チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
エボルトのパーフェクトえいゆう教室
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どうすれば良いんだろうか。
泣いている男を前に、自分は未だ何も出来ずにいる。
分からないのだ、彼に何と声を掛ければ良いのかが。
泣いている男を前に、自分は未だ何も出来ずにいる。
分からないのだ、彼に何と声を掛ければ良いのかが。
泣いている胴着の男も、命を落としたハチマキの男の事も、自分は何も知らない。
到着した時にはもうほとんど手遅れだった。
チェンソーの化け物をエボルトと共に退けたものの、男の人を助ける事はできなかった。
彼らは殺し合い以前からの仲なのか、それともここで知り合った仲なのか、
自分達が来る前に何を話して信頼を高めたのか、何一つとして知らない。
そんな何も知らない自分が、悲しみに暮れる彼に慰めの言葉を掛けた所で、却って怒らせるのではないだろうか。
その気はなくとも、不用意な言葉が余計に彼を傷つけてしまうかもしれない。
そう考え、口から言葉が出ずにいる。
到着した時にはもうほとんど手遅れだった。
チェンソーの化け物をエボルトと共に退けたものの、男の人を助ける事はできなかった。
彼らは殺し合い以前からの仲なのか、それともここで知り合った仲なのか、
自分達が来る前に何を話して信頼を高めたのか、何一つとして知らない。
そんな何も知らない自分が、悲しみに暮れる彼に慰めの言葉を掛けた所で、却って怒らせるのではないだろうか。
その気はなくとも、不用意な言葉が余計に彼を傷つけてしまうかもしれない。
そう考え、口から言葉が出ずにいる。
と、このような自分の悩みなどお構いなしに、赤い同行者は口を開いた。
『泣いてるとこ悪いが、そろそろ移動するぞ』
渋みを感じさせる声で胴着の男へ移動を促す。
無神経と思わないでもない。
だが彼、エボルトの言う通りこの場から離れた方が良いとは思う。
こういう場面でハッキリと言える度胸は、自分にはまだ足りてなかったようだ。
無神経と思わないでもない。
だが彼、エボルトの言う通りこの場から離れた方が良いとは思う。
こういう場面でハッキリと言える度胸は、自分にはまだ足りてなかったようだ。
胴着の男は困惑したようにこちらを向く。
泣き腫らした瞳には、隠しようも無い警戒と恐怖が宿っていた。
無理も無いだろう。
仲間を殺されたばかりで、どこの誰かも知らない男と全身真っ赤の怪人に話しかけられたら、誰だってそうなる。
泣き腫らした瞳には、隠しようも無い警戒と恐怖が宿っていた。
無理も無いだろう。
仲間を殺されたばかりで、どこの誰かも知らない男と全身真っ赤の怪人に話しかけられたら、誰だってそうなる。
「お、おじさんたち…だれ…?」
『自己紹介は後だ。ちょいと派手に暴れたみたいだからな、余計な奴まで呼び寄せるかもしれねぇ』
「おじさんたちも、悪者なの…?」
『おいおい、こんなイケてる悪者がいる訳ねぇだろ?』
『自己紹介は後だ。ちょいと派手に暴れたみたいだからな、余計な奴まで呼び寄せるかもしれねぇ』
「おじさんたちも、悪者なの…?」
『おいおい、こんなイケてる悪者がいる訳ねぇだろ?』
呆れたように肩を竦めるエボルト。
相も変わらぬ胡散臭い仕草に、心なしか向こうの警戒度が上がった気がする。
それを自覚してるのかしてないのか、ハチマキの男の人を背負った。
胴着の男があっと声を漏らすのを無視し、自分へ指示を出した。
相も変わらぬ胡散臭い仕草に、心なしか向こうの警戒度が上がった気がする。
それを自覚してるのかしてないのか、ハチマキの男の人を背負った。
胴着の男があっと声を漏らすのを無視し、自分へ指示を出した。
『とりあえずルブランに戻るぞ。こいつは俺が運ぶから、お前は荷物を頼む』
ハチマキの男をここに放置する気はエボルトにも無いようだ。
自分としても野晒しにするのは避けたい所だった。
エボルトに頷き返し、デイパックと刀を回収する。
それから未だ立てずに視線をウロウロさせている胴着の男へ
自分としても野晒しにするのは避けたい所だった。
エボルトに頷き返し、デイパックと刀を回収する。
それから未だ立てずに視線をウロウロさせている胴着の男へ
→【肩を貸す】
【早く立つよう促す】
【こいつは置いて行こう】
【早く立つよう促す】
【こいつは置いて行こう】
彼の大きな肩へ腕を回し、立ち上がらせる。
まだ警戒しているようだが、「今は自分達を信じて欲しい」、と目を見て告げた。
暫し黙っていたがやがて力なく頷き、こちらが手を貸さずとも立てるようにはなった。
格闘家か何かだろうか、胴着の下の筋肉は男の自分から見ても見惚れそうなくらいにガッシリとしている。
まだ警戒しているようだが、「今は自分達を信じて欲しい」、と目を見て告げた。
暫し黙っていたがやがて力なく頷き、こちらが手を貸さずとも立てるようにはなった。
格闘家か何かだろうか、胴着の下の筋肉は男の自分から見ても見惚れそうなくらいにガッシリとしている。
『そんじゃあ、さっさと行くぞ』
エボルトの号令に従い三人揃って移動する。
先頭はエボルト、真ん中は胴着の男、そして最後尾は自分。
エボルトに背負われたハチマキの男を、胴着の男はどんな思いで見ているのだろう。
彼の背中は、とても小さく見えた。
先頭はエボルト、真ん中は胴着の男、そして最後尾は自分。
エボルトに背負われたハチマキの男を、胴着の男はどんな思いで見ているのだろう。
彼の背中は、とても小さく見えた。
幸いな事に移動中はトラブルも無く、無事にルブランへ戻って来れた。
その間、誰も口を開きはしなかった。
その間、誰も口を開きはしなかった。
◆◆◆
『悪いな、お前の部屋を使っちまってよ』
階段を降りて来たエボルトへ、気にしなくて良いと返す。
ハチマキの男は屋根裏部屋のベッドに横たわっている。
本当ならばきちんと埋葬してあげるのが良いのだろうが、今はとりあえず外に放置するのを防いでおいた。
チラリと胴着の男を見ると、テーブル席で縮こまっている。
