(まずいな…どうも警戒されているようだ。俺の正体に感付いているのか?呪術師だとすれば、やはり分かるものなのか?)
山の中にある一戸建ての民家、竈門家の前で相対している2人の男女(実際にはどちらも中身は男)、
悲鳴嶼行冥と脹相は互いに無言のまま睨み合った状態になっている。
悲鳴嶼行冥と脹相は互いに無言のまま睨み合った状態になっている。
脹相にとって相手が呪術師である可能性は、ここが殺し合いの舞台であるという観点に対しては別に大きな問題ではない。
人に害を及ぼす呪霊や呪詛師(主催陣営にいる可能性高し)と敵対する立場の者なら、殺し合いに乗らないという点に対して信用は高い。
もっとも、前に出会った禪院家の金髪の男(禪院直哉)のような性格に難のありそうな人物だったら、状況に乗じてろくでもないことを考えてそうであるが。
人に害を及ぼす呪霊や呪詛師(主催陣営にいる可能性高し)と敵対する立場の者なら、殺し合いに乗らないという点に対して信用は高い。
もっとも、前に出会った禪院家の金髪の男(禪院直哉)のような性格に難のありそうな人物だったら、状況に乗じてろくでもないことを考えてそうであるが。
だがこの場合で特に問題となってしまうのは、自分が渋谷事変まで呪霊達と手を組んでいたこと、
そして自分の大事な弟であり、ここに来る前まで共に行動していた虎杖悠仁が呪術界において死刑が宣告されたらしいことである。
理由は、渋谷事変において悠仁の後ろ盾となっていた五条悟が封印されたことに起因されているらしい。
相手が普遍的な呪術師でも、このことが伝わっている可能性はある。
そのため、自分やその兄弟に対する詳細が知られてしまえば敵対される可能性は高い。
それこそ脹相や虎杖悠仁が前に戦った、禪院直哉や乙骨憂太のように。
そして自分の大事な弟であり、ここに来る前まで共に行動していた虎杖悠仁が呪術界において死刑が宣告されたらしいことである。
理由は、渋谷事変において悠仁の後ろ盾となっていた五条悟が封印されたことに起因されているらしい。
相手が普遍的な呪術師でも、このことが伝わっている可能性はある。
そのため、自分やその兄弟に対する詳細が知られてしまえば敵対される可能性は高い。
それこそ脹相や虎杖悠仁が前に戦った、禪院直哉や乙骨憂太のように。
なお、今更ながらなことだが、脹相がこの場に連れてこられたのは禪院直哉を倒した後、乙骨憂太に殴られて気絶させられたタイミングの時である。
それにより、乙骨憂太があの場に来た本当の目的(虎杖悠仁を助けに来た)を脹相は知らずにいる。
このため、目の前の呪術師(仮)についても自分の立場を理由に中々協力を申し出ることがやりづらくなっていた。
それにより、乙骨憂太があの場に来た本当の目的(虎杖悠仁を助けに来た)を脹相は知らずにいる。
このため、目の前の呪術師(仮)についても自分の立場を理由に中々協力を申し出ることがやりづらくなっていた。
(話さなくなってから間が空いたな…やはり何かやましいことがあるのか?)
そんな脹相の様子を見て、悲鳴嶼の方も疑念が先ほどより大きくなってきた。
別に決めつけるつもりは無いが、黙っている時間が長くなると、少しずつでも不信感は膨らんでいく。
もし、目の前の相手が急に豹変して襲いかかってくる可能性も頭に思い浮かび、手に持つ肉切り包丁を握る手の力も強まる。
別に決めつけるつもりは無いが、黙っている時間が長くなると、少しずつでも不信感は膨らんでいく。
もし、目の前の相手が急に豹変して襲いかかってくる可能性も頭に思い浮かび、手に持つ肉切り包丁を握る手の力も強まる。
脹相と悲鳴嶼が共に不安や不信感を抱き始めてから、互いに黙りこくったまま時間が過ぎる。
2人の間の空気も、張り詰めたものとなっていく。
この静かな緊張感の中、話を切り出すタイミングもつかめないでいた。
だからと言って、このまま話を進めないままでいるわけにはいかないのも確かなことであった。
2人の間の空気も、張り詰めたものとなっていく。
この静かな緊張感の中、話を切り出すタイミングもつかめないでいた。
だからと言って、このまま話を進めないままでいるわけにはいかないのも確かなことであった。
◇
「………とりあえず、まずはこの家の中に入らないか。このままここで立ち話というのも何だ、落ち着いて話ができるようするべきだろう」
静寂の中、最初に言葉を発したのは脹相であった。
いい加減、話を進めて行動しやすいようにしたいというのはお互いが思っていることだろう。
多少強引でも次の段階に移行したいため、このような発言をした。
警戒されていることに心当たり(元呪霊側、現虎杖悠仁側)はあるが、そのことについてはシラを切った。
脹相は竈門家の入口の引手に手をかけ、中に入ろうとする。
悲鳴嶼に対しても屋内に入るよう促す。
いい加減、話を進めて行動しやすいようにしたいというのはお互いが思っていることだろう。
多少強引でも次の段階に移行したいため、このような発言をした。
警戒されていることに心当たり(元呪霊側、現虎杖悠仁側)はあるが、そのことについてはシラを切った。
脹相は竈門家の入口の引手に手をかけ、中に入ろうとする。
悲鳴嶼に対しても屋内に入るよう促す。
「いや、その前に貴女に聞きたいことがある」
その言葉を聞いて、脹相は体の動きを止める。
(くっ…やはり、バレているのか?)
自分の正体を感付かれたのかと思い、冷や汗が体から出てくる。
背中を見せている現状では、下手な回答をすれば先手を取られて攻撃されるかもしれない。
ほんの短い時間だったが、次の言葉を待っている間は動揺心があった。
背中を見せている現状では、下手な回答をすれば先手を取られて攻撃されるかもしれない。
ほんの短い時間だったが、次の言葉を待っている間は動揺心があった。
そして悲鳴嶼は、自分が抱く疑念について、直球に質問した。
「貴女の衣服や体には何故血が付着している?見た所怪我はないようだが…誰かに襲われ、返り討ちにしたのか?」
「………何だ、そんなことだったか」
その言葉を聞いて、脹相が感じたものは、安堵感であった。
同時に、抱いていた心配事はほとんどが杞憂であったことを察した。
同時に、抱いていた心配事はほとんどが杞憂であったことを察した。
◆◇
「…とまあ、これが俺が今まで見て来たものだ」
脹相はようやく、悲鳴嶼を竈門家の中に招き入れ、自分のこれまでの動向について話すことができた。
聞かれた血については最初に『そんなこと』と言ってしまったため、その時は余計に怪しまれる感じになってしまった。
だから先に首輪をデイパック取り出して見せ、これは死体から外したことを伝え、より詳細な話をすると言ってようやく中に入ってもらった。
だから先に首輪をデイパック取り出して見せ、これは死体から外したことを伝え、より詳細な話をすると言ってようやく中に入ってもらった。
ここで脹相が話したことは、まず自分がそもそも殺し合いが始まってから今まで生きた参加者には出会わなかったこと、
謎の光を目撃し、その先に行ったら死体を見つけたこと、
そこでは戦闘が行われたらしく、死体を作った者は強い力を持っている可能性が高いこと、
情けない話だが現状ではその人物に勝てる可能性は低いと考え、協力者探しを優先しようと考えたこと、
念のため首輪も回収しておこうと思い、斧を使って死体の首を切断したこと、血はその時に付いたことを伝えられた。
謎の光を目撃し、その先に行ったら死体を見つけたこと、
そこでは戦闘が行われたらしく、死体を作った者は強い力を持っている可能性が高いこと、
情けない話だが現状ではその人物に勝てる可能性は低いと考え、協力者探しを優先しようと考えたこと、
念のため首輪も回収しておこうと思い、斧を使って死体の首を切断したこと、血はその時に付いたことを伝えられた。
だが、悲鳴嶼が脹相に対して警戒を解く様子はまだ見られなかった。
それは、仕方のないことだろう。
首輪の存在から、死体からこれを外したために血が付いてしまったという説明はできるが、その死体を生み出したのが自分ではないという証明はできていないからだ。
もっとも、これについては逆に脹相が殺したという証明も出来ないため、水掛け論になってしまうだろうが。
ただ、まだ警戒している理由は他にもあるが、これについては後述する。
悲鳴嶼は先に、脹相の話から気になった点について質問した。
それは、仕方のないことだろう。
首輪の存在から、死体からこれを外したために血が付いてしまったという説明はできるが、その死体を生み出したのが自分ではないという証明はできていないからだ。
もっとも、これについては逆に脹相が殺したという証明も出来ないため、水掛け論になってしまうだろうが。
ただ、まだ警戒している理由は他にもあるが、これについては後述する。
