TR-5000系電車は,塔野高速鉄道の通勤型車両(*1)。
塔野高速鉄道TR-5000系電車 | |
TR-5000系の前面(前期車01F) | |
基本情報 | |
運用者 | 塔野高速鉄道 |
製造所 | 船橋重工業豊崎工場 |
製造年 | 2005年〜 |
製造両数 | 434両 |
運用開始 | 2006年4月28日 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 130km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
起動加速度 | 3.3km/h/s |
減速度 | 4.2km/h/s(常用) 5.0km/h/s(非常) |
車両定員 | 本文参照 |
全長 | 先頭車:20,200mm 中間車:20,000mm |
自重 | Tc1車,Tc2車:26.0t M1車:32.4t M2車:32.6t T1車:24.2t T2車:25.2t T6d車:24.4t |
全幅 | 2,800mm |
全高 | 4,050mm |
床面高さ | 1,125mm |
台車 | ボルスタレス方式空気ばね台車 電動車:TRB-M105 付随車:TRB-T105 |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 TRM-I105/TRM-I120C |
主電動機出力 | 210kw |
駆動方式 | TD継手式中実軸平行カルダン方式 |
歯車比 | 99:16(6.19) |
制御装置 | IGBT素子VVVFインバータ制御 フルSiC-FET素子VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 回生併用電気指令式電磁直通ブレーキ (全電気式) |
保安装置 | 本文参照 |
概要
4000系をさらに発展させた車両として2005年から製造された。2008年の八城開業に備え,高速運転に対応した足回りを備えている。車体工法には2枚のフラット外板を雨樋部で張り合わせる新工法Nexsus(ネクサス)を採用。以降の塔野高速の車両におけるスタンダードとなった。2015年の増備車からは新工法であるNexsus 2.0を採用,これにより外板を完全フラット化した。
車体
前述の通り軽量ステンレス車体を採用。紺色と空色(or青緑色)の2色の帯を纏う。窓上に2色,前面を含め窓下は紺色1色の帯となっている。
車内
基本的には4000系のカラースキームを受け継ぐ。大型袖仕切りを始め,青紫系のFRPが多用されている。側面扉上には15インチのLCD式車内案内表示機を2基/扉備える。後期車からはハイバックシートの採用,車内案内表示機の大型化及びデジタルサイネージとして車内広告に代わる液晶ディスプレイを24基(中間車)/両備える。各車両ごとにフリースペース(車椅子スペース)を設置しているため,着席定員は45人(先頭車)/51人(中間車)と少ない(ただしこれは初期/中期車の仕様。後期車は3-5及び4-6扉間の座席が6人掛けに変更されたため43人/49人に減少。また後述のcT5008では39人)。
機器類
IGBT素子VVVFインバータ制御を本格採用。1コンバータ1モータの個別制御方式を採用しており,全ての電動車に4基ずつ搭載されている。後期車(5027F~)はフルSiC-FET素子に変更されている。補助電源装置にはSIVを採用しており,編成あたり2基を標準とするが故障時には(10両編成のみ)予備の1基を稼働させることで2基分の電力供給を行う。主電動機にはIM105(1時間定格出力210kw)を採用。本所永妻橋〜南商栄間の長い上り坂を高い乗車率でも100km/h以上で上れるように定格出力を大きめにとっている。台車はボルスタレス式のB105シリーズ,駆動装置にはFRP一体成型型のTDカルダン駆動を採用している。保安装置には現在はTIACSのTR仕様を搭載。
標準車体として
本系列をベースとした派生車両がいくつか存在する。
八真線と奈川線の直通運転に備えて製造された車両。車体構造が全く同一。
豊崎線に導入された。第27編成以降と同一の車体構造を持つが,実際に製造されたのは15000系の方が先である。
そのほかにも本系列の車体規格は様々な形式に流用されている。
次車別解説
- 初期車(1〜3次車)
5001〜07Fが該当。2008年の八城開業に備えて製造されたグループ。5003〜05Fは導入当初は八真線での走行のため,8連に短縮の上で空色の帯が青緑色に変えられていた(ただし組成から外れる5,6号車は除く)。現在5002~06Fには6扉車が組み込まれている。また5007Fは8連に短縮された状態で休車となっている。
