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チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

適者生存

最終更新:2023年04月28日 00:02

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「ごめんなさい……」

E-6。スタンド使いと自称ヒーローによる戦いが終わり、朝日に照らされた街。
涙を流し謝罪を繰り返すのはリーゼントヘアの少年の肉体に入った、犬飼ミチル。
ミチルの目の前には、傷一つない少女が横たわっている。
生命活動を停止し、青白くなった肌の彼女が目を覚ます事は二度とない。
傷は治せても、逝ってしまった魂だけはどうにもならない。

「ごめんなさい…」

ミチルに非があった訳では無い。
気絶から目を覚まし、状況の把握もままならず、それでも殺されそうになっている少女を助けようとしただけだ。
おまけに殺し合いが始まって直ぐ、自分の体が四つん這いで駆けまわっている場面に遭遇したせいで、プロフィールの確認も出来なかった。
だからまさか、助けようとした少女にとってこのリーゼントの少年が忌々しい敵であり、その身体に宿る精神のビジョンが死因に繋がったなど理解しろと言うのは余りにも酷である。
真実を知らぬミチルはただ、自分の力不足のせいで助けられなかったと悔やんでいる。
元々自分をいじめていた女子の死をも悲しむような少女なのだ。
例えロクに話もしていない、名前すら知らない人間の死だろうと深く受け止め双眸からは涙が溢れている。

「むぅ…」

そんな奇抜な頭の少年に、キタキタおやじことアドバーグ・エルドルは何と声を掛ければ良いのか迷う。
おやじもまた同行者、吉良吉影の死に悲しみ無力感を味わっている者の一人だ。
出会って数時間の関係だったが、共に主催者を打ち倒し、いずれはキタキタ踊りを継いでもらおうと思っていた人物の死には大きな衝撃を受けた。
しかし同じくらいに衝撃なのは、吉良を殺した魔物らしき参加者が人間になったこと。
吉良の死と正体不明の参加者。そこに加えて、悲しみに沈む名も知らぬ少年。
流石のおやじもどうすれば良いのか、混乱気味であった。

参加者の迷いも悲しみも無視して、定時放送は始まる。
優し気なボンドルドの声と、明るく弾んだ空助の声。
死者が出た事を何とも思っていないような態度が、おやじには酷くおぞましいものに思えた。

「な、何という連中…。許せませんぞ…!」

最後まで死者に対する罪悪感もなく、笑みを浮かべて放送を終えた少年におやじは怒りを燃やす。
分かっていたが、主催者はこれまで会った魔物よりもずっと悪辣だ。
あんな奴らが殺し合いを開いたせいで吉良がや多くの人が命を落としたと思うと、全く持って許せない。
普段は空気が読めず奇行が目立つおやじだが、決して悪人ではない。
キタキタ踊りを世に広める者として、何より一人の大人として必ずや殺し合いを止めねばと決意を一層強くした。

「どうしてキョウヤさんが……」

一方のミチルはまるで宇宙人でも見たかのように、目を白黒させている。
斉木空助と名乗った少年はミチルが知る人物と同じ顔をしていた。
というよりも、空助が言っていたようにあれは間違いなく小野寺キョウヤ本人の体だ。
何故クラスメイトの体が主催者のものになっているのか。
体を奪われたなら、キョウヤの精神はどこにあるのか。

(キョウヤさんに一体何が起きたんですか…?)

ミチルにとってキョウヤは事ある毎にナナを疑い、遂には殺人の容疑者扱いまでした少年。
正直言ってあまり良い印象は抱いていない。
それでも人類の敵と戦う、同じ学校の仲間だ。
キョウヤは無事なのかどうか、心配で堪らなかった。


「うーむ、どうやらあの少年について何か知っているようですな」

ミチルの様子からただ事で無いと察し、おやじは神妙な顔付きになる。
ここでようやくミチルもおやじの方へと意識が向いた。
今更ながら、自分を責めてばかりで彼をほったらかしにしていた事を申し訳なく感じる。

「あっ、ご、ごめんなさい!私、自分の事しか考えて無くて…」
「まぁ頭を上げてくだされ。このような状況故に、混乱しても無理はありますまい」

慌てて謝罪するミチルを制し、横たわる吉良に目をやる。
こう見ると本当に眠っているかのようだ。
しかし吉良は先程の放送で、死者として名前を呼ばれている。
巨大な画像に表示されたのは間違いなくラーの鏡で見た男と、今ここにいる二宮飛鳥だった
吉良の死は悲しくてやりきれないが、受け入れねばならない。
そう己に言い聞かせると、今度はおやじがミチルに頭を下げた。

「吉良殿の傷を治してくれた事、感謝しますぞ」
「そっ、そんな!私は間に合わなかったんですし、感謝される筋合い何て…」

逆に頭を下げられてしまい、ミチルはまたしても慌てた。
ややあっておやじはミチルと向き合い、自己紹介をする。
ここまで互いが殺し合いに乗っていないだろうとは何となく分かっていたが、まだ名前も知らないのだ。

「挨拶が遅れましたな。私の名はアドバーグ・エルドル。キタキタおやじとも呼ばれてますな」
「犬飼ミチルです。一応元は女の子です。…えっと、エルドルしゃん、はもしかして男の人…ですか?」
「ええ。今はヘレン殿と言う麗しい女性の身体となっておりますが、元は立派な男ですぞ〜」

