ミームチノ
私はチノ。
苗字があったり、名前が漢字だった気もしますが――何故か靄が掛かったようにわかりません。
そんな私ですが、やたらとスタイリッシュなピアニストに出会いました。
私はチノ。
苗字があったり、名前が漢字だった気もしますが――何故か靄が掛かったようにわかりません。
そんな私ですが、やたらとスタイリッシュなピアニストに出会いました。
しかし彼に簡単な自己紹介をしても「だが(自己紹介を)誘ったのは――彼女からだ」としか言い返してきません。ガイジですか、この人。
しかも少し話してわかったのですが、このピアノマンは“ハッ、くだらねぇ”、“だが誘ったのは――彼女からだ”、“――来いよ”以外はロクに喋りません。やっぱりガイジじゃないですか(呆れ)。
この3つの言葉だけで会話が成立しないなんて、ココアさんでもわかります。ワイさんですらわかるでしょうね。つまりこのピアノマンはガイジ確定。ピアノの腕や強さは認めますが、コミュニケーションすらまともに取れないと色々と困ります。これはもうコミュ障とかそういう次元ですらないですよ。
しかも少し話してわかったのですが、このピアノマンは“ハッ、くだらねぇ”、“だが誘ったのは――彼女からだ”、“――来いよ”以外はロクに喋りません。やっぱりガイジじゃないですか(呆れ)。
この3つの言葉だけで会話が成立しないなんて、ココアさんでもわかります。ワイさんですらわかるでしょうね。つまりこのピアノマンはガイジ確定。ピアノの腕や強さは認めますが、コミュニケーションすらまともに取れないと色々と困ります。これはもうコミュ障とかそういう次元ですらないですよ。
でもこのピアノマンが私を守ろうとしてるのは彼の行動から伝わります。何故なら彼はさっきからNPCを倒して私を守ってくれてるからです。
ガイジなのに無駄にスタイリッシュにNPCを次々と撃破したり、何よりあのピアノの音色。そしてこのスタイリッシュさ。ラビットハウスで雇えば確実に莫大なお金を儲けられます。
このピアノマンさえいれば私がFXで失った大金を取り戻してラビットハウスの経営を建て直せる上に――もしかしたら失った子宮を取り戻せるかもしれません。お金さえあれば、そういう治療が出来る医者がいると信じたいです。事故ったシビックも治せそうですね。それに正直、ワイさんなんかより何倍もスタイリッシュなイケメンなのでおちんちんシコシコの練習もこのピアノマンでした方が捗りそうです。
ガイジなのに無駄にスタイリッシュにNPCを次々と撃破したり、何よりあのピアノの音色。そしてこのスタイリッシュさ。ラビットハウスで雇えば確実に莫大なお金を儲けられます。
このピアノマンさえいれば私がFXで失った大金を取り戻してラビットハウスの経営を建て直せる上に――もしかしたら失った子宮を取り戻せるかもしれません。お金さえあれば、そういう治療が出来る医者がいると信じたいです。事故ったシビックも治せそうですね。それに正直、ワイさんなんかより何倍もスタイリッシュなイケメンなのでおちんちんシコシコの練習もこのピアノマンでした方が捗りそうです。
そんなことを考えつつNPC達をピアノマンが薙ぎ倒して進んでいくと――急に目の前が真っ暗になりました。
「――は?」
なんですか、これ。
まさか殺し合いとか言いながら私とピアノマンは強制脱落とかそういうわけじゃありませんよね?
まさか殺し合いとか言いながら私とピアノマンは強制脱落とかそういうわけじゃありませんよね?
『たった今、予選が終わった!これは脱落したプレイヤーにだけ連絡しているが――キミ達はゲームオーバーだァ!』
相手を小馬鹿にするような、煽るような不快感のある声。
は?脱落?このまま死ねってことですか?
ふざけないでください――っ!
は?脱落?このまま死ねってことですか?
ふざけないでください――っ!
「私にはココアさんやワイさん達が――帰るべき場所があるんです!こんなとこで勝手に命を奪われるわけにはいかないんです!!」
私にはもうお金も子宮もありませんが――こんなところで止まるわけにはいかないんですよ!
