●目標…お客さんにどうなってほしいか?(具体的行為)

⇒お客さんに浮世絵の何をどう感じ取ってもらいたいのか?(表現したい内容=浮世絵の世界観)

大目標

(どうするのか)
娯楽、メディア、芸術など様々な側面を持った江戸時代の浮世絵を「視覚造形」の視点から現代と比較する。
             ↓
(どうなってほしいのか)
来場者に浮世絵の新たな側面を発見し、感動してもらい、美術全般に興味を持つことの足がかりにしてもらう。 



(前の大目標)
浮世絵には当時様々な側面があった。娯楽としての浮世絵、メディアとしての浮世絵、そして芸術としての浮世絵...その様々な側面を私たち視覚造形なりの視点から探っていき、浮世絵から見えてくる現代と江戸の比較をしながら、展示作品制作を行う。それを見た来場者が浮世絵の新たな側面を発見し、そこから見えてくる江戸時代に驚き、最終的に浮世絵という日本の美術に興味を持ってもらいたい。

補足:浮世絵は江戸時代には美術ではなかったかもしれませんが、現代では美術と認識されていますのでこの辺は問題ないかと思われます。


9月24日 篠原

皆さんたくさんの意見ありがとうございました。
皆さんの意見、アイデアをすべて読ませてもらい、その上でこの展示をどういったものにするのか
26日の会議に向けてまとめ&考えを書きましたので読んでおいてください。


前回のスカイプ会議で、2人一組で浮世絵に関する作品制作を行い、それを展示するという原さんの案を検討しました。(議事録参照)
しかし、たくさんの作品があっても、それが一つの展示として見えてこなければテーマが散漫になってしまうので、あらかじめ6テーマを与え、それに関しての調査、作品制作をするという案を出しました。
皆さんの意見を読んだ結果、展示としてはこの方法が皆さんのやりたいことができ、それが集まれば多方面から浮世絵について理解することができると思いましたので、展示の方法としてはこの方向で行きたいと思っています。



さらに浮世絵に興味を持ってもらうには「現代との比較」ということがやはり重要なポイントでしょう。
そこで、最初に6テーマをみんなで決め、「現代との比較」を必ず入れる、という展示の方法をとったらどうでしょうか。


テーマについてまとめてみました


文化に広げると散逸してしまうので、メディア性に着目したテーマに絞った方が良いという意見がありました。
まず、メディアに絞ったテーマを書きます。(メディアに絞らなければ、衣装、お菓子なども出て来れますね)

「メディアとしての浮世絵」に関しての6テーマを本で調べ、現代と比較できそうなものを考えてみました。

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新聞、ニュース

ファッション雑誌

ブロマイド

マンガ、アニメ

おもちゃ(組上絵、姉様絵など)


浮世絵はメディアとしてこの側面を持っていたという例が6つあります。他にもやはり、その時代から芸術としての側面も持っていました。(参考文献:ゼロからの浮世絵入門)

例:浮世絵は現代のファッション雑誌と同じ側面を持っていたことを取り上げ、当時はやりのファッションを着ていた花魁の浮世絵と、現代のファッション雑誌を比較する。
この方向性で絞ってやっていくのも良いでしょう。
決して分かりやすいことがいけないわけではありませんが、分かりやす過ぎるとも思います。
では逆に「なぜこれが浮世絵と結びつくのか分からない」ところから浮世絵に結びついていく方を考えてみましょう。

例えば

浮世絵に描かれた歌舞伎役者とレディーガガ


?と思うかもしれません。
これが浮世絵と離れすぎているとも思うかもしれません。
しかし、ここにきちんとした歴史的根拠が加わればどうでしょう?

歌舞伎役者は浮世絵で好んで描かれたモチーフの一つです。そもそも「かぶく」とは奇抜な身なりをする。という意味があります。そして、そこから歌舞伎という言葉が生まれました。
現代のレディーガガも江戸で言う「かぶく」ことをやっています。
「奇抜な身なりをして、しかしそれが流行になっていること」は江戸時代に歌舞伎役者が行ったことと同じです。
江戸時代の浮世絵に描かれた歌舞伎役者と現代のレディーガガ。全く違うように見えますが、やっていることは同じなのかもしれません。
江戸の町人たちは浮世絵があったからこそ、歌舞伎役者に想いを馳せることで、さらに人気を高めたとも言えるでしょう。こう考えれば浮世絵との繋がりは十分見出せます。
そして、逆にここまで絞り込むことをすれば、やるべきことや作る作品もおのずと見えてくると思います。

