牛飼娘は走る。
この殺し合いにて初めて目にかかった異界の武具をその手に、業火に包みこまれた戦場を背に、駆けてゆく。
この殺し合いにて初めて目にかかった異界の武具をその手に、業火に包みこまれた戦場を背に、駆けてゆく。
目的はひろしとの合流。
あの怪我ではC-3の町まではたどりつけはしないだろうし、もしも他のNPCやら参加者やらに遭遇したら大変だ。
それに瞳の説得にも彼の力が必要だ。
息が上がるのも、心臓の鼓動が激しくなるのも構わず、牛飼娘は森林の中を駆けていた。
すると、どこからか少女の泣き声が聞こえる。
あの怪我ではC-3の町まではたどりつけはしないだろうし、もしも他のNPCやら参加者やらに遭遇したら大変だ。
それに瞳の説得にも彼の力が必要だ。
息が上がるのも、心臓の鼓動が激しくなるのも構わず、牛飼娘は森林の中を駆けていた。
すると、どこからか少女の泣き声が聞こえる。
--『』
思い出されるのはひろしの言葉。
確かに自分はどこか彼らと比べて覚悟がなかったのかもしれない。
自分は闘いの場に出ず、ゴブリンスレイヤーには助けられてばかりだ。
確かに今まではそれでよかったのかも知れない。
だがしかし、この場は違う。
牛飼娘は今までの出来事でそれを実感している。
ただでさえこの会場でまともに戦える味方は二人しか出会えていない。
そしてこの場には--ゴブリンスレイヤーがいない。
ならば、どうするか。
牛飼娘は既に答えを出した。
確かに自分はどこか彼らと比べて覚悟がなかったのかもしれない。
自分は闘いの場に出ず、ゴブリンスレイヤーには助けられてばかりだ。
確かに今まではそれでよかったのかも知れない。
だがしかし、この場は違う。
牛飼娘は今までの出来事でそれを実感している。
ただでさえこの会場でまともに戦える味方は二人しか出会えていない。
そしてこの場には--ゴブリンスレイヤーがいない。
ならば、どうするか。
牛飼娘は既に答えを出した。
(ひろしが瞳ちゃんを助けたように、私もあの子を助けなきゃ!)
その意志のままに泣き声の元へと走る。
粕谷瞳は、異常者である。
しかし、ご主人様に使えるメイド、という殻を被った彼女の本性は、心優しいただの少女である。
しかし、ご主人様に使えるメイド、という殻を被った彼女の本性は、心優しいただの少女である。
メイド、というのは主のために動くものだ。
しかし、瞳は『ご主人様』を傷つけてしまった。
それは最早メイドではない。
その出来事は、瞳を覆う心の殻をいとも容易く粉砕した。
しかし、瞳は『ご主人様』を傷つけてしまった。
それは最早メイドではない。
その出来事は、瞳を覆う心の殻をいとも容易く粉砕した。
目の前には1体の小鬼がいた。
ゴブリン達の群れからはぐれたのか、一匹で森林の中を徘徊していた。
ゴブリン達の群れからはぐれたのか、一匹で森林の中を徘徊していた。
不運というのは重なるもので。
白服の殺人狂に目をつけられ。
武器すらも奪われ。
もはやメイドの欠片もなく。
恥も外聞もなく泣く声が純粋無垢で残虐な化け物を呼び寄せた。
白服の殺人狂に目をつけられ。
武器すらも奪われ。
もはやメイドの欠片もなく。
恥も外聞もなく泣く声が純粋無垢で残虐な化け物を呼び寄せた。
瞳の周りにはもう誰もいない。
メイド、という存在意義の象徴とも言える『ご主人様』も。
自身が命の危険に晒されて尚、彼女の事を気にかけていた少女も。
誰もいない。
そのことがまた恐ろしくて。
醜悪な笑みを浮かべる小鬼を前にまた泣き出してしまう。
メイド、という存在意義の象徴とも言える『ご主人様』も。
自身が命の危険に晒されて尚、彼女の事を気にかけていた少女も。
誰もいない。
そのことがまた恐ろしくて。
醜悪な笑みを浮かべる小鬼を前にまた泣き出してしまう。
いざ、ゴブリンが瞳に飛びかかろうとした時。
「やめなさい!!」
一人の女性の声がした。
朗らかに、活発に、それでいて優しい彼女の。
恐る恐る顔を上げ、声の主に目を遣ると。
そこには--
朗らかに、活発に、それでいて優しい彼女の。
恐る恐る顔を上げ、声の主に目を遣ると。
そこには--
「瞳ちゃん!大丈夫だった!?」
少女を助けにきたヒーローがいた。
◆◆◆
(すみません......牛飼娘さん....すみません......!!!)
