野獣
野獣先輩は放送を聞き逃さないように、一度休憩してしっかりと見ていた。
今までの野獣先輩ならば色々とひょうきんな反応をしただろうが、遠野という大切な恋人の名前すら思い出せない今の彼にそんな余裕はない。……あるわけが、ない。
もう空手すら出来ない。愛すべき三馬鹿とAKSYが揃うことは二度となく、それは野獣先輩にとって非常に重たい決別だった。
それでも彼は愛に生きると決めたのだ。名前も防御した愛すべき◼︎◼︎を生き返らせると誓ったのだ。
野獣先輩は放送を聞き逃さないように、一度休憩してしっかりと見ていた。
今までの野獣先輩ならば色々とひょうきんな反応をしただろうが、遠野という大切な恋人の名前すら思い出せない今の彼にそんな余裕はない。……あるわけが、ない。
もう空手すら出来ない。愛すべき三馬鹿とAKSYが揃うことは二度となく、それは野獣先輩にとって非常に重たい決別だった。
それでも彼は愛に生きると決めたのだ。名前も防御した愛すべき◼︎◼︎を生き返らせると誓ったのだ。
ゆえに放送を聞く野獣先輩の表情は、真剣そのもの。
「結構死にましたね……」
死者の発表を聞き、野獣先輩は一人呟く。
死んだ者の名前に関心は示さなかった――が、ポセイドンのことを檀黎斗が解説した時、とんでもない化け物が死んだことを素直に嬉しく思う。
しかし、だからといって慢心するつもりはない。たしかに大勢死んだし、ポセイドンも死亡した。されどもここまで生き残っている参加者達はそれだけ猛者が多いだろう。――野獣先輩は気を引き締める。
死んだ者の名前に関心は示さなかった――が、ポセイドンのことを檀黎斗が解説した時、とんでもない化け物が死んだことを素直に嬉しく思う。
しかし、だからといって慢心するつもりはない。たしかに大勢死んだし、ポセイドンも死亡した。されどもここまで生き残っている参加者達はそれだけ猛者が多いだろう。――野獣先輩は気を引き締める。
次に行われた、死者蘇生の実証。
これは野獣先輩にとって非常に良いものだった。
当然だがマヤの死を野獣先輩は知っている。それが蘇生されたのだから、◼︎◼︎も蘇生可能だと確信することが出来た。
更に言えば今のマヤは洗脳されて殺人鬼と化している。殺人鬼が増えることは、野獣先輩としては喜ばしいことだ。あまり強い殺人鬼が増えると、野獣先輩もそういう存在と戦わなければいけないので困るが――今回蘇生されたマヤは明らかに弱者側。それはポセイドンに惨殺された映像からしてもわかる。ゆえに恐れる必要はないだろう。
これは野獣先輩にとって非常に良いものだった。
当然だがマヤの死を野獣先輩は知っている。それが蘇生されたのだから、◼︎◼︎も蘇生可能だと確信することが出来た。
更に言えば今のマヤは洗脳されて殺人鬼と化している。殺人鬼が増えることは、野獣先輩としては喜ばしいことだ。あまり強い殺人鬼が増えると、野獣先輩もそういう存在と戦わなければいけないので困るが――今回蘇生されたマヤは明らかに弱者側。それはポセイドンに惨殺された映像からしてもわかる。ゆえに恐れる必要はないだろう。
もっとも、そんな戦力で殺人鬼として役に立てるかどうか怪しいところだが……そこは主催者が何かテコ入れしてる可能性が高いと考えた。そういう意味だと野獣先輩にとって厄介な存在にも成り得るが、洗脳されていると大々的に言われた存在を正義感のある奴らは殺しづらいだろう。
マヤはそういう奴らにとって天敵になると、野獣先輩は期待した。殺し合いでは一瞬の油断が命取り。もしかしたら何もテコ入れされてないかもしれないが、それでも殺し合いに反対するような奴らにとって天敵であることには変わりない。本気で優勝を目指す覚悟を決めた野獣先輩にとっては、参加者の数を減らしてくれそうなマヤはありがたいのだ。
なにより殺し合いに反対する奴らは徒党を組んでいる場合が多いこともよく思い知った。まあ冷静に考えれば殺し合いに反対する奴らは共通の目的を持っているから当然。逆に野獣先輩のように優勝を目指すタイプは必然的に不利になる。優勝を狙う関係で最後は一人だけしか生き残れない蹴落としたいだからだ。もしも野獣先輩が何らかの集団に入ることが出来れば、デッキを駆使して決闘者として活躍出来た未来も十分有り得た。……もっとも今の野獣先輩にデッキはないし、誰かと組むより殺せる奴は殺すという覚悟の方が強いのだが。
「エキストラプレイヤー……こいつらも殺人鬼なんですかね?」
シャロとチノのことを野獣先輩は何も知らない。
ただまあマヤの次に紹介した辺り、殺人鬼であることに期待を寄せてしまう。