ルブランに来てからも彼が口を開く事は無く、ハチマキの男を屋根裏部屋に寝かせて良いかと聞いた時、力なく頷いた程度だった。
ハチマキの男は屋根裏部屋のベッドに横たわっている。
本当ならばきちんと埋葬してあげるのが良いのだろうが、今はとりあえず外に放置するのを防いでおいた。
チラリと胴着の男を見ると、テーブル席で縮こまっている。
ルブランに来てからも彼が口を開く事は無く、ハチマキの男を屋根裏部屋に寝かせて良いかと聞いた時、力なく頷いた程度だった。
きっと自分が思うよりもずっと、深い悲しみを味わっているのだろう。
だが永久にこのままともいかない。
だが永久にこのままともいかない。
『さて…幾つか聞いておきたい事がある。辛いだろうが、このままだんまりを決め込まれちゃこっちも困るんでね』
珍しく真剣な雰囲気でエボルトが言う。
何故か未だに変身を解かず、赤い装甲を纏った…ブラッドスタークという名らしい姿のままだ。
少々気にはなったが今は胴着の男から話を聞く方が大事。
男の方も特に何も言って来ないのは、仲間が死んでしまった悲しみが大きく、こちらの容姿を気にする余裕が無いのだろう。
何故か未だに変身を解かず、赤い装甲を纏った…ブラッドスタークという名らしい姿のままだ。
少々気にはなったが今は胴着の男から話を聞く方が大事。
男の方も特に何も言って来ないのは、仲間が死んでしまった悲しみが大きく、こちらの容姿を気にする余裕が無いのだろう。
『まずは名前を聞かせちゃくれねぇか?それから、お前の持ってる鞄に紙みたいなのが入ってたら、それも見せてくれ』
「……オラは、野原しんのすけ。5歳、だゾ…」
「……オラは、野原しんのすけ。5歳、だゾ…」
驚くべき事に彼、しんのすけは幼稚園児くらいの子どもだった。
話し方からして肉体よりも幼い精神が入っているとは予想していたが、まさか一桁の年齢とは…。
こんな小さな子供まで巻き込むとは、ボンドルドは相当なろくでなしだ。
今まで改心させてきたパレスの主といい勝負、下手をすればそれ以上の悪党。
話し方からして肉体よりも幼い精神が入っているとは予想していたが、まさか一桁の年齢とは…。
こんな小さな子供まで巻き込むとは、ボンドルドは相当なろくでなしだ。
今まで改心させてきたパレスの主といい勝負、下手をすればそれ以上の悪党。
それからしんのすけがデイパックから取り出した紙、体のプロフィールにエボルトはざっと目を通した。
気になる内容でも記されていたのか、何かを思案する仕草を見せた。
自分も少し気になったが、それは後で教えてくれと頼めばいい。
気になる内容でも記されていたのか、何かを思案する仕草を見せた。
自分も少し気になったが、それは後で教えてくれと頼めばいい。
名前を教えてくれたしんのすけは事の経緯を話してくれた。
幼い事も有り要領を得ない部分が幾つかあったものの、大体は分かった。
幼い事も有り要領を得ない部分が幾つかあったものの、大体は分かった。
ボンドルドの放送が終わってすぐ、しんのすけはハチマキの男、煉獄という人に会った。
煉獄さんは自分も戦うと告げたしんのすけの言葉へ最初は渋っていたが、「悪者をやっつける仲間」と認め、行動を共にしていた。
その道中、巨大な虫を見つけ仲間に誘ったが、虫は大暴れして逃げようとした。
更にギザギザした頭の怪物――恐らくはチェンソーの怪物――まで現れ、煉獄さんが戦った。
だが煉獄さんは怪物に斬られ、その直後に自分達がやって来た。
大まかな内容はこうだった。
煉獄さんは自分も戦うと告げたしんのすけの言葉へ最初は渋っていたが、「悪者をやっつける仲間」と認め、行動を共にしていた。
その道中、巨大な虫を見つけ仲間に誘ったが、虫は大暴れして逃げようとした。
更にギザギザした頭の怪物――恐らくはチェンソーの怪物――まで現れ、煉獄さんが戦った。
だが煉獄さんは怪物に斬られ、その直後に自分達がやって来た。
大まかな内容はこうだった。
巨大な虫やチェンソーの怪物も気掛かりだが、確かな事は煉獄さんのお陰でしんのすけは今も生きている。
最後まで戦い抜いた煉獄さんへ、思わず尊敬の念を抱いた。
同時に、そんな人を助けられなかったと、またもや後悔の念が浮かび上がった。
と、しんのすけの話に何か考え込んでいる様子のエボルトが、またもや質問を口にした。
最後まで戦い抜いた煉獄さんへ、思わず尊敬の念を抱いた。
同時に、そんな人を助けられなかったと、またもや後悔の念が浮かび上がった。
と、しんのすけの話に何か考え込んでいる様子のエボルトが、またもや質問を口にした。
『なぁ、しんのすけ。煉獄はお前に「悪者をやっつける」、そう言ったんだよな?』
「…うん、そうだゾ」
『他に何か言わなかったか?その悪者が何の為に俺達をここへ連れて来たのか、とか』
「…うん、そうだゾ」
『他に何か言わなかったか?その悪者が何の為に俺達をここへ連れて来たのか、とか』
質問にしんのすけは首を横に振る。
その返答に対しエボルトは再度考え込むような仕草を見せ、自分の方を向いた。
…彼の考えている事は自分にも分かった。
しんのすけは自分達が殺し合いに参加しているという事を、理解できていない可能性が高い。
無理もない、しんのすけは余りにも幼い。
大人でさえ動揺し我を忘れるかもしれないのに、まだ5歳のしんのすけが殺し合いの事を知ったら大パニックになるだろう。
いや、そもそも5歳児に殺し合いだと理解しろと言う方が難しい。
きっと煉獄さんもその辺りを考慮して、しんのすけに真実を告げようとはしなかったはず。
しんのすけの精神に余計な負担をかけさせない止めにも、「悪者をやっつける」、そのシンプルな言葉だけを伝えたに違いない。
その返答に対しエボルトは再度考え込むような仕草を見せ、自分の方を向いた。
…彼の考えている事は自分にも分かった。
しんのすけは自分達が殺し合いに参加しているという事を、理解できていない可能性が高い。
無理もない、しんのすけは余りにも幼い。
大人でさえ動揺し我を忘れるかもしれないのに、まだ5歳のしんのすけが殺し合いの事を知ったら大パニックになるだろう。
いや、そもそも5歳児に殺し合いだと理解しろと言う方が難しい。
きっと煉獄さんもその辺りを考慮して、しんのすけに真実を告げようとはしなかったはず。