腰に手を当て、誇らしげに言うおやじ。
何故そんな自慢気なのかは知らないが、それよりおやじの恰好の方がミチルは気になった。
腰みのと胸当て、奇妙な額当てしか身に着けていない、肌面積が広すぎる姿。
ここを南国の島か何かと勘違いしてるのではと思ってしまいそうな恰好だ。
もしや何らかのアクシデントで服を失くしてしまったのだろうか。

「あ、あの…エルドルしゃんは何でそんな恰好を…?」
「理由は一つ、これがキタキタ踊りの正装だからですぞ〜!」
「えっ、何ですかそれ……」

困惑し聞き返すミチルに、おやじは吉良にしたのと同じ説明を熱く語った。
語り終えた時には心なしかミチルの頬が引き攣っていたが、おやじは気付かなかった。
とにかくキタキタ踊りに関しては分かったものの、他の大事な事に関しては分かっていない。
ミチルの提案により、お互い何があったのかを確認し合う。
結果としては、大した情報は得られなかった。
ミチルは自分の体で四つん這いになっていた者と、巨大な虫以外とは会っておらず、おやじも吉良と彼を殺した男以外とは会っていない。

と、ここで真っ先に対処すべき問題として、男の処遇をどうするかの話となる。

「あやつが邪悪な魔物でしたら吉良殿の仇として討伐するのですが、よもや人間だとは…」
「魔物?人類の敵のことですか?」
「何ですかなそれは?」

不思議そうに首を傾げるおやじに、ミチルは閉口する。
人類の敵を知らない。これがまだ幼い子供なら分かるが、エルドルは良い大人だ。
知らないなんて有り得るのかと困惑するミチルへ、エルドルが答えを示した。
吉良と出会った時に気付いた、参加者はそれぞれ別の世界から連れて来られていること。
そう説明されたミチルは案の定驚愕した。
冷静に考えれば能力者というのも大概ファンタジーだが、それにしたって異世界は流石にスケールが大きい。


「異世界の方ならばキタキタ踊りを踊ってくださるかもしれない、というのが私の考えでしてな。
 ミチル殿も元の女子の体に戻った際には、ご一緒にキタキタ踊りは如何ですかな?」
「え!?ええっと、そのぅ……」

熱い眼差しで勧められても、非常に困る。
そんな肌を見せすぎな姿で踊るなど、年頃の女子高生としては恥ずかしいにも程がある。
キタキタ踊りから逃れようと、強引に話を戻す。

「そっ、それより!今はあの人をどうにかするのが先です」

吉良を殺した男は気を失っているのか目を覚まさない。
どうにかするなら今がチャンスだ。
だが殺す事にはミチルもおやじも強い抵抗があった。
確かに男は吉良を殺した危険人物だが、だからといって手を掛けるとなれば躊躇が生まれる。
とはいえこのまま放置ともいかず、結局拘束し身動きを封じようということになった。

「私のほうには縄や鎖は入っておりませんでな。ミチル殿はどうでしょうか?」
「今確認してみますね」

デイパックの中を確認するミチル。
そこで自分が支給品どころか、名簿すらまだ見て無いのに気付いた。
自分の体を追っていたせいで余裕が無かったが、今もいつ男が目を覚ますか分からない状況だ。
故に名簿は後回しにして、支給品を手早く確認する。

「駄目です、捕まえておけそうな物は入ってませんでした…」
「そうですか……。なら吉良殿の支給品と、あの男が持っていた物も探してみましょう」

おやじの提案に従い、ミチルは吉良のデイパックを開いてみる。
死者の持ち物を物色するようで気が引けるが、今は仕方ないと吉良に小さく謝る。
中を確かめていると、一枚の紙が見つかった。
何だろうと見てみれば、それは肉体のプロフィールだ。
但し吉良の身体であった少女ではなく、ミチルの身体である東方仗助のであった。

(どうしてこれがこの人の持ち物に…?)

プロフィール用紙に貼り付けられた顔写真から、これが吉良ではなくミチルのものなのは間違いない。
どうしてそれが自分のデイパックではなく、吉良の方に入っているのか。
可能性としては主催者がうっかり間違えたか、ミチルが気絶している隙に吉良がこっそり盗んだの二択。
どう考えても後者の可能性の方が高い。
何故そんな事をしたのか、その答えは仗助のプロフィールを読めば一目瞭然だった。

(殺人鬼…!?)

杜王町という町の連続殺人犯。それが吉良吉影の正体。
プロフィールに記載された通りならば、とんでもない悪党だ。
同時に仗助のプロフィールを奪った理由も納得がいく。自分の正体が発覚するような用紙を放置するはずがない。
チラ、と背後で吉良を殺した男の支給品を確認しているおやじを見る。
彼は吉良の正体をきっと知らない。
吉良が馬鹿正直に自分は殺人鬼ですと説明したとは思えないし、恐らくは無害な一般人でも装ったのだろう。
暫し迷ったが、ミチルは吉良の正体をおやじには黙っている事にした。
既に吉良は死んだのだ。おやじに余計な混乱を与える必要は無い。


プロフィールをそっと自分の懐に仕舞い、再度デイパックを漁る。
今度もまた紙が出てきたが、それはプロフィールではない。
吉良の支給品に関する説明書だった。
読み終えると、それが今欲している物に合致すると分かりおやじに声を掛ける。