ひろしは走る。
ただひたすらに走る。
背中から熱いものが流れていき、意識が朦朧として尚、ひろしは足を止めない。
なぜひろしは逃げ切った今なお走っているのか、未だにわかっていない。
そんな時、ふと思い出すのは市街地での戦闘。
ゴブリンからの攻撃を身を呈して庇ったことだ。
そもそもなぜ自分はあのような行動をとったかわからない。
ただひたすらに走る。
背中から熱いものが流れていき、意識が朦朧として尚、ひろしは足を止めない。
なぜひろしは逃げ切った今なお走っているのか、未だにわかっていない。
そんな時、ふと思い出すのは市街地での戦闘。
ゴブリンからの攻撃を身を呈して庇ったことだ。
そもそもなぜ自分はあのような行動をとったかわからない。
あれらも自分が遭遇した化け物と同じ類いのものなのに。
瞳から受けた傷にしてもそうだ。
自分では理解の及ばぬ怪物にはいままで逃げ続けてきた。
ならばなぜ、自分は彼らを庇ったか。
瞳から受けた傷にしてもそうだ。
自分では理解の及ばぬ怪物にはいままで逃げ続けてきた。
ならばなぜ、自分は彼らを庇ったか。
走りながらも、痛みに悶えながも、思考は幾分か冷静に、クリアになっていた。
そのままひろしはその問いへの答えを模索しつつ、ただひたすらに走る。
ひろしの頭の中にはもう仲間の元へと逃げることすら無い。
そのくらいにひろしは自分の中に流れる感情の正体に気を取られていた。
そのままひろしはその問いへの答えを模索しつつ、ただひたすらに走る。
ひろしの頭の中にはもう仲間の元へと逃げることすら無い。
そのくらいにひろしは自分の中に流れる感情の正体に気を取られていた。
その答えの出ぬまま。
いつしか森を抜け、草原を走り抜け、市街地へとたどり着いた。
いつしか森を抜け、草原を走り抜け、市街地へとたどり着いた。
--想像を絶する不運に見舞われる時はいつも唐突である。
ちょっとした肝試しに館へ入り、青色の異形に襲われた時も。
この殺し合いに巻き込まれた時も。
町にてゴブリン達に襲われた時も。
白服の殺人鬼、ラッド・ルッソに襲われた時も。
メイドと名乗った化け物、粕谷瞳に襲われた時も。
森林を根城とする追跡者、打擲の剛激手に襲われた時も。
この殺し合いに巻き込まれた時も。
町にてゴブリン達に襲われた時も。
白服の殺人鬼、ラッド・ルッソに襲われた時も。
メイドと名乗った化け物、粕谷瞳に襲われた時も。
森林を根城とする追跡者、打擲の剛激手に襲われた時も。
いつも変わらず、唐突に。
身体の力が抜けて行く。盛大に転び、その勢いでデイパックから支給品が飛び出してゆく。
ひろしがそのことに気がついた時には手遅れで。
痛みが走り、血が吹き出した瞬間。
ひろしは自身の胴体が袈裟懸けに切り裂かれたことを知覚した。
その目に映ったのは、奇特な格好をしな少女。
彼女の手にした武器には自身のものであろう血が付着している。
自分はこれから死ぬというのに、やけに冷静な思考が、彼女が殺し合いに乗った参加者であることを導き出した。
例えそれを知ろうとも、今のひろしには動くことすらままならない。
何もする事鳴く。死に行くのみのだ。
彼女の手にした武器には自身のものであろう血が付着している。
自分はこれから死ぬというのに、やけに冷静な思考が、彼女が殺し合いに乗った参加者であることを導き出した。
例えそれを知ろうとも、今のひろしには動くことすらままならない。
何もする事鳴く。死に行くのみのだ。
自分ももう助からないと自覚する。
卓郎を、牛飼い娘を見捨ててまで望んだ生が終わりつつある。
