黒を基調とした、何処かロックバンド感ある服の青年が木々によって塞がれかけた夜空を見上げる。
木々が邪魔をして夜空は星をわずかに映すだけで、気分を晴れやかにすることはなかった。
やれやれとでも言いたげな溜息を吐く青年は橙色が風に靡いたかのように斜めに逆立った髪もあって、
より音楽を嗜んでそうな格好をしてるが、別にそう言った趣味に勤しんでいるわけではない。
そも、彼に職と言った概念があるとすれば元王であったことぐらいか。
木々が邪魔をして夜空は星をわずかに映すだけで、気分を晴れやかにすることはなかった。
やれやれとでも言いたげな溜息を吐く青年は橙色が風に靡いたかのように斜めに逆立った髪もあって、
より音楽を嗜んでそうな格好をしてるが、別にそう言った趣味に勤しんでいるわけではない。
そも、彼に職と言った概念があるとすれば元王であったことぐらいか。
「俺に殺し合いをさせるって、分かってるじゃねえか。」
空を眺め終えて瞳を閉じるが、笑みを浮かべながら開く。
不敵な笑みとか微笑みとかそういう人を惹きつけるものではなく、
見るからに悪党のような、人を不快にさせる下卑た笑み。
とても善良な側の人間とは思えないもので、事実その通りだ。
不敵な笑みとか微笑みとかそういう人を惹きつけるものではなく、
見るからに悪党のような、人を不快にさせる下卑た笑み。
とても善良な側の人間とは思えないもので、事実その通りだ。
彼は真月零、と言うのは人間として活動する際の名前でまたの名をベクターと言う。
バリアン世界を救うために対となるアストラル世界を滅ぼすべく、
ナンバーズカードを所持するアストラルと敵対していたバリアン七皇の一人。
と言うのは表向き……と呼べるほどに完璧に隠せていたわけでもないが、
野心家であるベクターは七皇を裏切り、他の七皇の大半を手にかけている。
闇討ち、騙し討ち、裏切りは最早彼の十八番。平たく言えばゲスの極み。
その一言で済ませられる程度には悪逆非道の限りを尽くしていた。
バリアン世界を救うために対となるアストラル世界を滅ぼすべく、
ナンバーズカードを所持するアストラルと敵対していたバリアン七皇の一人。
と言うのは表向き……と呼べるほどに完璧に隠せていたわけでもないが、
野心家であるベクターは七皇を裏切り、他の七皇の大半を手にかけている。
闇討ち、騙し討ち、裏切りは最早彼の十八番。平たく言えばゲスの極み。
その一言で済ませられる程度には悪逆非道の限りを尽くしていた。
「トラップについては一応俺は詳しい方だぜ? まあカードでの話だがな。」
何度も対戦相手を演技や罠で翻弄したことを思い返しながら、
先ほど見せしめになった名も知らない褐色の少女の事も思い返す。
あれで嫌悪感も不快感も示さずに『なんとおぞましい趣味をお持ちで』で済むのも、
そう言った外道をほぼ最初から最後まで只管突き進んでいった男だからこその反応だ。
(無論ああいう手段を取ったことはないので、多少程度とは言え引きつり気味でもあったが)
人を罠に嵌める快感と言うものはよくわかっている。
色んな相手を涙ぐましい努力で陥れてきたのだから。
先ほど見せしめになった名も知らない褐色の少女の事も思い返す。
あれで嫌悪感も不快感も示さずに『なんとおぞましい趣味をお持ちで』で済むのも、
そう言った外道をほぼ最初から最後まで只管突き進んでいった男だからこその反応だ。
(無論ああいう手段を取ったことはないので、多少程度とは言え引きつり気味でもあったが)
人を罠に嵌める快感と言うものはよくわかっている。
色んな相手を涙ぐましい努力で陥れてきたのだから。
「ゲスな奴に人を蹴落とす殺し合いとか、面白いこと考えるなぁ!」
