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  • 吉良吉影はシンデレラに憧れる(後編)

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

吉良吉影はシンデレラに憧れる(後編)

最終更新:2022年02月24日 23:40

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「………ぎゃああああぁぁぁ!!!俺様のチ〇ポがああああぁぁぁ!!!」

違和感の正体に気づくと同時にアーマージャックに激痛が走る。
例え本来は支給品であり、自身のものでなかった馬のチンチンでも、性感帯の刺激による快楽を伝えるためか神経は肉体に接続されていたようだ。
アーマージャックの悲鳴が辺りに響く。
アーマージャックは股間を抑えながら悶絶して仰向けに倒れる。

『コッチヲ 見ロ』

そんな声がどこからともなく聞こえて来た。
声は今まで聞いたことのないものであり、この場にいる人間から発せられたものとは思えなかった。

「ああっ!?!」

アーマージャックは痛みに耐え混乱した状態のまま声の方向へと顔を向ける。
そいつは、倒れたアーマージャックの顔のすぐ横に居た。
それは、どくろの顔やまるで戦車のようにキャタピラのついた謎の物体であった。
先ほどの声はその物体から発せられたようだった。

『コッチヲ見ロ!コッチヲ見ロォ!!』

物体はそう叫びながらアーマージャックの顔に飛びつく。

「うわああああ!?!」

キャタピラに顔をこすられながらアーマージャックは叫ぶ。

「この…離れろお!!」

アーマージャックは股間を抑えていた手を顔に引っ付く物体を掴む。

「うおおおおお!!」

アーマージャックは強引に物体を顔から引き離し、それを放り投げようとする。

『カチッ』

アーマージャックが手を放す直前、物体からまるでスイッチが入ったかのような音が聞こえた。

「おりゃあ!!」

『ドグオオオ!!』

「ぐああっ!!」

アーマージャックが物体を投げると同時に、何と物体から爆風と爆炎が生じた。
アーマージャックはその爆炎に驚き、怯んでしまう。

その爆風はアーマージャックに対して致命的な攻撃とはなっていない。
完全に無傷というわけではないが、ある程度はオーブ・サンダーブレスターとしての皮膚が爆炎を防いでいる。
それでも、火傷としてのダメージにはしっかり負っていた。
馬のチンチンが破壊されたためにその効力も切れ、防御力が下がった分爆炎のダメージが増えている。

◇

(やれやれ…何とかうまくいったようだな)

爆弾に振り回され、もだえるアーマージャックの様子を見て吉良は自分の溜飲が下がっていることを実感する。

先ほど馬のチンチンを破壊した物体はキラークイーンの左手から発射された爆弾、シアーハートアタックである。
吉良は先ほどアーマージャックが刀を取り出そうとした隙を付いてシアーハートアタックを発射した。
キラークイーンの手で触れて爆弾にできるものが無い以上、自分に使える手段は第二の爆弾であるシアーハートアタックしかないと判断した。
元の世界では弱点が露呈したために使いものにならず、使用するのは久しぶりのことであったが、初見の相手であるアーマージャックには十分効果を発揮したようであった。
シアーハートアタックが相手の陰茎(馬のチンチン)に当たったのは狙ったわけではない。
シアーハートアタックは温度の高いものを優先的に攻撃する性質がある。
先ほど興奮して勃起状態になっていたこともあり、その部分の体温が他の部分よりも高くなっていたのだろうか。
とにもかくにも、吉良は何とか危機的状況を脱っすることはできた。


「ああくそっ!なんだこいつは!どっから出てきた!!」

『コッチヲ見ロォ――』

アーマージャックは今もシアーハートアタックに翻弄されている。

先ほどからずっと興奮したまま吉良に襲い掛かってきていたアーマージャックの体温はかなり高くなっている。
シアーハートアタックはアーマージャックをロックオンにしたまま止まらずに突撃する。

「この、うらあっ!!」

股間部の激痛に耐えながらもアーマージャックはシアーハートアタックをどうにかしようと奮闘する。
倒れていた状態から立ち上がり、シアーハートアタックを蹴り飛ばす。
だが、蹴り飛ばすだけじゃシアーハートアタックは止まらない。

『カチッ』
『ボグオオォ!!』

「ぐあああっ!!」

シアーハートアタックはたとえ触れたのがほんの一瞬だけでもアーマージャックの体温に反応し爆弾のスイッチが入る。
そして爆風や爆炎により相手の体表を傷つけていく。

(こいつ、かなり頑丈さまで兼ね備えているのか…?シアーハートアタックの爆発を何度か喰らっているのに耐えられるとは…)

シアーハートアタックの爆発は相手の体にダメージを与えているが、それは人間を相手にした時よりも小さく、吉良は相手の厄介さを改めてよくかみしめる。

それでも何度かの爆発でダメージは与えられているため、このまま離れて逃げてしまえばいつかシアーハートアタックでも仕留めきれるかもしれないという思いが頭をよぎる。

(だが、その方法をとるわけにはいかないな)

シアーハートアタックには弱点がある。
高温の物体を優先して攻撃するという性質は、言い換えれば高温の物体を他に用意でき、それを囮にすることができれば簡単に逃れられるということだ。
以前、吉良自身では気づいていなかったこの弱点を広瀬康一突かれ、そこから吉良吉影の正体を暴かれることに繋がった。
アーマージャックが弱点に気づくかどうかはともかく、吉良の安心のためにもシアーハートアタックだけにこの場を任せるわけにはいかないのだ。

(ここはやはり、キラークイーンの第一の爆弾でこいつを仕留める!!)