ここまで色々と書いてみましたが、やはり、浮世絵とは少し離れているのでは?と疑問を持つかもしれません。しかし、浮世絵と離れないようにと考えを制限してしまうよりは面白いと思いませんか?
まとまった展示をすることはもちろん大事です。ここで散逸してしまわないために「ある程度」テーマを絞っておくのです。(このレディーガガの例でいうとブロマイドに分類されますかね?)
つまり、テーマ自体は意識してまとまりのあるものを作り、そこからの発想は自由とするわけです。(もちろん見る人を納得させる根拠は必要です)

もしそれが間違いでもいいんです。まとまった良い展示にしよう、と思うのは当然だし、私もそうしたいです。けれど今のままのテーマをそのまま使ったのでは本当にただの「比較」になってしまう。テーマから自分の発想を膨らませてそれが展示ブースのなかで暴れていてもそれはそれで面白いと思います。
そしてここで気付くのが、メディアに絞ったテーマでありながら、ファッションや衣服にも関係しているということです。
浮世絵は本来メディアのすべてを担っていたと言っても過言ではありません。重なる部分があっても良いのです。それが最初のテーマからきちんと連想されたものであれば散逸するということはないでしょう。


割とこの考え方と近いと感じたのは山見さんのノートです。(というかこの例より分かりやすくて、浮世絵から離れすぎていない)
山見さんは春画という浮世絵から現代の「萌え絵」を比較したら面白いのでは?と考えていました。浮世絵からはずれすぎず、自分のアイデアを盛り込みながら展示を作っていける良い例だと思いました。

原さんの考えではどうでしょう?
浮世絵から読み取れる日本の文化的特徴(視覚から読み取る)、社会的背景、隠喩の意味 等、面からだけでは読み取れない情報を紹介する方が私は面白いかな。。。と。
これも面白いです。あくまで例えばですが、比較としては、現代アートでそういう絵を探してみるとか(浮世絵から影響を受けている現代アート作家はいます)、現代にもそういう風習を残しているものがないかなど。(正直、比較は調べて考えるのが時間がかかるのでうまい例えとはいえませんが)
テーマ分類的には(リストには載せていませんが)「芸術」になるでしょうか?
調べてみましたが、桜が散っている絵が潔い死を表しているなどがありました。ここから自分のアイデア(何と比較するか、どういう作品で表すのか)を盛り込んでいけば作品になると思います。

これに少し通じるところがあると感じたのが、小田さんです。小田さんはその絵の裏にある知識を得ることが面白いと考えています。絵を深く知る上で「知識」はとても興味深いものです。そうなれば、小田さんが手がける展示は浮世絵の知識を得るための展示にすることもできます。
例えば浮世絵はどうやって作られていたのか(歴史的背景)の知識を伝えたいのだとすれば、版元のことから絵師のことまで調べてみると、版元は現代の編集者であったことも分かります。
作品は無くてもいいのではという意見、勇気を出して言ってくれてありがとう。この例でいうと、自分考えた視点(これはあくまで私が勝手に考えた視点ですが^^;)から知識を伝えるのであれば、これ自体が小田さんの作品になると思います。


勝手に例にしてしまってすみません、あと出していない人のアイデアにも良いものはあります。
色々と書きましたが、みんなの意見すべてを見て、私の思ったこと、
こうすれば良いのではと思ったことを書きました。
文章でなんとか伝わるように書きましたが、不明瞭な点は会議のときに話し合いましょう。下のフォームに書いてもらってもかまいません。

販売について

販売についてですが、これには様々な意見があると思います。

利点
成果が見えやすい。達成感がある。
欠点
クオリティを上げるために時間がかかる。
(江崎さんの言う通り販売をするのなら、ある程度そちらに時間をかけなければならないでしょう。しかし販売だけになると美術を知ってもらうという本来の意味が薄れてしまいます)

販売は行う価値はありますが、販売のできる作品とそうでないものがあります。例えば先ほど書いたガガの例などで考えている作品は販売はできません。販売は必ずする、or販売禁止などは決めずに個人に任せたいと思っています。これも会議で話し合います。