笑い声が森へと響く。
忌避感などどこにもない。
自分がやられる側とはつゆほども思わない。
殺し合いやエロトラップダンジョンと、
人を蹴落とすにはもってこいのものばかり。
そう、いつも通りをすればいい───と言うのに。
忌避感などどこにもない。
自分がやられる側とはつゆほども思わない。
殺し合いやエロトラップダンジョンと、
人を蹴落とすにはもってこいのものばかり。
そう、いつも通りをすればいい───と言うのに。
「……まったく、とんだお人好しだったな。」
ひとしきり笑い終えると、彼は複雑そうな表情を浮かべる。
彼が最初の説明よりも前、此処へ来る直前までの記憶。
バリアンの神ドン・サウザンドに吸収されそうになった時のことだ
吸い込まれそうになった彼が、誰も掴むはずのない伸ばした手を、敵であるはずの九十九遊馬が掴んだ。
何度も裏切ってもなお、自分を信じようとしていた底なしのお人よし。
彼が最初の説明よりも前、此処へ来る直前までの記憶。
バリアンの神ドン・サウザンドに吸収されそうになった時のことだ
吸い込まれそうになった彼が、誰も掴むはずのない伸ばした手を、敵であるはずの九十九遊馬が掴んだ。
何度も裏切ってもなお、自分を信じようとしていた底なしのお人よし。
「仏様でも掴まねえだろう手を掴むか? 普通。」
つまらない友情ごっこで手痛いしっぺ返しを受けて、
その後も数々の裏切りの場面を目の前で目撃してきた。
七皇のリーダーにすら『人の心はない』と言わしめる上に、
道連れにしようと言う意味でその手を握り返した相手を、
助けるべき奴だと認識できる要素がどこにあると言うのか。
その後も数々の裏切りの場面を目の前で目撃してきた。
七皇のリーダーにすら『人の心はない』と言わしめる上に、
道連れにしようと言う意味でその手を握り返した相手を、
助けるべき奴だと認識できる要素がどこにあると言うのか。
『あぁ、いいぜ、真月。お前を一人になんてしない。お前は俺が守ってやる!』
道連れにする。どうせこれで折れるだろう。
そう思ってみれば、遊馬はその手を離そうとはしなかった。
何度裏切っても、騙そうとも。人の心ができるまで信じ抜こうとする。
彼のかっとビングに外道を貫き続けてきたベクターでも、ついに根負けした瞬間だ。
言葉による偽善ではなく、本気でこっちの手を取ろうとしてきた誇張抜きの善人。
あの時の言葉が脳裏に焼き付いて離れることはなく、複雑な気分だ。
そう思ってみれば、遊馬はその手を離そうとはしなかった。
何度裏切っても、騙そうとも。人の心ができるまで信じ抜こうとする。
彼のかっとビングに外道を貫き続けてきたベクターでも、ついに根負けした瞬間だ。
言葉による偽善ではなく、本気でこっちの手を取ろうとしてきた誇張抜きの善人。
あの時の言葉が脳裏に焼き付いて離れることはなく、複雑な気分だ。
「……ま、そう簡単に善人になるのは癪だな。」
あれだけ突っぱねてきたのに、
今から悪いことをやるのはやめます。
なんてことをベクターがするわけもなく。
彼はひねくれている。今の彼は経験してることでもなければ、
カードに宿った魂の残滓のようなものなので経験と呼ぶにも怪しいことだが。
遊馬とナッシュのデュエルにおいて、彼のエースカードであるアンブラルの効果が、
偶然といえどもナッシュも遊馬もどちらにも損害を出す結果に至らせたりと、
素直になるなんてのは彼の性ではない。
今から悪いことをやるのはやめます。
なんてことをベクターがするわけもなく。
彼はひねくれている。今の彼は経験してることでもなければ、
カードに宿った魂の残滓のようなものなので経験と呼ぶにも怪しいことだが。
