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  • 決闘バトルロイヤル @ ウィキ
  • 集いし願い 未界域のヴェアヴォルフ

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

集いし願い 未界域のヴェアヴォルフ

最終更新:2025年07月08日 21:42

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 バトルロワイアルと言う名の決闘が始まり早数時間。
 多かれ少なかれ参加者は別の参加者との交戦をすることも増え始めた。
 例えば神に蹂躙される者達、例えば戦士と共に並ぶことを決意した少女達、
 例えば同じ願いを抱く者同士による譲れない戦い、例えば運営の刺客からの敗走。
 様々な戦いが行われる中、それらとは埒外な戦いに明け暮れる者達もいる。

「遊星、今そっちへ送る。」

 仮面ライダーウィザードへと変身した達也は、
 赤い機械の戦士を遊星が立つ方角へと蹴り飛ばす。
 倒れたところへホカクカードを翳せば、難なくカード化に成功する。

「これで四十枚、デッキは組めるようにはなったな。」

「いや、デュエルの説明で出たダーク・ダイブ・ボンバーのように、
 通常のデッキとは別の、エクストラデッキ入れる必要があるカードも混ざっている。
 さっきカードにしたこのカードもシンクロモンスターで、厳密にはまだ足りない。」

 変身を解除して軽く一息つく達也。
 あれからナイトサイファーで移動を続けては、
 途中で見かけたモンスターを見つけてカードにし続けると言う、
 殺し合いとは別のゲームをしているかのような作業を二人はしていた。
 これには理由があって、少なくとも二人にとっての殺し合いの基準が高い故に。
 仮面ライダーや槍の男(ポセイドン)と、映像の戦いが基準になるのは当然の帰結。
 遊星はいかに生身で戦えても、仮面ライダーのような超人的な戦いをするには、
 デュエルモンスターズの力を借りなければ流石にどうすることもできない。
 それではジャックや牛尾、遊戯達を探す前に力尽きてしまう可能性は高く、
 達也の足を引っ張ることにも繋がるのでこうなるのは仕方ないことだ。
 足を引っ張らない為、今はカードを集めることに時間をかけている。

「となると基本のデッキは三十七枚か。
 デッキはルールを見るに四十枚が前提ではあるようだが、
 此処ではデッキ枚数が多少足りなかったとしても問題はないらしいな。」

 遊星もカードを集めるためにカードを用いて戦ってみたが、
 そのうち何枚かは遊星も知っているカードが存在していた。
 リアルファイトとデュエルモンスターズの効果や攻撃力が、
 どのような形で発揮するかを十全に理解することはできずとも、
 戦う分には問題がない様子だった。

「さっきのモンスターは頑丈だったが、
 カードの性能がそれに見合うといいがどうだ?」

 仮面ライダーウィザードの変身の一式があって助かったと達也は思う。
 本来使えていた魔法が制限された都合、純粋な体術だけが頼みの綱だ。
 いくら武術も優れてると言えども魔法がないのでは人間の範疇は越えられない。
 殴り続ければ皮膚は裂けるし、蹴り続ければ足を痛めることだってありうる。
 このような形で制限をかけて、それでいて戦う手段を用意する檀黎斗は何がしたいのか。
 疑問は尽きないものの、今はこの指輪の魔法使いの力に頼るのが一番の解決の道だ。

「俺達が集めたカードの中だと、頼みの綱の一枚かもしれない。」

 カード採集とゲームのようではあるものの、
 遊星も知らない優秀なカードも何枚か見受けられた。
 場合によっては自分のデッキに組み込みたいと思える代物もある。
 今カードにしたそれも、どこか親近感を感じずにはいられないカードだ。

「とはいえ、これだけあれば問題ないはずだ。」

 十枚や二十枚であれば戦闘中に尽きる恐れもある。
 ライブラリアウト、即ちデッキ切れはデュエルの敗北。
 それがどのような結果を齎すかは判断がつかないので、
 ある程度枚数に余裕を持っておくことが重要でもあった。

