「そこまでだ、リゼ。少し休憩をしよう」
――私が熱心に特訓してると橘さんから休憩の宣告を受けた。
戦士に休息はつきものだ。ただひたすらに特訓するより、たまには休むのも悪くないかもな。
私はバッティングマシンのスイッチを切ると、変身を解除して今回の特訓でかいた汗を拭った。
戦士に休息はつきものだ。ただひたすらに特訓するより、たまには休むのも悪くないかもな。
私はバッティングマシンのスイッチを切ると、変身を解除して今回の特訓でかいた汗を拭った。
「リゼ、君の成長には目を見張るものがある。特に途中から盾を利用してボールを受け止めることを自主的に判断したことは大きな進歩だ」
「せっかく盾があるんだから、使わないともったないと思っただけさ。何もすごいことじゃないだろ?」
まあ――ほんとは橘さんに褒められて少し嬉しい。でも私は当然のことをしたまでだ。
盾があるっていうことは、それを有効活用しないともったいない。だから私は途中から盾でボールを受け止めて、槍で刺す訓練に切り替えた。
盾があるっていうことは、それを有効活用しないともったいない。だから私は途中から盾でボールを受け止めて、槍で刺す訓練に切り替えた。
最初は槍が上手く当たらなかったり、かすったりしたけど……ようやく多少は当たるようになってきたところだ。
射撃ならもうちょっと上手く出来るんだろうけど、どうにも槍はなかなか慣れない。
でもコツは掴めてきたから、後はボールの動きをしっかり見て、盾に直撃して跳ね返ったボールを精密に打ち抜けるようになるだけだ!
せっかくだから、出来れば数字のど真ん中を貫けるようになりたいな……。
射撃ならもうちょっと上手く出来るんだろうけど、どうにも槍はなかなか慣れない。
でもコツは掴めてきたから、後はボールの動きをしっかり見て、盾に直撃して跳ね返ったボールを精密に打ち抜けるようになるだけだ!
せっかくだから、出来れば数字のど真ん中を貫けるようになりたいな……。
「いや。戦闘に慣れてない一般人としては十分にすごいことだ」
「そんなに褒められると、何か照れるな……」
「そんなに褒められると、何か照れるな……」
仮面ライダーとして戦ってきた橘さんにここまでべた褒めされると、ちょっと恥ずかしい。
……で、でもそれで慢心する私じゃないぞっ!私にはみんなを守る使命があるからな!!
そのためにはもっと強くならなくちゃならない。これくらいで満足しちゃダメだ!
……それにしてもみんなを守るっていう意味では槍以外に盾まで付いてるのはありがたいかもしれない。というより、みんなを守るって決意したから変身で盾まで出てきたのか?
よくわからないけど、守ることを第一目標にしてる私にとって盾はピッタリだ。これでマヤみたいな犠牲は防げる。
ココアも、チノも、メグも。みんな私が守るんだ!
……で、でもそれで慢心する私じゃないぞっ!私にはみんなを守る使命があるからな!!
そのためにはもっと強くならなくちゃならない。これくらいで満足しちゃダメだ!
……それにしてもみんなを守るっていう意味では槍以外に盾まで付いてるのはありがたいかもしれない。というより、みんなを守るって決意したから変身で盾まで出てきたのか?
よくわからないけど、守ることを第一目標にしてる私にとって盾はピッタリだ。これでマヤみたいな犠牲は防げる。
ココアも、チノも、メグも。みんな私が守るんだ!
(……そういえばシャロや千夜は居ないんだな)
不謹慎なことだけど、私たちが居てあの二人が居ないことに少しだけ違和感がある。もしかして私が名前を見落としてるのか?
そう思って名簿をじっくり見たけど、やっぱり二人の名前はなかった。
ラビットハウスとチマメ隊だけが巻き込まれたというわけか……。
ラビットハウスとチマメ隊だけが巻き込まれたというわけか……。
「……ん?」
「どうした?リゼ」
「どうした?リゼ」
「いや……私の友達の『ココア』が二人も名簿に載ってる気がして……。見間違いじゃないよな……?」
「……ああ。そこについては俺も気になっていたところだ」
「……ああ。そこについては俺も気になっていたところだ」
どうやら本当に見間違いじゃなかったみたいで、橘さんも困惑気味の表情だ。
保登心愛。私にとって大切な友達だ。
でもココアは二人もいない。この世に私が知ってるココアはただ一人のはずだ。
保登心愛。私にとって大切な友達だ。
でもココアは二人もいない。この世に私が知ってるココアはただ一人のはずだ。
「とりあえず飲み物でも飲んで、落ち着こう。ちょうど自販機があったから買ってきた」
橘さん……その、なんていうか。
飲み物を渡してくれるのは嬉しいけど……。
飲み物を渡してくれるのは嬉しいけど……。
「金は気にするな。ここの自販機は無料らしい」
「いや……お金がどうこうというよりさ。どうしてこのタイミングでココアなんだ!?」
「いや……お金がどうこうというよりさ。どうしてこのタイミングでココアなんだ!?」
橘さんが私に渡してくれたのは、森永のホットココアだった。
ココアの話をしてる時にココアを渡してくるって……狙ってるのか!?
