近接戦

近接戦


「素手の攻撃(概要)」

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何も武器を持っていない人間が行う事のできる攻撃である。
すべての者がこれらの攻撃を知っていることになっている。
素手の攻撃は、それぞれ独立して別々に行われ、経験によって向上する技術も別々である。
素手を扱う技能で受け流しを行うには制限がある。

■素手の攻撃とともに<マースシャルアーツ>のロールに成功すれば、
 素手攻撃で与えるダメージが2倍になる。

■ノックアウト攻撃を行った場合、対象に与えるダメージは普通の場合よりも少なくなる。

■一般的に、素手の攻撃はどんな近接戦武器あるいは素手の攻撃によっても受け流しされる可能性がある。
 ※ただし<組み付き>だけは<組み付き>でしか受け流しは行えない。

■KPが望めば、人間による<噛み付き>攻撃を認めてもよい。
 人間による<噛み付き>は耐久力へダメージを与えることはない。
 一方で、人間による<組み付き>を振りほどく事はできるかもしれない。
 その場合はPOW対抗ロールをし、噛んだ者が<組み付き>している者に勝てば、振りほどける。

<こぶし/パンチ>(P.78)

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文字通りの技能である。
握りこぶし、空手チョップ、大振りのパンチ、乱暴な平手打ちなどが含まる。
また、これに<マーシャルアーツ>が加わると威力が大きくなる。
この技能を用いて、<キック>と<頭突き>を受け流すことができる。
この技能にはノックアウト攻撃のルールが適用される。

<キック>(P.77)

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股ぐらやあごを直接狙ったキックであれ、
空手スタイルの優雅な飛び蹴りであれ、
床に寝た形からの両足によるキックであれ、
当たれば必ずダメージを与える強力な技能である。
<キック>は受け流しに使うことも出来る技能であり、<マーシャルアーツ>によって、効果を高めることも可能だ。
また、特殊な状況の場合以外には、<キック>にはノックアウトのルールは適用されない。

<頭突き>(P.81)

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酒場での喧嘩にはなくてはならない素手の技能である。
<頭突き>は相手の腹に当てることが多いが、
そのほか、こめかみ、脳天、鼻、あご、後頭部などに当てることもある。
混み合った中でも行うことのできる技能だ。
<頭突き>は驚くほど素早く行える攻撃であり、相手の戦意を失わせるほど強烈なものでもある。
<頭突き>で相手の攻撃を受け流すことは出来ないが、<マーシャルアーツ>で<頭突き>の効果を高めることが出来る。
この技能にはノックアウトのルールが適用される。

<組み付き>(P.77-78)

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<組み付き>は特殊な素手の技能である。
相手を傷つけることなしに相手の自由を奪いたい場合によく使われる。
<組み付き>の攻撃は、対象による<組み付き>あるいはその他の攻撃によって、受け流しされてしまうこともある。
ただし、受け流しができるのは攻撃の最初の<組み付き>だけである。
最初のラウンドに<組み付き>の攻撃が成功して、しかも受け流しされなかった場合、
攻撃者は対象を捕まえたことになり、その後の行動には次のようないくつかのオプションがある。

■抵抗表によるロールで攻撃者のSTRが対象のSTRに勝つことにより、
 相手をしっかりと押さえこんで動けなくする。
 成功すれば、その状態は攻撃者が次に別のアクションを起こすまで、いつまでも続く。

■対象を倒す。このオプションを選んだ場合には、自動的に成功する。

■最初のラウンドあるいは後のラウンドに、対象をノックアウトする。

■対象の武器を取り上げる。
 探索者が2ラウンド続けて<組み付き>に成功すれば、
 最初のラウンドで近接戦攻撃をされないために対象を<組み付き>しておいて、
 次のラウンドで武器を取り上げたり、武器となる手を押さえつけることができる。

■対象を肉体的に傷つける。
 その場合、相手は既に<組み付き>によって押さえられている状態でなければならない。
 その上で、そのラウンド、あるいはあとのラウンドでさらに2回目の<組み付き>に成功しなければならない。
 成功すれば、相手は耐久力から[1D6+db]を失う。
 その後の各ラウンドで相手に傷を与え続けるには、各ラウンドで再び<組み付き>に成功しなければならない。
 与えるダメージは同じ計算式である。

■対象の首を絞める。
 首を絞めると宣言したラウンドから、対象は[[溺れ、窒息>他ダメージ]のルールに従って窒息していく。
 これは次以降のラウンドでも続き、攻撃者はこれ以上<組み付き>のロールを行う必要はない。

上に挙げたオプションの最後の2つの<組み付き>の場合には、
どちらも犠牲者が攻撃者の手から逃れるための方法は抵抗表に従ったSTR対STRの対抗ロールに勝つ以外にはない。
攻撃者が2人いる場合は、2人のSTRを合計する。

「マーシャルアーツ」(P.84)