「時間はかかったが動くべきだ。
 それで、何処へ向かうか達也の意見を聞きたい。」

「デッキの捜索だが、大まかなエリアは絞ってある。」

「分かるのか?」

「映像で判断できる部分からの推測程度になる。」

 ポセイドンと麻耶の戦いは少なくとも緑がそれなりにある場所だ。
 北西の雪原、南の荒野と砂漠、当然海だけの場所も除外される。
 遊星のC-4からの移動ルートも合わせそれなりに減るものの、
 それでもこの舞台は緑が島の大半を占めている形であり、該当する場所は多い。
 加えてエリア全域を走ったわけでもないので見落としてる可能性だってある。
 いっそ誰かに拾ってもらった方が早い気すらしてくる気の遠くなる目的だ。
 誰かに回収されたものを延々と探し続ける、無駄な可能性もあることだから。

「完全な特定は不可能な以上、他の参加者との接触、
 これらを踏まえた上での移動エリアを決めることにしたい。
 遊星達の仲間である蛇王院と明石がC-4の辺りと考えると、
 俺達が集合までに捜索する範囲は、今の位置通りEの辺りを重点的しよう。
 海や川と言った場所があれば逃げ道が制限される以上、一般人は余り選ばない筈だ。
 そのことを考えると逃げ道が多いD-3からD-6、E-3からE-6へ向かうだろう。」

 参加者が誰かに保護されている形であったとしても、
 一般人を戦場から避難させる場合を考えると選択肢が多い場所は人が集まるはず。
 特にE-4、E-5、E-6と施設と思しき場所も多いので休む目的なら十分ありうる。
 人との接触がデッキの捜索に繋がる。勿論、敵も狙う可能性も高く敵の排除としても有効だ。

(達也もデュエリストなら、より頼もしいかもしれないな。)

 遊星も対戦相手の立ち回りやデッキの構成を理解した上で、
 それでいて自分のデッキのプレイングのルートを確立できるが、
 達也もまたそういう考える能力に関しては特に長けている方だ。
 恐らく、ルールとデッキの回し方を覚えれば彼でも自分のデッキは扱えるだろうと。
 死ぬつもりはないが、万が一彼にデッキを託すことになっても戦えると半ば確信していた。

「分かった。なら───」

 移動ルートは決めたものの、それをする暇はなくなった。
 ゾクリと、背筋が凍り付くような殺気が二人を襲ってきたからだ。
 精霊の眼(エレメンタル・サイト)があれば達也が先制で気づけただろうが、
 魔法が制限されてるため、イデアへとアクセスする能力も当然失われている。
 焦るような反応で遊星は振り向き、達也も冷静な面持ちで振り返る。

 デュエルモンスターズにも複数の狼男(ワーウルフ)が存在する。
 ジェネティック、漆黒の戦士、遊星も見たことがあるTG(テックジーナス)にも。
 亜種としてライカン・スロープ(狼と合成された人間)と言うモンスターもいたりする。
 ジェネティック・ワーウルフはレベル4通常モンスターで最も高い攻撃力を持つものの、
 あれと比べるのは酷な話だ。凄まじい手負いの様子ではあるはずなのに、
 一切隠さぬその闘争心は、二人が警戒するには十分すぎる存在だった。





 承太郎たち三人との戦いの場から離れるように、大尉は軽く移動を続けていた。
 あのまま病院の付近にいては追撃される可能性もあって休むことは難しい。
 なのである程度南下したものの、其方でも結局新手の参加者の存在を感知する。
 休むつもりであったので放置しようとしてはいたところではあったのだが、
 気付かれたのであれば話は別とばかりに二人の前に姿を見せ、黒手袋をはめて構える。
 不意打ちはしない。彼は人の言葉を発さないので心情については殆どが謎だ。
 最後の大隊全体の方針を見るに、ただの自殺願望と言ってしまえば済むかもしれない。
 ただ、彼の場合はそうであるとして、そこにフェアであるように戦いを始める主義だ。
 此処でもそのスタンスは変わらない。生前の戦いで相手に銀歯を渡したように、
 病院での戦いも不意打ちができただろうに、音を出して存在を示したのだから。
 変わることはない。戦いにおいてはある程度公平さを望んでいる。
 強者故の余裕か、満足して死を望む願望か。それすらも謎だ。

『ドライバーオン!』

 もっとも───変身と言った暇までも与えるほど慈悲があるわけでもないのだが。

(早い!)