遊馬とナッシュのデュエルにおいて、彼のエースカードであるアンブラルの効果が、
偶然といえどもナッシュも遊馬もどちらにも損害を出す結果に至らせたりと、
素直になるなんてのは彼の性ではない。
「NPCか。」
茂みから姿を見せるのは、祈りを持たぬゴブリンだ。
あれだけ笑えば、そりゃ出てきて当然ではあること。
デュエリストである以上相応の格闘能力や耐久力はあれど、
バリアンの力も使えない(そも失ったかもしれない)現状、
彼は強さだけで言えば一般人よりかはましな程度にすぎない。
本来は参加者を面倒に思わせる連中でも数が揃えば厄介になる。
それこそ人数が揃えば高い攻撃力となる、ゴブリン突撃部隊のように。
悲しいが彼は最弱とされるゴブリンにすらまともに太刀打ちできない。
あれだけ笑えば、そりゃ出てきて当然ではあること。
デュエリストである以上相応の格闘能力や耐久力はあれど、
バリアンの力も使えない(そも失ったかもしれない)現状、
彼は強さだけで言えば一般人よりかはましな程度にすぎない。
本来は参加者を面倒に思わせる連中でも数が揃えば厄介になる。
それこそ人数が揃えば高い攻撃力となる、ゴブリン突撃部隊のように。
悲しいが彼は最弱とされるゴブリンにすらまともに太刀打ちできない。
せめて武器の一つぐらい手にする暇があればよかったが、
センチな気分に浸って放っておいたのが仇になったとも言える。
だから取れる選択肢は逃げる。デュエリストなので森の中でも軽快に走れた。
距離をどんどんと離すが、相手は諦めようとはせず騒ぐ声が背後では続くし、
地図を見てない現状、どこを進めば逃げ切れるかの判断もつかない。
先へ進めば運よく建物を見つけるものの、一瞬だけ立ち止まりかけた。
センチな気分に浸って放っておいたのが仇になったとも言える。
だから取れる選択肢は逃げる。デュエリストなので森の中でも軽快に走れた。
距離をどんどんと離すが、相手は諦めようとはせず騒ぐ声が背後では続くし、
地図を見てない現状、どこを進めば逃げ切れるかの判断もつかない。
先へ進めば運よく建物を見つけるものの、一瞬だけ立ち止まりかけた。
「チッ、入るしかねえか。」
一部施設がそういうのになってると言われてはいたが、
今からルートを変えては追いつかれるのは必定。
覚悟を決めてダンジョンへと足を踏み込む。
中は四方を煉瓦で固められた、まさにダンジョンらしい構造。
嘗てナンバーズを手に入れる際に入った遺跡を彷彿とさせる。
まだ一本道なので迷うことなく進む、と言うか進むしかできない。
後ろはゴブリンが複数体が迫っている。戻る選択肢はすでになかった。
今からルートを変えては追いつかれるのは必定。
覚悟を決めてダンジョンへと足を踏み込む。
中は四方を煉瓦で固められた、まさにダンジョンらしい構造。
嘗てナンバーズを手に入れる際に入った遺跡を彷彿とさせる。
まだ一本道なので迷うことなく進む、と言うか進むしかできない。
後ろはゴブリンが複数体が迫っている。戻る選択肢はすでになかった。
ベクターは走る。一直線の道を只管に。
申し訳程度に置かれたランタンが壁を照らしているが、
夜と言う時間帯もあって入り口入って間もなくですら割と暗い道を進む。
その時だ。
申し訳程度に置かれたランタンが壁を照らしているが、
夜と言う時間帯もあって入り口入って間もなくですら割と暗い道を進む。
その時だ。
「あ。」
何か踏んではいけないスイッチを踏んだ音がひびく 。
間抜けな声と共に消える床。落ちるベクターとゴブリン───
間抜けな声と共に消える床。落ちるベクターとゴブリン───
「なーんちゃって!」
なんてことはなく。
この程度は予想しており、踏む瞬間に大きくジャンプをして、
