コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

注意一秒死は一瞬

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だれでも歓迎! 編集
海馬コーポレーションに陣取ってからはや一時間。
その内人が集まり、舞踏会(ブラッディ・パーティ―)が始まると思ったものの。
驚くほどに、誰も乗ってこなかった。
───作戦を間違えたかしら?
大きな欠伸をしながら、厄種の少女は考えた。

「ここでのんびりしていたら、兄様に差をつけられちゃうかも」

そう言って、想定とずれ始めた計画の軌道修正を考え始める。
他の子羊達は人が集まるこの場所に近づくのを敬遠したのかもしれない。
となれば、このままここで待っていても待ちぼうけを喰うだけであり。
半面、今動けば時間差で此処に来た他の子羊達と入れ違いになるかもしれなかった。
さて、どうしようかしらと掌を顎にやって考える。
数秒後、ぽんといい考えが頭に浮かんだ。
この建物は周囲の家屋などと比べても一際背が高い。
となれば、上から探せば近くに来ている参加者が分かるのではないか?

「そうと決まれば早速探しに行きましょう。煙突を探すサンタみたいに」

妙案にくすりと笑みを浮かべて。ロビーにあるエレベーターへ駆け出す。
黒のドレスをたおやかに揺らし、踊るようにエレベーターの中へ。
押すボタンは屋上。どうせ他の参加者を探すなら、一番高い所がよい。
そのまま待つ事三分。チンと音が鳴って。
高層階のため風が強く肌寒い舞台に、グレーテルは笑みを絶やさず足を踏み入れた。

「……なんだ。安心したわ」

下界を見下ろして早々、グレーテルが抱いたのは安堵だ。
屋上に出た時から、うっすらと、近くのエリアでドンと腹に響く音が聞こえた。
その方に向けて、残っていた支給品である双眼鏡を取り出し、よぉく見てみる。
すると、そこには、火の手が上がっているのが見えた。
今もなお、星の瞬きの様に爆発と爆音が木霊している。

「素敵ね。誕生日のキャンドルみたい」

グレーテルには誕生日を祝われた日なんて遠い昔の記憶だけれど。
それでも、テレビのCMなどで見た知識としてその景色は知っていた。
揺らめく爆炎は正に誕生日のろうそくのひとゆらの様で、ほうと感嘆の溜息を漏らす。
爆炎が上がった方角を注視してみると、今のグレーテルが望む獲物が見えた。
斧剣を担いだ少女と、突撃槍を備えた少女が切り結んでいるのが見えた。
それは正しくアメリカン・コミックの世界の戦いだった。
動きを見る事すら困難、瞬きの間に十メートル以上移動し。
時折爆発と共に宙を舞っている黒い影は港にある船舶だろう。
少なくとも、現状の装備であの二人に真っ向から挑むのは分が悪い。


「でも」


超常の戦徒達の戦いを目の当たりにしても、グレーテルの表情に焦燥も絶望も無い。
むしろ、面白くなってきたという顔だ。
だって、あの二人を今はまだ殺せないだろうけれど。
円環(ネバー・ダイ)を回せる相手は、他にいるのだから。
例えば、そう。
二人の少女の争いから逃げ惑うように離れる眼鏡の少年と翼の生えた少女だとか。
それを追い詰める、眼帯の少年と褐色の少女だとか。


「こうしてはいられないわ。舞踏会(ブラッド・パーティー)に乗り遅れちゃう」


まるで、花畑に花を摘みに行く様な気軽さで、少女は殺戮を決意する。
地上に降り、眼鏡の少年も天使の少女も眼帯の少年も褐色の少女も。
いい所で乱入して殺してしまおう。そう決意してエレベーターの方へ向かおうとして。
最後に周囲に他に人影は無いか確認した所、奇妙な影を見つけた。


「まぁ、ティンカーベルかしら」




空中をみえない階段を駆け上がる様にして、此方に接近してくる一人の少女。
双眼鏡を向けて注意深く見てみるが、此方に気づく様子は無い。
何かを探して、酷く焦っているらしい。
この分だとこの海馬コーポレーションの脇を通り抜けそうだ。


「ふふっ…いけないわね。空を飛んでいるからって、周りの注意が疎かだわ」


グレーテルの脳裏に、再び名案が思い浮かぶ。
此処は高いし、風も強いから、きっと燃え移る心配はないわよね。
思いついたからにはそうしよう。そうしましょう。
迷い込んだ妖精(ティンカーベル)を七面鳥(ターキー)に。
妖精を焼いたら、どんな匂いがするのかしら!