 達也も遊星も、武術の構えをするように戦いに対する備えはできていた。
 張り詰めた戦場でシュールな電子音を鳴り響かせながらベルトを呼び出し、
 シャッフルされたカードの中からカードをドローすると言った独自の準備を。
 けれど、メインフェイズ1も、変身と一言を発する暇すらそこにはなかった。
 距離があったはずなのに瞬きの間に既に肉薄されており、回し蹴りが飛ぶ。
 対象は遊星。デュエルモンスターズについての知識は大尉は最初の説明だけだ。
 あれで理解できるわけもないし、当然アプリのことだって目を通すつもりはない。
 選んだ理由はさしてない。強いてあげるならばデュエリストは目新しいからか。
 しかし、そんなデュエリストの本体は彼の期待に応えられるものではない。
 咄嗟に遊星は蹴りの方向へと飛んで威力を減らすも、それでも出鱈目な一撃だ。
 吸血鬼の膂力で投げたミサイルを蹴り飛ばし、木々を生身で蹴って圧し折る。
 それだけの力を扱える文字通りの化物の一撃を、たったそれだけで軽減しきるには程遠い。
 大尉自身のダメージが甚大であるため、本来の威力からかけ離れたのは不幸中の幸いで、
 普通に受ければワンターンキル待ったなしの即死級となりうる攻撃は、
 あばらの骨を何本もバラバラに砕きながら遊星を吹き飛ばす。

『シャバドビ タッチ ヘンシン! シャバドビ タッチ ヘンシン!』

「変身。」

 焦る様子はない、と言うよりは手術の影響で出せないと言うべきか。
 仲間が重傷に陥ったとしても、冷静に達也は指輪をベルトのハンドオーサーへと翳す
 青い魔法陣が水飛沫と共に、達也の身体を頭上から通り抜け、姿を変えていく。

『ウォーター プリーズ スイスイ! スイスイ!』

 黒いロングコートに青い宝石のような仮面に、
 青と黒の色合いで構成された指輪の魔法使い、
 仮面ライダーウィザード、ウォータースタイルへと変身する。

 変身と同時に頭部へと迫る踵落とし。
 両手をクロスさせながら防ぐと、重い衝撃と鈍痛が襲い掛かる。
 変身してこれだけの重みのある攻撃を受けたのはNPCとの交戦で一度もない。
 どれだけ今相対している存在が化物であるかを実力で物語るかのようだ。
 テロリストとはわけが違う怪物を前に、意趣返しのように回し蹴りを行う。
 踵落としの反動で回転しながら回避し、後方へと着地。
 振り返りながら互いの回し蹴りがぶつかり合う。

(重い上に素早い。ドイツ軍らしい恰好に偽りはないようだ。)

 向こうが満身創痍と言えども達也が僅か程度に押し負ける。
 互いの蹴りの威力が収まると、ジャッカルの銃口が牙を剝く。
 仮面ライダーの装甲を貫けずともダメージに足りうるそれは、
 被弾させれば怯ませるには十分すぎる代物だ。
 一発は姿勢を戻しながら回避。続けざまの二発目も銃の向きを見れば回避は可能。
 首を傾けると同時に放たれた弾丸は轟音で耳元を駆け抜け、鼓膜を軽く揺らす。
 仮面ライダーと言う立場になれたとしても、一発の重さはそこいらの弾丸の比ではない。
 インフェニティスタイルならまだしもウォータースタイルでは最悪装甲を貫くだろう。
 回避と同時にデイバックから取り出した銃剣、ウィザーソードガンを構えるも、
 武器を取り出したところに三発目が叩き込まれそうになる。

「星見獣ガリスの効果発動!」

 予想外な声に大尉は追撃を中断。
 振り向けば先程骨を砕いた感触があったはずの男は、
 赤いプロテクターと盾を装備した謎のモンスターの横に立っている。
 ダメージらしいダメージは見受けられず、カードを墓地へ送れば、
 紅色と黒紫をベースとした、翼の生えた獣が眼前へと召喚される。
 続けざまに頭上からレーザーのようなものを放ち、回避を優先せざるを得なかった。

「遊星、大丈夫なのか。」

 一度距離を取り安否の確認のため遊星の傍へと着地する達也。
 モンスターと横並びしては、彼もモンスターと受け取れそうな光景だ。
 M・HERO(マスクド・ヒーロー)と言うライダーの親戚のようなのもいるので、
 違和感と言うものは余りないのかもしれない。

「ああ、このカードのお陰で命拾いした。お前にはまだ見せてなかったな。」

 遊星の隣に立つプロテクターの戦士はBK(バーニングナックラー)ベイル。
 戦闘ダメージを受けた際に手札から場に出し、ダメージを回復できるモンスター。
 受けたダメージはそのまま帳消しするように回復するので、必然的に無傷に戻っている。
 とは言え、崖に落ちたり破片が突き刺さってもなお生還した彼と言えども流石に激痛で、
 痛みによって少し身動きが取れなかったのはあって復帰は遅れたが。