<こぶし/パンチ><頭突き><キック><組み付き>で攻撃するときに、この技能を組み合わせて使うことができる。
この技能を組み合わせて使うことが出来る。
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攻撃ロールが攻撃者の<マーシャルアーツ>の値以下だった場合には、その攻撃によるダメージが2倍になる。
したがって、<こぶし/パンチ>が引き起こすダメージは2D3+dbということになる。
攻撃が命中すれば<マーシャルアーツ>はダメージを2倍にするが、ダメージ・ボーナスは2倍にはならない。

■<マーシャルアーツ>の技能を持つ者は、どの攻撃を受け流すことにするか、
 その攻撃の直前になってから選ぶことができ、ラウンドのはじめに受け流しの宣言をする必要はない。

■<マーシャルアーツ>の技能を使っても、弾丸などの飛び道具を受け流すことは出来ない。

CoCで述べる<マーシャルアーツ>とは以下のものである。
柔道、合気術、合気道、カポエラ、空手、サバト、テコンドー、
百鶴拳(びゃっかくけん)、七政蟷螂拳(しちせいとうろうけん)など。
上記の中から1つ選ぶか、あるいは新しいものを発明しても構わない。
古い時代にはこれらの技能の各派は技を門外不出として秘密を守ってきたため、
マーシャルアーツは現代になるまでその文化の圏外にはほとんど知られていなかった。 

「素手戦闘技能」(「サプリ2010」P.27ー28)

「武道(概要・特徴)」

基本ルールの<マーシャルアーツ>は使用しない。
これに代わるものとして、新たに<武道>を導入する。
(”クトゥルフ帝国”の<武道>のルールとも少し内容が異なるので注意)
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<武道>はもともとの殺人術としての武術と、そこから整理されたスポーツとしての武道の両方を含んでいる。
(技能%が高いほど本来の武術に近い技を会得している。)
<武道>はほかの素手攻撃技能を併せて習得することが前提で、<武道>だけ修得してもあまり意味はない。

<武道>は実際には空手や柔道など、実在する格闘技ごとにいくつもの技能に分かれており、別々に習得・成長する。
現代には無数の格闘技があるが、大別すればおおむねパンチ・キックを主体とする<立ち技系>と、
関節技・投げ技を主体とする<組み技系>に分かれる。

各国軍や警察で採用されている軍隊格闘術や護身術・逮捕術のように両者を総合した格闘技もあるが。
ここでは探索者の立ち技と組み技のどちらを得意とするかで技能の種類が分かれるものとする。
PLはKPと相談のうえ、探索者に会得させたい格闘技が立ち技系・組み技系のどちらに該当するか決定すること。
探索者シートに記載する技能名は、<武道:システマ><武道:七政蟷螂拳>のように具体的な格闘技名に書き換えてよい。
すべての<武道>技能には、共通して以下の特徴がある。

■両手・両足が自由でないと使えない。
 片手がふさがっているような時にペナルティつきで使用できるかどうかは、KPが判断する。
 (ただし、例えば片腕を失ったような場合も訓練次第で<武道>を使うようになることはできる。)

■<武道>ロールに成功し、なおかつその<武道>に対応する素手攻撃ロールにも同時に成功しているときは、ダメージが2倍になる。
 (対応する攻撃方法は個別の<武道>の説明参照)

■<武道>による攻撃は、<武道>で受け流しができる。
 通常の素手攻撃技能では、<武道>の攻撃を受け流すことはできない。

■<武道>で受け流しをする対象は、ラウンドのはじめに宣言する必要はない。
 接近戦攻撃をされた瞬間に「武道で受け流しを行なう」と宣言すればよい。
 受け流しできるのは1ラウンドに1回のみであり、
 武器による受け流しなどと同ラウンドに両方行ってはならない。

■素手攻撃に加え、<ナイフ><小さい棍棒>による攻撃を<武道>で受け流しできる。
 これは、敵の攻撃に使う腕を制したり、間合いを呼んで足さばきで避けたりすることを表している。
 (決して刃を素手で掴んでいるわけではない)

<武道:組み技系>

柔道、合気道、ブラジリアン柔道、コマンドサンボ、レスリング、相撲、ブフ(モンゴル相撲)など。
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■<組み付き><頭突き>(体当たりを表すこともある)のダメージが2倍(2D6+db/2D4+db)になる。

■【特殊攻撃:サルト】
 対象を投げ飛ばす。技能が60%以上のときに使用可能。
 敵(人間。動物や超自然の存在に有効かどうかはKPが判断する)に対し、
 <武道:組み技系>+<組み付き>による攻撃に成功すると、即座に相手の衣服や腕をつかんで投げ飛ばせる。
 この攻撃は<武道:組み技系>でのみ防ぐことが出来る(誰でも1%持っていることに注意)。
 <武道:立ち技系>では防げない。
  対象はダメージ1D6+dbを受けて地面に倒れ、
 さらに[CON×5]ロールに失敗するとその場でノックアウトされる。
 高い場所から投げ落とした場合は、落下のダメージも加わる。
 ノックアウト効果のみを狙ったサルトはできない。