意見の出し方について

時間をかけて、考えている人の文章はやはり読み応えがあるし書くのも理解するもにも時間がかかります。逆に、あまり書いていない、また文章はあるけど中身があまりない文章もあります。私の悪い例を出すと、書いた目標については中村さんからスカスカの状態だと意見をもらいました。
これからは個人の作業も多くなっていくので、今以上に真剣にやらなければ個人差は目に見える形で出てきます。ノートも、自分の考えがあるノート、面白い素材を貼付けてはいるけれども何が面白いと感じたのか書いていない、コピーペースト...などそれぞれ感じるものはあると思います。私も文章をくのが上手い方ではないと感じてきているので、偉そうには言えないのですが...
この企画は頑張れば頑張るほど大変だし、時間内には終わらないかもしれません。でもその分勉強になると思います。良い展示にも良い作品作りにもなります。本気で向き合えばそれだけ自分に返ってくるものも大きいはずです。そしてその逆も然り。

もし、意見をなかなか言いにくいという人は、いい意見を持っている場合もあるのにもったいないです。私も会議の中では言える雰囲気作りを心がけるようにしますが、これからのためにも自分から言っていくこともしてみてください。


26日の会議で話し合うこと

今は様々なアイデアが出ていて、あれもこれもという状態ですが今はそれでもかまいません。面白いことを探す期間だったので。
26日は

この6テーマの方向性で良いのか(重要)

スケジュール

販売について

展示場全体の雰囲気、また作品展示の統一テンプレート(現在は箱という案が出ています)


を話し合います。意見はどんどん言ってください。私も言える雰囲気作りを心がけます。目標は2時間で終わらせます!
話し合いに出席できない人は決まったことを議事録で確認してもらうことになります。それ以降の意見はwiki上のコメントフォームに書き込むか、メーリスで回すなど何らかの形で伝えるようにしてください。


ここに書いたことについてのすべては、決定事項ではありません。
意見などはここに書き込んでください。。
1案のどこが良いのかor悪いのか
2それの代替案
を添えてお願いします。
それ以外のことでもかまいません。

名前:
コメント:

失礼します。
篠原


9月21日

佐藤さん、みんなへ
展示形態について
つまり、いままではお菓子を主なを媒介として浮世絵を紹介していこうとしていました。それを、衣装や、雑貨(本など)に広げて、それぞれが調べ作品を制作し展示します。
これによってより幅広く浮世絵を知ってもらうことが可能になると思います。
それに、調べていくにつれて分かってきましたが浮世絵は私たちの専攻領域と似ている部分もあります。


『何かと比較する』案は分かりやすくて良いと思います。
アイデアで出ていた、春画と現代の萌え系マンガや、引き札と広告、雑誌とその役割に近かった浮世絵などなど。

さらに『販売案』も目標として分かりやすく良いかもしれませんね。
しかし、それだけのクオリティを求められますし印刷までにも時間がかかりますので会議してみなければ分かりません。
私としては、販売をしたい人はする(できる作品形態の人)でも良いかもと思っています。

雑誌や新聞の記事の編み方、何かヒントがあるかもしれません。佐藤さんよろしくお願いします。
篠原

●佐藤(110921)
山見さんの書いて下さっていた

浮世絵≠芸術

という考えは妥当と思いますが、現代での一般認識としては浮世絵は日本の美術の一形態かと思いますので、一般のお客さんに「美術に興味を持ってもらう」という目標自体が不適切とは感じません。

ただ、この場合美術に興味をもってもらうというのは、「浮世絵ってこんな側面もあったんだ、美術ってひとくくりに言うけれど、展示からこういうことが知れるのは面白いな」と、意外性を楽しんでもらったり、知識欲が満たされたりするところにあるのだと思います。要は「展示って面白いな」と感じてもらえたら勝ちという事かと。
そう考えると美術館へ足を向けさせるというのは目標として悪くないんじゃないかと思います。美術館の割引券やフライヤーで数が数えられます。
(広島県立美術館でやっている展示が、展示内容からスキタイ人の文化をうかがい知ろうとするものという事で、案内しやすいかも?)

けれどいまいち成果が感じにくい方法なので、もっとはっきりと成果が目に見える方法があったほうが良いと感じます。今すぐには思い浮かばないので、もう少し調べてから書き足したいと思いますが。
新聞や雑誌等のメディアが読者に何を狙って生地を編んでいるのかが参考になるかもしれないので、ちょっとあとで調べてきます。
極端に言えば何かを「買って」もらえるという事が成果としてわかりやすいのかな?