 先程の星見獣ガリスはデッキの一番上をめくり、それがモンスターだったら、
 墓地へ送ってモンスターのレベルに応じたダメージを与えて場に出すカード。
 今の遊星のデッキはモンスターカードだけで構成される都合100%当てられる。
 捨てたモンスターのレベルが低かったからか、ダメージには足りえなかったか。

「手筈通り俺が先行する。支援を頼む。」

 銃撃で水の弾丸を放つことで牽制しながらの肉薄。
 いろはやシグルドの矢と比べれば見劣りするそれだが、
 今のダメージを受けすぎた状態では見劣りしていても数になれば別だ。
 なお、その状態で回し蹴り一つで威力を水鉄砲並に抑える時点でもおかしな話だが。
 バシャバシャと水が降りかかりながら、残り一発入ってるマガジンを捨て予備を装填する。
 この状況で玉切れになることは敗北に直結しかねない故に。

(何かの型にはまった武術、と言うわけではないらしい。
 しかし、だからと言って単なる力任せと言うわけでもない。
 能力の高さもあるが、実戦において身についた戦闘技術だろうか。)

 師匠となる九重八雲からも称賛される体術を持つ達也から見ても、
 最早兵器と言っても差し支えのないその身体能力は危険なものだ。
 服の汚れから相当な戦いをしてきたのが幸いとすら思えてしまう。
 でなければ、最初の一撃で遊星は即死していた可能性すらある。
 迫る達也へと弾丸のように突進しながらミドルキックが飛来。

『ディフェーンド!』

 来る寸前に右手の指輪をハンドオーサーへと翳すと、
 魔法陣が眼前に出現し、水の壁が互いの間に挟むように出現。
 水の壁である以上防御には向かないものの、水に阻まれたことで勢いは落ちた。
 サイドステップで躱し、ウィザーソードガンを剣として横薙ぎに振るう。
 斬撃が入る寸前に身体が霧散することで空を裂き、直ぐに霧から距離を取る。

(霧散霧消(ミスト・ディスパージョン)? いや、
 魔法力は感じられないのを見るに仮面ライダーのような能力の類と見ていいか。)

 物質が霧状になる、それは達也も用いる霧散霧消に類似し、
 彼の世界では殺傷性ランク『A』で、軍事機密とされる程の分解魔法。
 自分自身が凶悪性を理解しているため、類似した可能性のあるそれを警戒するのは自然なこと。
 そうでないとしても、霧状になったそれを周囲に漂わせた状態では何が起こるか予想できない。
 霧散した大尉だったものは集合し、体長三メートルはあろう霧状の狼へと姿を変える。

「───ッ!!」

 ある意味唯一と言うべきだろうか。
 言葉を全く発さない彼が発する、獣としての咆哮。
 狼と表現はしたが、霧が形どったからそうなっただけのもの。
 咆哮を轟かせながら口元を物質化させ、竜の如く空中を飛び交い達也を噛み砕かんと迫る。
 咄嗟に距離を取っていなければ、腕は持っていかれていた可能性は否めない。
 バックステップで距離を取りながら唯一物質化される口元を狙っての銃撃。
 弾丸を上回る速度で攻撃を悉く躱していき、次第に距離を詰めていく。

「シグナル・ウォリアー!!」

 牙が迫る瞬間、先程達也と遊星がカードにした赤い装甲の戦士が割って入る、
 と言うより最早自分から身代わりになるかのようにその牙の餌食に───ならない。
 その牙をもってすれば機械でも四肢を砕くなど容易にできただろうにそれは叶わず。
 人型に戻りながら蹴り飛ばして大地を転がるが、それでもなお破壊されない。

(何とか間に合ったか。)

 その光景を見て遊星は一先ず安堵の息を吐く。
 シグナル・ウォリアーは自身とフィールド魔法にシグナルカウンターを一つ乗せる効果持つ。
 フィールド魔法は存在しないので、必然的に自身にだけ乗せることができるカードなのだが、
 このシグナルカウンターが存在する限りこのカードは戦闘、効果で破壊することができない、
 つまり強靭な耐性を獲得することを目的としたものだ。