「エルドルしゃん!吉良さんの持ってたこの道具が使えそうです!」

月に触れる(ファーカレス)という名の道具はすぐに見つかった。
落ちていた筒を男に向けてみると、説明書の通り黒い触手のような物体が現れる。
黒い物体は未だ気絶したままの男の身体に絡みつき、身動きできなくした。
これで目が覚めても直ぐには動けない。
他にもそこら中に散らばっていた支給品を回収し、一先ずの目的は果たせた。

その時ふと、おやじは先程からずっと気になっていた事を尋ねる。

「そういえば…さっきミチル殿の背後にいた御仁はどちらに…?」
「…?誰のことですか?」
「へっ?さっき吉良殿を治療していた際に、ミチル殿の背後にいた方ですぞ?」

そう言われてもミチルには何のことだかさっぱり分からない。
あの時は吉良を治すのに夢中で周りを気にする余裕は無かったが、もし近くに誰かが立っていたら流石に気付くはず。
かと言っておやじの反応を見るに、嘘を付いているのではないだろう。
そこでおかしな事にミチルは気付いた。
さっきは無我夢中で吉良を舐めていたが、よくよく考えればこれは自分の体では無い。
つまりヒーリング能力は無いはずが、何故か吉良の傷は治った。
吉良を治したのはミチルの能力ではなく、この少年の身体に宿る別の力なのか?

(さっき私は……)

思い出す。吉良を治していた時の自分を。
あの時ヒーリングが使えなかったのなら、何を使って治した?
そういえば仗助のプロフィールにそれらしい記載があったはず。
確かスタンドという、特別な力。
名前は、そう

「クレイジー・ダイヤモンド…?」

呟いた瞬間、ソイツが傍に現れる。

「ひゃっ!?」

全身にハートマークがあしらわれた装甲に、頚部を巡る数本のパイプ。
人の形をしているが、人間のものとは違う存在感。
突然姿を現した怪人にミチルが後退ると、おやじが指をさして言う。

「おお!この御仁ですぞ!ミチル殿の背後にいたのは!」

おやじの言葉にミチルは思わず怪人をまじまじと見る。
そこに突っ立っているだけで、特に危害を加えてはこない。
もう一度プロフィールを取り出して見ると、確かにこの怪人はスタンドという能力が具現化したものらしい。
それにこのスタンド、自分以外のものを「治す」特殊能力があるとのこと。

「えっと、クレイジー・ダイヤモンドさん…?エルドルしゃんを治せますか?」

答えは返って来ないが、力強い瞳で一瞥される。
とにかく試そうとおやじへ向けてクレイジー・ダイヤモンドを操作してみた。


「エルドルしゃん、失礼しますね」
「はい?って、どひゃぁ!?」

クレイジー・ダイヤモンドの掌がおやじの顔に当てられる。
素っ頓狂な声を上げるおやじだったが、別段痛みは無いと気付いた。
それどころか、殴り飛ばされた時の痛みが少しずつ薄れているではないか。
これこそが吉良を治した力かと確信し、ミチルへ視線を向ける。
ミチルはおやじとは正反対に、どこか疲れたような顔になっていた。

「ミチル殿?大丈夫ですか?」
「は、はい…。何だか、急に疲れて来ちゃって…」
「それはいけません!一度治療を止めてくだされ!」

ミチルの異変に、おやじはクレイジー・ダイヤモンドの手を振り払う。
フラフラとするミチルに肩をかしてやり、取り敢えず地べたに座らせてやった。

「もしかすると、誰かを治すとその分ミチル殿に負担が発生するのかもしれませんぞ。私はもう大丈夫ですから、後はご自分の傷を治してくだされ」
「いえ、この力で自分は治療できないみたいなんです。それに、エルドルしゃんの怪我だってまだちゃんと治ってないのに…」
「なんのなんの!さっきよりもずっと楽になりましたぞ。それに私よりも、ミチル殿の怪我が――」

言葉が止まる。
おやじが見つめるのはミチルのずっと後ろ。
日光により熱を帯びたアスファルトを踏みしめ、何者かが近づいて来る。
おやじの反応で気付いたミチルも振り返り、件の人物の姿を確かめんとした。

二人の前に姿を見せたのは、茶髪の青年だった。
その顔に浮かぶのは、お世辞にも友好的とは言えない不遜な表情。
値踏みするかのように、おやじとミチルへ視線をぶつける。

「な、何者ですk「放送前の赤い光、アレを放ったのは貴様らか?」

質問を遮られ鼻白むおやじ。
無礼な態度を取った青年は、「早く答えろ」と二人を睨みつける。
いきなり赤い光と言われてもミチル達には何のことか分からない。
が、思い返せば吉良を死に追いやったのも、確か宇宙人のような姿の男が出した赤い光だ。
二人の目は自然と拘束された男に向かう。
その動作で青年も赤い光を放ったのが誰かを理解した。

「その様では楽しめんな」

少々落胆したように呟く青年、JUDO。
渇きを癒せる闘争を求めて来てみれば、期待していた相手は気を失っている上に拘束中。
だったらリオンの死体の元を訪れた方を追えばよかったかと後悔するも、既に遅い。
ため息を一つ吐くと、気を取り直してライダーカードを手にする。

