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「藤木、殺し合いに乗る」の巻

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「アンタって本ッ当に最低のクズねっ!!」

「う、うるさい!大きな声を出すなよ!誰か来たらどうするんだ!!」


バクバク、バクバク、と。
自分の心臓が五月蠅い位鼓動を速めているのを、僕、藤木茂は感じ取っていた。
最初に言っておこう。僕は殺し合いに乗った。
殺し合いに乗って最初に出会ったのは、男女の二人組だった。
気だるそうな、僕より年上の男子と。
とても可愛い、黒髪を二つ結びにした女の子。
知ってるぞ、あれはツインテールって言うんだ。
まるでアイドルみたいにかわいいその子と、隣の男子を僕は襲った。


「ふ、ふふふ。そんな小さな体で凄んだって怖くないよ。僕にはこの『シルバースキン』と『セト神』のスタンドDISCがあるんだから…!」


今の僕は、まるで仮面ライダーになったかのような気分だった。
身に纏った白い外套は、どんな攻撃を受けてもばっちり守ってくれる。
そして極めつけが僕の影と一つになった超能力──セト神だった。
この二つの力が無ければ、二人相手に勝負を挑もうとは思わなかっただろう。
僕の立てた殺人計画はこうだ。
まず、二人に殺し合いに乗ってないフリをして近づく。
そして、何とか騙して信用してもらった所に、このセト神の力を発動する。
セト神の効き目はバッチリだった。
数秒の内に僕より年上の様だった気だるげな男子は僕より小さくなった。
これが、セト神の能力。
相手を僅かな時間で弱くて小さな子供に変えてしまう超能力。
如何にも弱そうになった所を、お腹を思い切り蹴り飛ばしてやった。
男の子はごろごろと転がって、そのまま動かなくなった。
そして、何が起きているのか分からないといった女の子を尻目にこのシルバースキンを発動して、今に至る。


「アンタがクズの卑怯者以外じゃなかったら何なのよ!
私達を不意打ちで襲うような陰気で根暗な弱虫のくせに!」


「うっ!うるさぁい!!」


自分が圧倒的有利になった所で殺し合いに乗っている事を明かせば。
きっと怯えて、動けなくなる。所詮は女の子なんだから。
そう思ってまだ何がどうなっているのかつかめていない様子の女の子に話したけれど、失敗だったかもしれない。
むしろ女の子は怒って僕を睨みつけてきた。
何だよ!僕の頭脳戦に引っかかった癖に!僕より小さな子供のくせに!!
僕は、その手に持っていたボウガンを女の子に向けて撃った。
見事に外れた。


「ひ、ひひひ…き、君……逃げるつもりかい?
逃げてもいいけど、そうなれば僕は隣の子を殺すよ!
君を庇って僕に蹴られた彼を!そうなったら実質君が殺すんだよ!」

「なっ!ア…アンタ!どこまで卑怯者なの!!」


何とでも言うがいいさ。悪いのはあの海馬乃亜とかいう男の子なんだから。
僕は殺し合いに巻き込まれた哀れな被害者。
僕だって、できれば仮面ライダーや地球防衛隊に助けてもらいたいさ。
でも、僕だってガキじゃない。
仮面ライダーやヒーロー戦隊が、本当はお芝居だって事も知ってる。
僕を救えるのは僕しかいないんだ。
だから、僕がこの殺し合いで何をしようと僕は悪くない。
そう思いながら矢をつがえて、同時にセト神を発動する。


「あっ!?」


女の子の姿が、見る見るうちに変わっていく。
僕と同じくらいか、年上の見た目から、五歳ほどの見た目に。
これで勝てる。もう安心だ。
逃げたって、今の彼女じゃ僕の足の速さには敵わない。
この二人の命を握っているのは、この僕なんだ。最高にハイって奴だ!!!



「ひ、ひひひひ……!ぼ、僕より小さくなっちゃたねぇ……!
いや…僕も残念なんだよ、き、君可愛いからさぁ。こんな場所でなければお近づきになりたかったなぁ。梨沙ちゃん!!」


そう言って僕は梨沙ちゃん──的場梨沙と名乗った女の子に笑いかける。
自分でも興奮しているのが分かる。
今なら何でもできる気がした。
もう僕はショッカーの戦闘員Bじゃないんだ。
乃亜から貰ったこの力で、強敵を倒していく戦士──フジキングなんだ。
僕はこの瞬間は、僕に力を与えてくれた乃亜に感謝してすらいた。


「ほんっと…!つくづくサイテーね!アンタ。どーせモテないでしょ!
っていうか、女の子に笑いかけられた事さえないんじゃないの!!
キモい笑い見せないでよ!!目が汚れるわっ!!」