第一の爆弾を直接相手の体に触れさせ、内部から爆発させることができれば頑丈な体を持つ宇宙人が相手でも消滅させられるだろう。
次に選択するべきことは、第一の爆弾は手持ちの物体から作って使用するか、相手の体を直接触れて変化させて爆破するかという点だ。
どちらを選ぶとしても、ここで重要となるのは吉良自身が持つ支給品の存在だ。
前者の場合、爆弾にした物体をアーマージャックにぶつけなければならない。
しかし、アーマージャックはシアーハートアタックから逃れようと激しく動き回っており、今の距離から単純に爆弾を投げつけても確実に当てて仕留められる保証は無い。
猫草のようなものがあればもう少し何とかなったかもしれないが、そのための手段は無い。

そして吉良は今、支給品を後者の方向性で使用することを考えていた。

◆

「こうなったら…こうすりゃいいだけだろうがあああ!!」

アーマージャックは叫び、自分の指先から糸を放出する。
その糸はアーマージャックを襲うシアーハートアタックに絡みついていく。

『コッチ…ヲ…見ロ…』

「いい加減に止まりやがれえええぇぇ!!」

アーマージャックは腕を前に出し、シアーハートアタックが進もうとする方向とは逆方向に糸により引っ張られる力が働くようにする。
シアーハートアタックは今、アーマージャックの顔の辺りまでもう少しの点で動きを止められている。
それでもなお、シアーハートアタックは温度感知により前に進もうとしている。

「うおおおおぉぉぉ!!!」

このままでは埒が明かないと判断したアーマージャックは力を振り絞り、糸を出す両腕を大きく振った。

「おおおおおおお!!!」

アーマージャックは叫び、腕を限界を超えた力で回す。

そして、遠心力により、シアーハートアタックが絡みついた糸は遂にアーマージャックに対して外側の方へ向き、
シアーハートアタックもアーマージャックから引き離される。

「おおおおおおりゃあああぁぁ!!!」

アーマージャックはハンマー投げの要領でシアーハートアタックを糸ごと振り回す。
そして、ありったけの力を以て絡みつかせた糸を切り離し、シアーハートアタックをどこか遠くへと放り投げた。
アーマージャックは遂に、シアーハートアタックに力技で勝ったのであった。

「ぜえ、ぜえ…へ、へへ…。やったぜ…」

アーマージャックは心と体の疲労で倒れこむ。
胸のカラータイマーの光も、青から赤の点滅へと変わっている。
今回のような無茶ができたのは、オーブ・サンダーブレスターが持つ高い腕力があったからであろう。
さもなければ、このような方法でシアーハートアタックから逃れられることはできない。
イトイトの実を摂取していたことも彼にとっては大きかった。

だが、アーマージャックは一つだけ注意すべきものに目を向けていなかった。
パニックのままシアーハートアタックとの戦いが始まってしまったせいで、彼は自分が元々戦っていた少女のことを忘れかけていた。


「………あ、今度は、何だ、ありゃ」

倒れていたアーマージャックの視界に突如、新たに黒色をした細い謎の物体が現れた。
その物体は、アーマージャックの体へと降ってきた。

「ぐあっ!なんだこれは!?」

黒い物体はまるでスライムのようにアーマージャックの体に纏わりつき、タコやイカの触腕のごとく締め付けてきた。
アーマージャックはこれに対し抜け出そうと必死にもがくが、それは中々難しかった。

そんなアーマージャックの下へと、少女―吉良吉影が近づいてくる。
彼は、先ほどまでは所持していなかった謎の『筒』をその手に抱えていた。

「どうやら、上手くいったようだな」

「……おい、こいつはてめえの仕業か!?さっさと外しやがれ!!」

アーマージャックは怒りを叫ぶ。
しかし、吉良吉影はただ冷たい目を相手に向けるのみであった。


吉良がアーマージャックへと使用した品の名は『月に触れる(ファーカレス)』。
無数の触腕を操る筒状のアビスの遺物であり、中の触腕は極めて強靭で伸縮性も高い。
(正確には遺物ではなく、アビスの原生生物由来の加工物を筒に詰めた物。アビスでしか採取できないため遺物と扱われる)

吉良はアーマージャックを確実に仕留めるために、この遺物の触腕を用いて相手の体の拘束を試みた。
どうやら目論見通りにいったらしく、アーマージャックは体を動かせないようであった。

「………さてと、これでようやく君を殺せる時が来たというわけだな」

吉良はキラークイーンを出現させ、ゆっくりとアーマージャックの方へと距離を詰めていく。
シアーハートアタックも丁度このタイミングで放り投げられた場所から戻ってきたため、これはキラークイーンの左手へと戻しておく。
強敵であったためだいぶ遠回りとなってしまったが、これで邪魔者を除くことができる。

吉良は目の前の相手のせいで本来の予定が完全に狂ってしまっていた。
こいつが現れなければ、仗助の殺害も完了し、心の平穏を得ることができたはずだった。
アドバーグが気絶させられたことはまだ都合が良かったことと言える。
おかげでキラークイーンの能力を奴に見せずに済んだ。
それでも、吉良にとってアーマージャックがしたことは許しがたいことだ。
そして何よりも吉良にとって厄介であったことは、相手が単純に強かったという点だ。
接近戦に持ち込まれた時はかなり焦ることにもなった。
だが、それももう終わりだ。
動けない相手にキラークイーンで触れて爆破すればそれでもう終わりであるのだ。

◇

(ちくしょう…!どうして俺がこんなことに…!)