そんな時――ふと声が聞こえてきました。
『俺の声が届いてるかもしれねえ一部の奴ら。俺は止まっちまったがよ……俺たち存在を歪められちまった者の代表としてお前達にどうしても伝えたいことがある』
そして脳裏に浮かぶのは白髪のブーメランのような特徴的な謎の男の人。何故か血塗れで、しかも何故かサタデーナイトナイトフィーバーみたいなポーズをしています。なんなんですか?この人は。
『俺たちには辿り着く場所がないかもしれねぇ。そういう存在らしいからよ……。だからただ進み続けるだけでいい。止まんねぇ限り、道は続く。だからよ――この先、何があっても……お前達は止まるんじゃねぇぞ……』
いきなり意味深なことを言い出してますが、全く意味がわかりません。でも……その言葉には不思議と力強さを感じます。どうしてなのか……本当にわかりませんが。
「――来いよ」
そしてピアノマンの声が聞こえて、私を包み込みました。……もしかしたら彼にはまだ色々と見えてるのかもしれません。
だとしたら何か杜撰な管理ですね。ハ・デスやあの謎の声にはデスゲームの運営としての自覚がないんですか!?
……まあ今だけはそのおかげで多少は気持ちが楽になったから許してあげますが。
だとしたら何か杜撰な管理ですね。ハ・デスやあの謎の声にはデスゲームの運営としての自覚がないんですか!?
……まあ今だけはそのおかげで多少は気持ちが楽になったから許してあげますが。
「今、私を抱えてるのは……ピアニストの人、ですか?」
「だが誘ったのは――彼女からだ」
「ふふ、やっぱりそうなんですね」
色々と悔いは大量にありますが――まあこういう最期も悪くないです。
ピアノマンはガイジみたいな言動を繰り返してましたが、予選の間――ずっと私を守り続けてくれました。ココアさんやワイさんに二度と会えず、木組みの街に帰れないのは残念極まりないですが――あの白髪の男性の言う通り、止まりたくないですけど……もうどうしようもないのなら……っ!
ピアノマンはガイジみたいな言動を繰り返してましたが、予選の間――ずっと私を守り続けてくれました。ココアさんやワイさんに二度と会えず、木組みの街に帰れないのは残念極まりないですが――あの白髪の男性の言う通り、止まりたくないですけど……もうどうしようもないのなら……っ!
「さようなら――ピアノマンさん」
「――チノっ!」
――別れを告げた後、ピアノマンが私をようやく呼んでくれて。
「――ハッ、ようやく喋れたか。俺は玖藤奏介だ」
「そうですか……。さようなら、奏介さん……」
――私の意識は完全にシャットダウンしました。
♪
『GAME OVER』
電子音と共に自分の腕から重みがなくなった事実に奏介さんが気付くまで、時間は掛からなかった。
チノが消滅した。そんな残酷な真実が奏介さんの心を支配して、悔しそうに歯噛みする。
チノが消滅した。そんな残酷な真実が奏介さんの心を支配して、悔しそうに歯噛みする。
「くだらねえ――何もかも」
奏介さんは一言だけ吐き捨てると、スタイリッシュな動作で仮面ライダーサガに変身した。
――自分の肉体もまたジワジワと消滅していることには奏介さんも気付いてる。
それでもなお、チノを守れなかった無力感とハ・デスへの怒りが彼を突き動かした。
この肉体が滅びるまで、抗い続ける。――玖藤奏介は止まらない。
――自分の肉体もまたジワジワと消滅していることには奏介さんも気付いてる。
それでもなお、チノを守れなかった無力感とハ・デスへの怒りが彼を突き動かした。
この肉体が滅びるまで、抗い続ける。――玖藤奏介は止まらない。
仮面ライダーサガが一歩、一歩と踏み出す。
その存在はやがて虚構に還るだろう。それは無から生み出された人物の悲しい運命であり、流石の奏介さんも避けられない。
彼らはゲームを盛り上げるためだけに生み出されたのだ。先程消えたチノも、予選で死亡して彼らに後を託したオルガ・イツカも。
