤキ、エノキなどに付く。フユシャク界の超普通種で、街中でも普通に見られる。

(2018.01.16) 朽木割り徒然
越冬中のゴミムシ類が隠れていないかと、冬場にたまに朽木を割ってみると、実に様々な生物が出てくる。
成虫では、ムカデ、ヤスデ、ハサミムシ、シロアリ等が当然筆頭。スズメバチの女王もよく出る。
他、様々な甲虫類の幼虫が多数出てくる(キマワリとコクワガタの幼虫はなぜか群を抜いて異様に多い)。
自分の探し方が悪いのか、探している場所や地域がたまたまハズレなのか未だに判然としないのだが、朽木を割っても、目ぼしいゴミムシ類が出ることはほとんどなく、結果的に他の幼虫類を不可逆的に掘り出して無駄に殺生して回るだけになるので、最近は朽木割りによる採集は控えるようになった。
やはり、虫を採るなら活動期に目視で探した方が、生態も観察できて楽しい。

ふとした疑問。
ゴミムシ類成虫にこだらず、各種幼虫目当てならば、朽木の中からかなりの高確率で見つけられるわけだが、朽木内の幼虫を積極的に探して捕食する動物がいないのはどういうわけか?
ニホンザルとかなら、朽木の樹皮を剥がすくらい容易にできそうだし、キツツキなどの鳥類にしても、わざわざ生木や立ち枯れに穴を開けて中の幼虫を探すよりも、朽木を突き崩して探す方が、遥かに高確率で獲物が見つかりそうである。人間だって、冬場に本気で飢える事態になったら、朽木を漁れば手っ取り早くタンパク源が得られそうである。
が、実際に森の中を歩いてみると、林床に転がっている朽木は手つかずなものばかりで、動物が荒らした形跡など全然見られないのが普通である(虫屋が荒らした形跡は登山道脇などで散見されるが)。

「枯死木の中の生物多様性」京都大学出版会 (2014) を見ても、脊椎動物による枯死木の利用に関しては、
「キツツキを除いて、ほとんどの脊椎動物は腐朽木と密接な関係を築いているわけではなく、そこにある餌資源を摂食していることもない」
とあり、例外的な種として、マダガスカル島のアイアイ、オセアニアのフクロシマリスを挙げているのみである(いずれも木材穿孔性昆虫を探索し取り出す技術を持っている)。