悲鳴嶼は先に、脹相の話から気になった点について質問した。
「少し、聞いてもいいだろうか」
「どうした?」
「貴女が見つけたというその遺体…特徴から察するに遠坂凛という少女の身体のもので間違いないな?」
「ああ、放送で見せられた写真と同じ顔と服をしていた」
「どうした?」
「貴女が見つけたというその遺体…特徴から察するに遠坂凛という少女の身体のもので間違いないな?」
「ああ、放送で見せられた写真と同じ顔と服をしていた」
「私が思うのは、その遠坂凛の中にいた…放送で零余子と呼ばれた鬼の……鬼については後で話そう。とにかく、殺された側が先に仕掛けたのではないかということだ」
「………なるほど、その可能性もあったか」
「とは言え、殺した側がこの殺し合いに乗っていないとまでは私も言うつもりはない。警戒するに越したことはないだろう」
「………なるほど、その可能性もあったか」
「とは言え、殺した側がこの殺し合いに乗っていないとまでは私も言うつもりはない。警戒するに越したことはないだろう」
脹相は少し失念していたが、それは十分に考えられる事柄であった。
先に攻撃を仕掛けたのは殺された女の方であり、返り討ちにあったため死んだということだ。
つまり、殺害した張本人はあくまで止むを得ず殺しただけで、積極的に殺し合いに乗っているためにそうしたと断言はできないかもしれないのだ。
脹相自身も殺し合いには乗っていないが、本当にもしもの時は殺しも選択肢に入れている。
絶対にそうだという訳ではないが、女の殺害者はこの"もしも"があっただけである可能性も多少なりとも念頭に置けるかもしれない。
先に攻撃を仕掛けたのは殺された女の方であり、返り討ちにあったため死んだということだ。
つまり、殺害した張本人はあくまで止むを得ず殺しただけで、積極的に殺し合いに乗っているためにそうしたと断言はできないかもしれないのだ。
脹相自身も殺し合いには乗っていないが、本当にもしもの時は殺しも選択肢に入れている。
絶対にそうだという訳ではないが、女の殺害者はこの"もしも"があっただけである可能性も多少なりとも念頭に置けるかもしれない。
「如何にせよ、出会ったわけでもない者に対して何かを決めつけることはできない。貴女の言うその少女を殺した者は、きっと誤った選択をした、止めるべき対象だ」
悲鳴嶼の今の心境は、どちらかと言えば複雑なものだ。
放送で顔写真を見た時、銀時や煉獄、童磨などに特に注目していたため零余子についてはこの時はそこまで重要視していなかった。
零余子が鬼であることは、見た目だけでなく目に刻まれた十二鬼月の下弦の鬼であることを示す文字から判別できた。
だがここで改めて考えてみると、この零余子と、その死によって巻き込まれた遠坂凛という少女についても悲しみが出てくる。
放送で顔写真を見た時、銀時や煉獄、童磨などに特に注目していたため零余子についてはこの時はそこまで重要視していなかった。
零余子が鬼であることは、見た目だけでなく目に刻まれた十二鬼月の下弦の鬼であることを示す文字から判別できた。
だがここで改めて考えてみると、この零余子と、その死によって巻き込まれた遠坂凛という少女についても悲しみが出てくる。
遠坂凛の名は参加者としても名簿に記載されている。
放送で見た顔写真から、この少女はおそらく人間だと思われる。
その名は精神側の死亡者としては放送で発表されなかった。
自分の身体が死亡者として発表された時の少女の気持ちを考えると、悔やむ気持ちは現れる。
放送で見た顔写真から、この少女はおそらく人間だと思われる。
その名は精神側の死亡者としては放送で発表されなかった。
自分の身体が死亡者として発表された時の少女の気持ちを考えると、悔やむ気持ちは現れる。
悲鳴嶼がここで零余子の方から襲いかかった可能性を指摘したのは、別に殺害者を庇う気持ちがあるからではない。
もし零余子が襲いかかったのが自分だった場合、絶対に殺さずに拘束したりすることができるとは断言できないが、別にそういったことに関係があるわけではない。
ただ少し、零余子という鬼を許せないという気持ちがある。
零余子が下弦の鬼ということは、決して少なくない数の人間を殺して喰ってきたということだ。
そんな鬼が、人間の身体になったからといってそう簡単に殺しを止めようとするとは、悲鳴嶼には考えにくいことだった。
どちらが先に襲い掛かったかはともかく、零余子はこの殺し合いの場において、乗っている立場であることは間違いないだろうと思った。
だからこそ、遠坂凛少女の肉体が、先ほど聞いた話の通り胴体泣き別れの状態にされたのは、その鬼の行動方針のせいだろう。
つまり、殺害者が鬼でないとしても、遠坂凛は鬼の被害者だと言えなくないかもしれないのだ。
もし零余子が襲いかかったのが自分だった場合、絶対に殺さずに拘束したりすることができるとは断言できないが、別にそういったことに関係があるわけではない。
ただ少し、零余子という鬼を許せないという気持ちがある。
零余子が下弦の鬼ということは、決して少なくない数の人間を殺して喰ってきたということだ。
そんな鬼が、人間の身体になったからといってそう簡単に殺しを止めようとするとは、悲鳴嶼には考えにくいことだった。
どちらが先に襲い掛かったかはともかく、零余子はこの殺し合いの場において、乗っている立場であることは間違いないだろうと思った。
だからこそ、遠坂凛少女の肉体が、先ほど聞いた話の通り胴体泣き別れの状態にされたのは、その鬼の行動方針のせいだろう。
つまり、殺害者が鬼でないとしても、遠坂凛は鬼の被害者だと言えなくないかもしれないのだ。
無論、そんな形になったのは、零余子という鬼に人間の少女の身体を与えた張本人(達)であると考えられる主催陣営がこんな殺し合いを開いたからであることが前提だ。
それに、例え鬼でも既に死んでしまった者に対してこれ以上責めるような気持ちになっても仕方ない。
だが自分は、この家にも住んでいただろう竈門炭治郎ほど鬼に慈(やさ)しくはなれない。
それでも、鬼殺隊の者として鬼の行動を止められず、犠牲者を出してしまったことには悔やむ気持ちがある。
遠坂凛については実際に会ったわけではないため全く知らず、案外鬼のように人格に問題のある人物である可能性もあるが、そんなことまで想像する必要は無い。
ここにおいてはただせめて、彼女を含めてこれ以上鬼のせいで被害にあう者が現れないことを祈るまでである。
それに、例え鬼でも既に死んでしまった者に対してこれ以上責めるような気持ちになっても仕方ない。
だが自分は、この家にも住んでいただろう竈門炭治郎ほど鬼に慈(やさ)しくはなれない。
それでも、鬼殺隊の者として鬼の行動を止められず、犠牲者を出してしまったことには悔やむ気持ちがある。
遠坂凛については実際に会ったわけではないため全く知らず、案外鬼のように人格に問題のある人物である可能性もあるが、そんなことまで想像する必要は無い。
ここにおいてはただせめて、彼女を含めてこれ以上鬼のせいで被害にあう者が現れないことを祈るまでである。
◇
「それでは、次は私の話をさせてもらおうか」
零余子についてはとりあえず置いておき、悲鳴嶼は先に自分もこれまでの動向について話し始める。
最初の場所は山の麓にある病院だったこと、
そこで鬼殺隊の仲間の1人、胡蝶しのぶと合流できたこと、
しばらくしてデビハムと名乗る者に出会い、彼に襲い掛かったらしい者達の話を聞いたこと、
そして自分達が出会ったばかりの時にも話したように、仲間がここを目指すかと思いしのぶやデビハムとは二手に別れて行動したことを話した。
そこで鬼殺隊の仲間の1人、胡蝶しのぶと合流できたこと、
しばらくしてデビハムと名乗る者に出会い、彼に襲い掛かったらしい者達の話を聞いたこと、
そして自分達が出会ったばかりの時にも話したように、仲間がここを目指すかと思いしのぶやデビハムとは二手に別れて行動したことを話した。
またついでに、自分が知る鬼についてもここで話した。
鬼とは、この殺し合いの参加者にもいる鬼舞辻無惨の血を与えられた人間が変貌する存在であり、人の血肉を食うことを説明した。
もっとも、鬼舞辻無惨も今は別の身体であるため人を鬼にすることはできなくなっていると思われるが。
そんな鬼はこれまで3体、脹相が見つけた死体に宿っていた者も含めて、精神側の死者として放送で発表されたことを伝えた。
自分はその鬼を狩るために結成された鬼殺隊の一員であり、この殺し合いには他にも仲間が巻き込まれており、一人は残念ながら放送で死者として発表されたことも教えた。
鬼とは、この殺し合いの参加者にもいる鬼舞辻無惨の血を与えられた人間が変貌する存在であり、人の血肉を食うことを説明した。
もっとも、鬼舞辻無惨も今は別の身体であるため人を鬼にすることはできなくなっていると思われるが。