<展示形態について>
メディアとしての側面が大きかった浮世絵の本質を考えると、お菓子をメインにお店を構えるという方法は適切ではないように感じました。
またセットや衣装等にも目が向けられていたのは、江戸の大衆文化を現代に伝えるものとしての浮世絵を意識していたということだと思いますので、展示するにあたり逐一現代との比較を取り入れると分かりやすいかと思います。
展示形態として現代の新聞や雑誌等との比較があっても面白いかもしれませんね。
参加型の企画があってもお客さんの関心度は量れるかと思いましたが、自分が作品作りに参加したくなることと浮世絵の本質の意外性との関係は薄いように感じましたので、ちょっと違うかなと。

佐藤

●井上(110922)
私も何かと比較するというのはいいと思います。
調べていて思ったのは、今まで自分が考えていたより江戸時代の人にとって浮世絵というものが身近にあって、今の私たちにも通ずるところもあるなあということでした。
自分が調べたことと同じような感じになりますが、江戸時代の浮世絵が現代の何に近いか、という比較のようなものができたら今までより浮世絵のことを身近に感じることができるのではないでしょうか?

販売案についても、目標が目に見えるのでいいかもしれません。
ですが、佐藤さんも書いていますがお菓子がメインという感じではなくなてきたように感じるので、もし販売するとしたらまた別の何かを考えなくてはなと思いました。
たとえば、これは販売とはちょっと違うかもですが、山見さんのノートに書いてあったように、当時をまねて、何か売るときの包装に浮世絵を使うというのも手かもしれません。

ちょっと今上記の二人の文を見て感じたことを書きましたが、また期限内に何か意見が出たら追記します。

井上


★江崎

私は最初の話し合いの時に,一般の人に絵画に興味を持ってもらう,
そこから,美術館に足を運んでもらえるようになったら...
というのが,今回の企画の目的なのだと把握していました。

私も,販売形態をつくれば,目的が明確になって
やりやすくなるんじゃないかと思います。
ただ,もし販売などをするなら,もう販売だけを中心に
力を注がなければいけないと思います。
(販売は,例えばです)

今アップされている目標の内容を見ると,
あれもやりたい,これもやりたい,
というような状態になっている気が...なきにしもあらず...
これでは結局,本当にやりたいことが
ちゃんと出来なくなると思います。

私は,何か販売できれば面白いと思います。
せっかく,お菓子のことをこれまで調べてきたのだから
私はお菓子を販売したいです。

比較の話が出ていましたが,比較をどのように表現するのか
ほとんど想像がついていません。
私は,今まで通り舞台・衣装の演出でいいと思っていましたが,
「比較」は,言葉を聞く限りでは面白そうだと思うので,
その案を推されている方に,機会があれば
具体的なイメージを聞きたいです♪

最後になりましたが,皆さんの意見がアップされたら
まずこの企画の目的(目標),内容を明確にさせたいです。

なんか偉そうでごめんなさい...
〜エザキ〜


▼西川
目標は、私も浮世絵がおもしろいってことをしってもらって、興味をもってもらって美術館に足をはこんでもらえるようになるってことだとおもいます。
比較するっていうのが一番わかりやすくて、身近に感じるんじゃないかなとおもいます。
正直、最初は浮世絵のことを全然知りませんでしたし、興味もあまりなかったのですが、調べていくうちにおもしろいと思うようになっていきました。
形式はなにか作品をつくって展示っていう形式がいいなとおもうのですが
それだけでは目標の達成はむずかしいんじゃないかと思います。
でも販売はする必要があるのか疑問です。この方向でいくともうお菓子は関係ないんじゃないかな・・・っておもっています。
制作した作品の一つにおかしがあってもいいとおもいますが。

ごちゃごちゃしててすみません。
西川


●山下
 「興味をもってもらう」ことが目標であるなら、皆さんも述べているように「販売して、それを買ってもらう」のが今のところ一番結果がわかりやすいと感じました。買ってもらえた、手にとってもらえた、ということはその時点で興味を持たせることに成功しているので。ただ展示するもの、展示の仕方によっては西川さんの言うように販売形式が適切ではない可能性もでてくると思います。(その場合はアンケートや直接お客さんと交流するなどの方法で結果を探っていくことになるでしょうが情報の収集率は確実に下がりそう)
 自身のノートにも記述しましたが浮世絵の魅力の一つに“ハードルの低さ”があるので、何かしらお客さんが作品を手に取りやすい形態で展示したいと考えています。額縁に入れるなど触りづらいことにはしたくないです。お菓子の包装紙に浮世絵を使って、どちらも楽しめるようにするという案が個人的にはおもしろいと思います。
※ずれているかもですがご当地キャラクターでデザインされたお土産のパッケージとか、お菓子を売る等宣伝のために使われる絵、という点で何かヒントが得られないか、とちょっと思いました