落とし穴にかかることなく着地する。
この程度は予想しており、踏む瞬間に大きくジャンプをして、
落とし穴にかかることなく着地する。
「ま、トラップがあんだから使うに決まってるだろ。
間抜けな参加者演じてみるのは、NPCにも有効ってか。」
間抜けな参加者演じてみるのは、NPCにも有効ってか。」
落とし穴と思しきスイッチはわざと踏んだ。
エロトラップダンジョンともなれば死ぬことは少ない。
なので踏むことにはさして躊躇いはなかったわけだ。
と言うよりも、ベクターは前を走ってたので気付けたが、
そう遠くない先にも開かれた落とし穴が見えていた。
回避した後油断して歩いたところを落とすダブルトラップ。
暗がりで気づきにくいが、彼は無事に気づくことができた。
初歩的な罠に引っ掛かる程、彼も間抜けではない。
エロトラップダンジョンともなれば死ぬことは少ない。
なので踏むことにはさして躊躇いはなかったわけだ。
と言うよりも、ベクターは前を走ってたので気付けたが、
そう遠くない先にも開かれた落とし穴が見えていた。
回避した後油断して歩いたところを落とすダブルトラップ。
暗がりで気づきにくいが、彼は無事に気づくことができた。
初歩的な罠に引っ掛かる程、彼も間抜けではない。
「……別の意味でおぞましいな。」
何か先ほどまでのゴブリンとは違う声が聞こえて、
なんとなく中を覗いてみると落とし穴の中で桃色の液体に浸ったゴブリンは、
別の意味で見るに堪えないような光景が広がってたので素直に無視することにする。
その内容は筆舌に尽くしがたいが、甘ったるい匂いが何かはその光景から察した。
なんとなく中を覗いてみると落とし穴の中で桃色の液体に浸ったゴブリンは、
別の意味で見るに堪えないような光景が広がってたので素直に無視することにする。
その内容は筆舌に尽くしがたいが、甘ったるい匂いが何かはその光景から察した。
「すまない、誰かいるのか?」
「ん?」
落とし穴を覗いていたら聞こえてきたのは女性の声。
少し暗いものの、人が謎の液体に浸かった状態でいることはある程度確認できる。
先のゴブリンと違い、此方は別に媚薬の類でもなさそうだ。
少し暗いものの、人が謎の液体に浸かった状態でいることはある程度確認できる。
先のゴブリンと違い、此方は別に媚薬の類でもなさそうだ。
「ああ、考えたらそれもそうか。」
あからさまな落とし穴が最初からあるのはおかしい。
となれば単純に、既に引っかかった参加者がいると言うことだ。
最初の落とし穴には気付けたが次の穴には落ちた、と言ったところだろう。
ダブルトラップではあったものの、少し意味合いは違っていた。
となれば単純に、既に引っかかった参加者がいると言うことだ。
最初の落とし穴には気付けたが次の穴には落ちた、と言ったところだろう。
ダブルトラップではあったものの、少し意味合いは違っていた。
「そこから私を引っ張り出せる道具はないか?」
「嫌、どう見てもそっちに道続いてるだろ、そっちから出ろ。」
ベクターの視界からでも道らしい道がある。
そっちを通れば何も問題ないはずなのに何故躊躇うのかと思うが、
そっちを通れば何も問題ないはずなのに何故躊躇うのかと思うが、
「こっちは絶対ろくなことにならない! 頼む!」
角度的な都合でベクターからは見えないが、
下の彼からはうごめく触手が入れと言わんばかりに待ち構えている。
生理的に受け付けないと答える人の方が普通の反応だ。
下の彼からはうごめく触手が入れと言わんばかりに待ち構えている。
生理的に受け付けないと答える人の方が普通の反応だ。
「仕方ねえな……ちょっと待ってろ。」