完全に相手に逆転された状態になったアーマージャックは大きな屈辱感を味わっていた。
自分が調教するはずだった相手に身動きを封じられ、見下される。
それだけでなく、相手は自分を殺せる自信を持っている。
か弱い獲物だと思っていた相手が、今は死神に見える。
アーマージャックの中に『恐怖』の感情が現れる。

「…こっちに、来るんじゃねえ!!」

アーマージャックは倒れたまま寄生糸を発生させ、吉良の元に向かわせる。
見えない糸はたとえこの状態でも相手の体に寄生できる。

「…残念ながら、お前のしていることは無意味だ」

前の時と同じように、キラークイーンが吉良の周りで手刀を振るい、寄生糸を断ち切ってしまう。
先ほど入手したばかりで鍛えてもいないその糸は、たとえ見えなくとも破壊力Aを持つスタンドの攻撃で簡単に切れてしまう。


「…最後に少し、教えておこうか」

吉良がボソッと呟いた。

「私の名は『吉良吉影』。本来の性別は男。年齢33歳。かつては杜王町北東部の別荘地帯に自宅を構えていたが……とある事情で『川尻家』に移り住むこととなった。
「それに伴って仕事も『カメユーチェーン店』とは別の会社の社員をやることになったよ……次は、もう一度『中学生』をやることになるのだろうな。」
「ただ、今度は『女子中学生』となるからこれまでの男としての常識を改める必要もありそうだ。この体は『アイドル』だったらしいし目立たないための立ち振る舞いも初めは神経を使いそうだな……」

「きゅ、急に何を言っているんだてめえ…」

突然相手が長話をし始めたことにアーマージャックは戸惑う。
同時に、先ほど自分を殺すと宣言した相手の突然の話に不気味さを感じる。
そのためか、相手が実は男だったことへの驚きの方が薄くなってしまう。

「いや、お前に私の計画を邪魔されたことが腹立たしかったからな。始末する前に私のことを説明することでお前がしでかしたことを知ってもらおうと思ったんだ」

「………何だよ、やっぱあいつはてめえが殺ったってことかよ!」

「ひょっとして仗助のことを言っているのか?残念ながら、君のせいで『まだ』やるべきことをやれていないのだがね」

「はっ!てめえはやっぱ極悪人のクソガキじゃねえか!正義のヒーロー様に躾けられるという役割を放棄して恥ずかしくねえのか!!なあ!!?」

「……お前のくだらない理論はもう聞き飽きたよ」

「もがっ!」

キラークイーンの足がアーマージャックの顔を踏みつける。

「さてと…最後に一つ、教えておこう。私のスタンド『キラークイーン』は触れた物を何であろうと爆弾に変える能力を持っている」
「これからお前は私の爆弾で内部から消し飛ばされる。どれだけお前が頑丈であろうと、関係なしにな」

「な、何だとお…!」

吉良の言葉にアーマージャックはうろたえる様子を見せる。
口では強がっているが、その体は震えている。
かつて吉良は絶望した者の様子を『「肥えだめ」で溺れかけているネズミ』と表現したことがあるが、アーマージャックはまさにそのネズミに近づいてきている。
自分をかなり不快な思いにさせた者がこのような状態になるのは、吉良としてもなかなか爽やかな気分になっていく。

(さてと、何を爆弾にするべきか………む?)

爆弾を用いて殺害するだけなら選ぶのは何でもいい。
相手の体に直接触れる選択肢だってある。
ただ、明らかに強姦魔然とした相手の体に触れるのはどこか汚らわしい気もする。
先ほどシアーハートアタックが真っ先にペニスを破壊しに行ったのだって許容はまだ本当は出来ていない。

そんなことを考えていたその時、吉良はあることに気づいた。


「う〜ん……」

(………アドバーグが目覚め始めている!?時間をかけすぎたか!)

戦いにより移動していたため、少し離れた距離で倒れていた状態のアドバーグ・エルドルが目覚めかけていた。
(ちなみに東方仗助の方は一応まだ気絶したままの状態のようであった)
これは、吉良にとって少々まずい状況だ。
アドバーグがスタンドを視認できるかどうかはともかく、キラークイーンの能力がバレるようなことになってはならない。
幸い、彼はまだ意識が朦朧としているらしく、吉良とアーマージャックの現状に気づいていない。
急いで殺害すればまだギリギリ気づかれないだろう。

「話はこれで終わりだ!『キラークイーン』!」

吉良はキラークイーンの足をどかし、爆弾に変えるために構え、指をアーマージャックの方へと向ける。

「あっ…!」

キラークイーンの手はアーマージャックの顔の方へと向かって行く。
もはや、アーマージャックの命は風前の灯火。

吉良吉影も、自分の勝利を確信していた。


◇◆◆

「う〜ん…あ痛たたた……」

頭を打たれたアドバーグ・エルドルはしばらくしてようやく目が覚めた。
側頭部にはまだ痛みが残っており、その部分に手を伸ばしてさする。
触ってみるとそこには大きめのこぶができていた。

吉良を突き飛ばす直前、アドバーグはこの世の者とは思えない人物を見た。
赤・黒・銀の体表を持つ筋骨隆々でつり目の怪人物。
アドバーグはそいつを魔物の一種か何かかと思った。
その魔物らしきものに対してキタキタ踊りを見せればよいだろうと思った瞬間、相手の方に先手を取られてしまった。
アドバーグに確認できたのは、そいつが何かを投げたことと、それが吉良に当たりそうになったということだけ。
彼は吉良をとっさに突き飛ばすことしかできなかった。

「…………そうだ!キラ殿は!?」

しばらくボーっとしていたアドバーグであったが、やがて自分の同行者のことを思い出した。
先ほど襲撃してきた存在は真っ先に吉良を狙ってきた。
それを庇って、自分が倒れたものであるから、せめて無事でいてほしいとアドバーグは思った。
何なら、自分を置いて逃げ出してもいいと考えていた。
自分が無事に目覚められた理由は今は考えない。
とにかく、辺りを見回して吉良が今どこにいるのかを探そうとした。


『ザンッ!』

「今の音は!?」

その音はアドバーグの後方から聞こえて来た。
まるで、何かが切断されるかのような音であった。
おそるおそる振り返り、アドバーグはその音の正体を確かめようとする。

「………へ?」

アドバーグは思わず、そんな間の抜けた声を漏らしてしまう。
そこで彼が見たものは…
































アーマージャックの右手から出現した光輪によって、吉良吉影の左腕が切断されている光景であった。


◆◆◇

(死ぬのか?…俺様が?こんなところで!?)

