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選択

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人生とは選択肢の連続だ。
望む望まぬを問わず、生きていく中で選択を迫られる事がある。

美遊・エーデルフェルトもまた、選択した。
殺し合いに乗り、人形に変えられてしまったイリヤを救う、その選択を。
だが、それはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが人形のまま、という前提であり。
もし、その前提を覆すであろう真実を知った時、彼女は次に何を選択するのか。

人生とは選択肢の連続だ。
誰も望まなくとも、選択の時は訪れる。




☆ ☆ ☆


我武者羅に飛んで逃げた記憶しかない。
憧れと羨望の視線が、恐怖と嫌悪に変わっていく瞬間を忘れられない。
あの少年の言葉が耳にこびり付いたまま。

人を殺すというのは、こんな感覚なのだろう。
他人の夢を壊して、御題目(ともだち)のために関係のない命を奪って。
私は、その重さを始めて理解した。
分かっていたはずなのに、今でも手が震えて止まらない。

脳裏に覚えているイリヤの顔が赤く染まっているように錯覚する。
鏡が無くとも分かる。今の私は、恐ろしく酷くて、悲しそうな顔をしている。
消えない。汚れた手にへばり付いている血が消える気がしない。
これからも、私の心の染みとして残り続けるのかも。

誰かを殺すということが何なのか、その重みを、改めて私は理解した。
解りたくなんてなかった。こんなことなら、私は。

――――

ホテルの個室の一室に、私はいる。
移動で消費した魔力の回復。そして最後の支給品の使用が現状の目的。
ルビーは心配しているけれど、大した疲労でもないから大丈夫。
……大丈夫だと、思う。鏡を見たら恐ろしく汗が流れたけど。

「……魔術関係なく広範囲の情報をリアルタイム確認できるなんて、未来の道具とやらは便利ですね~!」

タイムテレビ。未来のひみつ道具。というものらしい。
それは様々な場所の過去や未来の情報を映像として見れるもの。
ただ、この殺し合いでは未来の情報の閲覧は禁止されて、有効範囲も狭べられている。
出来ることは、所有者がいるエリア含めた周囲9エリアの内一つの、現在の状況の確認ぐらい。
それでも一度使用したら5時間のインターバルが必要で、便利とまではいかない。
『これがあればイリヤさんの初変身のシーンを何度でも~』とかルビーが言い出したけど、私だって実は見たいとちょっとは思ったけど今はそんな事してる余裕なんて無い。

スイッチを押して、電源を付ける。
映し出されたのはE-8。D-8にある港らしき光景が遠目で見える海岸沿いのエリア。
映っていたのは男女のペアが二つずつ。

天使のような幼い少女、怪我をしているであろう眼鏡の少年。
そして眼帯を付けてナイフを構えた少年、そしてその隣りにいるのは――

「え、ええ!? クロエさんも巻き込まれていたんですか?」
「……クロ。あなたも……。」

クロエ・フォン・アインツベルン。
元来ならイリヤの小聖杯としての機能と人格であり、数多の奇跡から積み重なって生まれ落ちた、あの娘の『お姉さん』。
まさか、彼女も巻き込まれていただなんて。

状況を見るに、クロの方は眼帯の少年の方と手を組んでいるらしい。
眼鏡の少年に対する少女の対応を見るに、彼女は眼鏡の少年の方を組んでいるようだ。
クロの目的がわからないけど、多分私と同じでイリヤの事を救うため?
でも、まだクロがイリヤが人形になった事を知らない可能性だってある。
眼帯の少年の方は見るからに分かりやすい殺意を二人に向けていた。

分けるなら、少女と眼鏡の少年は『対主催』。
眼帯の少年とクロは……おそらく『マーダー』。
あの様子なら、クロは大丈夫そうだと、そう思って画面を切ろうとして。
眼帯の少年が次に発言した言葉に、思わず目を疑った。




――『イリヤから、話は聞いてるだろ?』
『お前に付けられたその傷は、俺が死ぬまで治らない。』






「美遊さん、これって……!?」
「……う、そ」

『イリヤから、話は聞いてるだろ?』と言う、言葉一つ。
確証なんて無い、だけどはっきりと。
この少年はイリヤと戦った事がある、という事。
そして、少女と眼鏡の少年が、今のイリヤの仲間である、という憶測が浮かび上がる。
その上で、この殺し合いに、イリヤまで巻き込まれてしまった、という。