そんな鬼はこれまで3体、脹相が見つけた死体に宿っていた者も含めて、精神側の死者として放送で発表されたことを伝えた。
自分はその鬼を狩るために結成された鬼殺隊の一員であり、この殺し合いには他にも仲間が巻き込まれており、一人は残念ながら放送で死者として発表されたことも教えた。
「すまん、俺の方からも質問がある」
鬼についての説明の途中、脹相が手を挙げて聞いてきた。
「その鬼とやらはこの無惨という者が生み出すやつだけを指すのか?」
「ああ、その通りだ。それがどうかしたか?」
「ああ、その通りだ。それがどうかしたか?」
「………なるほどな(全ての呪霊を鬼と呼ぶわけではないようだな)。」
脹相は鬼殺隊について一定の理解を示す…が、鬼殺隊=呪術師の集まりであるという誤解はまだそのままだった。
鬼舞辻無惨については、力の強い特級呪霊か何かであると考えていた。
血を媒介して人間を呪霊やそれに付随する存在と化させる術式(系統としては真人のものに近い?)を持っているのかなんてことを考えていた。
これは、あくまで脹相自身の知識・記憶に基づいて考察していたためにこのような解釈となっていた。
鬼舞辻無惨については、力の強い特級呪霊か何かであると考えていた。
血を媒介して人間を呪霊やそれに付随する存在と化させる術式(系統としては真人のものに近い?)を持っているのかなんてことを考えていた。
これは、あくまで脹相自身の知識・記憶に基づいて考察していたためにこのような解釈となっていた。
「他に危険な奴はいるのか?」
「デビハムに聞いた話が確かなら、桐生戦兎と大崎甜花という者が殺し合いに乗っているらしい。だが、私としては半信半疑だ。実際に会ってみないことにはまだ不明だ」
「………そうか(宿儺については話さないのか?……元から知らない、ということで大丈夫か?)」
「?…どうかしたのか?」
「いや、何でもない」
「デビハムに聞いた話が確かなら、桐生戦兎と大崎甜花という者が殺し合いに乗っているらしい。だが、私としては半信半疑だ。実際に会ってみないことにはまだ不明だ」
「………そうか(宿儺については話さないのか?……元から知らない、ということで大丈夫か?)」
「?…どうかしたのか?」
「いや、何でもない」
次の質問の回答は、脹相にとって意外であった。
これまでは悲鳴嶼が宿儺を知っていると思って会話していたため、その名が相手の口から出なかったことを少し妙に思う。
自分の正体に気づいており失言を引き出すためわざと出さなかったのかという考えも浮かんだが、そんな様子も見られない。
これまでは悲鳴嶼が宿儺を知っていると思って会話していたため、その名が相手の口から出なかったことを少し妙に思う。
自分の正体に気づいており失言を引き出すためわざと出さなかったのかという考えも浮かんだが、そんな様子も見られない。
「なら、俺からもう少し話しておきたいことがある。お前の言う鬼というものと、同類の奴を俺は知っている」
「何?」
「何?」
そうであるならば、話は大きく変わる。
相手が宿儺を知らないのなら、その情報共有は殺し合いを止めるために必要となる。
相手が宿儺を知らないのなら、その情報共有は殺し合いを止めるために必要となる。
ただし、話すことが全て真実なわけではない。
◆
脹相は宿儺について説明を始める。
そいつは、1000年も前から存在する怪物であり、強力な力を持っていること、その全容は自分もまだ知らないことを話した。
そいつは、1000年も前から存在する怪物であり、強力な力を持っていること、その全容は自分もまだ知らないことを話した。
「そんな無惨のような者が、他にも…?」
「本当に知らなかったのか」
「ああ、初めて聞いた」
「本当に知らなかったのか」
「ああ、初めて聞いた」
悲鳴嶼の反応から、相手が宿儺を知らないのは確かなことだと判断し脹相は話を続ける。
その話はやがて、自分の弟であり宿儺をその身に宿していた虎杖悠仁の話題に移る。
そうなってしまったのは宿儺の指を喰ってしまったからであること、
宿儺が参加者にいるため、その意識を取り出すために主催陣営が弟を殺した可能性が高いこと、
そんな奴らを自分は絶対に許さず、確実に倒したいことを強調して話す。
その話はやがて、自分の弟であり宿儺をその身に宿していた虎杖悠仁の話題に移る。
そうなってしまったのは宿儺の指を喰ってしまったからであること、
宿儺が参加者にいるため、その意識を取り出すために主催陣営が弟を殺した可能性が高いこと、
そんな奴らを自分は絶対に許さず、確実に倒したいことを強調して話す。
いくら元は知らなかったとしても、この説明により呪術師としては強大な力を持った宿儺を確実に祓うためには悠仁を殺すのが最速手段であることに思い至るだろう。
そうなれば、自分がその兄であったことを話してしまったため、弟を守りたい兄として余計な衝突を招く危険性がある。
だから本当ならば自分でも信じたくない、虎杖悠仁が既に殺されているという可能性をここで話す。
あくまで自分は、弟の仇をとることが第一目標であることを主張する。
そうなれば、自分がその兄であったことを話してしまったため、弟を守りたい兄として余計な衝突を招く危険性がある。
だから本当ならば自分でも信じたくない、虎杖悠仁が既に殺されているという可能性をここで話す。
あくまで自分は、弟の仇をとることが第一目標であることを主張する。
ついでに、加茂憲倫についてもここで話す。
こいつはかなり昔から他人の身体を乗っ取りながら生きながらえている存在であり、そのことからこの殺し合いの主催にいる可能性は高いと考えていることを説明する。
こいつはかなり昔から他人の身体を乗っ取りながら生きながらえている存在であり、そのことからこの殺し合いの主催にいる可能性は高いと考えていることを説明する。
加茂憲倫は自分にとって親の1人であることは、ここでは話さない。
これを言ってしまうことは、自分は呪霊との混血であることに触れてしまう。
自分との関係は、敵対であることだけを説明する。
加茂憲倫は虎杖悠仁の親であるかもしれないことも話さないでおく。
奴は悠仁が宿儺の器となったことに関係するかもしれなく、宿儺がこの場で参加者になっていることの目的の考察に繋がるかもしれないが、
自分が兄弟の上に立つ者であることを話しているため結局自分の正体について触れてしまう。
ここで話すのは、あくまで自分や悠仁が奴の被害者であることだけを話す。
我ながら強引な気もするが、こうでもして誤魔化しを入れなければ説得は難しいと判断していた。
これを言ってしまうことは、自分は呪霊との混血であることに触れてしまう。
自分との関係は、敵対であることだけを説明する。
加茂憲倫は虎杖悠仁の親であるかもしれないことも話さないでおく。
奴は悠仁が宿儺の器となったことに関係するかもしれなく、宿儺がこの場で参加者になっていることの目的の考察に繋がるかもしれないが、
自分が兄弟の上に立つ者であることを話しているため結局自分の正体について触れてしまう。
ここで話すのは、あくまで自分や悠仁が奴の被害者であることだけを話す。
我ながら強引な気もするが、こうでもして誤魔化しを入れなければ説得は難しいと判断していた。
◇
そんな脹相の話を聞きながら、悲鳴嶼は違和感を感じていた。
鬼を体内に取り入れるという話は、自分も例を知らぬわけではない。
かつて自分の下に置いていた不死川玄弥は鬼の肉を喰らうことで鬼の力を一時的に使うことが出来たため、それのようなものかとも思った。
だが、その結果としてその宿儺という鬼の意識が体に宿るというのは流石に信じがたい。
ただもしかしたら自分が知らないだけで、そういうたぐいの血鬼術が存在していたのかもしれない。
加茂憲倫についても、脳を入れ替えるのは血鬼術の類なのかもしれない。
鬼を体内に取り入れるという話は、自分も例を知らぬわけではない。
かつて自分の下に置いていた不死川玄弥は鬼の肉を喰らうことで鬼の力を一時的に使うことが出来たため、それのようなものかとも思った。
だが、その結果としてその宿儺という鬼の意識が体に宿るというのは流石に信じがたい。
ただもしかしたら自分が知らないだけで、そういうたぐいの血鬼術が存在していたのかもしれない。
加茂憲倫についても、脳を入れ替えるのは血鬼術の類なのかもしれない。
だがそういった考えを差し引いても、不自然だと感じる部分はあった。
ところどころ説明に抜けがあるような感じもある。
それ以前の問題として、どこか大きな認識の違いがあるような気もする。
ところどころ説明に抜けがあるような感じもある。
それ以前の問題として、どこか大きな認識の違いがあるような気もする。
(この女性、やはり信用はできないか…?)