キラークイーンの手が自分に迫ってくるのを見て、自身の死を確信していたのはアーマージャックも同様であった。
触れた物を爆弾に変えて消滅させてしまう能力なんてものはにわかには信じがたい。
しかし、相手の言っていることがただのはったりだとも思えなかった。
少女は明らかに、自分を殺しきれるという自信に満ちあふれているように見えた。
『手で触れただけで爆弾にする能力』なんて信じず鼻で笑えば済む話という考えも思い浮かぶが、少女の『凄味』がそれを否定しているような気がした。
そういえば先ほどのキャタピラがついた謎の物体も爆発を起こしていた。
あれも同じ能力によるものだろうか?

(くそっ!まだ女は1人しか楽しめていないのに…!こんなところで死んでたまるか!!)


その瞬間、アーマージャックの中では様々な想いが渦巻いていた。

弱そうな相手に敗北し、手も足も出ない状態にされたことに対する大きなる悔しさ・屈辱、
不可思議な能力により訳も分からないうちに自分の命が刈り取られるという恐怖、

しかしそれでもまだ、アーマージャックは諦めていなかった。

『それ』が思い浮かび上がったのはほんの一瞬のことであった。
死が目前に迫る中、生存本能に押されたアーマージャックの脳はフル回転を始め、自身の生存のための手段を導こうとする。
そこでアーマージャックが見たものは、俗に言う『走馬灯』というものだったのだろう。
走馬灯を見る理由には、死が目前に迫った瞬間に今までの経験や記憶の中からそれを回避する方法を探すためだという説がある。
けれども、自身の記憶の中からは現状を打破する方法は見つからない。
これまでの戦いで、アーマージャックはほとんど一方的に怪獣や宇宙人たちを殺してきた。
そこに、自身のピンチを打破する手段は無かった。

しかし、それはあくまで『自分自身』の記憶の中での話であった。
アーマージャックが見た記憶の中には、この状況をひっくり返す手段が確かに見つかっていた。


しかし、それはアーマージャックにとって『存在しない』記憶であった。


◇

その記憶の中で、アーマージャックは巨大な怪獣と戦っていた。
そこでは、アーマージャックは本来の身体とは別の身体で戦っていた。

否、それはアーマージャックの身体ではない。
記憶も、アーマージャックが経験したものではない。

それは、『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』の戦いの記憶であった。

そこでサンダーブレスターが戦っていた怪獣は、全身からたくさんのとげを生やした禍々しい姿の大怪獣、
『大魔王獣 マガオロチ』だ。

アーマージャックは記憶の中で、その戦いのほんの少ししか見れていない。
それでも、『自分の死を回避する方法』を見つけ出すのは十分であった。

そしてその方法を実践したその瞬間、
アーマージャックは自分の中で『何か』が切れたように感じた。

◆◇◇

「……う、うぐあああああああッ!!何だこれは……一体何が起こったッ!!?」

「はあ…はあ…へ、へへへ………ひひひひひひひ!!はははははははははははははは!!!」

「キ、キラ殿ーーーッ!!」

吉良は一瞬、自分に起きたことを理解できなかった。
吉良の左腕は、肩の先から綺麗に切断されていた。
腕の切り口は、高熱により焼かれてしまったようでほとんど出血がない。
これは切り飛ばされた部分も同様だ。
しかし焼かれている分、吉良の左腕にはかなりの激痛が走っている。
その痛みは、歯を食いしばって耐えないと今にも気を失ってしまいそうなほどだ。
髪の左の方のエクステや、左耳の一部も切られている。
そんな吉良の様子を見て、アーマージャックは狂気的な笑い声を上げる。
アドバーグは驚き、慌てて吉良の下へと駆けようとする。


アーマージャックがここで使用した技の名は『ゼットシウム光輪』、
サンダーブレスターが持つ、切断力のある赤色の光輪を作り出す必殺技だ。
この技の記憶を見たアーマージャックはすぐさま右手でこれを発動させた。
そして、右腕を振るうことで自身を拘束していた『月に触れる』をはぎとり、その勢いのまま吉良の腕も切断したのであった。

「くそっ!貴様…よくも私の腕を…!」

「ああああっ!うがあああああっ!!」

吉良は腕を抑えたまま後ろへと後ずさる。
アーマージャックは右手からゼットシウム光輪を発動させたまま腕をさらに振り回すことで全身に纏わりつく『月に触れる』を全て焼き切って剥ぎ取る。
まだ残っている部分も締め付ける力が弱まったために後は力づくで抜け出せる。
アーマージャックは立ち上がり、吉良の目の前へと向き直る。
その姿は前に立ちふさがった時よりもなお色濃く、そして別次元な雰囲気をした、邪悪なプレッシャーを醸し出していた。

(こいつ、まだ能力を隠し持っていたのか!?いや、土壇場で使えるようになったのか!)