「兄様に教えてあげなくちゃ!」


ガコン、と音を立ててディパックからあるものを取り出す。
その正体は、先ほど確認した帝具・煉獄招致ルビカンテ。
ティンカーベルの飛行する軌道の凡その目測をして。
うんしょ、うんしょと燃料ドラムを動かし、ノズルの位置を調整して待つ。
そうして準備している内に、好機はやって来た。
飛行する妖精の位置が、海馬コーポレーションの丁度斜め下の辺りにやって来る。
撃ちおろすには、絶好の位置。
距離こそ離れているものの、逆にこのビルに燃え移る心配が無くて丁度良い。
妖精が此方に気づく気配は未だない。


「だめよ。妖精さん。こんな素敵なパーティーに呼ばれて、周りが見えて無いなんて。
そんなに焦って何処へ行くのかしら?カボチャの馬車は呼んである?
貴方をあの世まで連れて行ってくださる素敵な運び屋!」


少女の不幸は、海馬コーポ―レーションの位置が港や真横のエリアと隣接していた事だ。
あと百メートルほど離れていれば、射程圏外だった。
聳え立つ海馬の塔の天辺で、厄種の少女に地の利を取られる憂き目も避けられた。
未来の道具で、親友の手がかりさえ得ていなければ。
地の利を取られていたとしても、気づけたかもしれない。
けれど、そうはならなかった。ならなかったから。このもしもはこれでお終い。
この世界は、殺すか殺されるかしかないのだから。


「───それじゃあさよなら妖精さん。私の命を増やしてね?」


彼女がそれをやることに、合理的な理由はない。
ただ、殺せそうだったから。そうしたかったから。
それだけの理由で、厄種の少女は無邪気な殺意を空征く少女へと向けて。
そして、引き金を引いた。


火炎放射砲の帝具、煉獄招致ルビカンテ。
その奥の手、岩漿錬成(マグマドライブ)
遠距離砲撃を可能とするその一撃の引き金を躊躇なく引く。
ドゥッ!と言う号砲と共に、その悪魔の火球は放たれる。
その熱を感じる距離に迫ってようやく妖精の少女が気づくものの、すでに遅い。
兎に角、焦っていたのだろう。
───悪魔の舌の様に、爆炎は妖精の少女に着弾し、その身を舐めつくした。


「まぁ……!」


そこで、驚いた声を上げるグレーテル。
少女は、ルビカンテの一撃をうけながら、ボロ炭になっていなかった。
それどころか、原形を保ったまま、港の方へと墜落していく。
これでは生死を確かめることはできない。



「う~ん…まぁいいかしら。それよりも、今度は此方を焼いてみましょう」


グレーテルをして死地になると思わしき港の方へ態々確認する気にはならない。
それよりも、さっき見かけた四人組に遊んでもらう方が有益と言うもの。
威力は確かめられたんだし、ルビカンテで砲撃するのもいいかもしれない。
そう思ってもう一度ルビカンテを指向し、あてずっぽうで引き金を引こうとしたが、もう一度マグマドライブが放たれることは無かった。
どうやら奥の手は本当に奥の手であるらしい。
かといって、普通に火炎放射してもここからでは届かない。つまり、直接出向くしかない。


「そうと決まれば、早く行かないとね」


向かう場所にいるのは四人だが、様子を推察するに猟犬と子羊の二対二の状況。
なら頃合いを見て乱入すれば漁夫の利を狙える見込みは十分ある。
だけれど、急がなければならない。
猟犬が子羊二匹をさっさと食べつくしてしまう前に馳せ参じる必要があった。
ごそごそとランドセルを漁って、虎の子である最後の支給品を取り出す。
紙状の回数券のようなその薬品の名を、地獄の回数券(ヘルズ・クーポン)と言った。
一舐めするだけで服用者を超人へと変える、悪魔の薬物。
それを一舐めして、瞼の淵にビキビキと黒いラインを刻み。
踊るようにスキップで屋上を駆けて、グレーテルは新たな戦場へと向かった。