「まぁいい。貴様らを殺した後でそいつの拘束を解けば、少しは我の退屈も凌げるだろうよ」

相手が取るに足らないワームだろうと、見逃す気は無い。
装着済のディケイドライバーにカードを挿入した。

「変身」

『KAMEN RIDE DACADE!』

マゼンタと黒を基調とした装甲を纏い、顔面に板が突き刺さった異様な風体。
世界の破壊者、ディケイドへの変身があっという間に完了した。
ワームどもの驚きを意に介さず、ライドブッカーをソードモードへ変形させる。
細長い刀身を掌で擦ると、分かりやすく表情が強張った。


「…ミチル殿、これを持って行ってくだされ」
「エルドルしゃん?これは…」
「落ちていた支給品と、それにラーの鏡という不思議な鏡でしてな。本当の姿が映るのです。それを持って逃げなさい」
「ま、待ってください!それじゃあエルドルしゃんが…!」

自分が敵の相手をするから、その隙に逃げろというおやじの言葉。
分かりましたと大人しく従う気はミチルには無い。
あんな得体の知れない男を相手に、傷も完治していないおやじが戦うのは危険過ぎる。
ここはスタンドを使える自分が残るべき、そう言おうとしたがおやじに遮られた。

「ミチル殿。失礼ですが、私よりも重症の貴女が残った所であ奴に勝てるかは厳しいでしょうぞ」
「それは……」
「なに、私の心配は無用ですぞ!とっておきの秘策がありますからな!」

自信満々に口にするが、その秘策とやらが何かは分からない。
ただこのまままごついて口論していれば、二人纏めて殺される。
そう理解しているがミチルとしてはやはり、おやじ一人を置いて行くのに抵抗がある。

「モタモタしている暇はありません!早く行ってくだされ!」

ミチルの迷いを断ち切るかのように、強い口調で告げる。
それを受けてミチルもようやく決心が付いたのか、頷きデイパックからある物を取り出す。
それは「銀」の一文字が書かれたバイク、というよりスクーターだ。
サドルに座り、その後ろに気絶したままの男をうつ伏せに乗せる。
手に持つ筒を動かすと、男が振り落とされないように黒い物体がスクーターにもへばりついた。
こういった乗り物の運転は未経験だが、今の自分…仗助の身体なら不思議とどうにかなる気がする。

エンジンを吹かし、一度おやじの方を見て叫ぶ。

「誰か、助けになってくれる人を探して戻って来ます!それまで絶対無事でいてください!」

親父が笑みを浮かべて頷き返すのを見ると、急発進してその場を去って行く。

本当にこの選択肢で良かったのか。
やはり自分が残っておやじを逃がした方が正しいのではないか。
そんな考えばかりが沸々と湧き出て来るが、今更遅い。

吉良は悪人だった。だけど死んで良いなんて思っていない。
彼を助けられなかった時の繰り返しは絶対に嫌だ。
だから今はおやじを助けてくれそうな人を探す。
他人任せの自分が酷く情けなくて嫌になるが、今はそれしかないとスピードを上げた。


【E-6 街/朝】

【犬飼ミチル@無能なナナ】
[身体]:東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険
[状態]:左背面爆傷、疲労(大)、深い悲しみ、無力感、運転中
[装備]:月に触れる(ファーカレス)@メイドインアビス、銀時のスクーター@銀魂
[道具]:基本支給品×2、ラーの鏡@ドラゴンクエストシリーズ、ストゥ(制裁棒)@ゴールデンカムイ、物干し竿@Fate/stay night、ウルトラフュージョンカード(ゾフィー、ベリアル)@ウルトラマンオーブ、ランダム支給品0〜4(吉良の分含む)
[思考・状況]基本方針:殺し合いはしたくない
1:今はこの場を離れる。誰か助けてくれる人を探して、エルドルしゃんの所に戻る
2:シロを追いかけて止める
3:どうしてキョウヤさんが…
[備考]
※参戦時期は少なくともレンタロウに呼び出されるより前
※自身のヒーリング能力を失いましたが、クレイジーダイヤモンドは発動できます。
※クレイジー・ダイヤモンドが発動できることに気付きました。
※まだ名簿を確認していません
※クレイジー・ダイヤモンドによる傷の治療は普段よりも完治に時間が掛かり、本体に負担が発生するようです。


【アーマージャック@突撃!!アーマージャック】
[身体]:ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター@ウルトラマンオーブ
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、全身のいたるところに火傷、気絶、クレナイ・ガイの状態へと弱体化、主催者に対するストレス(大)、二人組(エボルトと蓮)に対する苛立ち(大)、イトイトの実の能力者、ガキ(吉良吉影)に対する怒り(大)、拘束中
[装備]:馬のチンチン@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、オーブリング@ウルトラマンオーブ、精神と身体の組み合わせ名簿@オリジナル
[思考・状況]基本方針:主催者をぶっ殺す。そのために参加者を皆殺しにして優勝する。
1:…………
2:さっきの二人は絶対に殺す。特に女の方は徹底的に調教してから殺す。
3:男はそのままぶっ殺す。女はレ〇プしてから殺す。
[備考]
※製作会社公認のパロディAV『悶絶!!アーマージャック』の要素も混ざっております。
※身体の持ち主のプロフィールは破り捨てました。怪獣と戦っていたという事以外知りません。
※装備している馬のチンチンはほとんど破壊されている状態のため本来の効果を発揮しません。
※ゼットシウム光輪、ゼットシウム光線を使いましたが、今後も自分の意思で使えるかどうかは後続の書き手におまかせします。
※【クレナイ・ガイ@ウルトラマンオーブ】の姿になっています。オーブリングとウルトラフュージョンカードを使えばサンダーブレスターに戻れます。
※悪魔の実の能力者になりました。水の中に落ちた場合、泳げずに溺れてしまいます。