吉良は今、痛みに耐えながらかろうじて立ち上がっている状態だ。
先ほどシアーハートアタックで攻撃した時とは立場が逆の状態になっていた。
それでもまだ吉良はアーマージャックに目線を離さずに睨みつける。

「キラークイーン!!」

吉良はキラークイーンの手をもう一度自らの敵の方へと向かわせる。
左腕は失われているため、必然的に攻撃に使えるのは右手のみだ。
目覚めたアドバーグに能力を見られるなんてことを気にする暇はない。
この緊急事態においてそんなことを考えて隙を見せるわけにはいかない。

「があああああっ!!」

対するアーマージャックは拳を握りしめ、咆哮と共に全力でパンチを繰り出した。

「な、ぐっ、おおおおおおおおッ!!」

キラークイーンの手とアーマージャックの拳がぶつかり合う。
その瞬間、凄まじい衝撃力が発生した。
キラークイーンはスタンドでないものによる攻撃に傷つくことは無い。
しかし、防御のために動いたわけでもないため、相手のパンチの勢いをほとんどを消せなかった。
パンチの衝撃を吉良はほとんど喰らってしまい、さらに後ろの方へと吹っ飛ばされてしまう。

「ぐうっ!」
吉良は足から着地したものの、激痛により体が怯み、両膝と右手を地面へとついてしまう。


「ハア……ハア……コロス…コロス…コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス、コロス!!!」

一方、アーマージャックの方は突如壊れたラジオのように同じ言葉を繰り返し始めた。
そこには、知性というものが全く感じられず、まるで獣のようになっていた。

「これ以上キラ殿に手は出させませんぞ!私の渾身のキタキタ踊りを見よ!」

アーマージャックの前へとアドバーグが現れ出る。
そのまま彼は「ピ〜ヒャラ〜」という効果音と共に激しく踊り始める。
どうやら自分の踊りでアーマージャックを引き付けるつもりのようだ。

「ジャマダ!!ドケ!!」

「ぐあああっ!!」

しかしアーマージャックはそんな踊りには目もくれず、腕を振り払ってアドバーグを横へと吹っ飛ばしてしまう。
普段のアーマージャックなら、美しい容姿の女性がきわどい恰好でその踊りを披露すればむしろ喜んでレイプを仕掛けることであろう。
けれどアーマージャックはそんな素振りは一切見せず、目の前の女の姿をした相手を薙ぎ払って遠くへどかしてしまった。

◆

今のアーマージャックは、一種の『暴走状態』にある。
アーマージャックはこれまでサンダーブレスターの『ウルトラマンとしての技』を使ってこなかった。
せいぜい、その強力な身体能力に身を任せるまでであった。
説明書も破り捨てたため、技の使い方も知らない。
けれどアーマージャックは命の危機に瀕して、とっさに技を発動させることができた。
そのためか、アーマージャックはオーブ・サンダーブレスターにほんの少し『近づいた』。

サンダーブレスターはかつて、本来の変身者である『クレナイ・ガイ』も力を制御できずに暴走したことがある。
闇の力に飲まれたサンダーブレスターは、敵である怪獣どころか周りの街をも見境なしに破壊した。
今のアーマージャックはその時のサンダーブレスターに近い状態だ。

自分が『死』に近づいたことによる『恐怖』、
自分をこんな目に合わせた相手への『怒り』や『悔しさ』、
そういった負の感情やそれによるストレスが、二度の戦いによってついに限界に達していた。

これまでアーマージャックがサンダーブレスターになりながらも理性を保っていたのは、そもそも彼が闇に近い狂気に満ちた人物であったからかもしれない。
自分のことを正義のヒーローだと思い込むその性質が、力を制御する方向に作用していたのかもしれない。
だが今回において、アーマージャックは暴走した。
それは、ウルトラマンの力を使った事や限界以上に溜まったストレスといった要因が重なったと考えられる。
それ以外にも要因が考えられる可能性はあるが、とにかく今、アーマージャックは自分の本来の欲望も忘れて、ただ1人の標的の命を狙う存在となっていた。

◆

「エルドルさん!(くそっ!よりにもよってあんな遠くへ吹っ飛ばされるのか…!)」

吉良は今の絶望的状況を脱するために、キラークイーン第三の爆弾である『バイツァ・ダスト』の使用を考えていた。
この時間を巻き戻す能力があれば、今の状況をやり直すことができる。
時間が戻れば切断された左腕も元に戻せる。

バイツァ・ダストを発動させるために必要な条件は吉良が心から絶望すること、そして非スタンド能力者の無力な人間が側にいることだ。
吉良はその人間を爆弾に変え、時間を吹っ飛ばし、その人物だけが巻き戻る前の時間を知る状態にできる。
さらにこの能力は周りの人間も全て吹っ飛ばし、巻き戻った地点から元の時間に戻れば『固定された運命』に従ってもう一度敵を吹っ飛ばし、確実に殺害することも可能なのだ。

今の状況で、バイツァ・ダストに使える人物はアドバーグ・エルドルただ1人だ。
時間が戻った後に自分の能力をどう誤魔化すかはその時考えればいいことだとも思っていた。

しかし、アドバーグは薙ぎ払いで吹っ飛ばされ、街道に面した建物の壁にぶつかり、その壁にもたれかかる形となっている。
窓ガラスにぶつかったのか、そのガラスには網目状にひびが入っている。
一応、今回も命に別状はないようだ。
けれども、今の吉良がいる場所からは距離があり、自分が移動するよりも先にアーマージャックが自分に攻撃してくるだろう。
吉良はアドバーグには変に出しゃばらず、真っ直ぐに自分のいる方へと向かってきてほしかった。
しかし、そんな『もしも』を考えても現状は変わらない。

(こうなったら…最後の賭けだ!)