なんならオルガが最期に託すところも含めて、檀黎斗にとってはただのゲームの演出のように。だからこそ死亡したはずのオルガにあんなことが許された。
その存在はやがて虚構に還るだろう。それは無から生み出された人物の悲しい運命であり、流石の奏介さんも避けられない。
彼らはゲームを盛り上げるためだけに生み出されたのだ。先程消えたチノも、予選で死亡して彼らに後を託したオルガ・イツカも。
なんならオルガが最期に託すところも含めて、檀黎斗にとってはただのゲームの演出のように。だからこそ死亡したはずのオルガにあんなことが許された。
偽りのオルガ・イツカにはたしかにオルガの意志があり、記憶があった。
しかし所詮は虚構。NPCに等しい命なのだ。
残念だが本物のオルガはロワが始まる前に死んでいる。このロワのオルガはそんなオルガを観測出来る世界の者が面白半分で作った動画“異世界オルガ”のオルガ・イツカを再現した虚構の存在。檀黎斗からしたらゲームを盛り上げるためだけに生み出された、檀黎斗にとってはNPCと同等の命を予選参加者扱いして盤上の世界に存在を刻み込んだだけ。彼と戦った不動遊星も似たような存在である。
しかし所詮は虚構。NPCに等しい命なのだ。
残念だが本物のオルガはロワが始まる前に死んでいる。このロワのオルガはそんなオルガを観測出来る世界の者が面白半分で作った動画“異世界オルガ”のオルガ・イツカを再現した虚構の存在。檀黎斗からしたらゲームを盛り上げるためだけに生み出された、檀黎斗にとってはNPCと同等の命を予選参加者扱いして盤上の世界に存在を刻み込んだだけ。彼と戦った不動遊星も似たような存在である。
檀黎斗は面白半分で予選にそういう人物を紛れ込ませていたのだ。無論、本人達は何の事情も知らない状態で。
その中でも選りすぐりであり、予選を通過させたマサツグ様は放送後にその残酷な真実を知らされることになる。神(檀黎斗)の気まぐれで。しかしこれは今回マサツグ様が選ばれただけで、それこそ虚構のチノや奏介さんやオルガや遊星がそうなっていた可能性もあるのだ。そういう意味では予選で脱落したり、死亡した彼らはマサツグ様より運が良いかもしれない。下手に長生きしてるせいで現在進行形で悲惨な思いをしてる神の玩具にされた男――肉体派おじゃる丸もそういう意味では不幸だ。彼は別に虚構の存在じゃないが、神の玩具という意味ではマサツグ様と変わらない。
その中でも選りすぐりであり、予選を通過させたマサツグ様は放送後にその残酷な真実を知らされることになる。神(檀黎斗)の気まぐれで。しかしこれは今回マサツグ様が選ばれただけで、それこそ虚構のチノや奏介さんやオルガや遊星がそうなっていた可能性もあるのだ。そういう意味では予選で脱落したり、死亡した彼らはマサツグ様より運が良いかもしれない。下手に長生きしてるせいで現在進行形で悲惨な思いをしてる神の玩具にされた男――肉体派おじゃる丸もそういう意味では不幸だ。彼は別に虚構の存在じゃないが、神の玩具という意味ではマサツグ様と変わらない。
そして本戦が始まってからも面白半分で虚構の存在が開発されているので、やはり檀黎斗の倫理観は破綻している。……もっとも破綻してしまった、という捉え方も出来る人物だが――どの道、彼がしていることは外道の極みである。
さて。
それはさておき、予選で脱落が発表された奏介さん。
たとえピアニストとして如何に優れ、ダメ主人公スレのアイドルであり、スタイリッシュな彼でも――消滅は免れない。
サガの変身がいきなり解除された。
サガークが、光の粒子となって消滅した。
それはさておき、予選で脱落が発表された奏介さん。
たとえピアニストとして如何に優れ、ダメ主人公スレのアイドルであり、スタイリッシュな彼でも――消滅は免れない。
サガの変身がいきなり解除された。
サガークが、光の粒子となって消滅した。
「――ハッ」
しかしそんな状況でも奏介さんは止まらない。
チノの無念やオルガに託された想いを胸に――神の操り人形は突き進む。