しんのすけの精神に余計な負担をかけさせない止めにも、「悪者をやっつける」、そのシンプルな言葉だけを伝えたに違いない。
だがその煉獄さんも命を落としてしまった。
人が死ぬのを間近で見たしんのすけを、これ以上誤魔化すのは正しいのだろうか。
それともいい加減本当の事を教えてやるべきなのか。
どちらにすべきかを、エボルトは無言で問うてくる。
エメラルドグリーンのバイザーを見つめ返し、自分の答えは、
人が死ぬのを間近で見たしんのすけを、これ以上誤魔化すのは正しいのだろうか。
それともいい加減本当の事を教えてやるべきなのか。
どちらにすべきかを、エボルトは無言で問うてくる。
エメラルドグリーンのバイザーを見つめ返し、自分の答えは、
→【殺し合いの事を教える】
【殺し合いの事を教えない】
【これは全て夢だと誤魔化す】
【殺し合いの事を教えない】
【これは全て夢だと誤魔化す】
やはり本当の事を言った方が良い気がする。
しんのすけがパニックになるかもしれないが、だからと言って事態をきちんと把握できないままでいるのも危険過ぎる。
たとえ5歳の子どもであっても、今が本当に危ない状況だと伝えなければ、今度どんな目に遭うか分かったものじゃない。
エボルトへ頷き返すと、即座にしんのすけへ向き直った。
しんのすけがパニックになるかもしれないが、だからと言って事態をきちんと把握できないままでいるのも危険過ぎる。
たとえ5歳の子どもであっても、今が本当に危ない状況だと伝えなければ、今度どんな目に遭うか分かったものじゃない。
エボルトへ頷き返すと、即座にしんのすけへ向き直った。
『しんのすけ、この際きっちり話しておくが、お前の言う悪者はバトルロワイアルってやつを開催して、俺達はその参加者に選ばれちまったんだよ』
「ハンドルロマンティック?」
『バトルロワイアルな。簡単に言うと、煉獄みたいに俺達に死んで欲しくて集めたってとこかね』
「え……」
『皆を殺さなきゃ家には帰れない。そういう悪趣味なゲームなのさ』
「ハンドルロマンティック?」
『バトルロワイアルな。簡単に言うと、煉獄みたいに俺達に死んで欲しくて集めたってとこかね』
「え……」
『皆を殺さなきゃ家には帰れない。そういう悪趣味なゲームなのさ』
何を言っているのか分からない。しんのすけの表情はそう物語っている。
ただ何一つとして理解できていない訳では無いのだろう。
煉獄さんのように死ぬ、その言葉に顔が青褪めていた。
ただ何一つとして理解できていない訳では無いのだろう。
煉獄さんのように死ぬ、その言葉に顔が青褪めていた。
「で、でも煉獄のお兄さんは……そんなこと言ってなかったゾ…」
『お前を無駄に恐がらせない為だろ。悪気があった訳じゃねぇ』
『お前を無駄に恐がらせない為だろ。悪気があった訳じゃねぇ』
煉獄さんは悪意を持って真実を語らなかったのではない。
ただしんのすけの心を案じていたから、それは知っておいて欲しかった。
だが知った所でしんのすけの顔は晴れず、俯いて震えだした。
…やはりまだ伝えるべきでは無かったのだろうか。
自分の軽率な判断を後悔しそうになった時、エボルトが驚くべき事を口にした。
ただしんのすけの心を案じていたから、それは知っておいて欲しかった。
だが知った所でしんのすけの顔は晴れず、俯いて震えだした。
…やはりまだ伝えるべきでは無かったのだろうか。
自分の軽率な判断を後悔しそうになった時、エボルトが驚くべき事を口にした。
『ま、丁度良かったのかもな』
エボルトの言葉に思わず首を傾げる。
一体全体何が良かったのか。
今の話でそんな言葉が出る部分など無かったはずだが。
一体全体何が良かったのか。
今の話でそんな言葉が出る部分など無かったはずだが。
『殺し合いに巻き込まれた時点で、ロクでもない目に遭うのは避けられない。
となると、煉獄がどれだけ誤魔化したとしてもだ、遅かれ早かれ真実を知る時は必ず来るはず。
だったら後々になって知るよりも、早めに気付いた方が受けるショックも少ないだろう。
だから煉獄は実に良いタイミングで死んでくれたよ。時間が経ってから余計な説明をせずに済んだんだからなぁ』
となると、煉獄がどれだけ誤魔化したとしてもだ、遅かれ早かれ真実を知る時は必ず来るはず。
だったら後々になって知るよりも、早めに気付いた方が受けるショックも少ないだろう。
だから煉獄は実に良いタイミングで死んでくれたよ。時間が経ってから余計な説明をせずに済んだんだからなぁ』
……。
言いたいことは分かる。
どれだけ隠しても、いずれはこれが殺し合いだと知る時は来る。
その衝撃は後になる程大きくなる。
それは違うと言う気はない。
だけど、そんな言い方は無いだろう。
煉獄さんを失ったばかりのしんのすけへ言うには、余りにも無神経な言葉。
思わずエボルトへ反論しそうになったが、それより早く動く者がいた。
言いたいことは分かる。
どれだけ隠しても、いずれはこれが殺し合いだと知る時は来る。
その衝撃は後になる程大きくなる。
それは違うと言う気はない。
だけど、そんな言い方は無いだろう。
煉獄さんを失ったばかりのしんのすけへ言うには、余りにも無神経な言葉。
思わずエボルトへ反論しそうになったが、それより早く動く者がいた。
「ちっとも良くなんかないゾ!!」
しんのすけだ。
青褪めていた顔には憤怒の表情が浮かび、エボルトへ掴みかからんとばかりに迫っている。
きっとしんのすけは、煉獄さんの死を軽く見るようなエボルトの言葉に怒りを覚えたのだろう。
青褪めていた顔には憤怒の表情が浮かび、エボルトへ掴みかからんとばかりに迫っている。
きっとしんのすけは、煉獄さんの死を軽く見るようなエボルトの言葉に怒りを覚えたのだろう。
「煉獄のお兄さんが死んで、オラは全然嬉しくなんかない!!」
『だろうな。嬉しかったらあんなに泣いちゃあいないだろうしなぁ』
『だろうな。嬉しかったらあんなに泣いちゃあいないだろうしなぁ』
激怒するしんのすけへ、尚も軽い態度で接するエボルト。
やれやれとでも言いたげなその仕草は、しんのすけの怒りを余計に煽るだけではないのか。
分からない。わざわざ怒らせるような態度を取って何がしたいんだ?