不思議。

(2018.01.15) 尾瀬のゴミムシ相
尾瀬のような、水系が外界から孤立した高層湿原という特殊な環境ではどんなゴミムシ類が生息しているのだろうかと、ふと疑問に思い、調べると、
「尾瀬ケ原とその周辺山地におけるオサムシ科甲虫類」
H. Hosoda, "Carabid beetles (Coleoptera, Carabidae) on the Ozegahara Moor and its Surrounding Mountains", Edaphologia, 66, 69--74 (2000).
のような論文を見つけた。国立公園の特別保護地区のため、かの地で自分の手で採集調査を行うことはおそらく永遠に不可能なわけで、このような論文が出ているのは非常にありがたい(と思うと同時に、既にこのような調査が行われていたこと自体が驚き)。
この論文には種名は学名でのみ記述されているので、和名も付けて、神奈川県産と神奈川県丹沢山地産の目録における記載状況もまとめたのが下表。
この調査により、尾瀬でオサムシ科37種を確認している。
自分の調査 (2018年1月現在)で神奈川県厚木市内の畑30種厚木市内の湿地25種と比較すると、尾瀬全体の広さを考えればずいぶん少なく感じる。
が、、、1年の半分は雪に埋もれる厳しい環境であることを考えると、こんなものなのかもしれない。
確認された37種のうち、27種は神奈川県内で、さらに23種は県内丹沢山地[平野2007]で確認されている。
神奈川県にいない種として以下があり:
ヨシイチビゴミムシ(周辺山林林床の優占種)、オゼキイロチビゴミムシ(湿原内の稀種)、
ニッコウクロナガゴミムシ(北部)、ニセクロナガゴミムシ(北部)、
ベーツナガゴミムシ(北部)、ヒメヒラタゴミムシ(?)、
チャボツヤヒラタゴミムシ(?)、シバタホソヒラタゴミムシ(関東、中部の山地)、ツヤゴモクムシ(北部)
結局、尾瀬のゴミムシ相は、他地域にもいる普通種と一部の高山性/寒冷地性種で大半が構成され、尾瀬特有の種はオゼキイロチビくらい、ということ。
※この調査で樹上性が多いアトキリゴミムシ類が皆無なのは、地上に着目した調査方法によるものなのか?
学名 和名 丹沢に生息? 神奈川県に生息?
Leptocarabus procerulus クロナガオサムシ
Dyschirius ovicollis ダイミョウチビヒョウタンゴミムシ
Trechus yosiianus ヨシイチビゴミムシ × ×
Trechus ozegaharanus オゼキイロチビゴミムシ × ×
Lasiotrechus discus フタボシチビゴミムシ ×
Tachyura laetifica ヨツモンミズギワゴミムシ
Bembidion morawitzi ヨツボシミズギワゴミムシ
Bembidion cnemidotum ウスモンミズギワゴミムシ
Stomis prognatus キバナガゴミムシ
Pterostichus hoplites クリイロナガゴミムシ
Pterostichus dulcis ヒロムネナガゴミムシ ×
Pterostichus sulcitarsis アシミゾナガゴミムシ ×
Pterostichus subovatus マルガタナガゴミムシ
Pterostichus creper ニッコウクロナガゴミムシ × ×
Pterostichus fuligineus ニセクロナガゴミムシ × ×
Pterostichus rotundangulus ヒメホソナガゴミムシ
Pterostichus microcephalus コガシラナガゴミムシ
Pterostichus brittoni ブリットンヒメナガゴミムシ ×
Pterostichus asymmetricus ベーツナガゴミムシ × ×
Agonum subfuliginosum ヒメヒラタゴミムシ × ×
Colpodes xestus ツヤモリヒラタゴミムシ
Colpodes japonicus ハラアカモリヒラタゴミムシ
Colpodes integratus ムラサキモリヒラタゴミムシ
Synuchus cycloderus クロツヤヒラタゴミムシ
Synuchus melantho コクロツヤヒラタゴミムシ
Synuchus arcuaticollis マルガタツヤヒラタゴミムシ
Synuchus takeuchii タケウチツヤヒラタゴミムシ
Synuchus chabo チャボツヤヒラタゴミムシ × ×
Synuchus sp. - -
Trephionus shibataianus シバタホソヒラタゴミムシ × ×
Harpalus griseus ケウスゴモクムシ
Harpalus eous オオズケゴモクムシ
Harpalus simplicidens ニセクロゴモクムシ
Trichotichnus longitarsis クビアカツヤゴモクムシ
Trichotichnus leptopus ツヤゴモクムシ × ×
Stenolophus propinquus ムネアカマメゴモクムシ
Stenolophus iridicolor ツヤマメゴモクムシ

(2017.12.11) デコボコマルハキバガ
目下ゴミムシ屋だが、蛾も気になる。よく見れば地味に美しい模様の種が多い。
研究すると面白そうだが、採集して標本作成までやろうとすると、ゴミムシ類と比べて手間が格段に増えるので敷居が高い。
とりあえず蛾類について知識ゼロなので、見つけた個体の名前を調べていく。

第1号は地味なデコボコマルハキバガ Depressaria irregularis Matsumura
@東京都町田市忠生公園。
ヒノキの樹皮を剥がしたら越冬中の成虫が隠れていた。
ヒラタマルハキバガ類(科ではないのか?)。
幼虫はコナラの葉を食べる、らしい。

(2017.11.09) 増水後の河川敷の謎
10月の長雨と2度の台風襲来で、一時期相模川の水位が相当上昇。以前ゴミムシ類を採集した河川敷は、一時的に2 m近く水位が上がった濁流の底になってしまったわけで、そこに生息していたゴミムシ達も全滅したのではないかと気になり、どうなっているのか調査してみた。