◆◆◆


「行ってくれましたか」

ミチルが去り、おやじとJUDOの二人が残される。

「わざわざ待ってくれるとは思いませんでしたな」
「貴様の言う秘策に興味があっただけだ」

剣の切っ先を向け、JUDOが殺気をぶつける。
早く秘策とやらを見せてみろ、そう告げているようだ。
これまで出会った魔物を遥かに凌駕する威圧感に、おやじは冷汗を掻く。
しかし恐怖に固まっているつもりはない。
無事に生きてミチルと再会し、キタキタ踊りの力で殺し合いを止め吉良の無念を晴らす為にも戦わなければならないのだ。

「ではお見せしましょう!我が秘策をーっ!」

一際大きく叫び、おやじはその場で激しく動く。
腰は歪な円を描くかのように振り、両腕も奇妙な動きを見せる。
説明するまでも無い、キタキタ踊りである。

「さぁ〜!何時もより激しく踊っていますぞ〜!思う存分に見てくだされ〜!」

奇妙を通り越して奇怪な踊りを見せるおやじ。
それでも一種の芸術性を感じるのは、自身を世界レベルと豪語するアイドルの体になっているお陰だろう。

「……」

キタキタ踊りを見せつけられているJUDOは無言。
暫し黙っておやじの奇行を眺めていたが、おもむろに近付き、

「ヒャ〜ラリキタキタ、春が来――ってひょえ〜っ!?」

悲鳴を上げて、おやじは飛び退く。
JUDOが無言で振るったライドブッカーは、ヘレンの長髪を数本落とすに終わった。
避けるのが僅かに遅れていたら、頭部と胴体が泣き別れしていたとおやじは青褪める。
それも束の間、怒りに顔を赤くしてJUDOに食って掛かった。

「な、何をするんですか!まだ踊りの途中ですぞ〜!」
「茶番に付き合う気は無い。それが秘策と言うのなら、とんだ時間の無駄だった」

バッサリと切り捨てる言葉に、おやじは低く呻く。
おやじとしてはふざけているのではなく、本気でキタキタ踊りを踊った。
だがその想いは全く届いていない。
これ以上踊った所で無意味。
おやじとしては非常に不本意だが、そう認めるしかないだろう。


しかし、おやじの秘策はキタキタ踊りだけではなかった。

「…仕方ありませんな。本当はコレを使いたくは無かったのですが」

小さく呟き、おやじは一つの支給品を取り出す。
その支給品とは、掌に収まるサイズの箱らしきものだった。
カードか何かのケースにも見えるソレには、鮫らしき模様が浮かんでいる。
箱を持った手を近くのショーウィンドウにかざす。
するとどんな仕掛けか、おやじの腰にベルトが出現したではないか。

「変身!ですぞ〜!」

ベルトに箱を填め込む。
その直後だ、おやじの姿が一瞬で変化したのは。

青い装甲と騎士の甲冑にも似た頭部。
鮫をモチーフにしたガントレット。
この姿こそ、おやじの支給品である「カードデッキ」により変身した、仮面ライダーアビスである。

デッキの効果は説明書で知っていたおやじだが、可能なら使いたくなかったというのが本音だ。
折角見た目麗しい美女の体になったのに、こんな鎧を纏っていてはキタキタ踊りの魅力が損なわれてしまう。
しかしそうも言ってられないのが現状だ。
おやじは元々、変態的な恰好とは裏腹に魔物相手でも引けを取らない強さを持っていた。
長年キタキタ踊りを続けた事で、桁外れの体力や打たれ強さを手にしている。
もしおやじが本来の体でここにいたら、恐らく生身であってもディケイドと渡り合えていたかもしれない。
尤も今のおやじはヘレンというアイドルの肉体になっている。
それ故に元来の打たれ強さは無いに等しく、アーマージャックによるストゥの一撃で呆気なく気絶するくらいに弱体化してしまった。

だから此度は、それを補うためにデッキを使って変身したのだ。

「ほう…、貴様もプロトタイプどもと同じ姿を……」

アビスの姿に、JUDOは僅かに機嫌が良くなる。
どうやらただのつまらん輩という訳でもなかったらしい。
これなら少しは楽しめそうだと、ライドブッカーを構える。

「では、行きますぞ!」

『SWORD VENT』

召喚機にカードを読み込ませると、アビスの手に一本の剣が握られた。
鮫の歯をモチーフにした剣を、ディケイドへと振るう。
迫る剣にディケイドも対処。刀身どうしがぶつかり合う。
続けて幾度も剣を振るい、アビスが攻め立てる。

「でりゃああああああ!」

気合を込めた連撃。
それら全てをJUDOは淡々と防ぐ。
この短い攻防だけで理解した。アビスの剣の腕はまるで素人だと。
強化された身体能力に物を言わせただけで、型も何もない。
放送前に戦った青い騎士ほどの剣術は皆無。