- 中期車(4〜7次車)
5008〜26Fが該当。初期車からの変更点として客用扉の窓ガラスがRの小さいものに変更されており,より長方形に近くなっている。これら19本はTR-2000系の置き換え,及び輸送力増強用として製造された。5009~26Fには6扉車が組み込まれている。また5008Fは2018年にTR-8500系のTR-SEATサービスに対応するために1号車であるcT5008のみ座席の可変シート化が行われ,前面の帯が通常の紺色から空色に変更されている。
- 後期車(8〜11次車)
5027〜42Fが該当。外板のフラット化,VVVFインバータ制御へのSiC-FET素子採用などの変更点から実質別の形式と扱われることもあり,TR-5000N系とも。5035,36Fは八真線用に当初から8連で製造されているが,初期車の一時的な転属時の塗装とは異なり前面デザインはTR-6000系及び新都メトロ15000系電車に準ずる。また5038Fは特別仕様車として青1色の塗装を纏い,内装も特別なものとなっている。
形式別解説
cT5000 (Tc1)
A線(八城・新都工大八城)方面先頭車。
Tc5050 (Tc2)
B線(夢吊橋・北真砂)方面先頭車。一部編成には軌条塗油装置が取り付けられている。
M5100/5150(M1)
M1車。VVVF4群,SIV,パンタグラフ1基を搭載。1編成に2両組み込まれている。
M5200/5250(M2)
M2車。VVVF4群,CP(空気圧縮機),Bt(蓄電池),パンタグラフ1基を搭載。1編成に2両組み込まれている。M5100/5150(下2桁が同じ番号のもの)と対になる車両だが,MMユニット形式ではない。
M5300(M2)
M2車。VVVF4群,CP,Bt,パンタグラフ1基を搭載(ただし配置がM5200/5250と異なる)。10両編成にのみ組み込まれているため,(07,)35,36は欠番となっている。
T5400/5450(T1/T6d1)
T1車。1編成に2両組み込まれている。一部編成のT5450には線路モニタリング装置が取り付けられている。T5400の02~06と09~26は6扉車。
T5350(T2/T6d2)
T2車。予備のSIVを搭載する。なおこちらも10両編成にのみ組み込まれているため,85,86は欠番となっている。52~56と59~76は6扉車。
編成表
10両編成
< | > | < | < | > | ||||||
←八城 | 夢吊橋→ | |||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
形式 | 5000 | 5100 | 5200 | 5400 | 5300 | 5350 | 5450 | 5100 | 5200 | 5050 |
車種 | Tc1 | M1 | M2 | T1 | M3 | T2 | T1 | M1 | M2 | Tc2 |
車番 | 5001 ~ 5034 5037 ~ 5042 |
5101 ~ 5134 5137 ~ 5142 |
5201 ~ 5234 5237 ~ 5242 |
5401 ~ 5434 5437 ~ 5442 |
5301 ~ 5334 5337 ~ 5342 |
5351 ~ 5384 5387 ~ 5392 |
5451 ~ 5484 5487 ~ 5492 |
5151 ~ 5184 5187 ~ 5192 |
5251 ~ 5284 5287 ~ 5292 |
5051 ~ 5084 5087 ~ 5092 |
8両編成
< | > | < | > | |||||
←新都工大八城 | 北真砂→ | |||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
形式 | 5000 | 5100 | 5200 | 5400 | 5450 | 5100 | 5200 | 5050 |
車種 | Tc1 | M1 | M2 | T1 | T1 | M1 | M2 | Tc2 |
車番 | 5007 5035 5036 |
5107 5135 5136 |
5207 5235 5236 |
5407 5435 5436 |
5457 5485 5486 |
5157 5185 5186 |
5257 5285 5286 |
5057 5085 5086 |
更新工事
初期車については製造10年以上が経過し,後期車と比較すると内装面で見劣りする面も目立つことから
- デジタルサイネージの設置
- 扉上液晶ディスプレイの大型化(17インチに)
- 座席の一部ハイバック化
を含めた客室更新工事を実施しており,2020年に完了した。今後は中期車についても同様の工事を予定している。