そこがひろしには悔しく感じられる。
もしも身体が動いたなら女性とはいえショックガンを一撃お見舞いしたいくらいだ。
卓郎を、牛飼い娘を見捨ててまで望んだ生が終わりつつある。
そこがひろしには悔しく感じられる。
もしも身体が動いたなら女性とはいえショックガンを一撃お見舞いしたいくらいだ。
(ああ--僕は、まだ変われないのか。)
哀れなものだ。と薄れゆく意識の中、ひろしは自嘲する。
自分はただの半端者だった。
化け物達に立ち向かって。下らない自己満足を得てどこか有頂天になって。
そのくせいざ打つ手なしの状況に鳴ったら仲間を見捨てて逃げる。
これを無様、と呼ぶのだろう。
自分はただの半端者だった。
化け物達に立ち向かって。下らない自己満足を得てどこか有頂天になって。
そのくせいざ打つ手なしの状況に鳴ったら仲間を見捨てて逃げる。
これを無様、と呼ぶのだろう。
それでも、自分がこれでもかと悔しさ噛み締めているというのに。
胸には言葉に出来ぬ程の激情が渦巻いていて。
そうしてやっと。
ひろしは答えを得た。
自分の胸に渦巻く激情の名前を漸く知れた。
それでも身体は動かない。
冷めやらぬ悔恨に身を焼かれる。
それでも、身体は動かずに、ひろしの意識は闇に呑まれていって--
胸には言葉に出来ぬ程の激情が渦巻いていて。
そうしてやっと。
ひろしは答えを得た。
自分の胸に渦巻く激情の名前を漸く知れた。
それでも身体は動かない。
冷めやらぬ悔恨に身を焼かれる。
それでも、身体は動かずに、ひろしの意識は闇に呑まれていって--
【ひろし@青鬼 死亡】
◆◆◆
「瞳ちゃんから離れて!!」
大声で威嚇しながら、ゴブリンへと銃口を突きつける。
何故か銃を知らぬ筈のゴブリンがそれに警戒し、牛飼娘を睨みつつも微動だにしない。
何故か銃を知らぬ筈のゴブリンがそれに警戒し、牛飼娘を睨みつつも微動だにしない。
敗者は死ぬ。
その前提条件の下に殺し合いは発生する。
それが横行するこの場において、牛飼娘は初めてそのことを強く感じていた。
気を抜いたら殺される。
ゴブリンも本能的に理解しているのか、普段なら逃げる状況下においても牛飼娘から逃げようとすらしない。
殺人鬼、ラッド・ルッソとの邂逅は、ゴブリンにとっての多大なる成長を促した。
よく観察してみると、牛飼娘の銃口は震えていて、狙いが正確ではない。
故にこそ、ゴブリンは彼女に対して勝機すら見出だしていた。
あとは隙を見せるのを虎視眈々と狙い、仕留めるのみ。
ゴブリンは事実上の勝利を確信して、内心ほくそ笑んだ。
その前提条件の下に殺し合いは発生する。
それが横行するこの場において、牛飼娘は初めてそのことを強く感じていた。
気を抜いたら殺される。
ゴブリンも本能的に理解しているのか、普段なら逃げる状況下においても牛飼娘から逃げようとすらしない。
殺人鬼、ラッド・ルッソとの邂逅は、ゴブリンにとっての多大なる成長を促した。
よく観察してみると、牛飼娘の銃口は震えていて、狙いが正確ではない。
故にこそ、ゴブリンは彼女に対して勝機すら見出だしていた。
あとは隙を見せるのを虎視眈々と狙い、仕留めるのみ。
ゴブリンは事実上の勝利を確信して、内心ほくそ笑んだ。
◆◆◆
少年はただ悔しかった。
理不尽に友人達が殺されて行くのが。
理不尽に友人達が殺されて行くのが。
一人は目を離したが故に。
一人は自罰を止められなかった故に。
一人は自分が見捨てたが故に。
一人は自罰を止められなかった故に。
一人は自分が見捨てたが故に。
意識が完全なる闇に閉ざされる寸前。
少年は一つの仮面を目に止めた。