■【特殊攻撃:タックル】
 対象に強烈な体当たり(頭突き)を行なう。
 技能が60%以上の時に使用可能。
 <頭突き>と<武道:組み技系>ロールに同時に成功すると、
 対象にダメージ1D4+dbを与え、さらに対象を後方に3m吹き飛ばす(ノックバック)。
 ノックバックされた対象は、[DEX×5]ロールに失敗すると地面に倒れ、
 さらに[CON×5]ロールに失敗するとノックアウトされる。
 ノックアウト効果のみを狙ったタックルはできない。
 対象がノックバックされた後方3m以内に固い壁や家具などがあった場合は、
 頭や背中をたたきつけられて、さらに+1D4のダメージを負う。
 ノックバックの結果、高い場所から落ちた場合は、さらに落下ダメージが加わる。
 対象が人間サイズ以下の生物(SIZ18以下)でないとノックバックは発生しない。

<武道:立ち技系>

空手、ボクシング、ムアィタイ、テコンドー、カポエイラ、サバット、中国拳法など。
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■<こぶし/パンチ><キック><頭突き>によるダメージが2倍(2D3+db/2D6+db/2D4+db)になる。

■【特殊攻撃:ラッシュ】
 敵(人間。その他の生物は不可)に素早い猛攻撃をあびせる。
 技能が60%以上のときに使用可能。
 <武道:立ち技系>による攻撃が敵に命中した時点で、「ラッシュ」を宣言できる。
 これにより、敵は激痛で動きをとめてしまい(スタン状態)、その間に攻撃者が乱打を浴びせることになる。
 攻撃者は同じラウンドの最後に、<武道:立ち技系>+<こぶし/パンチ>または<キック>の追加攻撃1回が可能となる。
 この追加攻撃は<武道>で受け流しできる。
 ノックアウト効果のみを狙ったラッシュはできない。
 また、フェイントとラッシュは同時に使えない。

■【特殊攻撃:フェイント】
 敵に素早く2回のパンチ、またはキックを繰り出す。
 技能が60%以上の時に使用可能。
 1回目の攻撃は必ず外れるが、敵はつられて自動的に受け流し(または回避)をしてしまう。
 (敵がすでに受け流し/回避をしている場合には1回目の攻撃そのものが消失する。)
 続く2回目の攻撃は、敵に受け流し/回避をされることなく行える。
 ただし、防御側が<武道>でフェイントの受け流しに成功した場合は、フェイントを見破ったことになり、
 2回目の攻撃を自動的に無効化できる。
 ノックアウト効果のみを狙ったフェイントも可能。
 また、フェイントとラッシュは同時に行えない。
 攻撃側は、フェイントを行ったラウンドに、同時に受け流しを(通常ルール通り)にしてよい。

「近接戦武器(概要)」

ほとんどの近接戦武器は、1ラウンドの間に攻撃1回、受け流し1回を行うことが出来る。
受け流しについての詳細は別途表記。→<受け流し>
近接戦武器は、攻撃している時に武器がその武器自身にダメージを与えることはない。
近接戦武器による攻撃には全ダメージ・ボーナスを加える。
ただし<投擲>の場合は、ダメージ・ボーナスを半分の値で加える。

【近接武器一覧表】

+ ...
マダダヨ


「棍棒・鈍器」の特性

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棍棒・鈍器と言った近接戦武器は、サイズや重さ、材質まで様々である。
そのため一つの技能値には縛られず、
<大きい棍棒><小さい棍棒><ブラックジャック>という風に別々にされている。

<小さい棍棒><大きい棍棒>の命中率は、
KPが望めば「バーの椅子」「帽子掛けスタンド」その他小さい家具に応用してもかまわない。

途方も無いほど大きな棍棒は1D10ダメージを引き起こすこともあり得るが、少なくともSTR13はなければならない。
(※注※ ややこしいため本卓では<杖>技能で一括する事が多い。)

ブラックジャックや石などは、受け流しに使うことは出来ない。

棍棒は貫通することはないが、ノックアウト攻撃をするのに使うことが出来る。

「刃物」の特性

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「刀剣・サーベル」
刀剣には片手で扱うものもあれば、両手で使わなければならいないものもある。
1種類の刀剣技能が上昇したからといって、それで別の種類のものが上昇するということはない。
貫通できる種類のものもあるが、中には騎兵が馬上から振り下ろすようにデザインされたものがある。
また、受け流し用に作られていて貫通のできないものもある。
そういう形のものは切っ先があまり尖っていないため、貫通は行えない。

「フォイル・レイピア」
フォイルとレイピアはお互いに似たような技能であり、どちらかの技能値が上がれば、もう一方の技能値も上がる。
仕込み杖はフォイルと同じように扱う。
フォイルもレイピアも貫通が出来る。

「ナイフ」
ナイフは、1つの技能が向上すれば、他の殆どのナイフ技能も向上する。
クロスガード(刃と直交するつば)がないナイフは攻撃をされた際に受け流しを行えない。
ナイフは貫通が出来る。
最終更新:2014年02月17日 00:54