「フン」

つまらなそうに鼻を鳴らし、ライドブッカーでアビスの胴を突く。
デタラメに振るわれた剣の間を突かれた一撃に、アビスは呻き後退する。
わざわざ攻撃させてやったが、これではまるで楽しめない。
冷めた思いでアビスへと追撃を仕掛けた。


「キタキタ〜!」

が、ディケイドの攻撃は空振りとなる。
先程見せたキタキタ踊りに似た動きでアビスが避けたのだ。
単なるまぐれで躱したのではない。
その証拠にディケイドが振るい続ける剣は、アビスに掠りもしていない。

「さぁ、当てられるものなら当ててみなされ〜!」

型に捉われない動きとでも言うべきか。
まるで風にそよぐタオルのように、ヒラリヒラリとライドブッカーを躱す。
アビスの動きは回避のみならず、剣を投げ捨て手刀により突きを連続で放ってくる。
この突きがまた厄介であり、ディケイドの攻撃が空振りした一瞬の硬直を狙って放たれていた。
身を捩り躱すも、一撃二撃とダメージを与え、ディケイドの装甲から火花が散る。

「…成程」

自身のダメージとアビスの動きを冷静に見極める。
青い騎士程の剣術は無いが、弱い訳では無い。
現に今、自分はあの奇怪な踊りに似た動きに翻弄されている。
このまま闇雲に剣を振るっても勝機は望めない。

だからここは、新たな力を使う。
一度距離を取り、ブックモードへ戻したライドブッカーからカードを取り出す。
これがどのような能力を持つのか、カードに力が宿った瞬間に理解している。

『KAMEN RIDE KUUGA!』

『FORM RIDE DRAGON!』

マゼンタ色の装甲は赤へ、次いで青になる。
ディケイドに比べるとスマートな印象の姿、仮面ライダークウガドラゴンフォームだ。
フォームチェンジと同時に現れた棒状の武器、ドラゴンロッドをアビスへ突き出す。

「ぬわっ!?」

姿が変わった事への驚きに動きを止めたアビスへ、容赦なくドラゴンロッドの先端が直撃する。
痛みに呻きながらも、すぐにまたキタキタ踊りの要領でロッドを回避する。
だが避け切れない。ディケイドの時よりも、攻撃の速度が上昇している。
一撃一撃の威力はそれ程高くは無いが、次々と放たれるロッドは全てアビスに命中し、着実に体力を奪っていた。
反対にアビスの突きは掠りもせず、先程までとは正反対となる。

ドラゴンフォームは耐久力と腕力を犠牲に、俊敏性とジャンプ力を強化した形態だ。
波のように揺らめき攻撃を無効化し、流水の如き勢いで攻め立てる。
これまでとは違う動きに、アビスは苦戦を強いられていた。

「ぐげっ!」

ロッドによる突きがアビスの首、装甲の薄い箇所を直撃する。
堪らず後退し喉を押さえるが、すかさず顔面へと蹴りが飛んだ。
情けなく悲鳴を上げて地面を転がるアビス。


「ま、まだまだこれからですぞ!」

だがアビスはまだ勝負を諦めてはいない。
デッキから新たなカードを出し、召喚機へ読み込ませた。

『STRIKE VENT』

契約モンスター、アビスラッシャーの頭部を模した手甲が右腕に装着される。
こちらへ走るディケイドクウガ目掛けて、右腕を突き出した。

「ムッ!?」

敵の動作に良からぬものを感じ取り、ディケイドクウガは大きく跳躍する。
咄嗟の判断は正しい。
アビスの手甲からは鮫の姿に凝縮された高圧水流が発射され、付近のビルのガラスを破壊した。
もしあのままアビスへ突っ込んで行ったら、間違いなく高圧水流が直撃していただろう。

アビスの繰り出した攻撃に、新たな手を模索する。
ドラゴンフォームは回避力にこそ優れているが、耐久力と攻撃力は通常形態よりも低い。
暫し考え、クウガが持つ別の能力の使用を選択した。

『FORM RIDE TITAN!』

ディケイドライバーがカードの力を解放し、クウガはまたもや姿を変えた。
銀と紫の、重厚な装甲を纏ったタイタンフォーム。
専用の大剣、タイタンソードを片手にアビスへゆっくりと近づく。

「な、なんの!もう一発!」

タイタンフォームの威圧感に怯むも、手甲を向ける。
敵が真正面から向かってくるなら好都合。
今度は確実に当ててやると、高圧水流が襲い掛かった。
迫る水流をディケイドクウガは避けようともしない。
否、そんな必要無い。

鮫の姿の高圧水流が直撃する。
しかしディケイドクウガは、装甲を濡らしつつも前進を続ける。
あれだけの勢いの水流が当たったにも関わらず、後退どころか足を止めることすらしていない。
タイタンフォームはドラゴンフォームとは反対に、敏捷性を犠牲に防御力と攻撃力を強化した形態。
敵の攻撃を真正面から防ぎ叩っ斬るのが、このフォームの戦法だ。
そんな馬鹿なともう一度右腕をアビスが向けるが、ディケイドクウガもまた攻撃に移った。

『FINAL ATTACK RIDE KU・KU・KU KUUGA!』

己を飲み込まんと襲い来る水流へ、タイタンソードを投擲した。
未確認生命体…グロンギ族を滅ぼすエネルギーの込められた大剣は水流を斬り裂きながら進み、咄嗟に防御したアビスへと突き刺さった。
右腕の手甲も左腕の召喚機も砕け散り、大きく吹き飛ばされるアビス。
痛みを堪えどうにか立とうとするが、敵は悠長に待ってくれない。