辿り着く場所がなくとも、進み続ければ道は続く。――オルガの言う通りだ。
だから奏介さんは、遂にスタイリッシュさが崩れてしまいながらも――その瞳は諦めていない。
チノの無念やオルガに託された想いを胸に――神の操り人形は突き進む。
辿り着く場所がなくとも、進み続ければ道は続く。――オルガの言う通りだ。
だから奏介さんは、遂にスタイリッシュさが崩れてしまいながらも――その瞳は諦めていない。
そんな奏介さんにも――無情にも消滅の刻がくる。
両足が光の粒子になり、前のめりに倒れてしまう。
されども芋虫のように両腕だけで這う。
両腕が消える。嗚呼――こればかりは奏介さんでもどうしようもなくて。
両足が光の粒子になり、前のめりに倒れてしまう。
されども芋虫のように両腕だけで這う。
両腕が消える。嗚呼――こればかりは奏介さんでもどうしようもなくて。
「くだらねぇ――」
悔しさを滲ませた一言と共に――
『GAME OVER』
――神に抗い続けた操り人形が無情にも消え去った。
チノの無念も、オルガの想いも抱えたまま――何も成し遂げられずに。
チノの無念も、オルガの想いも抱えたまま――何も成し遂げられずに。
◯
「……?ここは……?」
死んだはずの私は、何故か生きていました。いや、蘇ったという方が正しいのかもしれません……。
命が消え去る瞬間のことは――子宮を摘出された時のように明確に覚えています。
命が消え去る瞬間のことは――子宮を摘出された時のように明確に覚えています。
「ようこそ、私の盤上の世界へ。チノ、予選で脱落したキミに敗者復活戦のチャンスを与えてやろう!」
――いつの間にか“その人”は目の前に佇み、あからさまに上から目線でそんなことを口にしました。
「……誰ですか、あなた」
「私はゲームマスターの檀黎斗だ」
まあ、そうでしょうね。
敗者復活戦なんて出来るのはそれくらいだっていうことは察していました。
それにしても敗者復活戦、ですか。
まさかそんな機会があるとは思いませんでしたが……まあ死んだままよりはマシですね。運良く奏介さんも他の敗者復活戦とかに参加してればいいですが……。あの逸材を見逃すわけにはいきませんし、それになんだかんだ私を守ってくれてましたからね。打算抜きにしても助かってほしい命ではあります。
敗者復活戦なんて出来るのはそれくらいだっていうことは察していました。
それにしても敗者復活戦、ですか。
まさかそんな機会があるとは思いませんでしたが……まあ死んだままよりはマシですね。運良く奏介さんも他の敗者復活戦とかに参加してればいいですが……。あの逸材を見逃すわけにはいきませんし、それになんだかんだ私を守ってくれてましたからね。打算抜きにしても助かってほしい命ではあります。
スタバを破壊して店員がくたばるのは何も思いませんが、私に対して好意的に接してくれる人が死ぬと心が痛みますからね。まあ奏介さんだけ予選を通過した可能性も――
「チノ。キミの対戦相手は――彼だァ!」
いちいち仰々しい動作で檀黎斗さんがポーズを取ると、カーテンが現れて徐々に自動で幕が上がり――
「――ッ!?」
その見覚えあるスタイリッシュな姿に私は目を見開きました
「――奏介さん!?」
思わず声を荒げる私に奏介さんはサングラスを外して。
「――来いよ」
ただそう一言を、告げてきました。
「こんな状況で何を言ってるんですか!?私と奏介さんが戦うなんて、そんなの――」
「だが誘ったのは――彼からだ」
「彼って檀黎斗さんですか!?こんな状況でも相変わらずボキャ貧ですね。ていうか今はふざけてる状況じゃ――」
「ハッ、くだらねぇ」
「え――」
くだらない?この状況が?
何言ってるんですか……?いくら奏介さんがガイジだからって……こんな時にふざけてる場合じゃないってココアさんやワイさんでもわかりますよ!?
何言ってるんですか……?いくら奏介さんがガイジだからって……こんな時にふざけてる場合じゃないってココアさんやワイさんでもわかりますよ!?