吉良は何とか足をよろめきさせながらも踏ん張って立ち上がる。
そして目線をアーマージャックの後方にある近くの門の方へと向け、そこにいるはずの人物を見る。
そこにいるのは、吉良が殺害するつもりであった東方仗助の身体の参加者だ。
その人物は吉良吉影が殺人鬼だという情報を見た可能性があり、時間の巻き戻しをやらせたらより自身にとって不利なことになるかもしれない。
しかし、吉良に一番近い場所にいる人物はもう仗助しか残っていない。
もし、相手の精神がスタンド使いだったらバイツァ・ダストを使用できない可能性もある。
スタンド使いではないにしても、肉体が元はスタンド使いの東方仗助のものであることが影響して使えない可能性も考えられる。
その点についても、吉良のこの判断は大きな『賭け』と言えるものであった。

◇

「大変……だ。わたしが……助けな…きゃ」

吉良が門の近くをよく見てみると、いつの間にかに東方仗助(犬飼ミチル)は意識を取り戻して立ち上がっていた。
左肩を手で押さえてふらついている相手を、彼女は顔を真っ直ぐに視線を一点に集中させていた。
ミチルが見ている一点、それは先を切断された吉良の左腕の部分だ。

ミチルが目を覚ましたのは、先ほどアドバーグ・エルドルがアーマージャックに薙ぎ払われて建物にぶつかったタイミングのことであった。
そして彼女が真っ先に目にしたのは、巨体を持つ赤黒いエイリアンの背と、その向こうに左腕を失った少女の姿であった。

ミチルはなぜいつの間にかこんな状況になっているのかは理解できない。
自分の身体で逃げる者を追いかけ、
途中で巨大な虫に出くわし、
その直後大きな音がしたとともに吹き飛ばされ、
頭を打って気を失ったところまでは覚えている。
だけど今目にした二人の人物はどちらも彼女には初見のものだ。

それでも、ミチルは左腕の無い少女が絶体絶命のピンチであることはすぐに分かった。
ミチルは自分のヒーリング能力でその少女を助けようと思った。
ミチルは今、身体が変わっている状態で自分の能力が使えるか否かについては考えていない。
とにかく、急いで少女の下へと向かおうとしていた。
そして、ミチルが立ち上がったそのタイミングで、件の少女もまたミチルの方へと顔を向けたのであった。







「………………何、だと?どういうことだ?一体何故だ!?馬鹿な……ありえない!!」

「え?」

ミチルを見たその瞬間、少女は表情を大きく変えた。
ミチルを見る前、少女は何かに助けを求めている顔をしていた。
その顔には、生き続けようとする意志が強く感じられた。

しかし、ミチルを見たその瞬間、彼女は驚愕の表情を見せた。
彼女はとてもうろたえた様子であった。
まるで、この世のものでは無い者を見てしまったかのように。

「何故クレイジーダイヤモンドがここにいる!?」

それが、彼女(彼)の最期の言葉となった。

◇◇◆◇

吉良吉影がバイツァ・ダストの発動を狙い、ミチルが吉良吉影を助けようと思った時、アーマージャックはトドメの必殺技の発動を開始していた。
暴走しているアーマージャックであるが、必殺技の使い方はゼットシウム光輪と同じくほぼ本能的に分かっていた。

「アアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛……!!」

低い唸り声と共にアーマージャックの両手に相反する二種類のエネルギーが集まっていく。
右手に闇、左手に光のエネルギーがチャージされていく。
広がる両手からほとばしるエネルギーがアーマージャックの前で白と赤黒いリング状の雷として形成される。
雷のリングが一瞬で収束し、それとともにアーマージャックは両手を十字に組む。

「デュワアアアアアアアアァァァァ!!!」

前面に再び雷の輪が形成される。
アーマージャックが叫ぶと同時に輪の中央に位置する左手から光線が発射される。
これぞまさしく、サンダーブレスターの文字通りの必殺技『ゼットシウム光線』である。

そして、赤黒い雷を伴ったその光線は真っ直ぐに吉良吉影の下へと飛んでいった。



もし、ここで自分の身を守ることに能力を使っていれば彼は生き延びられたのであろうか。
光線をスタンドで防げるかどうかは分からない。
スタンドを使わずとも、ギリギリで横に移動して躱すこともできたかもしれない。
けれど、そうはならなかった。


東方仗助の身体からクレイジーダイヤモンドが出現するのを見て、吉良吉影は足を止めてしまった。
最後まで生き延びて見せるという、自分の目的も一瞬だけ忘れてしまった。
本来ならこの島にいないはずの、自分を追い詰めた男の精神を象徴するそのスタンドを見て、吉良吉影は精神を大きく乱された。
吉良吉影の命運を分けたのは、そのほんの一瞬の出来事であった。

アーマージャックから放たれた光線は真っ直ぐと進み、吉良の少女としての身体を貫いた。
そして彼女(彼)は胸に大きな穴を開けて後方へと倒れ伏し、二度と動くことは無かった。




◇

「そ、そんな…キラ殿が、やられてしまった……!」

アドバーグは吉良が倒れる瞬間を見てしまった。
吹き飛ばされた後の彼はすぐに元の場所へと戻ろうとしたが、間に合わなかった。
光線に貫かれた吉良は既に物言わぬ骸だ。

「くっ…こうなったらせめて私が仇を………ん?」

悲劇を起こした下手人である人外の巨漢を睨むアドバーグ。
しかし彼の視線は別の人物の方へと向く。
その人物は先ほど吉良が治療(実際には殺害)しようとしていた男(精神は女)だ。

「早く、早く助けなきゃ…!」

その人物――犬飼ミチルは吉良吉影の遺体の方へと向かう。
明かな致命傷を負わされた相手でも、彼女はまだ治療を諦めていなかった。
ミチルは相手のことを何も知らない、だけど治療の手段があるならば、助けないわけにもいかなかった。