夜に現場に行ってみると、砂が堆積しているヨシ原の場所では、おびただしい個体数のゴミムシ類が普通に見られて驚いた。
ゴモクムシ類、マルガタゴミムシ類が特に多く、他に、ミズギワゴミムシ類、オオヒラタ、オオゴミ、カワチマルクビなどがそこら中をちょろちょろ徘徊。それだけでなく、ミミズとかも普通にいる。

一体、こららの生き物たちは、増水時にはどこで何をしていたのだろうか?
見かけ上、増水の影響は全然ないように見えるのだが。
特にミミズなんか逃げようがないだろうに。

河川敷に棲んでいる以上、増水による環境の撹乱などは日常的にあり得るわけで、それを前提として、状況に応じて柔軟にどこかに避難できるような生態になっているのだろうか?確かに、上記で見られたゴミムシ類はいずれも飛翔可能な種ばかりだが。
成虫は飛んで逃げることができても、秋繁殖の種の場合(上記で見られたゴモクムシ類のほとんどが当てはまる)、既に産卵済みだったら、卵や幼虫などは確実に流されているだろうから、来春以降は個体数が減るかもしれない。

川が増水したとき、水中に棲む魚たちは、増水中でも水の中に確実に存在するらしい流れが緩い場所に身を潜めて、急流が収まるまで待つ、ということを、実際に魚の個体の行動を追跡して実証した研究例はあるのだが[1, 2]、これの河川敷小動物版の研究はないものか?
小さな虫の体に発信器など付けられるわけがなく、一筋縄には行かなそうだが。
[1] B.C. Harvey et al. "The influence of large woody debris and a bankfull flood on movement of adult resident coastal cutthroat trout (Oncorhynchus clarki) during fall and winter" Can. J Fish Aquat. Sci. 56, 2161--2166 (1999).
[2] Y. Makiguchi et al. "Site fidelity and habitat use of Formosan landlocked salmon (Oncorhynchus masou formosanus) during typhoon season in the Chichiawan stream, Taiwan assessed by nano-tag radio telemetry" Zool. Stud. 48, 460--467 (2009).

(2017.11.02) キバナガゴミムシ、琥珀色バージョン
例によって明神ヶ岳山麓林道の側溝漁りをして発見。
地下性ゴミムシ初採集か?と色めき立ち、嬉々として標本にしてみたが、形と色に騙された。
全然地下性じゃない。どう見ても普通のキバナガゴミムシですよこれは。。。
色が薄いのはテネラルだからか。乾燥させたら上翅が反って潰れちったし。
10月の長雨と2度の台風襲来で地下水位が上がったため、たまたま湧水に紛れて地上に出たのかも、などと妄想していたのだが。
それにしても、この種は、秋も大分深まってから新成虫が出るような生活史になっているのだろうか?この時期に新成虫が出るゴミムシ類はあまりない気がするが。

※キバナガゴミムシは普通に(といってもそれほど多い種ではないが)山地林床で見られる種なので、地下性扱いはされてないが、ネットで拾った資料(石川県辰巳ダム建設事務所, "資料犀川辰巳治水ダム建設事業調査業務委託(洞窟性生物等)報告書", 2012年3月)によると、石川県内の辰巳ダムの建設時に、水没予定地近辺にある洞窟内で、洞窟性のヒゲナガホラヒラタゴミムシ、イオウゼンメクラチビゴミムシと一緒に、キバナガゴミムシも2頭の生息が確認されたようである。まあ、この頭数だと、洞窟に入ることもある、ということ以外何も言えないが。
確かに、キバナガの上翅が丸く隆起した形態は、何となく地下性を彷彿とさせるものがある。

(2017.10.26) この季節の夜間に飛び回る謎の巨大昆虫(?)
神奈川県南足柄市内の丘陵地帯にある某小河川源流の湧水地点を夜間に探索していたとき、何やら巨大な生物が低い羽音を立てながら暗闇の中を高速に飛び回っているのを目撃。
ライトで照らすと、開長15 cmくらいはありそうな巨大な生物の姿が暗闇バックに白く浮かび、実に不気味。とにかくデカい。
その飛び方が高速で、いつまでたってもどこかに静止することなく、ライトで照らすと自分の体にぶつかりそうになるくらいすれすれのところを飛び回るので、鬱陶しいことこの上なかった。 
ハチのような低い羽音と大きさを除けば、飛び方は大型のトンボに近かった印象。
気にせず放っておけばこちらに体当たりしてくる様子はないことが途中で分かり、気が付いたらいつの間にかいなくなっていたが。