それは朧気ながらも顔を出した太陽の光に輝いて。
まるで、「俺を使え」と意思表示しているようで。
少年は一つの仮面を目に止めた。
それは朧気ながらも顔を出した太陽の光に輝いて。
まるで、「俺を使え」と意思表示しているようで。
動け。
動け。
動け。
動け--
動け。
動け。
動け--
そうして。
あらんかぎり身体を動かして。
その仮面を、被った。
あらんかぎり身体を動かして。
その仮面を、被った。
出血多量でもう動く筈のない身体を無理やりに稼働させ。
ふらふらに鳴りながらも立ち上がる。
ふらふらに鳴りながらも立ち上がる。
瞬間。
酷使した身体に走る痛みすらも凌駕する激痛が頭に走る。
その痛みで再び意識を失いそうになるも、それをなんとか押し留める。
酷使した身体に走る痛みすらも凌駕する激痛が頭に走る。
その痛みで再び意識を失いそうになるも、それをなんとか押し留める。
『我は汝--汝は我--』
そうして、声が鳴り響いた。
●●●
(--怖いなぁ。彼も、こんなに怖かったのかな。)
牛飼娘はゴブリンとの巾着状態の中、そんなことを考えていた。
油断していたら腰が抜けてしまいそうで。
近くにいる仲間のメイドの手前もあり、なんとか今の姿勢を保っている。
油断していたら腰が抜けてしまいそうで。
近くにいる仲間のメイドの手前もあり、なんとか今の姿勢を保っている。
(ひろしも、瞳ちゃんもやっぱり怖かったのかな。)
去っていった仲間と、泣いている少女。
彼らは確かに勇敢だった。
自分の役割を正しく理解し、時には知恵を、時には勇気を以てこの殺し合いに立ち向かっている。
もう自分も、他人任せではいられない。
そんな意志の下、牛飼娘は殺人鬼の見よう見まねで引き金に指をかけた。
ゴブリンも姿勢を変え、いつでも牛飼娘へと飛びかかれるようにする。
瞬間、ゴブリンは牛飼い娘へと飛び出していった。
彼らは確かに勇敢だった。
自分の役割を正しく理解し、時には知恵を、時には勇気を以てこの殺し合いに立ち向かっている。
もう自分も、他人任せではいられない。
そんな意志の下、牛飼娘は殺人鬼の見よう見まねで引き金に指をかけた。
ゴブリンも姿勢を変え、いつでも牛飼娘へと飛びかかれるようにする。
瞬間、ゴブリンは牛飼い娘へと飛び出していった。
殺し合いにて招かれた二人の少女--神楽鈴奈とクロは油断していた。
無防備にもこの殺し合いの最中で走り回っている青年。
持っている武器は不思議な形状の銃が一丁のみ。
背中には遠目でもわかる程の裂傷。
青年が何かから逃げているのは一目瞭然であった。
故に、二人は襲撃に及んだ。
彼の支給品の内容も気になるし、この状況を夢と認識している鈴奈はともかくクロは優勝も視野に入れている。
狙えるのであれば頭数を減らしておくのも悪くない。
既に気の狂っていた少女(ばけもの)にとって殺人を犯す動機にはそれだけで事足りた。
無防備にもこの殺し合いの最中で走り回っている青年。
持っている武器は不思議な形状の銃が一丁のみ。
背中には遠目でもわかる程の裂傷。
青年が何かから逃げているのは一目瞭然であった。
故に、二人は襲撃に及んだ。
彼の支給品の内容も気になるし、この状況を夢と認識している鈴奈はともかくクロは優勝も視野に入れている。
狙えるのであれば頭数を減らしておくのも悪くない。
既に気の狂っていた少女(ばけもの)にとって殺人を犯す動機にはそれだけで事足りた。
そんな青年を手にかけるのは思ったよりも容易く済んだ。
袈裟懸けの裂傷が走り、血溜まりに倒れ込む少年。