そんな僕の興奮に氷水をぶっかけるような事を、理沙ちゃんは言う。
何だよ何だよ!何で僕を気分良くしないんだよ!
そうしたら、もう少し話をして、生きさせてやってもいいのに!
かっと頭に血が上って、梨沙ちゃんに向けてボウガンを向ける。
そうすれば流石に彼女もびくりと震えて、気分がよかった。
尤も、そのすぐ後に出てきた彼女のセリフは全然気持ちの良い物ではなかったけど。


「本当にパパと同じ男って生き物とは思えないわね…!この最低の卑怯者!!」

「うるさいって言ってるだろ!!君のパパがそんなに凄いなら、何で今も助けに来てくれないんだよ!!」

「そ……それは…………」


梨沙ちゃんが言葉に詰まる。
きっとこれが、彼女の弱い所だ。
古畑任三郎の様にその事を見抜いた僕は考え得る限りの言葉で彼女のパパを馬鹿にする。




「ふ、ふん…!君のパパなんて所詮その程度の役立たずなんだ。
こうして僕が──君を殺すのも止められないんだから!!」


そう言って、鋭く尖ったボウガンの切っ先を梨沙ちゃんに向ける。
ボウガンなら音もならないし、返り血も浴びないで殺せる。
男の子は気絶しっぱなしだし、僕が負ける要素、依然として無し!!
目の前まで迫った死に、流石の梨沙ちゃんも青ざめる。
そうそう、こういう顔が見たかったのだ!


「ふ…ふひひひひ…僕は優しいからさ。土下座して謝れば許してあげるかもよ?」

「ア…アンタねぇ……!」

「ほら、早くしろよ!!三つ数えるうちにしないと撃っちゃうよ?
そうしたらパパにもう会えなくなるんだよ!!」


また梨沙ちゃんは怒った様な顔をするけど、もう怖くはない。
だって、彼女の弱点はもう分かっているのだから。
案の定、パパの事を引き合いに出すと青かった顔がもっと青ざめる。
最高だ。本当は、もっとこうして遊んでいたい。
でも、こうしている内に誰か来るかもしれない。
その誰かは、僕より強いかもしれない。
だから、ここはさっさと二人を殺して次に行こう。
なぁに、遊び相手はきっとまだまだいるさ。
そう思って、地面に手を付けようとする理沙ちゃんにボウガンの照準を合わせた時だった。


(あ……あれぇ……!?)


身体が、動かないのだ。
まるで金縛りにあったように。
ボウガンの引き金を絞る事すら、できない。




「ふーっ、任務でもないのに人助けなんて全く面倒臭ぇが…
男が女見捨てて逃げる訳にゃ、流石にいかねーよな……」


その声は、さっき聞いた声だった。
僕が、やっつけたはずの声だった。
?だろう!?死んだふりをしてたのか!?そんなの卑怯だぞ!!
心の中でそう叫ぶ僕を尻目に、梨沙ちゃんが大声でその男子の名前を呼ぶ。


「アンタ──シカマル!!」


名前を呼ばれて。
尖った黒髪を後ろで縛ってまとめた気だるげな男子──奈良シカマルが、僕に向かってニッと笑いかける。
クソックソッ!!何だよそれ!!お前ついさっき僕にやっつけられたはずだろう!!
なのに、何でそんな余裕な顔してるんだ!


「な…何だよこれ!?体が動かない…お前の仕業か!!」

「あぁ、影真似の術つってな、これが効いてるうちはアンタは動けねーよ……」


何だよそれ!!そんな、忍術なんて……ますますずるいじゃないか!!
許せない!体は動かせないけど、僕のセト神なら何とか──!
そうやって僕はスタンドを発動しようとして……できなかった。
な…何で!!


「無駄だ。アンタの仕掛けた術はもう大体察しがついてる。
射程は変質させた影の触れた部分。効果は相手を幼児化させる……だろ?」

「な……何でそれを──」


「最初に俺にそれを使われた時は分からなかったけどな…
だから気絶したふりをして、隣の女に使う場面を拝ませてもらった。
予備動作が殆どねぇから二度目でも普通なら気づかれないだろうが
…相手が悪かったな。俺も、似たような影を起点にした術を持ってたんだよ」


気絶したふりをして、僕がセト神の力を使うのを待ってただって……!?
そ、それでも…たった二回見ただけで僕の力に気づくなんて……
それだけじゃない。
その上、相手を金縛りにする術なんて……卑怯だ!!