参加者が増えるのは優勝を狙う野獣先輩にとって迷惑だが、それが殺人鬼ならば歓迎だ。
見た目的にも殺し合いに反対する奴らが殺しづらそうだ、なんて考える。
ただまあマヤの次に紹介した辺り、殺人鬼であることに期待を寄せてしまう。
参加者が増えるのは優勝を狙う野獣先輩にとって迷惑だが、それが殺人鬼ならば歓迎だ。
見た目的にも殺し合いに反対する奴らが殺しづらそうだ、なんて考える。
「美遊・エーデルフェルト争奪戦……これはいい情報ですねぇ!」
野獣先輩の表情が明るくなり、思わず声が弾む。
これは最高のイベントだ。◼︎◼︎を生き返らせることは出来ないが、その記憶を取り戻すことは出来るだろう。
もしも野獣先輩が優勝出来ても、◼︎◼︎の記憶だけはどうしようもない。これは野獣先輩の密かな悩みでもあった。
しかし美遊を始末したら、記憶を取り戻すという願いまで叶う。これほど嬉しいことはない。
これは最高のイベントだ。◼︎◼︎を生き返らせることは出来ないが、その記憶を取り戻すことは出来るだろう。
もしも野獣先輩が優勝出来ても、◼︎◼︎の記憶だけはどうしようもない。これは野獣先輩の密かな悩みでもあった。
しかし美遊を始末したら、記憶を取り戻すという願いまで叶う。これほど嬉しいことはない。
それにタブレットに送られたイリヤの画像。
彼女と交戦経験がある野獣先輩は、当然イリヤを知っている。ゆえに野獣先輩はクッソ汚い笑みを浮かべる。
彼女と交戦経験がある野獣先輩は、当然イリヤを知っている。ゆえに野獣先輩はクッソ汚い笑みを浮かべる。
「このメスガキを拷問にでもかけて情報を吐かせるって手もありますねぇ!」
今の野獣先輩は以前より覚悟が増している。イリヤを見付けたらどんな手段を使ってでも、美遊の情報を吐かせてやろうと決めた。
美遊を発見した場合は当然、封印する。せっかく願いを叶えるチャンスが増えたのだ、絶対に逃す気はない。もちろん彼女を守ろうと保護する参加者も出てくるだろうが、それでも不退転の覚悟だ。
美遊を発見した場合は当然、封印する。せっかく願いを叶えるチャンスが増えたのだ、絶対に逃す気はない。もちろん彼女を守ろうと保護する参加者も出てくるだろうが、それでも不退転の覚悟だ。
コモンブランクのラウズカードについてもしっかりと確認。美遊は強い装備を持っているらしいが、それは逆に言えば彼女を封印して奪えば有効活用出来るので好都合だ。それにそんな簡単に願いを叶えられないことくらい、野獣先輩も承知している。
それ以外は特に気になる情報はなかった、が――。
それ以外は特に気になる情報はなかった、が――。
『俺は“みんなが幸せになれる世界”を信じる。――俺はどこぞの自称神と違って、人を信じる神だからだ』
「俺はこんな不幸になってるのに、頭にきますよ……!」
エースの言葉に野獣先輩は苛立ちを隠せない。
それはある意味、当然のことだ。“みんなが幸せになれる世界”なんて綺麗事は有り得ないのだから。野獣先輩は今回の殺し合いでそれを強く実感した。なにしろ遠野が死んだ時点で、野獣先輩の幸せは崩壊している。
だからエースの言葉は野獣先輩には煽りにしか聞こえなかった。野獣先輩からしたら、願いを叶えてくれる自称神――檀黎斗の方が圧倒的にありがたい存在だ。……もっとも檀黎斗がいなければ野獣先輩は遠野と幸せに暮らせていたのだが、今の野獣先輩はそれに気付く余裕がなかった。
それはある意味、当然のことだ。“みんなが幸せになれる世界”なんて綺麗事は有り得ないのだから。野獣先輩は今回の殺し合いでそれを強く実感した。なにしろ遠野が死んだ時点で、野獣先輩の幸せは崩壊している。
だからエースの言葉は野獣先輩には煽りにしか聞こえなかった。野獣先輩からしたら、願いを叶えてくれる自称神――檀黎斗の方が圧倒的にありがたい存在だ。……もっとも檀黎斗がいなければ野獣先輩は遠野と幸せに暮らせていたのだが、今の野獣先輩はそれに気付く余裕がなかった。
しかしふと、マサツグ様の一件で野獣先輩は改めて考える。
「そういえばどうして俺の名前は名簿にないんですかね……」
野獣先輩は自分が野獣先輩と記載されているなんて気付いていない。
ゆえに名簿に違和感を覚え、何度も見返す。
しかし哀しいことに、田所という名前はどこにもなかった。名簿は以前にも何度か確認した。名前がないことは知っていたが、やはりこの強烈な違和感は拭い去りたかった。……結果的に余計に虚しい想いをしたのだが。
ゆえに名簿に違和感を覚え、何度も見返す。