それを確認してから、二人は彼のデイパックを改めた。
既に虫の息の少年には目もくれず、鈴音に支給品を調べる様頼む。
袈裟懸けの裂傷が走り、血溜まりに倒れ込む少年。
それを確認してから、二人は彼のデイパックを改めた。
既に虫の息の少年には目もくれず、鈴音に支給品を調べる様頼む。
--あの怪我でもう生き延びるものか。
それが彼女達の油断だった。
支給品を調べていると何やら物音がする、と後ろを振り向くと、そこには。
髑髏の面を付け、満身創痍ながらに立ち上がった少年の姿があった。
瞬間、弾かれる様にして鈴奈は少年に飛びかかった。
その髑髏の面が、鈴奈の『先輩』に似ていたから。
夢の中ですら操られている『先輩』を救うため。
かつての粕谷瞳が凶刃を振るったのと全く同じ善意で、ひろしへと襲いかかった。
瞬間、弾かれる様にして鈴奈は少年に飛びかかった。
その髑髏の面が、鈴奈の『先輩』に似ていたから。
夢の中ですら操られている『先輩』を救うため。
かつての粕谷瞳が凶刃を振るったのと全く同じ善意で、ひろしへと襲いかかった。
状況は同じ。
眼前の敵は彼/彼女に飛びかかった。
二人の得たものは同じ。
少年は身体中に走る傷を、繰り返してしまった後悔を対価に。
少女は自らの罪悪感を、無力感を対価に。
反抗の意志を手に入れた。
少年が望んだのは、絶対的な理不尽に立ち向かう力を。
少女が望んだのは、『彼』のように仲間を、大事なものを守る力を。
そうして、少年は/少女は。
その仮面を引き剥がす。/引き金を引いた。
眼前の敵は彼/彼女に飛びかかった。
二人の得たものは同じ。
少年は身体中に走る傷を、繰り返してしまった後悔を対価に。
少女は自らの罪悪感を、無力感を対価に。
反抗の意志を手に入れた。
少年が望んだのは、絶対的な理不尽に立ち向かう力を。
少女が望んだのは、『彼』のように仲間を、大事なものを守る力を。
そうして、少年は/少女は。
その仮面を引き剥がす。/引き金を引いた。
◆◆◆
響く発砲音。
飛び散る赤紫の血液。
牛飼娘は自らの手で初めて、ゴブリンを殺した。
飛び散る赤紫の血液。
牛飼娘は自らの手で初めて、ゴブリンを殺した。
足を震わせながら、瞳の元へ歩き出す。
もう安心したのか、瞳は牛飼い娘へと飛び付き、泣いた。
突然の行動に彼女は驚くも、牛飼娘は、瞳の背中をさすり始めた。
二人の少女が抱き合う姿を邪魔するものはいなかった。
もう安心したのか、瞳は牛飼い娘へと飛び付き、泣いた。
突然の行動に彼女は驚くも、牛飼娘は、瞳の背中をさすり始めた。
二人の少女が抱き合う姿を邪魔するものはいなかった。
◆◆◆
鈴奈から放たれた刺突は確かにひろしの心臓を貫く筈だった。
しかし、ひろしから顕れた何かがそれを弾き飛ばす。
少年の背には反逆の魂が鎮座する。
しかし、ひろしから顕れた何かがそれを弾き飛ばす。
少年の背には反逆の魂が鎮座する。
--ペルソナ。
それはあらゆる理不尽に。
あらゆる不条理に立ち向かう力。
青鬼にゴブリン。メイドや殺人鬼に巨大なモンスター。
あらゆる不条理に立ち向かう力。
青鬼にゴブリン。メイドや殺人鬼に巨大なモンスター。
今まで出会った化け物達にも勝るても劣らない存在を、まさか自分が使役することになるとは。
そんな存在を科学的に考えて、馬鹿馬鹿しいなどと切り捨てていた頃はこんな体験をするとはまさか思ってもいなかっただろう。
そんな存在を科学的に考えて、馬鹿馬鹿しいなどと切り捨てていた頃はこんな体験をするとはまさか思ってもいなかっただろう。
ヒビが入ったメガネを投げ捨て、ひろしは眼前の化け物へと向かい合う。