目の前の女性に対して気になること自体はまだ他にもある。
例えば、死体から首輪を切断して取り外したことを、何てことないもののように話していた。
まるで、人の身体を傷つけることなぞ慣れているかのように。
一般人が何の抵抗も無くそんなことができるとは考えにくい。
鬼の首を斬り慣れている鬼殺隊の隊士たちでも、ただの人間の首をそう簡単に斬ろうとは思わないだろう。
例えば、死体から首輪を切断して取り外したことを、何てことないもののように話していた。
まるで、人の身体を傷つけることなぞ慣れているかのように。
一般人が何の抵抗も無くそんなことができるとは考えにくい。
鬼の首を斬り慣れている鬼殺隊の隊士たちでも、ただの人間の首をそう簡単に斬ろうとは思わないだろう。
(いや、まさか…)
彼女は実質、鬼に関わっていると告白していることになる。
弟が鬼に身体を乗っ取られる体質になり、これまでその弟を守るために生きていたととれる説明をされている。
そんな発言をまとめて思い至るのは、彼女の立場はこの家の住民でもあった竈門炭治郎に近いものなのでは?ということだ。
そして、炭治郎との違いは、鬼殺隊やそれに近しい者達と出会わなかったことなのではということが思い浮かんだ。
弟が鬼に身体を乗っ取られる体質になり、これまでその弟を守るために生きていたととれる説明をされている。
そんな発言をまとめて思い至るのは、彼女の立場はこの家の住民でもあった竈門炭治郎に近いものなのでは?ということだ。
そして、炭治郎との違いは、鬼殺隊やそれに近しい者達と出会わなかったことなのではということが思い浮かんだ。
「貴女はもしや、その弟を守るために人を傷つけたことがあるのか?それこそ、命に関わるような…」
この言葉を聞いた相手は、図星のようにピクッと体を震わせる。
それを見た悲鳴嶼の表情も険しくなる。
それを見た悲鳴嶼の表情も険しくなる。
これまで話していく中で、相手は兄弟というものにかなり強い執着を抱いていることを悲鳴嶼は感じ取っている。
彼女にとって、下の兄弟たちを守るのは竈門炭治郎と同じくらい当然のものだと感じられる。
彼女にとって、下の兄弟たちを守るのは竈門炭治郎と同じくらい当然のものだと感じられる。
かつての炭治郎は、柱合会議で風柱・不死川実弥に妹を刺されたことで実弥に頭突きを喰らわせた。
しかしだからと言って、相手の命を奪おうとまでは思っていなかったはずだ。
彼と目の前の人物の違うところは、守りたい者のためなら誰かを殺してもいいと判断できる苛烈さを備えているのではないのかということだ。
しかしだからと言って、相手の命を奪おうとまでは思っていなかったはずだ。
彼と目の前の人物の違うところは、守りたい者のためなら誰かを殺してもいいと判断できる苛烈さを備えているのではないのかということだ。
悲鳴嶼の想像の中では、脹相と弟の悠仁の人生は、言わば竈門兄妹の歩みをより過酷にしたものになっている。
頼れる相手もいなく、弟はいつ怪物になるのかも分からない、
その生活の中では、人に迫害されることもあったかもしれない、鬼殺隊の者に攻撃されることもあっただろうと推定する。
普通の人間は信用できず、自分たちだけの力で生きなければならない、
そんな生き方をしてきたために真っ当な感性とはずれた状態になっているのかもしれない。
悲鳴嶼は、この想像で相手に対して憐れみも浮かんできていた。
頼れる相手もいなく、弟はいつ怪物になるのかも分からない、
その生活の中では、人に迫害されることもあったかもしれない、鬼殺隊の者に攻撃されることもあっただろうと推定する。
普通の人間は信用できず、自分たちだけの力で生きなければならない、
そんな生き方をしてきたために真っ当な感性とはずれた状態になっているのかもしれない。
悲鳴嶼は、この想像で相手に対して憐れみも浮かんできていた。
「いや、そのために殺しはしてないはずだ。あいつ(直哉)も、まだ生きているはずだ」
脹相は先ほどの図星の反応を見せた悲鳴嶼の問いに対して、少し間を置いて考えた後否定の答えを返す。
「……何にせよ、人を傷つけたことは認めるのだな」
「必要だからそうしただけだ。それに、悠仁も守るためとはいえ俺が人を殺すことは望まないだろう」
「必要だからそうしただけだ。それに、悠仁も守るためとはいえ俺が人を殺すことは望まないだろう」
悲鳴嶼の責めるような言葉に対し、脹相はあくまで主張は曲げずに応じる。
(………殺し合いには反対の立場である、どうやらこれは確かに間違いはなさそうだ。だが、全てを信用することは…難しいだろうか)
悲鳴嶼は考える。
これまでの熱い主張から、相手が殺し合いを確実に潰したいという気持ちは伝わってきた。
だが、そのためにどこか焦っているような印象を見受けられる。
下手をすれば、目的のために手段を選ばず暴走してしまうような危険性を孕んでいるようにも感じられる。
これまでの熱い主張から、相手が殺し合いを確実に潰したいという気持ちは伝わってきた。
だが、そのためにどこか焦っているような印象を見受けられる。
下手をすれば、目的のために手段を選ばず暴走してしまうような危険性を孕んでいるようにも感じられる。
「…俺のことは、まだ信用できないか?」
悲鳴嶼の表情を見て、気持ちを察したのか脹相はそう呟いた。
「貴女が殺し合いを開いた者達を倒したい気持ちはよく分かった。だが、貴女にはまだ危ういところがあると感じられる」
悲鳴嶼は脹相に対し、何が心配なのかを説明する。
こういったことは、はっきりと言ってしまった方が相手にも伝わりやすい。
こういったことは、はっきりと言ってしまった方が相手にも伝わりやすい。
「……なるほど、今の俺はそう見えるのか」
悲鳴嶼からの自分の印象を脹相は飲み込む。
顎に手を当て、考え込む。
顎に手を当て、考え込む。
「ならば、俺は宣言しておこう」
脹相は一呼吸間を置いた後、再び話始めた。
◇
「俺は、兄弟の一番上に立つ兄として、何度間違えたとしても弟たちの手本にならなければならない」
「だから、俺が間違っていると思えば遠慮なく言え。その分直してやる」
「たとえ弟たちが皆もう既にいなくなっていたとしても、俺はあいつらの前を歩いていける兄でありたい」
「それはたとえ、この狂っている環境の中でもだ」
「だから、たとえ俺の全てを信用できなかったとしても、せめてこの殺し合いを終わらせるために協力関係を築かせてくれ」
「だから、俺が間違っていると思えば遠慮なく言え。その分直してやる」
「たとえ弟たちが皆もう既にいなくなっていたとしても、俺はあいつらの前を歩いていける兄でありたい」
「それはたとえ、この狂っている環境の中でもだ」
「だから、たとえ俺の全てを信用できなかったとしても、せめてこの殺し合いを終わらせるために協力関係を築かせてくれ」
◇
そう言って脹相は頭を下げ、悲鳴嶼に対して懇願する。
「貴女…いや、貴方は男だったのか」
そして真っ先に気になったのは、相手が兄…つまり男性であるという点だった。
これまでは分かってなかったが、今の発言の中にあった兄という言葉でようやく気付いた。
男口調なことへの違和感はあったが、それよりも気になるところが多くてそこまで考えを及ぼす暇が無かった。
変なタイミングで気づいてしまったせいで、場の空気が少し変な感じになる。
これまでは分かってなかったが、今の発言の中にあった兄という言葉でようやく気付いた。
男口調なことへの違和感はあったが、それよりも気になるところが多くてそこまで考えを及ぼす暇が無かった。
変なタイミングで気づいてしまったせいで、場の空気が少し変な感じになる。