しかし哀しいことに、田所という名前はどこにもなかった。名簿は以前にも何度か確認した。名前がないことは知っていたが、やはりこの強烈な違和感は拭い去りたかった。……結果的に余計に虚しい想いをしたのだが。
「……まさか俺も虚構の存在とかじゃないですよね……?」
マサツグ様は名簿に記載されていた。
しかし自分はそれすらない。
ということは、もしや自分は彼より粗雑に扱われているだけの虚構の存在なのでは?という嫌な考えも思い浮かんでしまう。
しかし自分はそれすらない。
ということは、もしや自分は彼より粗雑に扱われているだけの虚構の存在なのでは?という嫌な考えも思い浮かんでしまう。
「ふざけんなよ……ふざけんなよ……!」
もしもそうだとするならば。
野獣先輩と遠野の愛すら虚構(うそ)だとするならば――。
そんな考えが過ぎり、野獣先輩は悔しそうに怒りを燃やした。
野獣先輩と遠野の愛すら虚構(うそ)だとするならば――。
そんな考えが過ぎり、野獣先輩は悔しそうに怒りを燃やした。
だが、自分が虚構の存在かどうかなど、野獣先輩に知る術はなく。
確認する方法すらない。ただただ、頭の片隅に嫌な推測が思い浮かんでしまっただけ。
ある意味だとマサツグ様本人よりも地獄だ。自分が虚構の存在かどうか、疑心暗鬼に苦しみながらも優勝を目指さなければならないのだから。
確認する方法すらない。ただただ、頭の片隅に嫌な推測が思い浮かんでしまっただけ。
ある意味だとマサツグ様本人よりも地獄だ。自分が虚構の存在かどうか、疑心暗鬼に苦しみながらも優勝を目指さなければならないのだから。
今の野獣先輩はマサツグ様ほど開き直れない。
だからこうして、苦しみを味わうことになる。
勝手に被害妄想を重ね続け、その拳を地面に叩き付けた。
だからこうして、苦しみを味わうことになる。
勝手に被害妄想を重ね続け、その拳を地面に叩き付けた。
拳から痛みが伝わり、それが多少は思考をクリアにする。
「もしも俺が虚構の存在だったとしても――」
――野獣先輩の思考が纏まる。
心は痛いし、苦しいのに。それに抗うように彼は声を振り絞った。
心は痛いし、苦しいのに。それに抗うように彼は声を振り絞った。
「それでもあいつのことが、好きだったんだよ……!」
まるで自分に言い聞かせるように。
野獣先輩の声はどこか切なく、虚空に響き渡る。
それを聞く者は野獣先輩以外、誰一人としていない。
けれども、野獣先輩はもう覚悟を決めたから。だから自分は虚構の存在でも、優勝を目指す――と自身に言い聞かせる。
野獣先輩の声はどこか切なく、虚空に響き渡る。
それを聞く者は野獣先輩以外、誰一人としていない。
けれども、野獣先輩はもう覚悟を決めたから。だから自分は虚構の存在でも、優勝を目指す――と自身に言い聞かせる。
――愛ゆえに人は苦しむ。
愛は時として人を成長させるが、野獣先輩のように苦しむ者もまた居るのだ。
殺し合いの最中、カップルも現れた。皮肉にも同性同士のカップルが。
そんなことを知らぬまま、野獣先輩は愛ゆえに殺人を迷わない。
全ては愛が彼を突き動かしている。
愛は時として人を成長させるが、野獣先輩のように苦しむ者もまた居るのだ。
殺し合いの最中、カップルも現れた。皮肉にも同性同士のカップルが。
そんなことを知らぬまま、野獣先輩は愛ゆえに殺人を迷わない。
全ては愛が彼を突き動かしている。
遠野に対する、深い愛。
それだけが今の野獣先輩を突き動かしているのだ。
まるで呪いのように――その愛は止まらない。振り払うつもりもない。好きだから、振り払いたくない。
むしろ愛のためにひたすら突き進む。
それだけが今の野獣先輩を突き動かしているのだ。
まるで呪いのように――その愛は止まらない。振り払うつもりもない。好きだから、振り払いたくない。
むしろ愛のためにひたすら突き進む。
そこには“ホモ”なんて要素だけで嘲笑するにはあまりにも哀しい、同性愛者の姿があった。
【C-2/一日目/日中】
【野獣先輩@真夏の夜の淫夢】
[状態]:疲労(絶大)、ダメージ(絶大)、左足に深い刺し傷、ねむの言葉に対する動揺、激しい悲しみ、強い決意、強い覚悟、野獣先輩新説シリーズに対する使い続ける決意
[装備]:ブレイバックル+ラウズアブゾーバー@仮面ライダーブレイド
[道具]:基本支給品一式×5、青薔薇の剣@ソードアート・オンライン(アニメ版)、ステフの手作りドーナツ×5@ノーゲーム・ノーライフ(アニメ版)、何らかの回復アイテム
[思考・状況]
基本方針:勝ち残り■■を生き返らせる。
0:悲しいけど意地でも願いを叶える。記憶がなくても◼◼︎のことが好きなんだよ!
