魔神器




『Vermilion -bind of blood-』の用語。
縛血者(ブラインド)の始祖リリスが、原初の忌呪(カース)洗礼(バプテスマ)により魔人だった頃から見る影もなく病み衰えた後、自らの力を取り戻す企ての為造り出した超常的な力を宿すアイテム
魔聖杯魔聖槍魔聖骸布。神祖リリスが生きながら切り離した頭蓋骨・脊柱・皮膚を元に創造された三種の魔神器は、それぞれが《柩の娘》の体内に収められている。

魔聖杯――頭蓋骨――スカーレット
魔聖槍――脊柱――カーマイン
魔聖骸布――皮膚――マジェンタ

これらの魔神器からは、始祖の血液が噴出しており、これらを核として三体の『柩の娘』は形成された。
現代において、柩の娘を起動させるためには始祖に連なる縛血者の血が必要であるが、
実際は、本編で《伯爵》が実施した“実験”の結果が示しているように、強大な力を持たぬ者ではそもそも起動すらできず、カーマインのように勝手に暴走してしまうという事態に陥ってしまう。

また起動し操る事が出来たとしても、それも始祖の思惑通りであり、彼女達(柩の娘)を道具として眷属を増加・使役したとして、最終的には制御権は母の代行者たる《伯爵》に奪い取られる結末しか待ってはいない。
アンヌルートでは、《伯爵》の手掛かりを求めてバイロンマジェンタの内奥に触れようと試み……
知らずとはいえ始祖の一部にアクセスするという方法自体は正しかったが、そこで彼は血族の、《伯爵》の真相の一端に辿り着いてしまったらしく、精神の均衡を一気に崩すことに……。


魔神器自体、衰えたとは言え原初の超人、リリスの肉体の一部であるため、その力は縛血者の持つそれとは文字通り次元が違うと言える
まず、裁定者が狩った縛血者の魂は、この魔神器に吸収されていくと考えられる。
器を宿す柩の娘の《魅了の眸》は年月を重ねた藍血貴(ブルーブラッド)さえ従わせ、血族の魂を狩るための獣――テスタメントに容易に変えてしまう
また特別な強化を施されたスカーレットは回収した魂の分だけ物理的に強化されてゆく。

さらに、作中では幾人かの縛血者が裁定者の守りを潜り、力を尽くしカーマインマジェンタを撃破しているが、
そんな彼らを嘲笑うかのように、柩の娘――いや本体である魔神器は恐らく同種の力でなくば破壊できず、
どれだけ人形が損壊しようと、灰にされようとも、柩の娘諸共に再生するのだ。
魔神器は、たとえ塵や灰だけになったとしても超常的な効果を発揮し
ニナルートの決戦で致命傷を負い銀の忌呪で死を迎えようとするトシローの肉体を回復させ、
それどころか心臓を深く蝕んでいた銀の呪いすら取り去り、全盛期の力を一瞬にして取り戻させるといった場面が見られる。

そしてグランドルートで、《伯爵》は真の姿形と成った魔聖槍と魔聖骸布を肉体に取り込んだ事で、
ただでさえ縛血者の枠を超えた、現実離れした(・・・・・・)としか言いようのない強さから更に強化───
数多の同族を喰らい巨大な影の獣と化したバイロンや、全盛期の力を取り戻したトシローさえ全く寄せつけないほどの領域に達していた。




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最終更新:2024年05月15日 00:54