「アンタの術は変化させた影を媒介にしてる。なら話は単純だ。
発動前に影真似の術で捕まえて、変化させない様にしちまえばいい
ま、それができる奴もそうそういねーだろうがな」


そ…それでセト神の能力が使えないのか……
シカマルって男子は、僕もまだ気づいてないセト神の弱点に気づいていた。
でも…落ち着け僕!乃亜が言ってたじゃないか。
人によってはハンデを与えるって!!
じゃあこんな相手を動けなくする能力なんてそう長く使えない筈……!!


「ふ…ふふふ。それで、僕をどうするのかなぁ?
僕にはこのシルバースキンがある。き、君には僕を傷つけられないよ!!」


そうだ。僕にはまだこのシルバースキンがある。
この防護服さえあれば、どんな攻撃だってへっちゃらさ。
焦らずに、この影真似の術とかいう忍法が切れるまで待てばいい。
そして、切れた瞬間またセト神を発動して今度こそ僕に逆らえないくらい子供にしてやるんだ!!


「あ~…面倒くせーが、確かに大した防御服みてーだな
それにお察しの通り、あと一分もこの術は保たねぇ……だから……こうする!」



シカマルがそう言った瞬間、信じられない事が起こった。
繋がっていた僕と彼奴の影が、僕に向かって伸びてきたのだ。
丁度、僕の喉元目掛けて。
な…何だよ何だよ何だよこれぇ!!


「───忍法影首縛りの術つってな。これなら物理的な防御力は関係ねぇ
さて、人間は動脈を圧迫されると、短けりゃ大体十秒足らずで失神するらしいが、アンタはどうかな?」


く……苦しい。
こいつ、僕の首を絞めて殺すつもりか!?
殺される。今気絶したら殺される。
嫌だ!死にたくない!!


「ぼ……ぼく、を…殺したら、お前も……人殺しに……」

「あぁ、覚悟の上だ。俺も忍なんでな。さて──勝負と行くか」


殺される。殺される。このままじゃ殺されてしまう。
いやだ、死にたくない。
折角力をもらったのに。こんな所で死ぬなんて嫌だ。
怖くて怖くて仕方ない。何で僕ばっかりこんな目に。
眼から涙があふれて止まらなかった。
気づけば、シルバースキンも解除されてしまっていた。


「う、うわあああああああああああ!!!!!!!」


完全に頭の中はパニックで。
夢中で後ろに向けて駆けだす。
さっきまで動けなかった筈の身体は、火事場のバカ力か、今は動かすことができた。
でも、これ以上シカマルと梨沙の二人と戦おうなんて思えなかった。
今はただただ怖かったから。
だから、シルバースキンの核鉄とボウガンをひっつかんで、慌てて逃げ出した。


「ちぐしょうッ!!僕は……僕はぁ……!!」


情けなかった。
腹立たしかった。
ヒーローが力に目覚めた最初の戦いは勝てると決まっているのに。
違う…違う違う違う!!僕は強いんだ。僕は勝てるんだ。フジキングなんだ。
今回は、ちょっと調子が悪かっただけなんだ。次はもっと慎重に。
次だ。次の相手はちゃんと殺す。
そう決意しながら、流れる涙を拭わずに、僕はシルバースキンを再展開した。



【藤木茂@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康、号泣、シルバースキンを展開中
[装備]:シルバースキン@武装錬金、セト神のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、小型ボウガン(装填済み) ボウガンの矢(即効性の痺れ薬が塗布)×12
[思考・状況]基本方針:殺し合いに乗る。
1:二人組から逃げる。
2:次はもっとうまくやる。
3:僕は──フジキングなんだ。
[備考]



嵐は去って、近くにあった適当な民家で人心地つく。
全く、任務失敗の傷心から立ち直った所にこれだ。嫌になるぜ。


「アンタ…凄いじゃない!パパの次位には賢いわね!!
あっ、でも絶対こっち見るんじゃないわよ!!」

「そいつはどーも……見ないから安心しろよ………」


身体の様子を確認すると、もう既に元の身体に戻り始めていた。
一時間もすれば、元の身体に戻れるだろう。
奴の術の効果が永続じゃなかったのは救いだな。
でなきゃ、まず体に合ったサイズの服を探すところから始めなきゃ行けなかった。
──さて、こっからどうするかね……
殺し合いなんて面倒臭ぇにも程があるし……優勝なんてガラじゃねぇしなぁ……
考えながら、支給されていたアスマの煙草に火をつけた。
秒でせき込む。


「ねぇちょっとアンタ!!タバコ吸ってるんじゃないでしょーね!!
やめてよ!!このあたしの純白の肺が汚れるじゃない!!」

「はいはい…直ぐにやめますよっと……」


煙草の火を消して、また考える。
と言っても、もう方針は大体決まってたがな。
忍が、後ろの女みたいな民を殺すわけにはいかねぇよな……
それに、任務でもねぇのに男が女を殺すってのも俺的には御免被る。
となりゃ、進むべき道は一つしかねぇ。