  • 木村-----------------------------------------------------------------

浮世絵の世界観が伝えられれば少しでも美術に興味を持ってもらえると思います。それに分かりやすいし、やりやすいと思います。
今はアイディアがですぎてちょっと放浪気味だと思いますが、このテーマを変えずにやり方を変えれば大きな間違った方向に行かずに良い結果が見えると思います。
私が前にいっその事お菓子の販売ごとやめればよいのではいいのではないかと言いましたが、皆さんの意見を見て、お菓子を販売することで親しみやすさや楽しさを表現することができると思いました。
浮世絵は視覚表現にぴったりのテーマだと思いました。
物を販売するという行為はとても大きな経験になります。
アイディアがあふれて討論することはとてもいいことですが切り捨てていく作業も必要だと思います。


すいません、月並みなことしかいえません。
具体的な案があったらま書きます。





  • 岡崎
目標は展示を見に来た人に過去と現代の表現、生活、感性の違いを知ってもらって楽しんでもらうことだと思います。

二人グループでの作業になるようなので美術としての浮世絵や、どんなお菓子を誰が食べていたのか、などいろんな方向から提示すればより江戸や浮世絵について理解が深まると思います。



●小田(110923)

目標の、「浮世絵ってこういう側面もあったんだ!と知識を見直してもらい、
お客さんに最終的に浮世絵、日本の美術に興味を持つことによって美術館などに足を運んでもらいたい」
について少し考えてみました。
そもそも美術品というのはその時代の文化を知るとても重要な手がかりでもあります。
私は、美術品を見るときに、見た目や色の美しさ、デザインなんかのほかにその作品の背後にある文化についての知識を得ることを楽しみます。(みんなもありますよね?)
これが海外の作品だと割と好みがわかれたりもするんだけど、浮世絵(日本)だと、たいていの人が少なくとも海外のものよりは関心が持てるのではないかな、と。
そこからさらに美術全体に対して関心を広げていってもらえたら、それが最高なんじゃないかと思います。

で、ここで、日本の美術(浮世絵)の中の一体何に関心を持ってもらうか。何を一番最初の原動力にしてもらうかといったら、その「文化を通して得られる知識」なんじゃないかなと感じました。浮世絵に限らず日本美術の、色彩の美しさ・造形美はもう周知の事実で目新しさはそこまでない。となると、テーマに選んだ浮世絵の強み、といったら江戸時代、大衆文化を如実に映し出していることが一番だと思います。
今回は、お菓子をその江戸の文化として抽出するのが一番初めに決まったことですが、正直、弱い?といった感じは否めません。
後から出た案の「6種類のテーマ」の中の一つ、として出した方がより自然に思えました。(お菓子班の人間がこんなこと言っていいのかあれなんですけど)

大きな方向性としては
 ①1種類のテーマ中心に進める(お菓子)
 ②6種類のテーマを同時進行
のふたつが上がっています。しかし現時点でお菓子ではその中心を務めるには
弱いのではないか?と考えています。(代替案はファッションなど)
  ①を選んだ場合はそれを軸に肉付け
  ②を選んだ場合は内容が散り散りになってまとまりがなくなってしまわないようにある程度中くらいの方向性を持たせた方がいいと思います。
中くらいの方向性としては
  a.江戸文化の中の浮世絵
    (印刷、流通、絵師など浮世絵をとりまく文化)
  b.浮世絵の中の江戸文化
    (着物、菓子、町人の生活など浮世絵に描かれた文化)

    …すんませんがんばってもこの2つくらいしか浮かびませんでした。


私は、誤解を恐れず言ってしまえば、作品はなくてもいいんじゃないかな。と思います。
この企画はそもそも、より多くの人に美術に興味を持ってもらいたい。その足がかりにしよう。というものです。
私は当初、そのための「知識」を五感で感じながら楽しんで知ることができたらいいと思いお菓子の案を推していました。

しかし、もっとシンプルでもいいのではないか?