1:こんな拳じゃもう空手部には帰れないですね……。悲しいなぁ
2:MUR先輩、KMR、AKYS師範……すいません
3:名簿に記載されてないってことは、俺はマサツグ様以下の虚構の存在なんですかね……(疑心暗鬼)
4:たとえ虚構の存在だとしても、◼︎◼︎のことが好きなんだよ!
5:イリヤは見つけ次第、拷問。美遊は王道を征く封印ですかね
【備考】
※バトル淫夢みたいな戦闘力があります。
※野獣先輩新説シリーズで対象キャラへの変身や能力・技能の獲得が可能になりますが、新説シリーズを使う度に体力が消費されるようです。
参戦作品以外のキャラクター説は使用不可能に制限されています。
他にも天体説@現実など、殺し合いを破綻させるような説の使用も制限により禁止されています。
※遊戯王OCGのルールとマジェスペクターの回し方を大分把握しました。
更に経験を積めばデッキを十割程は使いこなして、成長するでしょう。
※仮面ライダーの強化フォームに変身する時に時間制限があります。
※青薔薇の剣の武装完全支配術と記憶完全術は相応に体力を消耗しますが野獣先輩は気付いていません。
※マグニのクラスカードで宝具を使った影響で、遠野の記憶の大半を失いました。悲しいなぁ(諸行無常)
※ 魔導雑貨商人によりどこでもドアと何らかの回復アイテムを交換しました。具体的にどの回復アイテムかは後続の書き手さんに任せます
[状態]:疲労(絶大)、ダメージ(絶大)、左足に深い刺し傷、ねむの言葉に対する動揺、激しい悲しみ、強い決意、強い覚悟、野獣先輩新説シリーズに対する使い続ける決意
[装備]:ブレイバックル+ラウズアブゾーバー@仮面ライダーブレイド
[道具]:基本支給品一式×5、青薔薇の剣@ソードアート・オンライン(アニメ版)、ステフの手作りドーナツ×5@ノーゲーム・ノーライフ(アニメ版)、何らかの回復アイテム
[思考・状況]
基本方針:勝ち残り■■を生き返らせる。
0:悲しいけど意地でも願いを叶える。記憶がなくても◼◼︎のことが好きなんだよ!
1:こんな拳じゃもう空手部には帰れないですね……。悲しいなぁ
2:MUR先輩、KMR、AKYS師範……すいません
3:名簿に記載されてないってことは、俺はマサツグ様以下の虚構の存在なんですかね……(疑心暗鬼)
4:たとえ虚構の存在だとしても、◼︎◼︎のことが好きなんだよ!
5:イリヤは見つけ次第、拷問。美遊は王道を征く封印ですかね
【備考】
※バトル淫夢みたいな戦闘力があります。
※野獣先輩新説シリーズで対象キャラへの変身や能力・技能の獲得が可能になりますが、新説シリーズを使う度に体力が消費されるようです。
参戦作品以外のキャラクター説は使用不可能に制限されています。
他にも天体説@現実など、殺し合いを破綻させるような説の使用も制限により禁止されています。
※遊戯王OCGのルールとマジェスペクターの回し方を大分把握しました。
更に経験を積めばデッキを十割程は使いこなして、成長するでしょう。
※仮面ライダーの強化フォームに変身する時に時間制限があります。
※青薔薇の剣の武装完全支配術と記憶完全術は相応に体力を消耗しますが野獣先輩は気付いていません。
※マグニのクラスカードで宝具を使った影響で、遠野の記憶の大半を失いました。悲しいなぁ(諸行無常)
※ 魔導雑貨商人によりどこでもドアと何らかの回復アイテムを交換しました。具体的にどの回復アイテムかは後続の書き手さんに任せます
| 145:邂逅!虚構のマサツグと本物のマサツグ! | 投下順 | 147:最悪の時間 |
| 時系列順 | 148:手のひらで抗うMarionette | |
| 130:穢れ切った拳 | 野獣先輩 | 152:decided by myself(1) |