エボルトの真意が読めず混乱する。
やれやれとでも言いたげなその仕草は、しんのすけの怒りを余計に煽るだけではないのか。
分からない。わざわざ怒らせるような態度を取って何がしたいんだ?
エボルトの真意が読めず混乱する。
『で?どうするんだ?』
「えっ…?」
『煉獄が死んで悲しい。それで次はなんだ?俺に怒鳴ってお終いか?
煉獄を殺したチェンソーの怪物や、お前らが倒したがってた“悪者”はどうするんだ?』
「えっ…?」
『煉獄が死んで悲しい。それで次はなんだ?俺に怒鳴ってお終いか?
煉獄を殺したチェンソーの怪物や、お前らが倒したがってた“悪者”はどうするんだ?』
冷水を掛けられたようにしんのすけの動きが止まる。
投げかけられた言葉にどう返せばいいのか分からないのか、視線が泳ぎ、後ずさった。
投げかけられた言葉にどう返せばいいのか分からないのか、視線が泳ぎ、後ずさった。
『まさか、今更になって恐くなったってのか?テレビの中のヒーローみたいに、皆で悪者をやっつけてそれで終わりだとでも?
だとしたら考えが甘すぎる。だから煉獄も最初はお前を戦わせたくなかったんだろうな』
「オ、オラは……」
『まぁ5歳児にはちょいと荷が重過ぎるからなぁ。それにボンドルドを倒したいと思ってるのはお前だけじゃない。
後は全部こっちにぶん投げて、事が済むまで菓子でも食いながら引き籠ってるのもお前の自由だ』
だとしたら考えが甘すぎる。だから煉獄も最初はお前を戦わせたくなかったんだろうな』
「オ、オラは……」
『まぁ5歳児にはちょいと荷が重過ぎるからなぁ。それにボンドルドを倒したいと思ってるのはお前だけじゃない。
後は全部こっちにぶん投げて、事が済むまで菓子でも食いながら引き籠ってるのもお前の自由だ』
エボルトの言葉はまるで蛇のように、しんのすけを締め付けている。
相手が反論もできない内に、続けて言葉を紡いだ。
相手が反論もできない内に、続けて言葉を紡いだ。
『ただ覚えておけ。お前が戦いを辞めるのは勝手だ。けどそうなった場合、誰が煉獄の代わりに戦うと思う?』
しんのすけは答えない。
元より答えが返って来るのを期待してなかったのか、エボルトは構わずに言う。
元より答えが返って来るのを期待してなかったのか、エボルトは構わずに言う。
『そんな都合の良い奴は誰もいない。煉獄が最後に後を託したのは俺でもこいつでもない。お前だよしんのすけ。
あの状況で戦う力のあった俺達じゃなく、お前に託して死んだんだ。
なのにお前が戦いから逃げたとなりゃ、煉獄は一体何の為に死んだんだろうなぁ?
…あいつの死を無意味にしたくなかったら、お前が戦うしかないんだよ』
あの状況で戦う力のあった俺達じゃなく、お前に託して死んだんだ。
なのにお前が戦いから逃げたとなりゃ、煉獄は一体何の為に死んだんだろうなぁ?
…あいつの死を無意味にしたくなかったら、お前が戦うしかないんだよ』
しんのすけの耳元に顔を近づけ、囁きかける。
その姿は余りに邪悪なものだった。
案の定と言うべきか、しんのすけは何も言わずに俯いている。
…もうこれ以上エボルトには任せておけない。
何故仲間を失ったばかりの子どもが、こんな風に追いつめられなくてはならないんだ。
しんのすけからエボルトを引き離そうと立ち上がり、
その姿は余りに邪悪なものだった。
案の定と言うべきか、しんのすけは何も言わずに俯いている。
…もうこれ以上エボルトには任せておけない。
何故仲間を失ったばかりの子どもが、こんな風に追いつめられなくてはならないんだ。
しんのすけからエボルトを引き離そうと立ち上がり、
『何時まで迷っている?』
その言葉に動きを止めた。
何時の間にかエボルトは真剣な雰囲気に戻っている。
何時の間にかエボルトは真剣な雰囲気に戻っている。
『お前だって分かっているはずだ。煉獄が考え無しにお前を言葉を遺したんじゃないってな。
あいつの事をほとんど知らない俺にだってそれくらいは察せるんだ。俺よりも長く煉獄といたお前が気付かない訳がない。
お前の中じゃあ逃げるなんて選択肢は最初から無い。煉獄の言葉はお前の心に届いてるはずだ。
だから煉獄の死を軽く見た俺の言葉に怒ったんじゃないのか!?』
「それは…」
あいつの事をほとんど知らない俺にだってそれくらいは察せるんだ。俺よりも長く煉獄といたお前が気付かない訳がない。
お前の中じゃあ逃げるなんて選択肢は最初から無い。煉獄の言葉はお前の心に届いてるはずだ。
だから煉獄の死を軽く見た俺の言葉に怒ったんじゃないのか!?』
「それは…」
さっきとは打って変わって、しんのすけに喝を入れるような事を言っている。
分からない。エボルトがしんのすけをどうしたいのか分からない。