「どうして先輩が......そうです。これもきっと夢......先輩はまだソーンに操れているんですね?大丈夫です。今元に戻してあげますから!!」
「何を言っているかはわかりませんが......もう今までの僕とは思わないことです。」
少年はもう逃げない。
牛飼娘の分も生き抜き、必ずこの殺し合いを打破する。反逆の意志と共に、ひろしは化け物を迎え打った。
牛飼娘の分も生き抜き、必ずこの殺し合いを打破する。反逆の意志と共に、ひろしは化け物を迎え打った。
【B-4 森林 黎明】
【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:チェーンソー@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage
スタングレネード@現実
[道具]:基本支給品、
[思考]
基本:自分は死なないと思っている人間を見つけて殺す! とにかく殺す! 殺しまくる!
1:あの怪物(打擲の剛激手)を殺す
2:その後にひろし、牛飼い娘を殺す
[状態]:健康
[装備]:チェーンソー@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage
スタングレネード@現実
[道具]:基本支給品、
[思考]
基本:自分は死なないと思っている人間を見つけて殺す! とにかく殺す! 殺しまくる!
1:あの怪物(打擲の剛激手)を殺す
2:その後にひろし、牛飼い娘を殺す
[備考]
※参戦時期はフライング・プッシーフット号に乗りこむ直前からとなります。
※参戦時期はフライング・プッシーフット号に乗りこむ直前からとなります。
【NPC紹介】
打擲の剛激手@世界樹の迷宮V 長き神話の果て
本来はアルカディアの迷宮の上部に生息する、巨大な人型の魔物。
自身に近づく者は同じ迷宮に棲む魔物だろうが、進入者だろうがその腕で離れた場所まで殴り飛ばす習性を持つ。
更には、視界をつぶされない様に眼も進化しており、そこから高熱の球を射出するとも言われている。
本来は出展作品のシステム上移動しないが、主催によって参加者を追跡する様になっている他、素の状態では強力過ぎる為、ある程度弱体化させられている。(度合いについては後続の書き手にお任せします。)
自身に近づく者は同じ迷宮に棲む魔物だろうが、進入者だろうがその腕で離れた場所まで殴り飛ばす習性を持つ。
更には、視界をつぶされない様に眼も進化しており、そこから高熱の球を射出するとも言われている。
本来は出展作品のシステム上移動しないが、主催によって参加者を追跡する様になっている他、素の状態では強力過ぎる為、ある程度弱体化させられている。(度合いについては後続の書き手にお任せします。)
腕に付いた板は、放熱の機能を備えているらしく、加工などを施して短時間での連射が可能な銃火器のパーツにしたり、同一のダンジョンに出現する、馬を模した石造りの魔物の耳を一緒に使う事で、頑丈な鎧の材料にする事も可能。
制限として、B-4エリアの森林から外には出られない。
【牛飼い娘@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:レミントンM31@現実(予備弾3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いはしない
1:彼(ゴブリンスレイヤー)を探す
2:瞳を守る
3 :ひろしを探すか、一度町に戻るか......?