「そこの方、何をしているのですか!まだ魔物はそこにいるのですぞ!あなただって怪我をしているじゃありませんか!早くそこから逃げ……………あれ?」

アドバーグはアーマージャック(アドバーグは魔物だと思っている)がまだ何か仕掛けてくることを警戒してミチルに注意を促そうとする。
しかし、アドバーグが視線を変えてみると、アーマージャックの様子がおかしいことに気づいた。

『ドサッ』

アーマージャックの胸のカラータイマーの赤の点滅が止まった。
それと同時にアーマージャックは仰向けに倒れ伏した。
そして、アーマージャックの体から光が立ち昇った。

「………え!?に、人間!?」

光が消えた後にそこにいた人物は、さっきまでそこにいた赤黒い巨漢とは全く違う姿をしていた。
そこにいたのは、ただの人間の男であった。
突然の敵の姿の変化に、アドバーグ・エルドルはただ困惑するしかないのであった。

◇

アーマージャックが変化した人間の男、その名前は『クレナイ・ガイ』、
ウルトラマンオーブの正体である。
この殺し合いにおいて、アーマージャックは『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』として身体を与えられた。
しかし今、エネルギー切れなのかアーマージャックはウルトラマンから人間の姿に変化してしまった。

倒れたアーマージャックの体の横には二枚のカードが落ちている。
それらのカードにはそれぞれ、光と闇のウルトラ戦士の姿が描かれている。
宇宙警備隊の隊長でありウルトラ兄弟の長男、ゾフィー。
史上初めて悪の道に堕ちたウルトラマン、ウルトラマンベリアル。
サンダーブレスターの変身に使用される二人分のウルトラフュージョンカードがクレナイ・ガイとしての身体から分離されて地面に落ちていた。


ここで一つ、問題が生じる。
サンダーブレスターは本来、オーブの真の姿ではない。
ゾフィーとベリアルのカードがあって初めて変身できる形態である。
つまり、戦いの中で『変身解除』が行われる可能性もあるはずであり、実際に今回の戦いの後でクレナイ・ガイの姿に変わっている。
それでも、この殺し合いにおいてアーマージャックの身体は『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』として登録されている。
他の場所に存在する、身体側の参加者名簿にもその名前で記載されている。
しかし今回の戦いの結末によって、アーマージャックの身体は『クレナイ・ガイ』のものになってしまっている。
つまり、身体の名前が異なるものに変わってしまい、このままでは登録されている身体の名前の通りではなくなってしまうのだ。

けれども、この問題を解消する方法は一応、一つだけ存在する。
アーマージャックに残された最後のランダム支給品、
その正体は所持している本人はまだ知らない。

その支給品の名は『オーブリング』、ウルトラマンオーブの変身アイテムである。
これに先ほど分離した二枚のカードをダブルリードすれば、アーマージャックは再びサンダーブレスターの身体へと戻ることができるのだ。

ただし、今の彼は気を失っているため、すぐに元に戻ることはできない。
これからサンダーブレスターが復活するかどうかは、まだ先の事と言える。
その前にはまず、アーマージャックが無事に目覚める必要もある。
光と闇の巨人の復活には、まだ少し時間がかかりそうだ。

◆

「お願いです…早く、目を覚ましてください…!」

犬飼ミチルは自身の能力を用いての治療を必死に試みていた。
はたから見れば、大柄な男子高校生が女子中学生の体を舌で舐めまわすという、変態的な行為をしているように見えるその光景はミチルにとっては治療現場だ。
そして、腕を切断され、胸に穴の開いた少女の体は、確かに修復されていた。
千切れ飛んで行った腕も、少女の体に引っ張られて戻ってきていた。
しかしそれは、犬飼ミチルの能力によるものではなかった。

ミチルの後ろには、今の彼女と同じくらい大きな体格を持つ人型の何かがいた。
その人型こそ、吉良吉影が死の直前に目撃したスタンド『クレイジーダイヤモンド』であった。
少女(吉良吉影)の肉体の損傷を修復していたのもこのスタンドの仕業だ。

ただし、犬飼ミチルはこのスタンドの能力によって修復が行われているとは思っていない。
そして、スタンドの像が出現していることにも気がついていない。

なのになぜスタンド能力は発動しているのか、
その理由は彼女は元々人を癒すヒーリング能力を有していたことに起因する。
精神の像であるスタンドの力を扱う上で重要なことは、できて当然と思い込む精神力にある。
自分がヒーリング能力を使えていると思い込んでいるからこそ、犬飼ミチルはクレイジーダイヤモンドに気づかずにその能力を行使することを可能としている。


「…やっぱり、ダメなんですか」

だが、例え体は修復できても、失った命までは取り戻せない。
少女の遺体は、欠損していた部分や穴の部分はおろか、ボロボロになっていた衣服まで完全に修復されていた。
綺麗に直ったその体は、今にも動き出しそうなほど死を感じさせない。
けれども、この体に存在した魂は戻ってこない。

「…ごめんなさい」

自分に非が無くとも、そんな言葉を呟かずにはいられない。
犬飼ミチルはこの少女の体に宿っていた者のことを全く知らない。
この人物がどす黒い魂をもって、彼女の殺害を計画していたことなんて想像もつかない。
それでも、彼女は助けられずに失われた命のために、悲しみの涙を流した。


斯くして、シンデレラの偶像の身体を手に入れようとした殺人鬼の魂は、この場から消失していた。
その魂が一体、今はどこに行ってしまったのか、「安心」のある場所にはたどり着けたのか、
いずれにせよそれを証明する方法は、今はまだ存在しない。



【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険(身体:二宮飛鳥@アイドルマスターシンデレラガールズ) 死亡】