「とにかく、ここで俺と共に行動できるのかどうか、今はその返答だけ聞かせてくれ」
脹相は頭を上げ、相手の方に向き直り答えを待つ。
「………ああ、分かった。味方が欲しいのは私も同じ気持ちだ。共にこの非道な催しを止めよう」
悲鳴嶼はそう答え、手を開いて脹相の方に差し出す。
「だが、まずい行動をするようであれば、私の方から止めさせてもらう」
「……ああ、分かった。それで構わない」
「……ああ、分かった。それで構わない」
そして悲鳴嶼は一言脹相に対して釘を刺す。
脹相もそれに了承し、手をとって握手を交わす。
脹相もそれに了承し、手をとって握手を交わす。
衣服等に付いた血やそうなった理由のこともあり、相手が自分の全てを信用できないことは理解した。
首輪を手に入れるにはああする他にはなかったため、死体の首を斬ったことは全てが間違いではないと思う。
ただ、話し方にミスがあり相手の信頼度を下げる結果となってしまった。
これに関しては既にやってしまったことであるためやり直しはきかない。
失った分の信頼はこれから取り返していけばいい。
首輪を手に入れるにはああする他にはなかったため、死体の首を斬ったことは全てが間違いではないと思う。
ただ、話し方にミスがあり相手の信頼度を下げる結果となってしまった。
これに関しては既にやってしまったことであるためやり直しはきかない。
失った分の信頼はこれから取り返していけばいい。
「そういえば、俺の名を伝えていなかったな。俺は脹相だ。これからよろしく頼むぞ、悲鳴嶼」
「ああ、こちらこそよろしく頼む」
「ああ、こちらこそよろしく頼む」
こうして二人はようやく互いに、正式に協力関係を結ぶことができた。
脱線、価値観の違い、意見の食い違い、等々があり停滞しそうだった話もようやく進めた。
そもそもまだお互いに相手のことについて勘違いしているままの部分もまだあるが、それを正そうとすれば余計に話はややこしく長引く。
悲鳴嶼の方はそれについてなんとなく察しているが、具体的にどの部分までかは判別つかない。
後で病院で別れた胡蝶しのぶに合流してから、彼女の意見も取り入れて改めて正そうという考えも浮かんでいた。
脱線、価値観の違い、意見の食い違い、等々があり停滞しそうだった話もようやく進めた。
そもそもまだお互いに相手のことについて勘違いしているままの部分もまだあるが、それを正そうとすれば余計に話はややこしく長引く。
悲鳴嶼の方はそれについてなんとなく察しているが、具体的にどの部分までかは判別つかない。
後で病院で別れた胡蝶しのぶに合流してから、彼女の意見も取り入れて改めて正そうという考えも浮かんでいた。
そして二人は、ようやく情報交換に基づく今後の行動方針についての話し合いを始めた。
◆◇
結論から言えば、2人はこれから山を下りて病院に向かい、悲鳴嶼が別れた仲間との合流を目指すことにした。
脹相の話した東の方にいるらしき零余子を殺したと思われる人物を追う選択肢はあった。
だが結局のところ、その人物の正確な位置は分かっていない。
戦力も、光を出すものや周囲に火をつけるもの、人体を切断する術を持っていること以外は分からない。
そもそも、零余子の方から先に仕掛けた可能性がある以上、殺し合いに対するスタンスもどの程度まで乗っているのかも正確なところは結局不明だ。
まあ、胴体切断という残酷な方法で殺しているため、思いっきり乗っている可能性の方が高そうだが。
遺体を回収しに行くにしても、あの場所は火事の状態のため回収は困難、場合によってはその遺体に燃え移っている可能性もある。
そのため一旦仲間と合流し、情報交換を行い、そこから改めて二手に別れて東側の探索を行おうという話になった。
だが結局のところ、その人物の正確な位置は分かっていない。
戦力も、光を出すものや周囲に火をつけるもの、人体を切断する術を持っていること以外は分からない。
そもそも、零余子の方から先に仕掛けた可能性がある以上、殺し合いに対するスタンスもどの程度まで乗っているのかも正確なところは結局不明だ。
まあ、胴体切断という残酷な方法で殺しているため、思いっきり乗っている可能性の方が高そうだが。
遺体を回収しに行くにしても、あの場所は火事の状態のため回収は困難、場合によってはその遺体に燃え移っている可能性もある。
そのため一旦仲間と合流し、情報交換を行い、そこから改めて二手に別れて東側の探索を行おうという話になった。
「そういえば、先の話でもう一つ気になった点がある」
「何だ?」
「お前が危険人物だと聞いた大崎甜花とやらについてだが、そういえばこんなものがあったことを思い出した」
「何だ?」
「お前が危険人物だと聞いた大崎甜花とやらについてだが、そういえばこんなものがあったことを思い出した」
そう言って脹相が取り出したのは、紫色をしたゆるいキャラクターのデビ太郎をかたどったぬいぐるみクッションであった。
「これは俺への支給品の一つで、どうやらこれはその大崎甜花の私物らしいのだが…お前はこれをどう見る?」
「……どう、と言われてもな…。私には、それの正しい使い方は思い浮かばない」
「それは俺も同じだ。何かに使えるとしても、大崎甜花にこれを見せて反応を伺うくらいだろう」
「……どう、と言われてもな…。私には、それの正しい使い方は思い浮かばない」
「それは俺も同じだ。何かに使えるとしても、大崎甜花にこれを見せて反応を伺うくらいだろう」
明らかに殺し合いに直接役立つとは思えない物品の存在に戸惑ってしまう。
脹相が言うように、持ち主が分かっていることから、本人でないと詳しい価値は分からないものだろう。
活用方法も、とりあえず脹相の案くらいしか今は無い。
デビハムの話によれば大崎甜花は危険人物らしいが、このぬいぐるみの存在でそれが嘘だいうことにはならない。
危険人物だろうと別にこれを所有してはならないということはないだろう。
とにかく、ぬいぐるみについてこれ以上話せることはない。
脹相が言うように、持ち主が分かっていることから、本人でないと詳しい価値は分からないものだろう。
活用方法も、とりあえず脹相の案くらいしか今は無い。
デビハムの話によれば大崎甜花は危険人物らしいが、このぬいぐるみの存在でそれが嘘だいうことにはならない。
危険人物だろうと別にこれを所有してはならないということはないだろう。
とにかく、ぬいぐるみについてこれ以上話せることはない。
◇
脹相は次に、今所持しているものではなく、手元にはないが欲しいと思っているものについての話を始める。
「支給品については他にも話したいことがある。この今の俺の身体についてだが、ユニットというものがあれば空を飛ぶといったことでより戦えるようになるらしい」
「本当にそんなことができるのか?にわかには信じがたいが…」
「だが、俺の荷物にそのユニットは無かった。悲鳴嶼、お前はそれらしきものについて何か知らないか?足に付けるものらしいのだが…」
「本当にそんなことができるのか?にわかには信じがたいが…」
「だが、俺の荷物にそのユニットは無かった。悲鳴嶼、お前はそれらしきものについて何か知らないか?足に付けるものらしいのだが…」
ユニットについては前から求めていたが、これまでは影も形もなかった。
わざわざ身体のプロフィールに有用な道具だと記載しておきながら支給しなかった不親切な主催には呆れ返る。
わざわざ身体のプロフィールに有用な道具だと記載しておきながら支給しなかった不親切な主催には呆れ返る。
「残念だが…私もそんなものは所持してなく、見かけた覚えもない」