「どうやら玖藤奏介の方はよく理解出来ているようだな。お互いの武器はこれだ。さぁ、戦うがいい!」
私と奏介さんにそれぞれ武器が渡されました。
緑の銃と牛のマークのカードの入れ物。もちろん中身にはカードが入っていて――何故かそれに触れた瞬間に使い方がわかりました。
奏介さんはエレキギターを持っています。スタイリッシュな奏介さんにはなかなか似合ってる……とは思いますが正直、そんな呑気なことを考えてる場合じゃないです
緑の銃と牛のマークのカードの入れ物。もちろん中身にはカードが入っていて――何故かそれに触れた瞬間に使い方がわかりました。
奏介さんはエレキギターを持っています。スタイリッシュな奏介さんにはなかなか似合ってる……とは思いますが正直、そんな呑気なことを考えてる場合じゃないです
「そんなことを言われても……」
「――来いよ」
「――ッ!?」
奏介さんがエレキギターを叩き付けようとしてきたのに、咄嗟に銃身で受け止めます。
どうやらこの銃はマグナバイザーというらしいですが――なんでそんなことを直感的にわかったのか、私にも謎です。
どうやらこの銃はマグナバイザーというらしいですが――なんでそんなことを直感的にわかったのか、私にも謎です。
「奏介さん、落ち着いてください!」
「ハッ、くだらねぇ」
奏介さんのスタイリッシュな蓮撃に必死に対処しながら呼び掛けますが、何も効きません
それにしても何か私も奏介さんも異様に身体能力が上がってますね。これがアイテムの力ですか……?
それにしても何か私も奏介さんも異様に身体能力が上がってますね。これがアイテムの力ですか……?
「防戦一方だな、チノ。もしもキミが優勝したら失った子宮もFXで溶かした大金も戻ってくる。シビックを修理することは容易いし、世界中の喫茶店を支配することも可能だろう」
檀黎斗が私を誘惑してきます。
相手が赤の他人なら平気で蹴落とせますが奏介さんを蹴落とすのは流石に……!
相手が赤の他人なら平気で蹴落とせますが奏介さんを蹴落とすのは流石に……!
「うるさいですね……。そんなことは奏介さんと一緒に――」
「ならばこうしよう。このままチノが何も攻撃しなければキミ達は二人ともゲームオーバーだ」
「……は?いきなり追加ルールなんてそんなこと――」
「ゲームがアップデートされて何が悪い?それにデスゲームなのに殺し合いが始まらなければゲームの根本が破綻する。チノ、キミのやり方がこの追加ルールを生んだのだァ!」
「うるさいですね……!」
私はカード――シュートベントをマグナバイザーに装填。檀黎斗に銃口を向けて発射します!
「――来いよ」
「――え?」
瞬間――私と檀黎斗の間に奏介さんが割って入ってきて――
「か、はっ!」
「――奏介さん!」
シュートベントの直撃を受けた奏介さんに駆け寄ります。お腹から血が溢れて、口からも……!
「どうして……どうしてあんな人を庇ったんですか、奏介さん!」
「チノ。――喧嘩を売るなら相手をよく見ろってんだ!」
奏介さんはいきなり変な縛りをやめたのか、まともに喋り始めました。
「せっかくだから玖藤奏介の仕掛けを解除した。これで彼は自由に喋れる。存分に最期の会話を楽しむがいい」
は――?
仕掛けを解除?これで自由に喋れる?
なんですかそれ――。それじゃまるで――。
仕掛けを解除?これで自由に喋れる?