心を弄びたいのか、立ち直らせたいのか。
前者なら許せない。けど後者ならば、自分も同じ想いだ。
だから、
分からない。エボルトがしんのすけをどうしたいのか分からない。
心を弄びたいのか、立ち直らせたいのか。
前者なら許せない。けど後者ならば、自分も同じ想いだ。
だから、
→【しんのすけの力になる】
【しんのすけの力にはなれない】
【面倒になってきたから寝よう】
【しんのすけの力にはなれない】
【面倒になってきたから寝よう】
しんのすけが煉獄さんの意思を継ぐというのなら、自分は全力で支える。
もし戦いを辞めたいと言っても責めはしない。
煉獄さんが守った命を散らさない為に、もうこれ以上誰かをしなせない為に、
しんのすけは必ず守る。
そうハッキリと伝えた。
もし戦いを辞めたいと言っても責めはしない。
煉獄さんが守った命を散らさない為に、もうこれ以上誰かをしなせない為に、
しんのすけは必ず守る。
そうハッキリと伝えた。
「オ、オラは……オラは……」
○○○
野原しんのすけが人の死を間近で見たのはこれが初めてではない。
以前、戦国時代にタイムスリップした時、しんのすけは一人の侍に出会った。
鬼の如き強さを持つ一方で、女性への免疫が極端に低い。
敵への容赦の無さと、民草を思いやる気持ちを忘れない、武士の鑑のような男。
男は合戦の最中、偶然にもしんのすけのお陰で命を救われた。
それを切っ掛けに男としんのすけは、年齢も生きる時代も越えた友情を結んでいった。
鬼の如き強さを持つ一方で、女性への免疫が極端に低い。
敵への容赦の無さと、民草を思いやる気持ちを忘れない、武士の鑑のような男。
男は合戦の最中、偶然にもしんのすけのお陰で命を救われた。
それを切っ掛けに男としんのすけは、年齢も生きる時代も越えた友情を結んでいった。
だがその友情も長くは続かなかった。
敵国との戦にて、相手の総大将を殺さずに勝ちを収め、城に戻っている最中のことだった。
男は何者かに鉄砲で撃たれ、しんのすけの目の前で息絶えたのだ。
大粒の涙を流すしんのすけへ、短刀と、礼の言葉を遺して。
敵国との戦にて、相手の総大将を殺さずに勝ちを収め、城に戻っている最中のことだった。
男は何者かに鉄砲で撃たれ、しんのすけの目の前で息絶えたのだ。
大粒の涙を流すしんのすけへ、短刀と、礼の言葉を遺して。
それと同じような事がバトルロワイアルでも起こった。
共に過ごした時間は短いものの、確かな友情を築き合った男との別れ。
煉獄杏寿郎もまた、しんのすけに言葉を遺しこの世を去った。
共に過ごした時間は短いものの、確かな友情を築き合った男との別れ。
煉獄杏寿郎もまた、しんのすけに言葉を遺しこの世を去った。
二人ともまだ生きていたかっただろう。
やりたかった事も、会いたい人もいたはずだ。
なのにどちらも、未練や後悔を口にはせず、笑みを浮かべて逝った。
やりたかった事も、会いたい人もいたはずだ。
なのにどちらも、未練や後悔を口にはせず、笑みを浮かべて逝った。
しんのすけはおバカで、良くも悪くも周囲を振り回す、まさに“嵐を呼ぶ”少年。
だけど彼は決して人の心が分からないような人間ではない。
5歳という幼い年齢ながらも、心の底では理解しているのだ。
煉獄はどんな気持ちで「胸を張って生きろ」と伝えたのか。
あの、青空侍はどんな気持ちで短刀を託したのか。
だけど彼は決して人の心が分からないような人間ではない。
5歳という幼い年齢ながらも、心の底では理解しているのだ。
煉獄はどんな気持ちで「胸を張って生きろ」と伝えたのか。
あの、青空侍はどんな気持ちで短刀を託したのか。
彼らがしんのすけを信頼しているからだ。
自分がいなくなっても、しんのすけならきっと大丈夫だと信じているから、
己の死に絶望する事をせず、大きな勇気を持つ少年に看取られ眠りについた。
彼らがしんのすけを「おたすけ」したのと同じく、しんのすけもまた知らず知らずのうちに彼らを「おたすけ」していたのだ。
自分がいなくなっても、しんのすけならきっと大丈夫だと信じているから、
己の死に絶望する事をせず、大きな勇気を持つ少年に看取られ眠りについた。
彼らがしんのすけを「おたすけ」したのと同じく、しんのすけもまた知らず知らずのうちに彼らを「おたすけ」していたのだ。
赤い鎧のおじさんは、厳しい言葉だけど、しんのすけを立ち直らせようとしてくれた。
帽子のお兄さんは、会って間もないしんのすけの力になると言ってくれた。
彼らにここまで言わせておいて、それでも逃げるのか?
帽子のお兄さんは、会って間もないしんのすけの力になると言ってくれた。
彼らにここまで言わせておいて、それでも逃げるのか?