「その鎖と包丁以外には他に何かないのか?俺のところはさっきの妙なぬいぐるみの他に、これら銃火器が二つあったのだが」
「その鎖と包丁以外には他に何かないのか?俺のところはさっきの妙なぬいぐるみの他に、これら銃火器が二つあったのだが」
この殺し合いにおいて全員に共通しない、ランダムな支給品は最大3つ支給される。
脹相が言うのは、悲鳴嶼が持つ海楼石の鎖と肉包丁以外にもう一つ何かないのかということだ。
脹相が言うのは、悲鳴嶼が持つ海楼石の鎖と肉包丁以外にもう一つ何かないのかということだ。
「いや、私に残された最後の支給品は残りはこれだけだ」
悲鳴嶼が取り出したものは、鍋であった。
その鍋の中には、何らかの肉が入っていた。
その鍋の中には、何らかの肉が入っていた。
「何だそれは?」
「どうもこれはラッコという動物の肉を入れた鍋らしい。北海道で獲れたものだそうだ」
「どうもこれはラッコという動物の肉を入れた鍋らしい。北海道で獲れたものだそうだ」
それは、北海道のアイヌ民族では男女同数で部屋の中で煮て食べるべしと言い伝えられる、ラッコの肉を入れた鍋だった。
「何故男女二人で食べなければならないのかは分からないが…せっかくだ、朝飯を兼ねてここで食べてみるか?」
これまで二人はここにおいて食事を摂っていない。
現在時刻は午前の8~9時頃、朝食としては少し遅いくらいの時間だ。
今後も活動することを考えると何か食べておいた方がいいだろう。
現在時刻は午前の8~9時頃、朝食としては少し遅いくらいの時間だ。
今後も活動することを考えると何か食べておいた方がいいだろう。
そして今、この場には肉体だけなら男と女が2人きりでいる。
説明書にはなぜそんな言い伝えがあるのかの理由の記載は無いが、それを実践する条件は一応揃っていると言える。
説明書にはなぜそんな言い伝えがあるのかの理由の記載は無いが、それを実践する条件は一応揃っていると言える。
時間についての心配も少しあるが、しのぶ達の方も探索には時間がかかっている可能性はある。
別に言い訳にするつもりはなく、上弦の弐の死のことを考えるとなるべく早めに合流した方がいいという考えも浮かぶ。
ただ、少し待ってみたら本来ここに居ることを期待していた御館様や我妻善逸が後から来るのではないのかという考えも浮かぶ。
別に言い訳にするつもりはなく、上弦の弐の死のことを考えるとなるべく早めに合流した方がいいという考えも浮かぶ。
ただ、少し待ってみたら本来ここに居ることを期待していた御館様や我妻善逸が後から来るのではないのかという考えも浮かぶ。
「まあ、ここはかまどもあり、炭も全然あるから火にも困らない。少し食べるくらいなら問題ないだろう」
ラッコ鍋を食べることには脹相も了承した。
わざわざラッコの肉を支給品として配った理由も分からないが、そもそも脹相のデイパックのようにただのぬいぐるみが入っている例もある。
あまり深い意味はないと判断する。
わざわざラッコの肉を支給品として配った理由も分からないが、そもそも脹相のデイパックのようにただのぬいぐるみが入っている例もある。
あまり深い意味はないと判断する。
朝っぱらから鍋というのもアレな話ではあるが、2人ともここにおいては好奇心の方が僅かに勝っていた。
時間に余裕があるわけではないが、ここは病院からも近く、またここに後から誰かが来ることも期待できる。
時間に余裕があるわけではないが、ここは病院からも近く、またここに後から誰かが来ることも期待できる。
そうして2人は竈門の方に赴き、鍋をかまどの上に置く。
そして炭を用意し、家の中にあった火打石で火をつけて調理を始めた。
そして炭を用意し、家の中にあった火打石で火をつけて調理を始めた。
◆
「……独特な臭いがするな」
「…………ああ、そうだな」
「…………ああ、そうだな」
しばらくして、鍋は煮立ち中のラッコ肉にも火が通ってきた。
2人は鍋から肉を少量取り出し、皿に盛りつける。
あまり時間に余裕があるわけではないこと、後で他の仲間にも分けれるようにと今回食べる量は少なくしておく。
かまどの火も消火しておく。
主目的はあくまで、今後の活動のための腹ごしらえのためだからだ。
2人は鍋から肉を少量取り出し、皿に盛りつける。
あまり時間に余裕があるわけではないこと、後で他の仲間にも分けれるようにと今回食べる量は少なくしておく。
かまどの火も消火しておく。
主目的はあくまで、今後の活動のための腹ごしらえのためだからだ。
2人は皿を持って座敷の方へと移動し、肉を食べ始めた。
かまどのある部屋と繋がっていることから、ラッコ鍋から出る蒸気は2人のいるところにも流れ込んでいた。
かまどのある部屋と繋がっていることから、ラッコ鍋から出る蒸気は2人のいるところにも流れ込んでいた。
そして、異変は既に起こっていた。
◇
(何だ…この気持ちは…私は一体どうしたんだ…?)
悲鳴嶼は、肉を食べながら自分の異常を自覚する。
(艶かしくに見える…?)
自分が目の前の女性の姿をした人に対して見る目が変わってきていた。
女性の姿、ゲルトルートとしての顔が美人に分類される顔つきなのは元は盲目だった悲鳴嶼でも分かる。
だがだからといって、これまではこんな風に見ることはなかった。
その顔を見て美しい、もしくは可愛らしいといったことを意識することはなかった。
唇も柔らかそうだとか、目が吸い込まれそうなほど大きくてつぶらだとか、そんな普段の自分なら絶対に考えないようなことが思い浮かんでいた。
だがだからといって、これまではこんな風に見ることはなかった。
その顔を見て美しい、もしくは可愛らしいといったことを意識することはなかった。
唇も柔らかそうだとか、目が吸い込まれそうなほど大きくてつぶらだとか、そんな普段の自分なら絶対に考えないようなことが思い浮かんでいた。
(!……私はどこを見ている!?)
気を抜くと、視線が妙な所に移動してしまう。
例えば、その決して小さくはない胸の部分。
元の世界での仲間である甘露寺蜜璃は、その大きな胸の部分を大胆にも開いた隊服を着ていたが、(元は見えないとはいえ)そんな彼女にも向けなかった目でその部分を見てしまった。
例えば、その決して小さくはない胸の部分。
元の世界での仲間である甘露寺蜜璃は、その大きな胸の部分を大胆にも開いた隊服を着ていたが、(元は見えないとはいえ)そんな彼女にも向けなかった目でその部分を見てしまった。
それだけでなく、一般的なズボンを履いていない、下着だけ着けているように見える下半身の部分にも視線が勝手に移動する。
大きく露出した白く輝く肌の太ももからふくらはぎにかけてのすらりとした足にも目が奪われる。
この前述の甘露寺のような大胆な服装は、脹相曰く最初からこの状態であったものだと情報交換の際に聞いた。
こんな格好をしているのは何でも、この方が例のユニットとやらを装着するのに都合が良いかららしい。
だからその時は話はそこで終わらせ、他の重要な話を優先させた。
しかしそんな事情を知らされていても、何故だかその部分を見る目が変わってきていた。
大きく露出した白く輝く肌の太ももからふくらはぎにかけてのすらりとした足にも目が奪われる。
この前述の甘露寺のような大胆な服装は、脹相曰く最初からこの状態であったものだと情報交換の際に聞いた。
こんな格好をしているのは何でも、この方が例のユニットとやらを装着するのに都合が良いかららしい。
だからその時は話はそこで終わらせ、他の重要な話を優先させた。
しかしそんな事情を知らされていても、何故だかその部分を見る目が変わってきていた。
(くっ…私は一体どうしたというんだ…!?)