◆

【E-6 街入口付近/早朝】

【アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)@魔法陣グルグル】
[身体]:ヘレン@アイドルマスターシンデレラガールズ
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、側頭部にこぶ、背中に大きな痛みと小さい無数の裂傷、混乱気味、深い悲しみ
[装備]:腰みのと胸当て@魔法陣グルグル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1、最初着ていた服
[思考・状況]基本方針:キタキタ踊りの力で殺し合いを止めて見せますぞ〜
1:突如人間の姿に変わって倒れた魔物(アーマージャック)に警戒
2:キラ殿…
3:体は返すつもりだが、その前にキタキタ踊りの後継者を見つけたい
[備考]
※参戦時期は魔法陣グルグル終了後です。グルグル2や舞勇伝キタキタは経験していません。
※ジョジョの奇妙な冒険の世界について知りました。ただしスタンドに関することは知りません。


【犬飼ミチル@無能なナナ】
[身体]:東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険
[状態]:左背面爆傷、疲労(大)、深い悲しみ
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本方針:殺し合いはしたくない
1:助けられなくてごめんなさい…
2:シロを追いかけて止める
[備考]
※参戦時期は少なくともレンタロウに呼び出されるより前
※自身のヒーリング能力を失いましたが、クレイジーダイヤモンドは発動できます。
※クレイジーダイヤモンドが発動できることには気づいていないようです。


【アーマージャック@突撃!!アーマージャック】
[身体]:ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター@ウルトラマンオーブ
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、全身のいたるところに火傷、気絶、クレナイ・ガイの状態へと弱体化、主催者に対するストレス(大)、二人組(エボルトと蓮)に対する苛立ち(大)、イトイトの実の能力者、ガキ(吉良吉影)に対する怒り(大)
[装備]:馬のチンチン@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、オーブリング@ウルトラマンオーブ
[思考・状況]基本方針:主催者をぶっ殺す。そのために参加者を皆殺しにして優勝する。
1:…………
2:さっきの二人は絶対に殺す。特に女の方は徹底的に調教してから殺す。
3:男はそのままぶっ殺す。女はレ〇プしてから殺す。
[備考]
※製作会社公認のパロディAV『悶絶!!アーマージャック』の要素も混ざっております。
※身体の持ち主のプロフィールは破り捨てました。怪獣と戦っていたという事以外知りません。
※装備している馬のチンチンはほとんど破壊されている状態のため本来の効果を発揮しません。
※ゼットシウム光輪、ゼットシウム光線を使いましたが、今後も自分の意思で使えるかどうかは後続の書き手におまかせします。
※【クレナイ・ガイ@ウルトラマンオーブ】の姿になっています。オーブリングと近くに落ちているウルトラフュージョンカードを使えばサンダーブレスターに戻れます。
※近くにゾフィーとウルトラマンベリアルのウルトラフュージョンカード@ウルトラマンオーブが落ちています。
※悪魔の実の能力者になりました。水の中に落ちた場合、泳げずに溺れてしまいます。


※周囲に【ラーの鏡@ドラゴンクエストシリーズ】、【ストゥ(制裁棒)@ゴールデンカムイ】、【物干し竿@Fate/stay night】、【月に触れる(ファーカレス)@メイドインアビス】、吉良吉影のデイパック(残りランダム支給品0〜2)が落ちています。



【ラーの鏡@ドラゴンクエストシリーズ】
アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)への支給品。
「真実を映し出す」と言われている伝説の鏡。
原典においては何かに化けている魔物や、姿を変えられた者の正体を暴いて元に戻す効果がある。
ここにおいては、殺し合いの参加者の姿を映すと元の身体での姿が映るようになる。
ただし、その身体を元に戻す効果は無い。

【イトイトの実@ONE PIECE】
元は累の母への支給品。
超人系に分類される悪魔の実。
食べると糸人間となり、体から糸を作り出してそれを自在に操る能力を得る。
悪魔の実共通のデメリットとして、食べると水の中を泳げないカナヅチとなってしまう。

【ストゥ(制裁棒)@ゴールデンカムイ】
元は累の母への支給品。
アイヌの社会において、村人の中に窃盗や殺人など悪い行いがあった場合に制裁を加えるための物。
乱用は許されない。

【月に触れる(ファーカレス)@メイドインアビス】
吉良吉影への支給品。
ボンドルドが持つ武装の一つ。
無数の触腕を操る遺物で、極めて強靭で伸縮性も高い。
正確には遺物ではなく、原生生物由来の加工物を筒に詰めたもの。
アビスでしか採取できないので遺物とされる。
扱いにくさ故に等級は二級だが、ボンドルドは無数の自分を使ってこの遺物の要領を掴み、効果を劇的に高めるに至った。
ここにおいては初見でも扱いやすいよう、主催により少し調整が施されている。

【オーブリング@ウルトラマンオーブ】
アーマージャックへの支給品。
ウルトラマンオーブの変身アイテム。
光るリングの部分に二枚のウルトラフュージョンカードをダブルリードすることでフュージョンアップしたウルトラマンオーブへと変身する。
この殺し合いにおいては、変身できる形態はサンダーブレスターに限定されている。
もしゾフィーとベリアル以外のカードが存在したとしてもリードできないようになっている。

36:どこへ行くの姉畑先生 投下順に読む 38:分かつ希望の光、輝くのか、消えるのか
時系列順に読む
019:Bad Communication 吉良吉影 GAME OVER
犬飼ミチル 73:適者生存
アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)
011:それぞれのジャスティス アーマージャック
「吉良吉影はシンデレラに憧れる(後編)」をウィキ内検索
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  • 本スレ①:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1615384066/
  • 本スレ②:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1633849195/l30
  • 本スレ③:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1664632643/l30
  • 本スレ④:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1706338338/l30
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