一体何だったんだあれは?
自分の知識だとヘビトンボくらいしか思いつかないのだが。幼虫は水生だし、現場は渓谷みたいなものだし。
ヘビトンボって、あんな飛び方をするのだろうか?
7月に厚木市内の湿地を夜間に探索したとき、ライトを点けるとヘビトンボがうるさく飛んで寄って来たことがあったが、空中を自由に飛び回る様子までは見なかった。
というか、ヘビトンボは夏に樹液に集まる虫であって、10月下旬にあれほどブンブン飛び回るのはなさそうだが。

謎の解明は来年の宿題になりそうだが、来夏に上記場所を再訪して、アレが何匹も飛び回ってたら怖すぎる。

(2017.10.24) ゴミムシ類がいる場所、いない場所
神奈川県南足柄市内、明神ヶ岳東側の裾にあたる場所に「森と水の公園」なる小さな公園がある。
おそらく10数年以上ほど昔に元々湿地だった場所を整備してできたらしく、小川と池とそれを囲む芝生?があるだけの殺風景な公園である。
小川を挟んで南北に小高い尾根があり、典型的な谷戸地形である。
谷戸斜面からの湧水があり、今でも池の周囲や奥の方は湿地が残っており、湿地性のゴミムシ類がいないかと何度か夜間に訪れているが、不思議なことに、季節を問わずほとんど、というかまったく見つからない。
春先に公園のさらに奥の方に行ったときは、ちょうど繁殖期だったのか、小川周辺で樹上性のキンモリヒラタゴミムシが異様に多数見られたが、それだけ。
公園内の湿地周辺では、いくら丹念に探しても不気味なほどゴミムシ類がいないのである。
湿地性どころか、平地に普通にいるはずのゴモクムシ類すら見たことがない。

厚木市内に残っている同じような谷戸地形の湿地だと、季節によって変わるが、夜に行けばミイデラ、アオゴミ、キアシヌレチなどの湿地性ゴミムシがちょろちょろ地面を這いまわっているのが簡単に見られるのだが。

この違いはいかに?
実は、今残っているわずかな湿地は、湧水により事後的に発生したもので、公園として整備したときには、元あった湿地を完膚なまでに潰して、既存種を全滅させたのだろうか?

ある場所に虫がいるにしてもいないにしても、その場所の歴史を引きずってそれ相応の理由があるはずである。

厚木市内の湿地に普通にいるアオゴミムシは飛べない種であり移動能力に乏しいため、異常気象や地殻変動による環境の変動をくぐり抜けて、さらに、人間による開発からもたまたま免れて、おそらく何千年も前から、下手すると何万年も前からその場所で命をつないでいるわけで、それが今そこにいるというのは、ある意味感動的ですらある。

いずれにしても繰り返し要調査。

{(2017.10.17) クズ群落も宝の山

現状知られている昆虫で、卵から成虫までの生活史が解明されているのはごく一部であって、大半の種は成虫の存在が認知されているだけである。ある種の成虫が目の前にいても、その種がどんな場所に産卵し、幼虫がどこで何を食べているかを解明するのは非常に難しい。
小さな虫の体に発信器を付けて行動を追跡するなど不可能な芸当である。

身近な例として、カナブンは、虫に興味がない人でも名前と姿かたちを知っているほどの普通種だが、その幼虫の生息地が決定的に判明したのは、実に2011年である(鈴木知之 "カナブンの幼虫はクズ群落にいた!", 月刊むし, 488, p34--37 (2011))。発見者は昆虫写真家の鈴木知之氏。

近縁の種のクロカナブンの幼虫は樹木の乾いた洞の中、アオカナブンの幼虫は朽木の中にいることは知られていたが、カナブンの幼虫のみ見つかっていなかった。一方、飼育下ならばカナブンでも産卵させることができ、幼虫から蛹まで飼育させることもできたため、幼虫の形態は知られており、他の種との判別も可能であった。

この状況で、鈴木氏は、クズ群落の地表にハナムグリ類に似た幼虫がたくさんいるのをたまたま発見し、カナブンの幼虫を同定可能な知識を持ち合わせていたため、カナブンの幼虫はクズ群落の地表に生息し、乾いた腐植質を食べている、との大発見に至ったのである。すごい!