こんな感情を抱くのは悲鳴嶼にとって初めてのことだった。
周りの自分より若い隊士たちならともかく、自分自身が浮ついた話に関わることはなく、そうなるとも考えたことはなかった。
子供たちと暮らしていた寺を鬼に襲撃され、御館様に助けられて鬼殺隊に入ることになった日以来、鬼殺隊として常に鬼と戦い続ける日々を死ぬまで生きていた。
しかし今、何故だか自分は目の前の相手に対して情欲を抱き始めていた。
普段なら絶対自分から興味を抱くことのない肉体の部位に目線が勝手に向くようになってきた。
周りの自分より若い隊士たちならともかく、自分自身が浮ついた話に関わることはなく、そうなるとも考えたことはなかった。
子供たちと暮らしていた寺を鬼に襲撃され、御館様に助けられて鬼殺隊に入ることになった日以来、鬼殺隊として常に鬼と戦い続ける日々を死ぬまで生きていた。
しかし今、何故だか自分は目の前の相手に対して情欲を抱き始めていた。
普段なら絶対自分から興味を抱くことのない肉体の部位に目線が勝手に向くようになってきた。
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…!(しっかりしろ!彼は男だ!)」
そう自分に言い聞かせ、念仏を唱えながら感情を押さえつけようとする。
いくら見た目が女性でも、中身が男であれば相手の方もこんな欲望を向けられるのはたまったもんじゃないだろう。
そもそももし中身が女性であったとしても、今のような感じで見られるのは不快だろう。
悲鳴嶼は何とかして自らの中に湧き上がる情欲を抑えようとする。
いくら見た目が女性でも、中身が男であれば相手の方もこんな欲望を向けられるのはたまったもんじゃないだろう。
そもそももし中身が女性であったとしても、今のような感じで見られるのは不快だろう。
悲鳴嶼は何とかして自らの中に湧き上がる情欲を抑えようとする。
(くそっ…俺は一体どうしたんだ…!?)
しかし、異変が起きているのはその脹相も同じであった。
彼もまた、悲鳴嶼に対して見る目が変わってきていた。
彼もまた、悲鳴嶼に対して見る目が変わってきていた。
今の悲鳴嶼である坂田銀時の身体がしっかりとした肉付きの良い体をしていることは見れば分かる。
だが、今は何故だかそのことが色っぽく見えてきていた。
自分は男であるはずなのに、どういうわけか女のような視点で男の体に見惚れているかのような感覚があった。
だが、今は何故だかそのことが色っぽく見えてきていた。
自分は男であるはずなのに、どういうわけか女のような視点で男の体に見惚れているかのような感覚があった。
息も段々荒くなっていく。
下腹部の辺りにも何か妙な感覚がある。
胸の辺りも苦しくなり、片手で服を掴んで押さえてしまう。
下腹部の辺りにも何か妙な感覚がある。
胸の辺りも苦しくなり、片手で服を掴んで押さえてしまう。
(俺はお兄ちゃんだ!!しっかりしろ!!)
脹相もまた自分の気持ちを抑えようとする。
こんな妙な感情や欲望に振り回されるようでは兄失格だと自分に言い聞かせようとする。
こんな妙な感情や欲望に振り回されるようでは兄失格だと自分に言い聞かせようとする。
「くそっ…熱い……!」
しかし、それだけで完全に押さえつけるなんてことはできなかった。
2人の興奮状態はまだ続き、体も火照ってくる。
それにより、脹相は思わず胸にあるボタンを1つ2つ開けてしまう。
2人の興奮状態はまだ続き、体も火照ってくる。
それにより、脹相は思わず胸にあるボタンを1つ2つ開けてしまう。
そして、これを見た悲鳴嶼は羞恥心を感じているように目元を手で隠す反応を見せた。
「あ、悪い…」
「い、いや…私こそ…」
「い、いや…私こそ…」
場の空気は余計、気まずくなる。
最初にここで話し始めた時の緊張感とは違うものだが、まともな状態じゃないことは共通していた。
そしてこの空気は、2人の妙な気持ちをより加速させていく。
2人の中では、ただ悶々とした何かが溜まっていく。
最初にここで話し始めた時の緊張感とは違うものだが、まともな状態じゃないことは共通していた。
そしてこの空気は、2人の妙な気持ちをより加速させていく。
2人の中では、ただ悶々とした何かが溜まっていく。
(さっきから何なんだこの気持ちは…!)
(この感情は一体どうしたらいいんだ…!)
(この感情は一体どうしたらいいんだ…!)
2人の中の情欲は、押さえつけられたままどんどん溜まっていく。
しかしそれを発散する方法も思いつかない。
今にも爆発しそうな感情の昂ぶりが2人を苦しめる。
しかしそれを発散する方法も思いつかない。
今にも爆発しそうな感情の昂ぶりが2人を苦しめる。
◇
「ならば…!」
この明らかに異常な状況の中、遂に悲鳴嶼が立ち上がった。
それと同時に、上着を脱ぎ捨て上半身裸となった。
それと同時に、上着を脱ぎ捨て上半身裸となった。
「組手をとろう!発散するにはそれしかない!ついでに互いの力量を測ることもできるだろう!」
それが、悲鳴嶼の出した提案であった。
現在抱える衝動を問題なく発散できる方法として思いつけるのはこれしかなかった。
相手の肉体が女性であるという点から見れば全然問題のある提案だと言えるが、そこまで思考できる状態にはなかった。
興奮してなければ、こんな提案をすることも、声を荒げて発言することもなかっただろう。
現在抱える衝動を問題なく発散できる方法として思いつけるのはこれしかなかった。
相手の肉体が女性であるという点から見れば全然問題のある提案だと言えるが、そこまで思考できる状態にはなかった。
興奮してなければ、こんな提案をすることも、声を荒げて発言することもなかっただろう。
「なるほど!!そうか!!」
そして脹相の方もまた興奮状態でまともな思考ができる状態でなかった。
今はとにかく、兄としてとにかくこの情動を消し去ることしか頭になかった。
悲鳴嶼の提案に乗り、自分も上着を脱ぎ捨てた。
今はとにかく、兄としてとにかくこの情動を消し去ることしか頭になかった。
悲鳴嶼の提案に乗り、自分も上着を脱ぎ捨てた。
2人は、互いに肌面積を増やした状態のまま、ぶつかり合いを始めた。
『取り組み中』
『取り組み中』
『取り組み中』
◆◇◆
しばらくして、悲鳴嶼と脹相の2人は竈門家の外に出て立っていた。
2人は既に、服装も元に戻している。
だが、2人の間に漂う空気は、今まで以上に気まずいものとなっていた。
2人は既に、服装も元に戻している。
だが、2人の間に漂う空気は、今まで以上に気まずいものとなっていた。
「…………何というか、すまなかった。どうかしていた」
「…………いや、それはお互い様だ」
「…………いや、それはお互い様だ」
2人とも、体の火照りも情動もきれいさっぱり消えている。
ただ、これに至るための過程は、もう思い出したくないものとなっていた。
先ほど起こったことの名残としては、服や髪に乱れている部分があることやよく見ると体に謎の痣がついていること等だろう。
ただ、これに至るための過程は、もう思い出したくないものとなっていた。
先ほど起こったことの名残としては、服や髪に乱れている部分があることやよく見ると体に謎の痣がついていること等だろう。
「………」
「………」
「………」
今回2人がおかしくなった原因は、ラッコ鍋にある。
ラッコ鍋が男女同数で食べるよう言われている理由、それはラッコの煮える臭いは欲情を刺激し、1人でいては気絶するほどだからだ。
例え二人がこの場で同性同士の身体でここに居ても、ラッコ鍋を煮ればおそらく同じようなことにはなっていた。
ラッコ鍋が男女同数で食べるよう言われている理由、それはラッコの煮える臭いは欲情を刺激し、1人でいては気絶するほどだからだ。
例え二人がこの場で同性同士の身体でここに居ても、ラッコ鍋を煮ればおそらく同じようなことにはなっていた。
ただ、今回のことの原因について互いの考えを確かめようとはしなかった。
2人はもう、これ以上自分たちの先ほどの醜態について考えたくなかった。
原因がラッコ鍋にあるかどうかは確信がないが、気まずさでそれについて話し合う精神的余裕はなかった。
肉はまだ残っているが、これをどうするかについてもあまり思考を割きたくなかった。
結局食べている間に他に誰かがここを訪れるようなことはなかったが、それを気にすることもできなかった。
2人はもう、これ以上自分たちの先ほどの醜態について考えたくなかった。
原因がラッコ鍋にあるかどうかは確信がないが、気まずさでそれについて話し合う精神的余裕はなかった。
肉はまだ残っているが、これをどうするかについてもあまり思考を割きたくなかった。
結局食べている間に他に誰かがここを訪れるようなことはなかったが、それを気にすることもできなかった。
ラッコ鍋に何か功績があるとすれば、それは2人の互いに対する警戒心を完全に消し去ったことだろう。
肌と肌でぶつかり合ったことで、互いの力量も、内に秘めた想いも、深く把握できただろう。
肌と肌でぶつかり合ったことで、互いの力量も、内に秘めた想いも、深く把握できただろう。
「……とにかく、そろそろ行こう」
「ああ、そうだな…」
「ああ、そうだな…」
しかしそれでも、2人の距離感は以前とはまた別の方向で変な感じになっていた。
お互い相手に対して妙な感情を抱いたまま、2人は山を下り始めた。
お互い相手に対して妙な感情を抱いたまま、2人は山を下り始めた。
【C-3 山・竈門家前/午前】
【脹相@呪術廻戦】
[身体]:ゲルトルート・バルクホルン@ストライクウィッチーズシリーズ
[状態]:疲労(小)、虚無感、気まずさ
[装備]:竈門炭治郎の斧@鬼滅の刃、三十年式歩兵銃(装弾数5発)@ゴールデンカムイ
[道具]:基本支給品、デビ太郎のぬいぐるみクッション@アイドルマスターシャイニーカラーズ、アタッシュショットガン@仮面ライダーゼロワン、零余子の首輪
[思考・状況]基本方針:どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!主催者許さん!!!ぶっつぶす!!!