と感じています。浮世絵に関連した、あるいは浮世絵を通した江戸の文化を調査し、それを発表するだけでよいのではないか?と。
するだけ、というのは語弊があります。発表といいましたが、その発表の場を含めて、すべてが1つの作品になる。ということなので、個々の調整が必要不可欠になりますし、指揮をとるリーダーも仕事が増えます。
パネルに展示するにしても、そのデザインは、並べる浮世絵共々違和感がないようにしなければなりません。シンプルな分ごまかしが効きませんから。
正直めんどくさいです。
やりがいはあると思います。

 シンプルに わかりやすく そしてかっこよく(←ここ重要) 知識を伝える

視覚造形(あるいはグラフィック)のドストライクな領域じゃないかなと思いました。
展覧会をマネジメントする、というのが近いのかな?

とまあ私は今このように考えています。
今回は最後までがんばりぬきたいです。


小田


■奥田
最初に決まった目標は、「美術に興味をもってもらうこと」
それは変わっていないと思います。
みなさんの意見を読んでいて、比較をテーマにするのはたしかに見に来た人の関心を得るかもしれないと思いました。
それは、お菓子の販売案でもできるだろうし、何か別の作品としてもできることです。
私としては、はじめの決定どおり、お菓子の販売でやりたいです。
目標が見えやすいというのと、自分が関心があるからという理由です。
販売をする必要があるかについては、疑問もありますが、何か手にふれることのできるもの…というのが興味を持ちやすくていいかなと思いました。


●佐藤(110923)
皆さんご意見ありがとうございます。
月曜の会議に私は参加できませんので、現時点での皆さんの意見を踏まえた私の意見を書いておきます。

まず、「美術に興味を持ってもらう」という大目標について。
これは皆さん共通認識として変わっていないようですが、これだとちょっと漠然としすぎています。
そこで美術(今回は浮世絵)の面白い面とは何か?というと、岡崎君や小田さんの言うとおり「文化の違いについて感じてもらうことができる」、ということだと思います。
それは浮世絵に描かれた内容から現代と江戸との違いを感じられるという事でもあり、浮世絵そのものが持っていたメディア性(雑誌であり、広告であり、ブロマイドであり、漫画やアニメのルーツであり、エロ本であり…)の現代との類似点・相違点についてでもあるのでしょう。
そして最終的にお客さんに促したい行動目標が、美術館へ足を運んでもらえれば、ということになるのだと思います。


この目標で方向性を定めるならば、6テーマに絞り作品制作をする展示方法が適切であると考えます。
そして私の意見としては、篠原さんのノートに書かせてもらった「視覚造形的な」、もしくはメディア性に関連のある6テーマに絞る方法を推します。
理由として、中テーマがあったほうが統一感が出しやすいこと、及び私達の専攻にふさわしいテーマであると思えることがあります。
また、現代との比較がしやすく、見た人にストレートに江戸と今との差を感じてもらいやすいと思いますし、特に浮世絵そのものの持っている平面性やデフォルメといった特徴から、“日本の美術”についてアプローチできるからです。

お菓子やファッションといった文化そのものにスポットを当てることもできるとは思うのですが、たとえば浮世絵に描かれた着物の模様から着想を得て作品を作ったとして、それは「浮世絵の魅力を伝える」ものになるのか?という点が疑問です。
それは「着物の模様に」着想を得ているのであって、浮世絵からは飛躍してしまっているように感じます。
最初の案であれば、浮世絵の世界を五感で感じてもらうというコンセプトのもと、お菓子や衣装を制作するというかたちでのアプローチができましたが、もしテーマを複数にするのであれば浮世絵に描かれた文化の方に目を向けるとテーマが散逸しがちになる気がします。
あくまで浮世絵そのものの魅力から離れない作品提示ができるのであればそれでもよいとは思うのですが。

販売については西川さんの言うように「必要であるのかどうか」が争点かなと思います(自分で言っておいてあれですが)。
販売というのはあくまでお客さんの動向をうかがうための案ですので、展示方法や目的とかみ合わないのであれば代替案を考えるべきだと思います。
個人的には山下さんの言う「敷居の低さ」がとても気になっています。手にとってもらえるということの先に何かが見えないか?そこにヒントがあるような気がします。