この逸話は、以下の2点で、自分を含むアマチュアのロマンを想起する。

第1に、身近な普通種でも、研究テーマの設定次第で宝の山となり得ること。
第2に、身近な場所も、見方を変えれば宝の山となり得ること。

個別の種の生活史の解明などは、問題としては多くの研究者が関心を持っているが、プロの研究者はあまりやりたがらないテーマである。下手すると幼虫探しだけで何年も浪費するかもしれないし、解明したところで、単なる博物学的な知識の追加になるだけで、研究テーマが広がらない可能性もある。こういう分野こそ、アマチュアの地道な活躍が期待されるところである。

クズ群落など文字通りそこら中にあるが、上記の発見が21世紀初頭まで遅れたのは、あの、人の侵入を拒むような濃密な藪にわざわざ分け入って探索しようとする人がいなかったのが1つの理由だろう。

これをヒントに、鈴木氏の二番煎じを狙いたくなる。近所の河川敷には広大な藪が形成されているが、何とかして分け入れば、意外な種の局所的な生息群を発見できたりしないだろうか?
冬の間に少しずつ開拓して、藪の中に自分専用の観察路を作ろうと企んでいる。

(2017.10.10) マイマイカブリ初採集
@神奈川県西部、南足柄市内明神ヶ岳山麓。夜に林道脇の側溝を探索して発見。
ゴミムシ歴1年目にしてようやく採集。活動期の夜間に動いているのを見つけられたのは幸運だった。
♀で体長は43 mmだが、関東産としては大きい方なのかよくわからん。頭胸部は渋い艶消しブラック。伊豆半島モノと同系統なのだろうか。

(2017.09.15) サビキコリ発生中
単なるメモ。
夜間に近所を見て回ると、灯火飛来したサビキコリをやたらと見かける。この季節に新成虫が出るのだろうか?
サビキコリの幼虫は土中に生息し、植物の根や小昆虫を食べる、らしい。コメツキ類幼虫の生態も種によって様々。

(2017.08) ツノアオカメムシ
長野県央某別荘地にて採集。山地性の美麗種。
カメムシは別に集めてないので、カメムシ好きの下の子の標本箱に献上。カメムシは標本にすると油が出たり変色したりできれいな状態を保つのが難しいらしいが、果たしてどうなるか。

(2017.08) トウキョウヒメハンミョウ
ハンミョウ類は都市化に伴い生息環境が減っているとよく言われるが、トウキョウヒメハンミョウに関しては、そうでもないように見える。

7月8日に、町田市忠生公園の一番奥の遊歩道上に、本種が多数いるのを発見。本種を見るのは初めてで、採集しようとしたが、網を使わずに素手で採るのは難しく、断念。
この公園は谷戸地形を保存した自然公園なので、ここで見つかるのは分かるのだが、その後、同月中旬に、厚木市内の自宅近くのマンション敷地内の花壇で、日中に本種が点々と地上にいて驚いた。
夜に灯火飛来したのか、自宅マンション外通路で数頭見つけたので、夜間で動きが鈍くなっている本種をようやく採集。

