Nexsus(ネクサス)及びNexal(ネクサル)とは,船橋重工業の標準車体工法。2005年に実用化された。名称はNextとSUS(ステンレス鋼)及びAluminiumを組み合わせた造語。また英単語のNexusには「連結手段」の意味があり,この工法で特に工夫されている点が構体の溶接であることとかけられている。
Nexsusの概要
基本的には従来の軽量ステンレス車体の延長線上にある工法であるが,自動溶接を行うことで工数を大幅に削減。これにより従来より製造期間及びコストを削減している。構体は側面・屋根・妻面に分かれているが,それぞれの接合部分について側面と屋根は雨樋部分,妻面と側面及び妻面と屋根は側面構体の飛び出し部分としている。雨樋部分の飛び出しを車両限界に合わせるため,車体は僅かながら台形となっているのが特徴。溶接については初期(Nexsus 1.0)ではスポット溶接,中期(Nexsus 1.1以降)ではレーザ溶接を採用している。内装については従来の化粧板とは異なりFRP(繊維強化プラスチック)を多用している。また窓には緑系の熱線吸収ガラスを採用,カーテンを省略している。それらを含めた内装パーツはモジュール化され,用途に応じて使用パーツを変えることで様々な需要に対応できるレディメイド方式となっている。
Nexsus 2.0の概要
2013年からの製造車両については車体構造を一新したNexsus 2.0が採用されている。1.0及び1.1では雨樋部分が飛び出しており,それが本工法の特徴となっていたが,この2.0では接合部分の変更により外板の完全フラット化を実現した。また構体構造も見直したことで,1両あたり平均0.3~0.4t程度の軽量化が図られている。また内装についてはつり革の懸架用棒や網棚部分,座席のスタンションポールを一体化するロールバー構造を採用。これにより側面からの衝撃に対する剛性が上昇している。また標準内装のシートがハイバックのものに変更されている。
Nexalの概要
2006年より製造開始。基本的にはNexsus採用車両と内装モジュールを共有しつつ,車体はアルミ合金製となっている。外板の接合にFSW(摩擦攪拌接合)を使用している。外板自体にもダブルスキン構造を採用,車体強度を向上させつつ軽量化している。
採用車両
Nexsus 1.0/1.1
- 塔野高速鉄道TR-5000系電車(01~07編成は1.0,08~26編成は1.1。ただし一部例外あり)
- 塔野高速鉄道TR-6000系電車(1次車は1.0,2次車は1.1)
- 塔野高速鉄道TR-7000系電車(TR-5000系からの編入車の一部は1.0,ほかは1.1)
Nexsus 2.0
- 塔野高速鉄道TR-5000系電車(27~42編成)
- 塔野高速鉄道TR-8000系電車
- 塔野高速鉄道TR-11000系電車
- 塔野高速鉄道TR-12000系電車
- 六京旅客鉄道9000系電車
- 六京旅客鉄道2000系電車
- 新都メトロ15000系電車(311000系)
- 新都メトロ21000系電車(252000/361000系)
- 新都メトロ262000系電車
- 都西開発鉄道2000系電車
Nexal
- 塔野高速鉄道3000系電車
- 塔野高速鉄道TR-9000系電車
- 六京旅客鉄道8000系電車
- 新都メトロ6000系電車(261000/321000系,都西開発鉄道1000系を含む)
- 夢吊橋空港アクセス鉄道2000系電車
その他採用例は多数あり。
次世代
2019年に船橋重工業は新しい車両規格である「F-sharp」を発表。Nexsus及びNexalはこれに統合される。