いや、でも買ったのはココアの話が出る前か……。
それにしても……橘さんもココアの名前が2つあって悩んでたんだよな?もしかして橘さん、天然なのか?
ココアの話をしてる時にココアを渡してくるって……狙ってるのか!?
いや、でも買ったのはココアの話が出る前か……。
それにしても……橘さんもココアの名前が2つあって悩んでたんだよな?もしかして橘さん、天然なのか?
「ホットココアには心を落ち着かせる効果がある。特訓に夢中になるのも良いことだが、君は少し落ち着いた方がいい」
……あ、これ天然だな。
まあせっかくの心遣いにとやかく言うほど、私は野暮な女じゃないつもりだ。
まあせっかくの心遣いにとやかく言うほど、私は野暮な女じゃないつもりだ。
「そうだな。ありがとう、橘さん」
橘さんから受け取ったホットココアを開けて、ひとくち飲む。
暖かいな……。誰かさんを思い出す風味だ。
暖かいな……。誰かさんを思い出す風味だ。
ココアは本当に明るくて暖かいヤツで……あいつが来てから、チノとの距離もどんどん縮まったんだっけ。
本当に愉快なヤツで、一緒に居るだけでこっちまで楽しくなってきて。
……こうして思い出してると、ちょっと懐かしく思えてくるな。
本当に愉快なヤツで、一緒に居るだけでこっちまで楽しくなってきて。
……こうして思い出してると、ちょっと懐かしく思えてくるな。
まあただココアはチノと同じくらい放っておけないヤツだから……この殺し合いでもかなり心配だ。
色々と愉快で呑気な面もあるから、ある意味チノより心配かもな。ちゃんと危機感を持ってくれてるといいんだけど……。
色々と愉快で呑気な面もあるから、ある意味チノより心配かもな。ちゃんと危機感を持ってくれてるといいんだけど……。
その点、チノは危機感を持って行動してそうだから安心だな。
ただ……これはメグもだけど、マヤのあんな姿を見て落ち込んでるだろうから早く私かココアが励ましてやらないとな。そういう意味ではココアと同じくらいチノやメグも心配だ。
ただ……これはメグもだけど、マヤのあんな姿を見て落ち込んでるだろうから早く私かココアが励ましてやらないとな。そういう意味ではココアと同じくらいチノやメグも心配だ。
それにしても――私やチノやメグと違って、どうしてココアだけが二つも名前があるんだ?
他にも気になる点はある。
野獣先輩やらMNRやらマサツグ様やら……やたらと変な名前が多い事だ。コードネームか何かか?
MNRはともかく、野獣先輩や肉体派おじゃる丸はふざけすぎだろっ!
野獣先輩やらMNRやらマサツグ様やら……やたらと変な名前が多い事だ。コードネームか何かか?
MNRはともかく、野獣先輩や肉体派おじゃる丸はふざけすぎだろっ!
キリトみたいに苗字がないやつもいる。この違いはなんなんだろう。
「橘さん。この名簿、謎だらけだな」
「ああ。実在するか怪しい人物の名前や同姓同名の人物……色々と謎が多い名簿だ」
「ああ。実在するか怪しい人物の名前や同姓同名の人物……色々と謎が多い名簿だ」
やっぱり橘さんもそう思ってたのか。
まあこんなにも変な名前が多ければ当たり前なのか?
まあこんなにも変な名前が多ければ当たり前なのか?
それにしても――やっぱり二人も居るココアが気になるな
同姓同名の別人の可能性もあるけど……変身といい、世界の違いといい、この殺し合いはなんでもアリだから両方ココアの可能性もある。
同姓同名の別人の可能性もあるけど……変身といい、世界の違いといい、この殺し合いはなんでもアリだから両方ココアの可能性もある。
(うーん……)
仮にどっちも私が知ってるココアだとする。
もしそうなら、意外と色々大丈夫なんじゃないか?
ココアとココアが出会っても大した事件は起こらないかもしれないし……それこそもしかしたら、パン作りのパーティーでも始めるんじゃないか?
パンパカパンのパンのパーティー、なんて――いや流石にそれはないか。
もしそうなら、意外と色々大丈夫なんじゃないか?
ココアとココアが出会っても大した事件は起こらないかもしれないし……それこそもしかしたら、パン作りのパーティーでも始めるんじゃないか?