他、7月中に、横浜市の瀬上の森や南足柄市内の道路脇等でも本種を確認。
神奈川県内でもあちこちで飛び地的に生息しているように見える。

8月以降、自宅近くの本種は全く見かけなくなった。成虫が見られる期間があまりにも短い。
どういう生活史になっているのだろうか。

(2017.08) この夏に獲得したホタル知見を2つ
①今の時代、ゲンジボタルは何かしら周知・保護されている環境にしか生息してないと思っていたが、そうでもない。厚木市内の谷戸地形を利用した某公園に夜間に単身忍び込んで調査したところ、7月5日という遅れた時期の23時という遅れた時間帯に1匹の飛翔を目撃。その公園はホタルの生息地としては全然売り出してないのだが。
環境さえ残っていれば、局所的な個体群が脈々と命をつないでいる、という一例。
時期と時間帯を選べば、たくさんの個体の飛翔が確認できたはず。来年の宿題。

オバボタルは光る!
道志村キャンプ場で夜に偶然目撃。真っ暗闇の中、目の前を非常に弱い光が点々と曲線を描いていてた。飛翔体を捕獲できなかったが、日中子供と一緒にキャンプ場内を丹念に見回って虫を探したとき、ホタル類ではオバボタルばかり頻繁に見かけたので、おそらく夜に見たのも同じ種でしょう。
この種は、ちょっと山に入れば場所を限定せず日中に飛んでるのを非常によく見かけるが、その割に、これが光ることがあまり知られてないのはどういうことか?
単に光が弱すぎて目立たないからか、発光自体珍しい現象なのか。

(2017.07) 灯火飛来した意外な湿地性2種
厚木市内に住んでいるが、周辺の外灯やアパートの照明等がLEDに置き換わる中、自宅マンションの外通路の照明が未だに蛍光灯なので、夜間に紫外線に引かれていろいろな虫が飛来してくる。
特定の種がある時期に突然多く飛来することがあり、その種の新成虫の発生時期がおおよそ把握できる。

ゴミムシ類もよく飛来し、飛来する種の顔ぶれはだいたい決まっているのだが、最近、以下の2種を見つけて驚いた:
ヨツボシゴミムシ(2017/05/30)
ヤマトトックリゴミムシ(2017/07/12)
いずれも水辺に近い湿地的環境に生息するのではないのか?
近所にあるゴミムシ類の生息可能な環境は畑のみ。
小鮎川もほど近いが、土手が護岸工事されている現代的な小河川で、水際に湿地などなく、所々に小規模な草地があるのみ。

何とか、元の生息地を特定したいものだが。

(2017.06.18) スゲハムシ

長野県央の某池周辺で採集。初採集のネクイハムシ類。スゲ?の小群落に多くの個体が付いていた。本種は普通種らしいが、色彩変異もあり美しい。
ネクイハムシ類は、生息場所が湿地に限られるらしく、神奈川県内ではお目にかかるのが難しい。長野に行った折、上記某池の上流部がちょっとした湿地になっていたことを思い出し、試しに行ってみたところの発見。こんなミクロな湿地のスゲ群落をも見つけ出し、そこで命を繋いでる本種のたくましさに感心したが、実際は逆かもしれない。
この池は、近隣の別荘地の開発時に渓流に堰を築いてできた人工のため池?らしいため、この場所の湿地とスゲ群落は、元々はもっと広くて、ため池造成によりかろうじて上流部に残った湿地に、元々生息していた本種が細々と命をつないでいるのが真相かもしれない。スゲハムシの食草は湿地性のスゲ類に限られるので、湿地が近隣に連続して存在しない限り、本種の移動は難しそうである。
たくさんいたので、何も考えず今回は数頭採集したが、今後は採集を控えて生息状況の推移を見守るべきかも。

(2017.06) 場所が変われば採れる虫も変わる
当たり前のことなのだが、、、俄か虫屋にとってはいちいち新鮮な発見だったりする。
「ヘッピリムシ」として有名なミイデラゴミムシは、幼虫期にケラの卵を食することから、当然にケラが生息する環境でないと生息しない。
ケラは、一昔前なら水田周辺に普通に生息していたのだろうが、人工的に区画整備された現在の水田環境では、ほとんど生息していないのが現状。
水田でなくても、湧水のある湿地的環境なら生息しているのではないかと当たりをつけ、厚木市内の某湿地的場所を5~6月に夜間探索したところ、わざわざトラップを仕掛けるまでもなく、非常に多くの本種個体が地上を徘徊しているのを発見。
この場所では他に、
クビアカツヤゴモクムシ
アオゴミムシ
スジアオゴミムシ
フタホシスジバネゴミムシ
等、自宅周辺の畑や河原ではお目にかかれない種も見つかった。繰り返し調査してこの地のゴミムシ相を解明すべし。