 手札に戻す、除外、墓地へ送る。
 デュエルモンスターズであれば対処する手段はいくらでもある。
 しかし、カードを用いずにそれらを殺し合いで行うと言うのは極めて困難だろう。
 大尉は確かに強いものの、格闘も銃もいずれも相手を破壊する行為へとつながるのが基本だ。
 もし、DIOの腹心であるヴァニラ・アイスのクリームのように空間を消し去るとかであれば、
 破壊ではなく除外と認識されてそう言うことも起こりうるが、大尉の基本は格闘能力。
 カードプールに乏しい遊星にとって、場持ちがいい頼みの綱とも言えるモンスターになる。
 達也が戦ってる間に召喚したシンクロモンスターは、その手間に見合うだけのモンスターだ。

(だがダメージは受けるはず。達也の援護を徹底するべきだ。)

 デュエルモンスターズのルールが基本的に適用されるならば、
 戦闘破壊できずとも超過分のダメージは受けるのが基本になる。
 ただでさえ相手の攻撃は蹴り一つで最悪1ターンキルを成立させる怪物。
 数の利があるからと言って、油断ができる相手ではない。

(シグナル・ウォリアーのシグナルカウンターを十個取り除けば、
 フィールドのカードを破壊……もとい攻撃表示にせずとも攻撃できるが、
 カウンターの乗るタイミングが遅い以上、あまり期待はできないな。)

 カウンターの乗るタイミングはお互いのスタンバイフェイズだが、
 スタンバイフェイズのタイミングなど判断できるわけがないし、
 そもそも十個乗ると言うことは残り九ターン要求されてしまう。
 あれ程の相手に悠長に九ターンの時間も待つのは達也の身が持たない。
 自分のターンが回ってきたのでドローするものの、有効打は限られる。
 今の遊星のデッキは普段から使っている拾ったカードから組んだデッキではなく、
 どちらかと言えば刑務所で様々な囚人から貰った寄せ集めのデッキに近しい。
 前者ならば拾ったとしても個々のシナジーはある程度考えたものになるが、
 後者の場合はありあわせのものだ。シナジーと言ったものは殆ど度外視されている。

「スター・ボーイを召喚!」

 だから普段のような戦術を組み立てることはできず、
 単なる通常召喚一つでしか行動ができないのも珍しくない。
 触手を足にした、ぎらついた表情の真っ赤なヒトデが遊星の前に立つ。

(再認識するつもりはなかったが、やはり強敵になるな。)

 なりたての仮面ライダーの変身と寄せ集めのデッキとは言え、
 ホカクカードでカードにするまで少々難儀していたモンスターだ。
 あれを破壊できずとも一撃で吹き飛ばしているのだから実力は伺える。
 霧状になられるのも厄介ではあるが、生身もまた別格の強敵。
 迫る貫手を払いのけ、掌底を叩き込んで軽く吹き飛ばす。
 吹き飛んで倒れるところに続けざまに水の弾丸を連射。
 横へ転がる形で弾丸は大地へ染み込むものの、一発は頬を掠めた。
 微々たるものではあるが、その微々たるものが大尉に疑問を抱かせる。
 今のは単に回避が遅れた、と言う可能性もないとは言い切れないものの、
 先程よりも弾速が速くなっていると言うことについては話が別だ。
 弾丸は空気抵抗で速度は変わるものだが、先の弾丸と状況は余り変わらない。
 にも拘わらず上がっているのに加え、達也の攻撃の威力、スピードは全般的に上がっている。
 決して劇的なレベルではないので優劣が覆る程ではないとしても、
 その小さな違和感はどこか拭えなかった。

(どうやら、俺もモンスターとして扱われるらしい。)

 フラッシュ・キャストの都合、達也は記憶力が凄まじく良い。
 なので当然、遊星が持っているカードすべてのテキストは把握している。
 把握してるだけで専門用語の全てを理解しているものではないのだが、
 モンスターの姿を見ればそれがどういう効果を持ってるかは覚えていた。
 遊星が召喚したスター・ボーイはフィールドの水属性の攻撃力を上げる効果を持つ。
 水属性となれば、今のウィザードはウォータースタイルであるため達也にも恩恵はある。
 モンスターが人に適用されるかどうか、と言う疑問ははあったがこれは適用するらしい。
 参加者もプレイヤーでありモンスターとしての扱いであるのならば、
 多くの戦術を組み立てていくことができるはずだ。

(だが状況が好転してはいない。遊星のモンスターの援護は必須だ。)

 打撃を繰り出しては防ぐ、接近戦の応酬。
 仮面ライダーであっても当たればダメージは免れないそれを、
 仮面の下でもクールに、表情を変えることなく丁寧に捌いていく。
 しかし突如、達也から離れたと同時に遊星の方へと走り出す。

(此方に気付かれたか!)