「オラは…逃げたくないゾ……」
煉獄の死を乗り越えられた訳じゃない。
それに、自分やシロが死んでしまうのだって恐い。
それに、自分やシロが死んでしまうのだって恐い。
「困ってる人をおたすけするのが、正義のヒーローだから…」
「オラも、煉獄のお兄さんみたいな、かっこいいヒーローになって、皆をおたすけしたいから…!」
だけど困っている人がいるのなら、
傷つけられて泣いてる人が今もどこかにいるのならば、おたすけするのがヒーロー。
煉獄が言った「胸を張って強く生きる」ことになるはずだから。
傷つけられて泣いてる人が今もどこかにいるのならば、おたすけするのがヒーロー。
煉獄が言った「胸を張って強く生きる」ことになるはずだから。
ス、と手を差し伸べられる。
しんのすけが顔を上げると、帽子のお兄さんが笑みを浮かべていた。
「今後ともよろしく」。告げられたのは、しんのすけを仲間と認める言葉。
しんのすけもまた笑みを浮かべ、手を握った。
しんのすけが顔を上げると、帽子のお兄さんが笑みを浮かべていた。
「今後ともよろしく」。告げられたのは、しんのすけを仲間と認める言葉。
しんのすけもまた笑みを浮かべ、手を握った。
○○○
単純な連中で助かった。
握手する少年達を視界に収め、エボルトは仮面の下で冷たく笑った。
最初にしんのすけが5歳と知った時は少しばかり悩んだ。
多分子どもだろうとは思っていたが、まさかここまで幼いとは予想してなかったのだから。
幾らサイヤ人という戦闘種族の肉体があったとしても、余計な子守に手を焼かされるのは勘弁して欲しい。
だからスマッシュに変えて、アーマージャック辺りに特攻させようかとも考えた。
多分子どもだろうとは思っていたが、まさかここまで幼いとは予想してなかったのだから。
幾らサイヤ人という戦闘種族の肉体があったとしても、余計な子守に手を焼かされるのは勘弁して欲しい。
だからスマッシュに変えて、アーマージャック辺りに特攻させようかとも考えた。
だがしんのすけの様子を思い返し、捨て駒にする考えへ待ったをかける。
市街地での戦闘でしんのすけはチェンソーの怪物に襲われ、同行者の死を間近で見る羽目になった。
普通の5歳児であればもっとパニックになって泣き喚いたり、恐怖でこちらの話にも全く耳を貸さないものだろう。
しかし、しんのすけは泣いてはいたものの煉獄へ必死に声をかけ、自分達を警戒してはいたが会話にも応じた。
加えて悲劇が降り掛かった直後にも関わらず、しんのすけなりに事の経緯を説明してみせた。
それらの事から、しんのすけは一般的な幼稚園児に比べると子どもらしからぬ精神を持っていると感じられた。
市街地での戦闘でしんのすけはチェンソーの怪物に襲われ、同行者の死を間近で見る羽目になった。
普通の5歳児であればもっとパニックになって泣き喚いたり、恐怖でこちらの話にも全く耳を貸さないものだろう。
しかし、しんのすけは泣いてはいたものの煉獄へ必死に声をかけ、自分達を警戒してはいたが会話にも応じた。
加えて悲劇が降り掛かった直後にも関わらず、しんのすけなりに事の経緯を説明してみせた。
それらの事から、しんのすけは一般的な幼稚園児に比べると子どもらしからぬ精神を持っていると感じられた。
そこから先は少々賭けになったが、しんのすけを立ち直らせる為に幾つか言葉をぶつけた。
少し前に戦兎がハザードトリガーを制御出来ず、人を殺めた事があった。
そのショックですっかり腑抜けになってしまったが、そのまま戦いを放棄されては計画にも支障がでるので、
「石動惣一」として戦意を取り戻させ事なきを得た。
今回しんのすけにやったのはそれの焼き直し。
始めに相手の怒りを引き出し、続いて頭を冷まさせ、最後に喝を入れる。
蓮が丁度良いアシストしたのも都合が良かった。エボルトの予想通りに。
安っぽい言葉を適当に並べただけで簡単に立ち直るのだから、実に容易い。
少し前に戦兎がハザードトリガーを制御出来ず、人を殺めた事があった。
そのショックですっかり腑抜けになってしまったが、そのまま戦いを放棄されては計画にも支障がでるので、
「石動惣一」として戦意を取り戻させ事なきを得た。
今回しんのすけにやったのはそれの焼き直し。
始めに相手の怒りを引き出し、続いて頭を冷まさせ、最後に喝を入れる。
蓮が丁度良いアシストしたのも都合が良かった。エボルトの予想通りに。
安っぽい言葉を適当に並べただけで簡単に立ち直るのだから、実に容易い。
(後はどの程度戦えるかだな)
現状ではしんのすけは孫悟空の力をほとんど、若しくは全く引き出せていない可能性が高い。
もし悟空の力が使えるのなら、煉獄が死ぬような事態は防げていたはずだろう。
時間経過で体に慣れれば、一定の力を引き出せるのかもしれない。
だが一定以上の力は恐らく使えなくなる。
プロフィールの内容通りなら、悟空の力は一人の参加者が持つ物としては余りにも強過ぎる。
仮にしんのすけが悟空の力を100%使えるようになったら、バトルロワイアルはほぼ出来レースと化す。
そんな状況をボンドルドが望んでいるとは思えず、しんのすけがある程度の力を引き出せるようになれば、
その時点で打ち止めとなるよう制限が課せられているとエボルトは推測する。
もし悟空の力が使えるのなら、煉獄が死ぬような事態は防げていたはずだろう。
時間経過で体に慣れれば、一定の力を引き出せるのかもしれない。
だが一定以上の力は恐らく使えなくなる。
プロフィールの内容通りなら、悟空の力は一人の参加者が持つ物としては余りにも強過ぎる。
仮にしんのすけが悟空の力を100%使えるようになったら、バトルロワイアルはほぼ出来レースと化す。
そんな状況をボンドルドが望んでいるとは思えず、しんのすけがある程度の力を引き出せるようになれば、
その時点で打ち止めとなるよう制限が課せられているとエボルトは推測する。
(首輪を外せば、制限ってやつも解除される、か?)
首輪に参加者の力を抑制する機能が搭載されている、という可能性は十分あり得る。
反抗者が出ないよう牽制し、殺し合いに支障を来す能力も封じられる。一石二鳥だ。
だがもしも参加者が首輪の解除に成功すれば、それら二つが同時に失われる。
主催者にとっては非常によろしくない事態となる。
であれば、そんな万一のトラブルを防ぐ為に、首輪とは別の方法で能力の制限が行われている可能性も捨てきれない。
これについてはどちらが正しいかまだ断定できないが。
反抗者が出ないよう牽制し、殺し合いに支障を来す能力も封じられる。一石二鳥だ。
だがもしも参加者が首輪の解除に成功すれば、それら二つが同時に失われる。
主催者にとっては非常によろしくない事態となる。
であれば、そんな万一のトラブルを防ぐ為に、首輪とは別の方法で能力の制限が行われている可能性も捨てきれない。
これについてはどちらが正しいかまだ断定できないが。
(仮に首輪が外れて制限が解かれたら、俺の場合はどうなる?)