[備考]
参戦時期は原作9巻終了後。
※「ジョジョの奇妙な冒険」の参加者について、一定の情報を得ました。
[状態]:健康
[装備]:レミントンM31@現実(予備弾3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いはしない
1:彼(ゴブリンスレイヤー)を探す
2:瞳を守る
3 :ひろしを探すか、一度町に戻るか......?
[備考]
参戦時期は原作9巻終了後。
※「ジョジョの奇妙な冒険」の参加者について、一定の情報を得ました。
【粕谷瞳@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage】
[状態]:健康
[装備]: 回復用キノコ×4@ペーパーマリオ オリガミキング
[道具]:基本支給品
[思考]
基本:???
1:とりあえず牛飼い娘と同行する。
[状態]:健康
[装備]: 回復用キノコ×4@ペーパーマリオ オリガミキング
[道具]:基本支給品
[思考]
基本:???
1:とりあえず牛飼い娘と同行する。
[備考]
※参戦時期は本編開始前となります。
※「ジョジョの奇妙な冒険」の参加者について、一定の情報を得ました。
※参戦時期は本編開始前となります。
※「ジョジョの奇妙な冒険」の参加者について、一定の情報を得ました。
【C-5とC-6の境界線の道/黎明】
【神楽鈴奈@Caligula Overdose-カリギュラ オーバードーズ-】
[状態]:健康、聖帝エーリュシオンに対する怒り(極大)
[装備]:一括首輪爆破装置@ロワオリジナル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本行動方針:先輩と一緒にいる、ずっと
1:先輩!?なんで........
2:これは夢、早く覚めないと
3:先輩は、私とずっと一緒に居てくれると言ってました……なのに、なんであの天使は私と先輩の仲を否定するんですか…?
※参戦時期は楽士ルート最終決戦で主人公に裏切られ敗北した直後です。
※キャラエピソードは完遂済みです
※この殺し合いと元世界での主人公の裏切りを夢だと思い込んでいます。
※ひろしのことを主人公だと誤認しています。
[状態]:健康、聖帝エーリュシオンに対する怒り(極大)
[装備]:一括首輪爆破装置@ロワオリジナル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本行動方針:先輩と一緒にいる、ずっと
1:先輩!?なんで........
2:これは夢、早く覚めないと
3:先輩は、私とずっと一緒に居てくれると言ってました……なのに、なんであの天使は私と先輩の仲を否定するんですか…?
※参戦時期は楽士ルート最終決戦で主人公に裏切られ敗北した直後です。
※キャラエピソードは完遂済みです
※この殺し合いと元世界での主人公の裏切りを夢だと思い込んでいます。
※ひろしのことを主人公だと誤認しています。
【クロ(リーダー)@最悪なる災厄人間に捧ぐ】
[状態]:健康、聖帝エーリュシオンに対する怒り(極大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、耐氷ミスト(残り1個)@世界樹の迷宮シリーズ、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本行動方針:『豹馬君』と一緒にいる、ずっと
1:『豹馬君』のもとに帰る
2:『豹馬君』のそばにいる
3:『豹馬君』と生きる
4:『豹馬君』は、泥人形なんかじゃない……!『豹馬君』を侮辱するなら、跡形もなく消し去ってやる!!
5 :ひろしに対処。でもなるべくは鈴音に任せる。
※参戦時期は少なくても「災厄に捧ぐ」にて後追い自殺した以降です。
※透明人間であるため普通の生物から彼女の声や姿を認識することは出来ません。
ただしこのロワでは「見えないものが見える」キャラであれば彼女を認識することが可能です。
※このロワでは世界改変の力で直接人を攻撃することが出来ません、結果的に攻撃を受ける形であれば可能です。(倒した電柱がたまたま当たった等)
[状態]:健康、聖帝エーリュシオンに対する怒り(極大)
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、耐氷ミスト(残り1個)@世界樹の迷宮シリーズ、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本行動方針:『豹馬君』と一緒にいる、ずっと
1:『豹馬君』のもとに帰る
2:『豹馬君』のそばにいる
3:『豹馬君』と生きる
4:『豹馬君』は、泥人形なんかじゃない……!『豹馬君』を侮辱するなら、跡形もなく消し去ってやる!!