「ここまでだな」

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

クウガからディケイドへと戻り、カードを挿入する。
等身大の巨大なカードがアビスへと続くように現れ、跳躍したディケイドに合わせてカードが道を作る。
ディメンションキック。リオン・マグナスを葬った技。
アビスはカードを使おうにも、召喚機が破損していてはどうにもならない。
だが黙ってやられるつもりはなく、地面に填め込まれているマンホールの蓋を引き剥がして即席の盾とする。

「つまらん足掻きだ」

カードを一枚通過する毎に、ディケイドの脚へエネルギーが付与されていく。
その光景が、アビスにはやけにスローモーションに見えた。
右脚がアビスへ到達した時、マンホールの蓋はあっさりと砕け散り、腹部へ衝撃が来た。

「ぐわあああああああああああああっ!!!」

蓋を外したが為に空いた穴から、地下へと真っ逆様に落ちていく。
悲鳴が地下に反響し、キンキンと鼓膜を叩いた。
ライドブッカーをガンモードに変え、ディケイドは地下を覗き込む。

「キシャアアアアアアアア!」

その背後から飛び掛かって来る何かの気配。
振り向けば、ディケイドへ殺気をぶつける異形がいた。
それは鮫だ。巨大な鮫が浮遊しながらディケイドへ襲い掛かった。
アビスが契約した二体のモンスターが融合した巨大鮫、アビソドンが己を喰い殺そうと迫る光景に、ディケイドは焦らずに回避。
獲物を一回で仕留められなかった事に腹を立てたのだろう、更に殺意が強まる。

「ギィイイイイイイイイイイ!!」

アビソドンの黒い頭部がバックリ開き、内部からノコギリ状の刃が飛び出す。
喰い殺せないなら、これで斬り殺す。
そう言わんばかりに身を震わせ、ディケイドへと再度突進した。

「くだらん」

『ATTACK RIDE BLAST!』

つまらなそうに吐き捨て、ライドブッカーを向ける。
連射力が強化された銃弾は、全てアビソドンの口内へと命中。
脆い箇所への集中攻撃に悲鳴を上げ、突進の勢いが弱まった。
すかさず駆けるディケイド。取り出したカードをドライバーに叩き込む。

『ATTACK RIDE SLASH!』

今度は斬撃の威力が強化された。ライドブッカーはとっくにソードモードへ変形済みである。
銃弾を浴びたばかりの口内へ剣先を突っ込ませ、そのまま幾度も振るう。
ノコギリも、下顎も斬り落とされ、最後には頭部を完全に両断される。
最早悲鳴すら出せずに、ミラーモンスターは哀れにも爆散し生涯を終えた。


戦いですらない一方的な処分を終え、地下への入り口を見下ろす。
遥か下には汚水が轟々と流れるだけで、アビスの姿は見当たらない。
アビソドンの相手をしている隙に逃げたのだろう。
追ってトドメを刺そうかとも考えたが、止める。
どうせあの傷では長くないし、わざわざ追う程の相手でもない。

下水道から目を逸らし、すぐにアビスへの興味も消え失せた。
それなりにやる方だったが、最初に戦った騎士程楽しめはしなかった。
放送で発表された死者の中にはあの騎士、リオン・マグナスの写真もあったが何かを思う事もない。
自分に敗れ死んだ者に何時までも関心を抱くような存在では無いのだ、JUDOという男は。

「だが無意味な戦いという訳でも無かったか」

ライドブッカーから数枚のカードを取り出す。
戦いを重ねればディケイドの力が一つずつ取り戻されていく。
現にクウガ同様、新たなライダーの姿がカードにハッキリと浮かび上がっていた。
順調に力が増しているのならば問題無い。
いずれはこの自分に死を予感させた、両面宿儺と戦うのならば更に力を得なくては。

次の闘争を求め出発しようとし、不意に体がグラつく。
思っていたよりも疲労が蓄積しているようだ。
元の肉体であれば二度の戦闘程度で疲れるなど有り得ないが、今は事情が違う。
これもまた新鮮な感覚と奇妙な思いを抱きつつ、変身を解く。

次なる闘争に備える為に、一先ず休息の時だ。


【E-6 街/朝】

【大首領JUDO@仮面ライダーSPIRITS】
[身体]:門矢士@仮面ライダーディケイド
[状態]:負傷(中)、疲労(大)
[装備]:ディケイドライバー+ライドブッカ―+アタックライド@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品×2(リオン)、精神と身体の組み合わせ名簿@オリジナル
[思考・状況]基本方針:優勝を目指す
1:闘争を楽しむ。だが今は休む
2:宿儺と次出会ったら、力が戻った・戻ってないどちらせよ殺し合う
3:優勝後は我もこの催しを開いてみるか
[備考]
※参戦時期は、第1部終了時点。
※現在クウガ〜アギトのカードが使用可能です。