なんですかそれ――。それじゃまるで――。
「檀黎斗!あなたが奏介さんをボキャ貧にさせてた諸悪の根源ですか!!」
「そうだ。私が玖藤奏介に仕掛けを施したゲームマスターだ!ヴェハハハハ!!」
「うるさいですね……。この、クソガイジ……今すぐ殺してやりま――!?」
檀黎斗に銃口を向ける私の手を、奏介さんは強く握りしめました。
「やめろ、チノ。言っただろ。喧嘩を売る相手は考えろ」
「でもあいつは奏介さんを……!」
「ンなコトは気にしなくたって大丈夫だ。それよりあいつに攻撃したらチノも殺されかねない」
「それは、そうですが……」
「まったく――どうして俺はここまでお前を守ろうと思ったんだろうか。誰にも育てられず、誰にも頼らず、誰にも指図されず、誰にも束縛されず、誰にも受け入れられず――ロクに干渉するような仲間もいなかった。――それが当たり前の生き方だったはずだ……」
「じゃあどうして私を……?」
「最初はただの気まぐれでNPCを倒したが、それ以降は――お前は俺を怖がらずに一緒に居たからじゃないのか?」
「そんな理由で……?」
「ああ。それとお前は出来る限り死ぬなよ、チノ。何せ俺が命懸けで助けた女だからな」
「わかりました……奏介さん」
「――そういや、子宮がどうこうとか言ってたな。失った諸々も取り戻せよ」
奏介さんはそれだけ告げると
「じゃあな、チノ――」
「はい……っ!ありがとうございました、奏介さん……!」
瞳を閉じて――息を引き取りました
【玖藤奏介@ダメ主人公総合スレ 死亡】
「勝者はチノに決まったようだな。チノ、キミは次の放送からプレイヤーだ!」
「うるさいですね……っ」
虚しい勝利。
殺したくなかったはずの奏介さんを殺してしまって……。
殺したくなかったはずの奏介さんを殺してしまって……。
『――そういや、子宮がどうこうとか言ってたな。失った諸々も取り戻せよ』
奏介さんの言葉が脳を過り――私は檀黎斗に手を出せず、ただ憎むことしか出来ませんでした。
私はもう止まれません。ひたすら突き進んで――失ったものを取り戻します
私はもう止まれません。ひたすら突き進んで――失ったものを取り戻します
◯
こうしてチノがプレイヤーになることが決まり、そんな彼女をあえて実験部屋に招いた。
悪趣味な行いに流石のチノもドン引きする。まさか自分も生み出された側だと知らず――。
途中、シュートベントを撃つなんて檀黎斗に言ったりもしたがただのやり場のない怒りをぶつけるつもりで実行するつもりはなかった。――奏介さんの死を無駄にしないためにも。
悪趣味な行いに流石のチノもドン引きする。まさか自分も生み出された側だと知らず――。
途中、シュートベントを撃つなんて檀黎斗に言ったりもしたがただのやり場のない怒りをぶつけるつもりで実行するつもりはなかった。――奏介さんの死を無駄にしないためにも。
また奏介さんが背中を押すために発した言葉は彼女にとって呪いのようになってしまった。こうして檀黎斗は対主催だったチノを悪趣味にもmurderに仕立てあげる。またチノと奏介さんが変身もせず仮面ライダーの武器だけでそのスペックや能力を発揮出来たのは二人が“創造された虚構の存在”ゆえに面白半分でそういう能力を搭載していた。しかしそれに二人は気付かぬまま奏介さんは死亡し、チノは本戦へ参加することになる。
ちなみにこの能力は敗者復活戦で復活する際に追加した。デメリットとして二人には仮面ライダーに変身出来ないシステムが組み込まれたが、そんなこと彼らは知らない。
そしてチノと奏介さん――二人による哀しき操リ人形ノ輪舞は終わりを告げた。
しかしチノはまだ檀黎斗の掌の上で踊らされ続ける。――皮肉にも奏介さんの見せた優しさが、その原因を作ってしまった
しかしチノはまだ檀黎斗の掌の上で踊らされ続ける。――皮肉にも奏介さんの見せた優しさが、その原因を作ってしまった
そしてチノはまだ知らない。
奏介さんが死の間際に心意を発動して、彼の音撃弦 烈雷がチノに受け継がれ、彼女が烈雷を呼び出せるようになったことを。
しかし虚構の存在ゆえにいずれそのことに気付くだろう。彼女はどこまでも檀黎斗に都合の良い操り人形なのだから。
奏介さんが託した清めの音は果たして彼女を救う鍵となるか、はたまた操り人形が殺戮を繰り返すための道具と成り果てるのか――それはまだ誰にもわからない
奏介さんが死の間際に心意を発動して、彼の音撃弦 烈雷がチノに受け継がれ、彼女が烈雷を呼び出せるようになったことを。
しかし虚構の存在ゆえにいずれそのことに気付くだろう。彼女はどこまでも檀黎斗に都合の良い操り人形なのだから。