───今回の任務は失敗だったね、シカマル。だけど、みんな生きてる。

───はい……次は、もっと上手く…こなして見せます……


まぁ、見ててくれアスマ…それと親父。
この殺し合いをどうにかする展望はまだ全然湧いちゃいねーが……
それでも、やれるだけ、やってみるさ。




最初は、こんな殺し合いに巻き込まれてのに、緊張感のない奴だと思ってた。
でも、シカマルはあの藤木って奴に勝って見せた。
冷静に考えて、相手の弱点を探って、最後はハッタリで。


───後一分で術が切れるなんて嘘だ。本当は後二十秒も保たなかった。
───だから、奴が臆病だったのは運がよかったよ。
───ツイてたな。アンタも、俺も。


違う。
あれは運がよかっただけじゃなくて。
シカマルって奴は、作戦を立てて、上手くそれを成功させた。偶然じゃない。
私は、何もできずに突っ立てただけだったのに。
私は、アイドルだ。駆け出しだけど、アイドルだ。
どんな時でも、アイドルでいたい。
だから人殺しなんて、したくない。
まだ死にたくない。パパと結婚したい。
他にもやりたい事はいっぱいある。
でも、そんなアイドルの私が、この死と暴力の世界で。
何ができるのかは、まだ分からなかった。


「……ま、お礼、言っとくわ。ありがと」


だから。
だから今はせめて。


「助けてくれたお礼に、私の未来の単独ライブの特等席──取っといてあげる」


アイドルでいる事は、やめないでいようと、そう思った。


「だから、生き残りましょう。お互いに」

「へーへー……面倒くせーけど。それについては賛成だ」


まったく。
子供のくせに、タバコ臭いわね。こいつ。


【奈良シカマル@NARUTO-少年編-】
[状態]健康、幼児化(あと三十分程で完全解除)
[装備]なし
[道具]基本支給品、アスマの煙草、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いから脱出する。
1.殺し合いから脱出するための策を練る。
2.梨沙については…面倒臭ぇが、見捨てるわけにもいかねーよな。
[備考]
原作26巻、任務失敗報告直後より参戦です。

【的場梨沙@アイドルマスター シンデレラガールズ U149(アニメ版)】
[状態]健康、不安(小)、幼児化中(あと三十分程で完全解除)
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本方針:ゲームから脱出する。
1:シカマルについていく
2:この場所でも、アイドルの的場梨沙として。
[備考]
※参戦時期は少なくとも六話以降。




【『セト神』のスタンドDISC@ジョジョ奇妙な冒険】
藤木茂に支給。
アレッシーが扱うスタンド、『セト神』が内包されたスタンドDISC。
頭に差し込むことでスタンドを発現させられる。
DISC所有者の影と同化し、影が触れた相手を若返らせる能力を持つ。
若返る年齢は影が触れた時間と比例し、一瞬であっても2、3歳は若返り、十数秒も交わっていれば胎児にまで戻ってしまうが、今回のロワでは制限により若返りのスピードが低下し、
赤子まで若返らせることはできない。最大まで若返らせても立つことができる1~2歳ほどである。
効果発動中は記憶、精神面も幼児退行するが、此方も制限によりその進行スピードが低下している。
一度の発動から一時間ほどで完全に効果が解除される。気絶でも解除されるのは原作通り。
また、所有者が武器を持つことでスタンドである影に武器を持たせて攻撃もできる。


【核鉄『シルバースキン』@武装錬金】
藤木茂に支給された。
防御型の武装錬金。武器はついてない。
非常に防御力が高く、生半可な攻撃では打ち破ることはできない。
原作ではABC兵器もシャットアウトし、5100度の劫火に耐え、宇宙でも活動できる。
特に一度打ち破られても破片がすぐに再生し、元に戻り防御力が回復するのが特徴。
制限があるため原作ほどではないが、高性能な防具と言えるだろう。
バラバラに展開し、裏返して相手に着せることでシルバースキン・リバースとなり、拘束服の効果を持つようになる。


【小型ボウガン@現実】
藤木茂に支給。子供でも使いやすいサイズのボウガン。
殺傷力は低いが、矢には即効性の痺れ薬が塗られていて、相手の行動力を低下させる。
ただし、痺れ薬は本当に痺れる程度。動けなくなるわけではない。効果は30分ほどで切れる。


178:壊れるほどに愛しても 投下順に読む 190:タナトスと魔女
時系列順に読む
START 藤木茂 019:進め卑怯者
START 奈良シカマル 016:臨時放送の意図を考察せよ
START 的場梨沙

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