邪悪を滅ぼす死の光───“悪の敵”だと知るがいい



『誰かのために/Hero's』より――
英雄が後世に遺した負の遺産と対峙した際の悪の敵による宣告こいつらにとってそういうことを言うのは例える事すら痴がましいがこういうことを言われているに等しいから連中は喜ぶんだよ

アッシュ“日常”の古都プラーガにいるとき、灰と光の境界線(かれ)を飲み込むはずだった殺戮世界(キリングフィールド)炎上する古都プラーガに現れた者たちを粉砕し尽くすケラウノス。
界奏者の記憶から古都プラーガに存在した勢力が再現されたのなら、当然、光の亡者も例外ではなく。


「如何なる罰も受け入れましょう。我が英雄よ、あなたの裁きを待っていた。
どうか再び、あの日のように、私の末路(ヒカリ)となって欲しい」

───死者が地獄へ迷い出る。

「そりゃあないぜ、審判者(ラダマンテュス)。おまえは一度ヤってるだろうが。
俺はまだだ、まだなんだよ。そうだろう不死身の英雄(ジークフリード)。生殺しはもう耐えられねえ」

それを前にケラウノスは忸怩たる思いが止まらない。
連中をこちらの領域に確保できたのは幸いだが、こんな極めつけの阿呆どもを後世に遺してしまった不徳が腹立たしくて仕方がないから。
爆発寸前の闘志と殺意を英雄は強く自覚し……それほど死闘が積年の夢というなら、対価次第では構いはしないと。


「……いいだろう、しかし役には立ってもらう」


「そして聞け、俺は“英雄”などではない。そんな男は三年前に死んでいる。此処にいるのは、より純粋な奴の魔星」


即ち、ヴァルゼライドを象徴する異常性の結晶


「邪悪を滅ぼす死の光───“悪の敵”だと知るがいい」


こんなことしか素晴らしいと思えない光の亡者(ろくでなしども)やはりというべきかこの宣告を大歓迎し


「さあ、俺を受け止めてくれ、ヴァルゼライドォォォオオオオッーー!」


次瞬、轟き荒ぶ開戦の咆哮───此処に、英雄譚が幕開けた。




  • 皮肉にも過去になりたいと言っていた悪の敵になってしまったんだよな -- 名無しさん (2021-03-02 12:31:06)
  • 素晴らしい!素晴らしい!!例え様も無く素晴らしい!やはり閣下こそ無謬の光、万民が倣うべき輝きに相違なし!!! -- 名無しさん (2023-10-31 00:03:34)
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最終更新:2023年10月31日 00:03