(2017.05) クシコメツキの大量発生
2017年5月15日夜、神奈川県西部の小田急線開成駅にて、灯火飛来したクシコメツキを大量に確認。この日に突然発生し、翌日からは激減した。
一体何だったんだあれは。
おそらく羽化した新成虫が来たのだろうが、何故にこんなに揃って発生するのか不思議。

コメツキの幼虫というと、朽木内に生息してクワガタの幼虫とかを襲う捕食性のイメージがあったが、調べると、クシコメツキの幼虫は捕食性ではなく、土壌中で植物の根を食べる種の仲間らしい。幼虫は俗にハリガネムシと呼ばれ、農業や園芸の害虫扱いらしい。

そうだとして、開成駅周辺は宅地化が進んでおり、一体どこが発生源なのだろうか?

(2016.12) 40にして「虫屋」復活
小学生の頃はカブトムシやクワガタを採ってきて飼育を楽しむ典型的な昆虫少年だったが、中学生以降、興味の対象は他のものに変遷。
大人になってからは、灯火に大型の甲虫が集まっているのを目にしても特に何の感慨も湧かないほど虫への関心は完全に忘れていたが、息子がきっかけで、再び「虫屋」になった。それも、昔よりも遥かに深いレベルで。

上の子が6歳のとき、義父(元昆虫学者)が昔作った見事な蝶の標本を見て、「僕も標本作りたい!」といたく感動し、子供の興味に付き合って虫採りを再開。
とりあえず、標本作りが簡単そうな甲虫類をターゲットに探し歩いたが、日中漫然と野外を歩いたところで、子供が喜ぶような大型の甲虫は簡単には見つからないものである。
一方、会社帰りの夜、自宅マンションの外通路に、蛍光灯の光に飛来した多数の甲虫が落ちているのに気付いた。しかも、ゴマダラカミキリやコフキコガネなど、大型の種が飛んできている。
昼間探すと簡単には見つからないのに、虫の習性を知れば簡単に採れる。低レベルな再発見なのだが、この、効率よく採集するためにはそれなりの知識や工夫を要する感がおもしろく、いつの間にか、息子よりも自分の方が虫の魅力に深くはまってしまった。

虫屋は興味の対象で専門家している場合が多く、「蝶屋」「カミキリ屋」が二大勢力である。昆虫採集家の投稿記事をベースとした商業誌「月刊むし」を見ても、蝶ネタ、カミキリネタの記事が非常に多い。自分の場合、ややマイナーな分類群に魅かれるところがあり、現在、基本ゴミムシ屋。そのうち蛾もやりたい。

大人になってから実感した昆虫採集の醍醐味を挙げると、
  1. ターゲットとする種の生態を考慮して生息地を予想し、実際に採集に出掛けて読みの当たり/外れを確認する、という知的ゲーム性
  2. 生息地の推定や採集方法に関して技術の向上の余地が大きい
  3. 自然を相手にする趣味であり、虫を入口として、植物や地学などへと関心が広がる
  4. (これは採集対象に依るが)何気ない場所が魅力的なフィールドに変身し、藪山だろうが雑草が生い茂る荒れ地だろうが、どんな場所でも楽しめるようになる
  5. 未採集種を求めてあちこち出かけたくなるし、野外を歩き回ることが苦にならなくなる(運動不足になりがちな中年以降重要)
  6. やる気になればアマチュアでも掘れる研究テーマがたくさんある(例えば、幼虫の生態も含めた生活史が解明されているのはごく一部の種に限られる)
と言ったところ。

現状、とりあえず、日本国内の地上に住むゴミムシ類のうち500種採集が目標。
地下性ゴミムシは後回し。
普通種も「駄物」などと言わず真面目に採集して標本箱に並べていく。

最終更新:2025年04月29日 21:37