【一日目/黎明/E-7 海馬コーポレーション】

【グレーテル@BLACK LAGOON】
[状態]:健康、地獄の回数券薬効発動中。
[装備]:江雪@アカメが斬る!、スパスパの実@ONE PIECE、ダンジョン・ワーム@遊戯王デュエルモンスターズ、煉獄招致ルビカンテ@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品×2、双眼鏡@現実、地獄の回数券×3@忍者と極道
ジュエリー・ボニーに子供にされた海兵の首輪
[思考・状況]基本方針:皆殺し
1:兄様と合流したい
2:手に入った能力でイロイロと愉しみたい。先ずは双眼鏡で見つけた四人から。
3;殺人競走(レース)に優勝する。港で戦っていた二人は後回しね。
4:差し当たっては次の放送までに5人殺しておく。あの妖精さんは生きてるかしら?
5:殺した証拠(トロフィー)として首輪を集めておく
6:適当な子を捕まえて遊びたい
[備考]
※海兵で遊びまくったので血塗れです。
※スパスパの実を食べました。
※ルビカンテの奥の手は二時間使用できません。





イリヤ。イリヤ。イリヤ。
頭の中に浮かぶのはその言葉だけ。
もう、一緒にいることはできないのは分かってる。
もう少し、知るのが早ければと思っても、それはもうありえない仮定でしかない。
でも、それでも会いたかった。
例え一緒にいられなくても。彼女が生身でここにいるなら。
生き残って欲しい、と。ただそれだけを伝えたかった。


「ルビー…何処か分かる!?見つけた?」


タイムテレビで見る事ができたのはおおよそいるエリアのみ。
正確な位置までは割り出せなかった。
近くまで来たら、後は目視で探すしかない。
だが、件の探している二人は見つからなかった。
もしかすると、エリアの端…境界線付近にいるのかもしれない。
そう思って、E-8と移動した場合を考えてE-7もカバーできる位置の上空から探してみる。
すると、クロたちを見つけるよりも早く。
D-8の、港の方で…爆発音が響いた。
自然、其方に視線が吸い寄せられる。
すると……そこに、彼女はいた。
煌々と煌めく炎を背にしていたからか、彼女の姿は一枚の絵画の様だった。



世界から音が消える。
呼吸が止まる。
喉から、掠れた声が、一言漏れた。


「イリ、ヤ………!!」


カレイドライナーとして強化された視力が。
戦塵の中に立つイリヤの姿を捕らえた。
間違いない。あの背丈。あの新雪のような白髪。あの紅い瞳。


「良かった……無事で………!!!」


涙が零れそうだった。
ずっと会いたかった。殺し合いに優勝しなければ会えないと思っていた。
その彼女が、生身の姿でいる。
もう眼鏡の少年も天使の少女もどうでも良かった。
イリヤがあそこにいるならば、自分もいかなければ。
クロの事も気になるけれど、まずはイリヤの元に馳せ参じなければ。
だって、彼女はきっと戦っている。
彼女の前に、突撃槍を構えた少女が立っているのも見えた。
イリヤの事だ、きっとあの敵から眼鏡の少年たちを逃がしたのだろう。
もう一緒にいる事はできないけれど。それでも、イリヤが襲われているのなら。
助けない選択肢は、私には存在しなかった。
両足に力を籠めて、周囲に目もくれず突き進もうとする。


「待ってて…イリヤ」



そう、呟いた瞬間事だった。



『───美遊さん!危ない!!!』




───え?
突然、周囲が明るくなって。
横の方向を振り向いたら、真っ赤な轟火球が、私に迫っていた。
その時私は、私の失策を悟った。
イリヤ達に気を取られ過ぎて、周囲への警戒が疎かになりすぎた。
咄嗟に物理保護を全開にするが。できたことはそれだけで。
凄まじい熱と衝撃が、私の身体を包み、吹き飛ばした。






───マスター達は…大丈夫でしょうか。
契約の指輪を十秒ごとに確認して。
祈るような気持ちで、雪華綺晶は港近くにある民家に身を潜めていた。
苦しい戦闘を続けるマスターの支援のため、こうしてここに残って。
契約の指輪から契約者の精神が狂気に沈むことを阻止しているのだ。
マスターは強い。肉体も、魂も。
だがそれでも、不安な気持ちは消えなかった。
ぎゅう、と純白の薔薇を思わせる衣服を握り締めて。