1:さっきのことは思い出したくない
2:殺し合いには乗らない。
3:「出来る限り」殺しは控える。
4:悲鳴嶼と山を下りて病院を目指す
5:一応悲鳴嶼の言う通り危うい行動はしないよう注意する。
6:ユニットを捜索する。
7:両面宿儺を警戒。今は遭遇したくない
8:もし虎杖の肉体が参加させられているなら、持ち帰りたい
9:お前が関わっているのか?加茂憲倫…!!
[備考]
※原作第142話「お兄ちゃんの背中」終了直後から参戦とします。
※ユニット装着時の飛行は一定時間のみ可能です。
※虎杖悠仁は主催陣営に殺されたと考えています。
※竈門炭治郎の斧に遠坂凛(身体)の血が付着しています。
※服や体にも少量ですが血が飛び散っています。
※悲鳴嶼行冥たち鬼殺隊を呪術師の集まりだと思ったままです。
※鬼舞辻無惨は呪霊の一種だと思っています
[身体]:ゲルトルート・バルクホルン@ストライクウィッチーズシリーズ
[状態]:疲労(小)、虚無感、気まずさ
[装備]:竈門炭治郎の斧@鬼滅の刃、三十年式歩兵銃(装弾数5発)@ゴールデンカムイ
[道具]:基本支給品、デビ太郎のぬいぐるみクッション@アイドルマスターシャイニーカラーズ、アタッシュショットガン@仮面ライダーゼロワン、零余子の首輪
[思考・状況]基本方針:どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!主催者許さん!!!ぶっつぶす!!!
1:さっきのことは思い出したくない
2:殺し合いには乗らない。
3:「出来る限り」殺しは控える。
4:悲鳴嶼と山を下りて病院を目指す
5:一応悲鳴嶼の言う通り危うい行動はしないよう注意する。
6:ユニットを捜索する。
7:両面宿儺を警戒。今は遭遇したくない
8:もし虎杖の肉体が参加させられているなら、持ち帰りたい
9:お前が関わっているのか?加茂憲倫…!!
[備考]
※原作第142話「お兄ちゃんの背中」終了直後から参戦とします。
※ユニット装着時の飛行は一定時間のみ可能です。
※虎杖悠仁は主催陣営に殺されたと考えています。
※竈門炭治郎の斧に遠坂凛(身体)の血が付着しています。
※服や体にも少量ですが血が飛び散っています。
※悲鳴嶼行冥たち鬼殺隊を呪術師の集まりだと思ったままです。
※鬼舞辻無惨は呪霊の一種だと思っています
【悲鳴嶼行冥@鬼滅の刃】
[身体]:坂田銀時@銀魂
[状態]:疲労(小)、虚無感、気まずさ
[装備]:海楼石の鎖@ONE PIECE、バリーの肉切り包丁@鋼の錬金術師
[道具]:基本支給品、ラッコ鍋(調理済み・少量消費)@ゴールデンカムイ、病院で集めた薬や包帯や消毒液
[思考・状況]
基本方針:主催者の打倒
1:私は何てことを…
2:脹相と山を下りる
3:病院へ戻り、しのぶ達と合流する
4:無惨を要警戒。倒したいが、まず誰の体に入っているかを確かめる
5:デビハムの話には半信半疑。桐生戦兎と大崎甜花に会い、真相を確かめたい
6:脹相が危うい行動をしそうだったら止める
7:両面宿儺や加茂憲倫とやらについてはしのぶの意見も聞きたい
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※海楼石の鎖に肉切り包丁を巻き付けています。
※両面宿儺や加茂憲倫は鬼の一種なのか?と考えています。
※脹相の境遇は竈門炭治郎に近いものなのでは?と考えています。
[身体]:坂田銀時@銀魂
[状態]:疲労(小)、虚無感、気まずさ
[装備]:海楼石の鎖@ONE PIECE、バリーの肉切り包丁@鋼の錬金術師
[道具]:基本支給品、ラッコ鍋(調理済み・少量消費)@ゴールデンカムイ、病院で集めた薬や包帯や消毒液
[思考・状況]
基本方針:主催者の打倒
1:私は何てことを…
2:脹相と山を下りる
3:病院へ戻り、しのぶ達と合流する
4:無惨を要警戒。倒したいが、まず誰の体に入っているかを確かめる
5:デビハムの話には半信半疑。桐生戦兎と大崎甜花に会い、真相を確かめたい
6:脹相が危うい行動をしそうだったら止める
7:両面宿儺や加茂憲倫とやらについてはしのぶの意見も聞きたい
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※海楼石の鎖に肉切り包丁を巻き付けています。
※両面宿儺や加茂憲倫は鬼の一種なのか?と考えています。
※脹相の境遇は竈門炭治郎に近いものなのでは?と考えています。
【ラッコ鍋@ゴールデンカムイ】
北海道で獲れたラッコの肉を入れた鍋。
アイヌの言い伝えではラッコの肉を煮る時は男女同数で部屋にいなければならないとされている。
それはラッコの煮える臭いが欲情を刺激し1人でいては気絶するほどだからだとされている。
たとえ同性同士でも目の前の相手に欲情する効果がある模様。
味の詳細は不明。
北海道で獲れたラッコの肉を入れた鍋。
アイヌの言い伝えではラッコの肉を煮る時は男女同数で部屋にいなければならないとされている。
それはラッコの煮える臭いが欲情を刺激し1人でいては気絶するほどだからだとされている。
たとえ同性同士でも目の前の相手に欲情する効果がある模様。
味の詳細は不明。
92:志々雄しかいない街 | 投下順に読む | 94:運に身分は関係ない |
時系列順に読む | 97:我妻善逸はでんきネズミのユメをみるか!? | |
76:一寸先は疑心暗鬼 | 脹相 | 106:Ψ悪の展開を想像して |
悲鳴嶼行冥 |