「……そんな、ことって。」

身体が、震える。喜びと同時に、動揺も。
イリヤが無事だった可能性があるのは嬉しいけれど、私やクロと同じように巻き込まれていたなんて。
もしかして、人形のまま呼び出されて、あの眼鏡の少年が所持している? それなら支給品として何かの手違いで支給されている可能性も無くはない。だとしたらなんでクロが眼帯の方と組んでいる?
余りにも情報が足りない、イリヤがいるという不確定な可能性のせいでどうすればいいのか。

「どうするんですか美遊さん。これどう見てもクロエさん殺し合いに乗ってる感じの雰囲気してますよ。」
「あの眼帯の少年が良い方からして、あの二人は現状のイリヤの同行者の可能性が高い。……だけど、ルビーの言う通り多分クロは殺し合いに乗ってる。」

そう、そこが問題だ。イリヤの人柄を考えれば眼鏡の少年と天使の少女の仲間という説は濃厚。
イリヤが殺し合いに乗るわけがないから、間違いなくあの眼帯の少年はイリヤとは敵対関係となる。
クロが殺し合いに乗っている理由がわからないけれど、恐らく私と同じでイリヤに関わることであるなら俄然納得は行く。

「――――確かめないと。」

こうしちゃいられない。確証のない憶測が今流れた事実のせいで雁字搦めになっている。
イリヤがあの場にいないの理由を確かめる術がない以上は、直接聞き出すしか無い。
聞き出せればそれでいい。それさえ聞ければ最悪、眼鏡の少年と天使の少女の安否はどうでもいい。
クロにも事情を聞かないと、もしかしたらイリヤを助けるという共通事項で協力できるかも知れないから。
……でも、でももし。本当に、イリヤが本当にいて、会う事になってしまったら。

「行くんですね。」
「……うん。」

だとしても、最初から分かっている。
もう既に戻れない、戻ることは出来ない。
私は、選択したのだから。私は多数よりも、たった一人の友だちを選んだ。
友達の命は、どんな世界よりも、私にとっては重いものだから。
二度と手放したくない、始めての友達を。
私なんかと違って、純粋で、ありきたりなハッピーエンドを望むあの娘を。
私はもう、あの娘の日常には二度と戻れない。

もしも、本当にイリヤがいるというのなら。
人形じゃなく、無事に生身のイリヤがいたというのなら、私は―――

「じゃあ、行こう。」

決めれば一直線、窓から飛び降りて足場を作り跳ぶ。
向かうは戦場、エリアE-8。
確かめないといけない、あの眼鏡の少年と天使の少女がイリヤと何の関係があるのか。
確かめないといけない、クロが殺し合いに乗った理由を。
確かめないといけない、クロがあの眼帯の少年と組んだ理由を。


私は選択する。たった一つの為に。
それが、例えあの娘の友達であろうと、家族であろうとも。


《狂い哭け、聖杯の稚児よ》

《死で物語を彩って》

《この■に未知を見せてくれ》


【一日目/黎明/G-7】

【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康、深い悲しみ、覚悟。人を殺めた動揺、イリヤが人形から元に戻った状態でいるかも知れないという可能性に対する動揺
[装備]:カレイドステッキ・ルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、タイムテレビ@ドラえもん、クラスカード(不明)Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:イリヤを元に戻すため、殺し合いに優勝する。
0:……今更、引き返せない。
1:ルビーと力を合わせて殺し合いに勝ち残る。
2:確かめたい事の為に、E-8に向かう。
3:眼鏡の少年と天使の少女からイリヤの事を確認する。その後の生死はどっちでも良い。
4:クロとも確認したいことがある、もしかしたら協力してくれる?
5:眼帯の少年は何者? クロは彼と手を組んでいる?
6:…………イリヤ、私は、もう。
[備考]
※ドライ!!にて人形にされたイリヤを目撃した直後からの参戦です。
※カレイドステッキ・ルビーはイリヤが人形にされたことを知りません。


【タイムテレビ@ドラえもん】
美遊・エーデルフェルトに支給。過去や未来の、どんな場所でも見ることが出来るテレビ。
ただしこの殺し合いにおいては未来の情報の視聴は不可、確認できる情報は使用者がいるエリアとその周囲8マスのエリアから一エリアのみ。
後は一度使用した場合次に使用するまでに5時間のインターバルを必要とする

036:かけ違えた世界で 投下順に読む 038:バケモンにはバケモンをぶつけるのよ
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001:壊れた幻想 美遊・エーデルフェルト 039:注意一秒死は一瞬

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