まずブラッド族の能力がほぼ全て取り戻され、千雪の体を出て行く事も可能。
それにハザードレベルの調整も行えるのだから、仮面ライダーエボルへも変身出来る。
尤も肝心のエボルドライバーは葛城巧に破壊された上でどこかに隠されている為、手元には無い。
もし修復された状態で支給品にされていたとしても、変身するにはハザードレベル5.0以上が必要不可欠。
自分の知る限り、万丈ですらまだそこまで到達してはいない。
支給された所で宝の持ち腐れでしかないドライバーよりも、銃やナイフの方が他の参加者にとっては有難いだろう。
とはいえ、一応は支給されている、若しくは主催者の手に渡っている可能性も考慮しておくべきか。
それにハザードレベルの調整も行えるのだから、仮面ライダーエボルへも変身出来る。
尤も肝心のエボルドライバーは葛城巧に破壊された上でどこかに隠されている為、手元には無い。
もし修復された状態で支給品にされていたとしても、変身するにはハザードレベル5.0以上が必要不可欠。
自分の知る限り、万丈ですらまだそこまで到達してはいない。
支給された所で宝の持ち腐れでしかないドライバーよりも、銃やナイフの方が他の参加者にとっては有難いだろう。
とはいえ、一応は支給されている、若しくは主催者の手に渡っている可能性も考慮しておくべきか。
現在エボルトの戦力は、ある程度使える元々の能力とブラッドスターク。
こちら側へ引き込んだペルソナ使いの蓮と、制限下にあるがサイヤ人の肉体を持つしんのすけ。
まぁ悪くはないと言える。
こちら側へ引き込んだペルソナ使いの蓮と、制限下にあるがサイヤ人の肉体を持つしんのすけ。
まぁ悪くはないと言える。
しんのすけは困っている人をおたすけしたいと言った。
ならその正義感と力は、自分の為に精々役立ってもらおうじゃないか。
ならその正義感と力は、自分の為に精々役立ってもらおうじゃないか。
(そうやって俺を「おたすけ」できるんだから、お前にとっても本望だろう?)
しんのすけの決意も何もかも全て、エボルトは利用できるかできないかの二択でしか見ていない。
感情を得ていない星狩りの男にとっては、ラブ&ピースなど何の価値も見いだせないのだから。
感情を得ていない星狩りの男にとっては、ラブ&ピースなど何の価値も見いだせないのだから。
(さて、と、いい加減変身を解くか)
ブラッドスタークのままでいたのは単純に気分の問題だ。
千雪の姿よりは馴染み深い姿と声の方が、しんのすけを立ち直らせるのに丁度良いと思った。
ただそれだけの理由。
トランスチームガンを操作するとあっという間に変身が解除され、千雪の姿を晒す。
ゴタゴタしたが収穫はあった。
後は休んで疲労を抜いておくかと考えた瞬間、
千雪の姿よりは馴染み深い姿と声の方が、しんのすけを立ち直らせるのに丁度良いと思った。
ただそれだけの理由。
トランスチームガンを操作するとあっという間に変身が解除され、千雪の姿を晒す。
ゴタゴタしたが収穫はあった。
後は休んで疲労を抜いておくかと考えた瞬間、
「!?」
「なっ…」
「なっ…」
いきなりしんのすけが至近距離へ迫った。
狭い室内で、エボルトが僅かに気を抜いたタイミングとはいえ、驚くべき速さだ。
一体全体何をする気かと、エボルトはトランスチームガンを構えかけ、蓮もしんのすけへ手を伸ばそうとする。
二人の緊張が高まる中、しんのすけは――
狭い室内で、エボルトが僅かに気を抜いたタイミングとはいえ、驚くべき速さだ。
一体全体何をする気かと、エボルトはトランスチームガンを構えかけ、蓮もしんのすけへ手を伸ばそうとする。
二人の緊張が高まる中、しんのすけは――
「おねえさ~ん♥オラにお名前おしえておしえて~ん♪」
鼻の下を伸ばしてナンパしていた。
予想外にも程があるしんのすけの行動に、蓮は思わずズッコケた。
だが男だと思っていた赤い鎧の中身が、実は美人な女性だった。
これはしんのすけにとって見逃せない。
野原家の男特有の女好きは、バトルロワイアルにおいても健在だった。
だが男だと思っていた赤い鎧の中身が、実は美人な女性だった。
これはしんのすけにとって見逃せない。
野原家の男特有の女好きは、バトルロワイアルにおいても健在だった。
大柄で筋肉質な男が腰をくねらせ、いやらしい笑みで女性に迫る。
他人が見たら通報されるのは確実。
一方体は大人で中身は子どもな相手に言い寄られている当のエボルトは、思いもよらぬ相手の行動へ、
他人が見たら通報されるのは確実。
一方体は大人で中身は子どもな相手に言い寄られている当のエボルトは、思いもよらぬ相手の行動へ、
「……はぁ?」
そんな間の抜けた声を出すしかなかった。
【D-6 純喫茶ルブラン/早朝】
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[身体]:孫悟空@ドラゴンボール
[状態]:体力消耗(中)、貧血気味、右手に腫れ、悲しみと決意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、水水肉@ONE PIECE、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:悪者をやっつける
0:おねえさ~ん♥
1:逃げずに戦う
2:困っている人がいたらおたすけしたい
3:シロを探す
[備考]
※殺し合いについてある程度理解しました。
※身体に慣れていないため力は普通の一般人ぐらいしか出せません、慣れれば技が出せるかもです(もし出せるとしたら威力は物を破壊できるぐらい、そして消耗が激しいです)
※自分が孫悟空の身体に慣れてきていることにまだ気づいていません。コンクリートを破壊できる程度には慣れました。が、その分痛みも跳ね返るようです。
※名簿を確認しました。
[身体]:孫悟空@ドラゴンボール
[状態]:体力消耗(中)、貧血気味、右手に腫れ、悲しみと決意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、水水肉@ONE PIECE、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:悪者をやっつける
0:おねえさ~ん♥
1:逃げずに戦う
2:困っている人がいたらおたすけしたい
3:シロを探す
[備考]
※殺し合いについてある程度理解しました。
※身体に慣れていないため力は普通の一般人ぐらいしか出せません、慣れれば技が出せるかもです(もし出せるとしたら威力は物を破壊できるぐらい、そして消耗が激しいです)
※自分が孫悟空の身体に慣れてきていることにまだ気づいていません。コンクリートを破壊できる程度には慣れました。が、その分痛みも跳ね返るようです。
※名簿を確認しました。
【エボルト@仮面ライダービルド】
[身体]:桑山千雪@アイドルマスター シャイニーカラーズ