美術館に足を運んでもらえればという行動目標なんですが、販売やそれに替わる案などで成果が目に見えるのであればここはいらないのではないか…とも思います。
そもそも美術に興味を持ってもらえるという事は、美術館へ行ってもらうことなのか?
まして浮世絵が大衆にとってより身近な文化であったことを思えば、わざわざ美術館へ足を運ばせるという「敷居が高そうな行為」より、もっと生活に密着した美術の役割を見つけるべきではないか?とも思います。

あるかな。探してみます。
(佐藤)

○原

目標:「美術に興味を持ってもらう」

浮世絵はそれほどマイナーなジャンルでもなく、写楽の絵等、作品自体は見知っている人は多いと思われます。
ただ作品の紹介(ジャンル・作者等)ではあまり面白くないと感じます。
浮世絵から読み取れる日本の文化的特徴(視覚から読み取る)、社会的背景、隠喩の意味 等、面からだけでは読み取れない情報を紹介する方が私は面白いかな。。。と。

内容

  • 一つの視点から一つのものを詳しく掘り下げる
  • 多くの目線から色々なものをリサーチする

まずどちらで攻めるかを決める。
私は後者の方が良いと思います。メンバー全員で同じものをリサーチすれば量は多くなりますが、情報がだぶったり、情報をまとめるのに余計な労力を使います。
少人数で別れてそれぞれ調べる。その方が無駄も無く、密度も出やすいかと。

提示方法
私のアイディアなので最後まで押してみようかと思いますが、
6つのテーマで、それぞれが調査したことを基にチームごとに表現をする。
表現したものの提示方法は全体でテンプレートを設定。
テンプレート内で各チームいかに表現したものをおさめるか工夫する。
(原案は箱の中に表現したものをおさめる。というものでした。重箱のように)
鑑賞者には、その展示物への導入として、お菓子を買ってもらう。
これは、6つのテーマに対応した6種のお菓子をセットとして、チケットの役割を。
お菓子を食べながら、鑑賞者はその箱を観る。

お菓子と展示をどう絡ませるか。そこが難しくもあり、ちゃんと絡ませれたらとても面白いだろうと思います。

後、表現にしろ展示方法にしろ、なるべくシンプルに、無駄な仕事をしないものが良いです。
舞台を作る。等は、仕事量の割に精度が出ないです。
面倒だからとかではなく、私たちにそんな技量が無い、という理由です。
視覚造形はいかにシンプルに分かりやすく情報を伝えられるか。を勉強しているのだったら、それを生かすべきです。

なんか見当違いな事言い始めてる気がするので、ここらへんで。
私情で期限を守れず申し訳ありませんでした。



■山見
まず初めに、事前に連絡していたこととは言え、個人の事情で意見出しが間に合わなくてすみませんでした。
皆様の意見と篠原さんの総括意見を読ませていただきました。
確かに大目標としては「美術に興味を持ってもらう」ですが、

美術に興味を持ってもらう≠美術館に足を運んでもらう

ではないと思います。
興味をもってもらうことは、ある人にとっては美術資料を読む事かもしれない。
また、ある人にとっては絵を描き始めることかもしれない。
下手な話、美術館に足を運んでもらうをボーダーにしてしまうと、私達で勝手に"美術"というのを決めつけてしまうのではないでしょうか。
絵を一切描いた事がない人が、この企画を機に落書きでも絵を描いてくれたらすごく嬉しくないですか?
成果としてはわかりにくいかもしれませんが、あくまで参考までに。

全体の意見を読んで感じた事は、「美術に興味を持ってもらう」という目標に変にガチガチに捕われてしまうのでは?という事です。
篠原さんの総括にもありましたが、自由にやれたらいいと思います。
もちろん、制作するにあたってコンセプトはしっかりまとめなくてはいけません。自由勝手にやりたい放題やったらいいと言っているわけではありません。
自分達でやりたい事をやって、それが何か「美術に興味をもってもらう」ということに繋がるアプローチの仕方がベストですよね。
その方法が、もしかしたら販売かもしれない。販売じゃないかもしれない。
販売するか否か色々意見がありますが、仮に、販売という行為がアプローチとしてベストなら、たとえ時間がかかってもすべきだと考えます。
逆に効果が見込めないならすべきではないと考えます。時間の使いようですね。

まだ漠然としている全体図、今回の会議でなにか具体的な形にしたいです。
あまりまとまってない内容ですみませんでした。
最終更新:2011年09月27日 03:18