 シグナル・ウォリアーは積極的に防御させながら、
 スター・ボーイを存在を知らせないように放置している。
 カードを知らない大尉にとってそれで何かあるかは判断はできない。
 もしかしたら今から何かをする、と言う判断だって存在している。
 どちらにせよ優先順位を変えてきたし、遊星も油断はしてない。

「手札のレッド・ミラーの効果発動!」

 手札から捨てられた赤い鏡が大尉の攻撃を防ぎつつ、
 更に墓地に存在する炎属性の悪魔族を手札に戻す効果も持つ。
 遊星が今まで使ったカードには該当する属性と種族は存在しない。

「更に、レッド・ミラーの効果でファイヤークラッカーを手札に加え、
 そのままファイヤークラッカーを手札から捨てることで効果を発動する!」

 しかしあった。
 彼がフィールドに出したモンスターに悪魔族はなく、
 炎属性もシグナル・ウォリアー召喚の際、素材にしたチューナーが炎属性なだけ。
 両方なくては効果の対象にできないが、彼の墓地にはそのカードが存在していた。
 それはガリスの効果で、そのまま墓地へ送られたモンスター。それが今回の回収対象だ。
 青肌の悪魔が野球ボールは上回るだろう巨大な癇癪玉を投げつけながら消滅していく。
 ファイヤークラッカーは手札のこのカードを捨てることで相手にダメージを与える。
 数値で言えば1000。遊星の世界では4000でデュエルする都合四分の一を持っていくそれは、
 レッド・ミラーを蹴った反動で距離を取る大尉でも僅かに遅れて爆発に巻き込まれる。
 焼け焦げるコートを脱ぎ捨て、鍛え抜かれた褐色の肌を晒す。

 背後から迫る達也の斬撃を回避と同時に、近くの小石を飛ばす。
 ただの小石も人狼が投げれば威力はあると言えども、万全な状態での話。
 三対一、しかも三人とも仮面ライダーで場数も踏んだ相手との戦いで受けた傷は深い。
 再生も明らかに遅く、それが回復する前に連戦と言う状況でコンディションは最悪。
 怯みこそはしても大ダメージに繋がるようなものには程遠い。

『ディフェーンド!』

 だからと言って甘く見るつもりはなく、
 ディフェンドリングをハンドオーサーに翳し、
 水の壁と魔法陣の防御を以て威力を落とす。
 ───はずだった。

「ッ───」

 小石は水の防御を貫き、魔法陣も貫通し、
 ウィザードのスーツを貫通し、達也の肩の肉を抉り、
 背中のスーツごと突き抜けると言うあり得ない威力を披露した。
 本当にただの小石だ。殴れば人を殺せるとかそういうレベルのものではなく、
 投石として使えば強いが、そんなものでこの装甲を貫くなど普通はありえない。
 まだジャッカルで撃った銃撃が貫通するとかであれば、話は別だと言えるだろう。
 ゲネシスドライバーを使ったシグルドや、アーマーの強度も相当なサウザーと比べると、
 通常フォームとそう変わらないウィザードのウォータースタイルでは見劣りはしよう。
 だからと言って、水に高速でぶつかればコンクリートを超える程の頑丈さへと昇華する。
 水の抵抗によって弾速は急激に落ちてしまい、下手をすれば水の中で弾丸が砕ける。
 けれど貫通はありえた。ありえるに至らせたのは、大尉の持っていたそれが原因だ。
 いや、持ってると言うよりは『身に着けている』と言うのが正しいだろうか。

 そも。大尉の手袋は本来白いはずである。
 しかしこの戦いで構えた際の手袋は『黒』だ。
 身に着けていたものとは別の手袋を彼は付けていた。
 確かに斬撃を防ぐなど防刃性能を垣間見えたものの、
 本来の性能はそんな防御面ではない。圧倒的なまでの殺傷力だ。
 これは人の手によって作られたものではない。
 神を倒すために作られた、戦乙女(ワルキューレ)が宿りし神器だから。

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