パンパカパンのパンのパーティー、なんて――いや流石にそれはないか。
でもココアが二人居ても、どっちかが悪さをするとか、片方の存在を消そうとするとかは考えられないんだよな。
だってほら……ココアはココアだし。あいつが悪さをするわけがないじゃないか。二人いるから片方を消すなんて以ての外で、ココアならきっと楽しくやってるさ。
……と思いたいところだけど、これは殺し合いだ。
万が一のことも考えて、どっちかのココアに会ったら色々と聞きたいな。まあ流石に片方を消すとか言わないだろうけどさ……もしかしたら何か悩んでるかもしれないし。
万が一のことも考えて、どっちかのココアに会ったら色々と聞きたいな。まあ流石に片方を消すとか言わないだろうけどさ……もしかしたら何か悩んでるかもしれないし。
あいつはいつも私たちを笑顔にしてくれるけど、それでも何も悩まないわけじゃない。
ココアにだって悩みはあるさ。だからそれを受け止めてやるのも、今回の私の役割だ。
ココアにだって悩みはあるさ。だからそれを受け止めてやるのも、今回の私の役割だ。
「ココアが二人いるのは不気味かもしれないけど――ココアならきっと大丈夫だ」
「君はそのココアという子をそれだけ信じてるのか」
「そうだなー……。信じてるっていうのもあるし、ココアは二人居て悩むことはあっても、悪さはしないはずだ」
「どういうことだ?何か理由でもあるのか?」
「君はそのココアという子をそれだけ信じてるのか」
「そうだなー……。信じてるっていうのもあるし、ココアは二人居て悩むことはあっても、悪さはしないはずだ」
「どういうことだ?何か理由でもあるのか?」
理由だって?
そんなものは決まってる。
そんなものは決まってる。
「ココアは私たちを――みんなを笑顔にしてくれるヤツだから、かな」
橘さんは私の回答に一瞬だけ面を食らって――その後、すぐに微笑んだ。
「なるほどな。信じられる友が居るのは良いことだ」
そう語る橘さんの顔は、どこか寂しそうで……。
「俺はもう大切な友と会うことは出来ないが――リゼの話を聞いて、改めて君やその友達を守りたいと思った」
そっか……。
橘さんはもう、大切な人と会えないんだよな……。
橘さんはもう、大切な人と会えないんだよな……。
「俺は組織も愛する者も信じられる仲間も失った――が、君の信じる友達のために全力でサポートしよう」
橘さんはココアを飲み干して立ち上がる。
それにつられて、私も一気にココアを飲み干した。……ほんとに誰かさんを思い出すくらい暖かくて、優しい味だ。
それにつられて、私も一気にココアを飲み干した。……ほんとに誰かさんを思い出すくらい暖かくて、優しい味だ。
「行くぞ、リゼ。訓練の続きだ!」
「了解だ!待ってろよ、ココア。私は必ず強くなるからなっ!」
「了解だ!待ってろよ、ココア。私は必ず強くなるからなっ!」
今の私じゃきっとみんなを守れない。
だからもっと強くなって、みんなを守るんだ。
だからもっと強くなって、みんなを守るんだ。
この飲み干したホットココアに誓って、私は特訓を再開した。
まあでもやっぱり――このホットココアも美味しいけど、ココアやチノが淹れてくれるココアの方が美味しいかな。
【F-2(バッティングセンター内)/一日目/深夜】
【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康
[装備]:リゼ専用スピアー@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:橘さんと一緒に黒幕を倒してみんなを助ける!
1:橘さんに特訓してもらって、みんなを守れる仮面ライダーになる。まずは基礎訓練だ!
2:ココアとチノとメグは私が守るんだ!
3:マヤを殺した金髪の男は間違いなく危険人物だ。いつか私が倒してマヤの仇を取ってやる
4:二人いるココアについては両方を信じる!
[備考]
※「ナイト」の戦い方を理解し始めました
【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康
[装備]:リゼ専用スピアー@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:橘さんと一緒に黒幕を倒してみんなを助ける!
1:橘さんに特訓してもらって、みんなを守れる仮面ライダーになる。まずは基礎訓練だ!
2:ココアとチノとメグは私が守るんだ!
3:マヤを殺した金髪の男は間違いなく危険人物だ。いつか私が倒してマヤの仇を取ってやる
4:二人いるココアについては両方を信じる!
[備考]
※「ナイト」の戦い方を理解し始めました
【橘朔也@仮面ライダー剣】
[状態]:健康
[装備]:ギャレンバックル@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:剣崎の分まで人々を助ける。ゲームマスターも倒す
1:リゼやその友達は必ず俺が守る
2:リゼに戦い方を教える。
3:決闘者の意味すら知らない参加者まで集められてるのは、どういうことだ?
4:葛葉紘汰......。君の名前は忘れない
[備考]
最終回後からの参戦
[状態]:健康
[装備]:ギャレンバックル@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:剣崎の分まで人々を助ける。ゲームマスターも倒す
1:リゼやその友達は必ず俺が守る
2:リゼに戦い方を教える。
3:決闘者の意味すら知らない参加者まで集められてるのは、どういうことだ?
4:葛葉紘汰......。君の名前は忘れない
[備考]
最終回後からの参戦
030:なんで?なんで?ふたりいる? | 投下順 | 032:疑惑のシステム |
時系列順 | 036:僕が僕であるために | |
009:力を持った意味を求めて、戦う為の理由を探した | 天々座理世 | 033:Questionな性別 |
橘朔也 |