5 :ひろしに対処。でもなるべくは鈴音に任せる。
※参戦時期は少なくても「災厄に捧ぐ」にて後追い自殺した以降です。
※透明人間であるため普通の生物から彼女の声や姿を認識することは出来ません。
ただしこのロワでは「見えないものが見える」キャラであれば彼女を認識することが可能です。
※このロワでは世界改変の力で直接人を攻撃することが出来ません、結果的に攻撃を受ける形であれば可能です。(倒した電柱がたまたま当たった等)
【ひろし@青鬼】
[状態]:顔面に殴られた跡、背中と胴体に裂傷
[装備]:ショックガン@ドラえもん
スカルの仮面@Persona5
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない、瞳、牛飼娘と共にゴブリンスレイヤー、空条徐倫を探す
1:眼前の脅威への対処。
2:ホル・ホース、プッチ、ディアボロ、瞳への警戒
[備考]
参戦時期は館から脱出した後です
※「ジョジョの奇妙な冒険」の参加者について、一定の情報を得ました。
※牛飼い娘は死んでいると思っています。
[状態]:顔面に殴られた跡、背中と胴体に裂傷
[装備]:ショックガン@ドラえもん
スカルの仮面@Persona5
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない、瞳、牛飼娘と共にゴブリンスレイヤー、空条徐倫を探す
1:眼前の脅威への対処。
2:ホル・ホース、プッチ、ディアボロ、瞳への警戒
[備考]
参戦時期は館から脱出した後です
※「ジョジョの奇妙な冒険」の参加者について、一定の情報を得ました。
※牛飼い娘は死んでいると思っています。
【ランダム支給品】
【スタングレネード@現実】
ラッド・ルッソに支給。
投げると、敵の視覚・聴覚を一時的に奪うことが出来る。
【スカルの仮面@ペルソナ5 】
ひろしに支給
坂本竜司がペルソナに覚醒した時に現れた仮面。 ペルソナ"キャプテン・キッド"との契約の証にして召喚するためのアイテム。 本ロワ内では制限により、誰が付けても"キャプテン・キッド"を使役することが可能。 仮面が発動のトリガーと分かっていれば誰でも使用可能。
なお、使用した人物の容姿は変わらないものとする。
ラッド・ルッソに支給。
投げると、敵の視覚・聴覚を一時的に奪うことが出来る。
【スカルの仮面@ペルソナ5 】
ひろしに支給
坂本竜司がペルソナに覚醒した時に現れた仮面。 ペルソナ"キャプテン・キッド"との契約の証にして召喚するためのアイテム。 本ロワ内では制限により、誰が付けても"キャプテン・キッド"を使役することが可能。 仮面が発動のトリガーと分かっていれば誰でも使用可能。
なお、使用した人物の容姿は変わらないものとする。
060:苦いものはまだ嫌いなの | 投下順 | 062:あなたが私を聞くことができるなら、目を覚まし、目を覚ますか、あなたは死ぬでしょう。(前編) |
045:えぬぴーしーとのそうぐう | ラッド・ルッソ | 097:少々ここらでオーバライド ……したいところだけど現実は |
029:メンバーが増えたからと言って良いことばかりではない説 | ひろし | 071:叫べ、仮面の裏側からでも |
牛飼い娘 | 097:少々ここらでオーバライド ……したいところだけど現実は | |
粕谷瞳 | ||
048:人として生まれ、人として生きて… | 神楽鈴奈 | 071:叫べ、仮面の裏側からでも |
クロ(リーダー) |