奏介さんが託した清めの音は果たして彼女を救う鍵となるか、はたまた操り人形が殺戮を繰り返すための道具と成り果てるのか――それはまだ誰にもわからない
※チノ@ごちうさ二次創作は檀黎斗が用意した追加マーダー枠の一人です。また本来ならば関連性のある人物が招かれる可能性があるという『この残酷な世界の成り立ちを!』で提示されたルールですがネットミーム系のキャラは決闘ロワではただの“虚構の存在”ゆえに関連人物以外のキャラが誰か追加される可能性もあります
※奏介さんは本戦に参加出来ないので名簿に追加されません
※追加マーダーなのでマグナバイザー&ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎は主催の優遇により支給品扱いされずランダム支給品の枠は1〜3です
【チノ@ごちうさ二次創作】
[状態]:健康、奏介さんを殺してしまったことに対するショック
[装備]:マグナバイザー&ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:奏介さんの言葉や謎のブーメラン男(オルガ)に託された想いを胸に突き進みます
1:奏介さん……私は必ず子宮やFXで溶かしたお金などを取り返します。そのために……檀黎斗に従いmurderの役割をします
2:どうして武器に触っただけで能力が直感的にわかったり身体能力が上がるんですか?
3:奏介さんの死を無駄にしないために檀黎斗に従いますが……正直、憎いです
4:ココアさんやワイさん達は参加してなければいいですが……
[備考]
※次の放送後から参加者として加わります。その際に名簿に追加されます
※自分が主催によって作られた虚構の存在だと気付いていません
※名簿はまだ見れません。参加者として参加した時に見れます
※奏介さんから心意で音撃弦・烈雷を受け継ぎました。使用時、仮面ライダー斬鬼か轟鬼と同等のスペックや技が使用可能になります
※仮面ライダーの武器を握ると直感的に名前や使い方を理解するように細工されています。マグナバイザー&ゾルダのカードデッキのように一部、所持するだけで変身せずとも同等のスペックと能力が使えるようになるものもあります。デメリットとして仮面ライダーに変身することは不可能です
※ごちうさキャラはあだ名しか思い出せず、自身の名前も“チノ”という名前しか思い出せません。名簿にもチノと記載されます
[状態]:健康、奏介さんを殺してしまったことに対するショック
[装備]:マグナバイザー&ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:奏介さんの言葉や謎のブーメラン男(オルガ)に託された想いを胸に突き進みます
1:奏介さん……私は必ず子宮やFXで溶かしたお金などを取り返します。そのために……檀黎斗に従いmurderの役割をします
2:どうして武器に触っただけで能力が直感的にわかったり身体能力が上がるんですか?
3:奏介さんの死を無駄にしないために檀黎斗に従いますが……正直、憎いです
4:ココアさんやワイさん達は参加してなければいいですが……
[備考]
※次の放送後から参加者として加わります。その際に名簿に追加されます
※自分が主催によって作られた虚構の存在だと気付いていません
※名簿はまだ見れません。参加者として参加した時に見れます
※奏介さんから心意で音撃弦・烈雷を受け継ぎました。使用時、仮面ライダー斬鬼か轟鬼と同等のスペックや技が使用可能になります
※仮面ライダーの武器を握ると直感的に名前や使い方を理解するように細工されています。マグナバイザー&ゾルダのカードデッキのように一部、所持するだけで変身せずとも同等のスペックと能力が使えるようになるものもあります。デメリットとして仮面ライダーに変身することは不可能です
※ごちうさキャラはあだ名しか思い出せず、自身の名前も“チノ”という名前しか思い出せません。名簿にもチノと記載されます
| 134:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。/届かない恋 | 投下順 | 136:ご注文は反転(リバース)系マーダーですか? 〜そして邪神は自称神の人間を嘲笑う〜 |
| 時系列順 | ||
| 後、ピアノが上手い。 | 玖藤奏介 | GAME OVER |
| 129:闇の量産工場 | チノ | 153:虚構の存在と不完全なチカラ |
| 檀黎斗 | 136:ご注文は反転(リバース)系マーダーですか? 〜そして邪神は自称神の人間を嘲笑う〜 |