◆◆◆


「はぁ…はぁ…」

通路の壁に寄り掛かりながら、覚束ない足取りで歩く女がいた。
露わにした素肌は所々傷だらけで、口の端からも血が垂れている。

ディメンションキックをモロに食らったキタキタおやじは、辛うじて生きていた。
アビスに変身していたが故に、どうにか即死だけは避けられたのだ。
代償としてデッキは破壊されたが、今回はそれも良い方向に動いた。
デッキの破壊に伴い契約破棄された事で、アビスラッシャーとアビスハンマーは野良モンスターへと化した。
それが原因でおやじの指示を受けるまでもなく、近くにいたJUDOを餌として狙ったのだ。
そうして逃げるだけの時間を稼げたおやじは、何とかJUDOから離れられた。

「流石に少々、堪えましたな……」

一歩一歩進むたびに、身体は悲鳴を上げる。
死にはしなかっただけで、ディケイドの攻撃は確実にヘレンの肉体を痛めつけた。

「折角治療して貰ったというのに、ミチル殿には申し訳ないですな…」

あの少女は無事に逃げられただろうか。
拘束されているとはいえ吉良を殺した男と一緒だ、何か良からぬ事をされていないだろうか。
一刻も早く合流し無事を確かめたいが、歩く速度は腹が立つくらいに遅い。
少しでも気を抜けば、倒れてしまいそうだった。

「な、なんの、こんな時こそキタキタ踊りの…」




胸に衝撃が来た。


「がはっ…!」

同時に血を吐く。
遅れて胸に猛烈な痛みを感じる。
視線を下へと向けてやれば、腕が自分の胸から生えていた。

「な…な…」

なんだこれは。
口に出そうとしても言葉が出ず、代わりにボタボタと血が溢れた。
腕が引き抜かれると、おやじの体からも力が抜け、その場に倒れる。
誰がやった、このままでは死ぬ。
そんな考えすらも、すぐに吹き飛んだ。

「あっあがっあがががががががががぎゃぎゃぎゃがやががががががぎが」

激痛が体を駆け巡る。
痛い。痛くて痛くて泣きたい。
頭に浮かぶのはそれだけで、口から出るのは言葉にすらなっていない。
自分はこれからどうなるのか。
そう考えようとしても、痛くて何も考えられなくなった。


白目を剥いて痙攣する女を、産屋敷耀哉は無表情に見下す。

日が沈むまでは自由に動けないと踏んでいたが、まさか運良く下水道に参加者が現れるとは思わなかった。
ここに来るまでに襲われたのか傷だらけだったが、関係ない。
鬼にすればそれらの負傷も全て再生する。

今も脳裏で絶えず繰り返される、参加者を鬼にしろとの命令。
そこに何の疑問も抱かず、鬼に変化する女を黙して見つめる。
定時放送は地下にも聞こえてきたが、耀哉に何らかの変化を齎しはしなかった。
炎柱の死にも眉一つ動かさず、ただ11人死んだ事にこう思っただけだ。

その者達は鬼にできなかったな、と。


【E-6 下水道/朝】

【アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)@魔法陣グルグル】
[身体]:ヘレン@アイドルマスターシンデレラガールズ
[状態]:疲労(大)、ダメージ(極大)深い悲しみ、無惨の血を摂取
[装備]:腰みのと胸当て@魔法陣グルグル
[道具]:基本支給品、最初着ていた服
[思考・状況]基本方針:?????
1:痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
[備考]
※参戦時期は魔法陣グルグル終了後です。グルグル2や舞勇伝キタキタは経験していません。
※ジョジョの奇妙な冒険の世界について知りました。ただしスタンドに関することは知りません。
※無惨の血を与えられました。現在鬼に変化中です。

【産屋敷耀哉@鬼滅の刃】
[身体]:鬼舞辻無惨@鬼滅の刃
[状態]:毒により理性消失、疲労(中)、絶望(大)、シロとしんのすけへの罪悪感(大)、毒による激しい頭痛、主催者への怒り(極大)
[装備]:マシンディケイダー@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:鬼を増やす
1:今は太陽の光を避けて移動
[備考]
※参戦時期は死亡後です。
※スコルピオワームの毒に侵されています。現在無惨の肉体が抵抗中ですが、無惨の精神と共鳴した結果毒が強化され、精神が弱ったり意識を失うと理性を失います。二重人格みたいなものと考えると分かりやすい
※彼が死んだとき、鬼化させたシロも死ぬのかは不明です。

※下水道がどこまで続いているかは後続の書き手に任せます。
※アビスのデッキ@仮面ライダーディケイドは破壊されました。契約モンスターのアビスラッシャーとアビスハンマーも死亡しました。

【銀時のスクーター@銀魂】
坂田銀時が乗る原付のバイク。
「銀」の一文字が目印。

【アビスのデッキ@仮面ライダーディケイド】
龍騎の世界に登場した、Atashiジャーナル副編集長の鎌田が所持するデッキ。
鮫型のミラーモンスター二体と契約している。
ソードベント、ストライクベント、アドベント、ファイナルベントの4枚を所持。

72:CHANGE THE WORLD 投下順に読む 74:Life Will Change(1st)
時系列順に読む 75:姉畑はソレを我慢できない
37:吉良吉影はシンデレラに憧れる 犬飼ミチル 74:Life Will Change(1st)
アーマージャック
アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ) 87:その踊り、誰が為に
48:MAD QUALIA 産屋敷耀哉
57:前兆 大首領JUDO 88:DD破壊者/君は悪魔と相乗りできない

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  • 本スレ①:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1615384066/
  • 本スレ②:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1633849195/l30
  • 本スレ③:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1664632643/l30
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