「大丈夫です……私は、マスターを信じています」


敬愛する赤薔薇の姉と同じ瞳をしたあの方なら。
きっと無事に戻って来る。それまで待つことが使命。
そう雪華綺晶が自分に言い聞かせていた時だった。


「………?」


空から此方に向けて、何かが降って来る。
流れ星というには色が奇妙だった。桃色の流れ星など聞いた事も無い。
よくよく注目してみると、それは流星などではなく、人だった。
ぐんぐんと此方に近づき、そして落下してきている。


「い、いけない!」


慌てて民家の外に飛び出して。
このタイミングで媒介(ミーディアム)の力を吸い取らない様、最小限に。
茨を伸ばして、白い薔薇の花弁を集めて受け止める。
数十メートルは離れていたが、何とか茨の先端部分が引っかかかり、キャッチに成功。
白い薔薇の花弁で受け止めたのは、少女の様だった。
それも、全身の至る所に火傷を負い、意識が無い様子の。
呼吸を確認してみる。命に別状はないが、軽傷という訳でもなかった。


『っく!こうなっては仕方ありません!美遊さんはこのルビーちゃんが守ります!!
さぁどっからでもかかってきなさーーーーい!!!』


そんな少女を守る様に、少女の前方に何かが飛び出してくる。
雪華綺晶にはその飛び出してきたモノに見覚えがあった。
だってそれは、今のマスターが握っていたソレに酷似していたから。


「…もしかして、ルビー様でしょうか……?」

『へ?な、何故に貴方がルビーちゃんの事を?あ!も、もしかして──!』


顔が無いので表情は伺えないものの。
リアクションで合点が行った様子を見せるルビーに、雪華綺晶はこくりと頷いた。
そして胸に手を当てて、名乗りを上げる。


「はい…私は、マスターと…イリヤさんと契約した。雪華綺晶と言います。
貴方の妹も…サファイア様の事も、知っています」





【一日目/黎明/D-8 港外】

【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:ダメージ(中)、全身に火傷(治癒中)、気絶、深い悲しみ、覚悟。人を殺めた動揺、イリヤが人形から元に戻った状態でいるかも知れないという可能性に対する動揺
[装備]:カレイドステッキ・ルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、タイムテレビ@ドラえもん、クラスカード(不明)Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:イリヤを元に戻すため、殺し合いに優勝する。
0:……今更、引き返せない。
1:ルビーと力を合わせて殺し合いに勝ち残る。
2:イリヤを守る。イリヤに会いに行く。
3:クロとも確認したいことがある、もしかしたら協力してくれる?
4:眼帯の少年は何者? クロは彼と手を組んでいる?
5:…………イリヤ、私は、もう。
[備考]
※ドライ!!にて人形にされたイリヤを目撃した直後からの参戦です。
※カレイドステッキ・ルビーはイリヤが人形にされたことを知りません。

【雪華綺晶@ローゼンメイデン】
[状態]:健康、イリヤと契約。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:真紅お姉様の意志を継ぎ。殺し合いに反抗する。
1:殺し合いに反抗する。
2:イリヤを守る。
3:この方々は、マスターのご友人の…?
3:彼(乃亜)は、皆人と同じ……?
[備考]
※YJ版原作最終話にて、目覚める直前から参戦です。
※イリヤと媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※Nのフィールドへの立ち入りは制限されています。
※真紅のボディを使用しており、既にアストラル体でないため、原作よりもパワーダウンしています。
※乃亜の正体が鳥海皆人のように、誰かに産み落とされた幻像であるかもしれないと予想しています。
※この会場は乃亜の精神世界であると考察しています。
のび太、ニンフ、イリヤとの情報交換で、【そらのおとしもの、Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ローゼンメイデン、ドラえもん】
の世界観について大まかな情報を共有しました


038:バケモンにはバケモンをぶつけるのよ 投下順に読む 040:不安の種
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037:選択 美遊・エーデルフェルト 056:BATTLE ROYALE 命尽き果てるまで戦い続ける者たち
032:レース開始ィィィ グレーテル
036:かけ違えた世界で 雪華綺晶

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