[状態]:ダメージ(小)、疲労(大)
[装備]:トランスチームガン@仮面ライダービルド、コブラロストフルボトル@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1、累の母の首輪
[思考・状況]
基本方針:主催者の持つ力を奪い、完全復活を果たす
0:何だこいつ…
1:蓮としんのすけを戦力として利用。
2:首輪を外す為に戦兎を探す。会えたら首輪を渡してやる
3:有益な情報を持つ参加者と接触する。戦力になる者は引き入れたい
4:自身の状態に疑問
5:アーマージャックを警戒。できればどこかで野垂れ死んで欲しい
6:出来れば煉獄の首輪も欲しい。どうしようかねぇ
7:ほとんど期待はしていないが、エボルドライバーがあったら取り戻す
8:今の所殺し合いに乗る気は無いが、他に手段が無いなら優勝狙いに切り替える
[備考]
※参戦時期は33話以前のどこか。
※他者の顔を変える、エネルギー波の放射などの能力は使えますが、他者への憑依は不可能となっています。
またブラッドスタークに変身できるだけのハザードレベルはありますが、エボルドライバーを使っての変身はできません。
※自身の状態を、精神だけを千雪の身体に移されたのではなく、千雪の身体にブラッド族の能力で憑依させられたまま固定されていると考えています。
また理由については主催者のミスか、何か目的があってのものと推測しています。
エボルトの考えが正しいか否かは後続の書き手にお任せします。
※ブラッドスタークに変身時は変声機能(若しくは自前の能力)により声を変えるかもしれません。(CV芝崎典子→CV金尾哲夫)
※参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
[身体]:桑山千雪@アイドルマスター シャイニーカラーズ
[状態]:ダメージ(小)、疲労(大)
[装備]:トランスチームガン@仮面ライダービルド、コブラロストフルボトル@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1、累の母の首輪
[思考・状況]
基本方針:主催者の持つ力を奪い、完全復活を果たす
0:何だこいつ…
1:蓮としんのすけを戦力として利用。
2:首輪を外す為に戦兎を探す。会えたら首輪を渡してやる
3:有益な情報を持つ参加者と接触する。戦力になる者は引き入れたい
4:自身の状態に疑問
5:アーマージャックを警戒。できればどこかで野垂れ死んで欲しい
6:出来れば煉獄の首輪も欲しい。どうしようかねぇ
7:ほとんど期待はしていないが、エボルドライバーがあったら取り戻す
8:今の所殺し合いに乗る気は無いが、他に手段が無いなら優勝狙いに切り替える
[備考]
※参戦時期は33話以前のどこか。
※他者の顔を変える、エネルギー波の放射などの能力は使えますが、他者への憑依は不可能となっています。
またブラッドスタークに変身できるだけのハザードレベルはありますが、エボルドライバーを使っての変身はできません。
※自身の状態を、精神だけを千雪の身体に移されたのではなく、千雪の身体にブラッド族の能力で憑依させられたまま固定されていると考えています。
また理由については主催者のミスか、何か目的があってのものと推測しています。
エボルトの考えが正しいか否かは後続の書き手にお任せします。
※ブラッドスタークに変身時は変声機能(若しくは自前の能力)により声を変えるかもしれません。(CV芝崎典子→CV金尾哲夫)
※参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
【雨宮蓮@ペルソナ5】
[身体]:左翔太郎@仮面ライダーW
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、無力感と決意
[装備]:煙幕@ペルソナ5
[道具]:基本支給品×2、T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW、無限刃@るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-、ランダム支給品0~4(煉獄の分を含む、刀剣類はなし)
[思考・状況]基本方針:主催を打倒し、この催しを終わらせる。
1:まずは仲間を集めたい。
2:とりあえずエボルトと行動。信用して良いのか…?
3:しんのすけの力になってやりたい。
4:元の体の持ち主に対して少し申し訳なさを感じている。元の体に戻れたら無茶をした事を謝りたい。
5:アーマージャックは必ず止める。逃げた怪物(絵美里)も警戒。
[備考]
参戦時期については少なくとも心の怪盗団を結成し、既に何人か改心させた後です。フタバパレスまでは攻略済み。
支給品は確認済みで、少なくとも武器や銃火器は入っていません。
スキルカード@ペルソナ5を使用した事で、アルセーヌがラクンダを習得しました。
参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
[身体]:左翔太郎@仮面ライダーW
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、無力感と決意
[装備]:煙幕@ペルソナ5
[道具]:基本支給品×2、T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW、無限刃@るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-、ランダム支給品0~4(煉獄の分を含む、刀剣類はなし)
[思考・状況]基本方針:主催を打倒し、この催しを終わらせる。
1:まずは仲間を集めたい。
2:とりあえずエボルトと行動。信用して良いのか…?
3:しんのすけの力になってやりたい。
4:元の体の持ち主に対して少し申し訳なさを感じている。元の体に戻れたら無茶をした事を謝りたい。
5:アーマージャックは必ず止める。逃げた怪物(絵美里)も警戒。
[備考]
参戦時期については少なくとも心の怪盗団を結成し、既に何人か改心させた後です。フタバパレスまでは攻略済み。
支給品は確認済みで、少なくとも武器や銃火器は入っていません。
スキルカード@ペルソナ5を使用した事で、アルセーヌがラクンダを習得しました。
参加者がそれぞれ並行世界から参加していると気付きました。
33:Mighty Wind | 投下順に読む | 35:時事ネタを後から読むときは思い出話に付き合うつもりで |
32:Vは誰の手に/開幕のベルが鳴る | 時系列順に読む | 36:どこへ行くの姉畑先生 |
28:燃え上がるこの想いの果て | 野原しんのすけ | 48:MAD QUALIA |
エボルト | ||
雨宮蓮 |