ゴブリンの聞きたくもない嬌声を余所に、
落とし穴の間の道の上でベクターはザックを漁る。
落とし穴の間の道の上でベクターはザックを漁る。
「ああ、これなら使えるな。」
声だけで何が起きているのかは分からない。
助けるつもりはないわけではなさそうなので待っていると、
突然壁を破壊するような音がし始めて下の彼は困惑し始めた。
助けるつもりはないわけではなさそうなので待っていると、
突然壁を破壊するような音がし始めて下の彼は困惑し始めた。
「お、おい! 何をしているんだ!」
「材料調達にちょっと壁ぶっ壊した。」
「ざ、材料?」
「えーっと、こうやるのか?」
説明書を一瞥しながら、ベクターが壁の破片を彼へと投げる。
だが破片は彼に当たることも、ましてやその水の中へ沈むこともない。
だが破片は彼に当たることも、ましてやその水の中へ沈むこともない。
「……小石が浮いてる、だと?」
時が止まったかのようだ。
小石は彼が触れても動かずずっと宙に留まったまま。
その小石を足場代わりにしても、びくともしない。
後は簡単だ。彼は小石を足場にして、上まで登るだけだ。
登り終えて、ようやく本来の道へと戻るに至る。
小石は彼が触れても動かずずっと宙に留まったまま。
その小石を足場代わりにしても、びくともしない。
後は簡単だ。彼は小石を足場にして、上まで登るだけだ。
登り終えて、ようやく本来の道へと戻るに至る。
「ありがとう、本当に感謝している……私はドグマ、教会で神父をしている。」
「いや、神父は男がするもんだろ。確か女性は司祭だった気がするんだが。」
「何を言っている? 私は……ん?」
ベクターの言うことに違和感しかなかったが、
自分の少しぶかぶかな袖を見て自分の異変に気付く。
まさかそんなと、ザックの中から水の入ったペットボトルを取り出し、
あり得ない光景を目の当たりにする。
自分の少しぶかぶかな袖を見て自分の異変に気付く。
まさかそんなと、ザックの中から水の入ったペットボトルを取り出し、
あり得ない光景を目の当たりにする。
「なんだこれは───!?」
反射で自分の顔を見れば絶叫するしかなかった。
短かった髪は肩まで伸びており、胸部も男性らしからぬ膨らみ方だ。
完全に今の彼の姿は男性ではなく、女性の姿になっている。
短かった髪は肩まで伸びており、胸部も男性らしからぬ膨らみ方だ。
完全に今の彼の姿は男性ではなく、女性の姿になっている。
「私は今女性になってるのか!? いや、待て待て! 殆ど妹の姿ではないか!」
セミロングの髪を結んでツインテールにしてしまえば、
どうみても妹とそん色ない姿であることを察した。
違いがあるとするならば身長は少し縮んでも彼女より高いぐらいか。
どうみても妹とそん色ない姿であることを察した。
違いがあるとするならば身長は少し縮んでも彼女より高いぐらいか。
「なぜこんなことに!? まさか、さっき浸かったあれか!?」
「ああ、これ両方ともかかる前提か。」
最初の落とし穴はゴブリンのあの状態から媚薬の類に浸けて、
次の落とし穴で女性にされるという、一種の二度漬けのようなもの。
そうした状態でダンジョンを進ませるか退かせるようにしていると。
典型的で初歩的だ。一般人だったらこの類には引っかかれば、想像するに難くない。
次の落とし穴で女性にされるという、一種の二度漬けのようなもの。
そうした状態でダンジョンを進ませるか退かせるようにしていると。
典型的で初歩的だ。一般人だったらこの類には引っかかれば、想像するに難くない。
「なんでてめえはこんなところに入ったんだよ。そういう趣味か?」
「ダンジョンからスタートだっただけだ!」
ドグマがしたのはただの逆走。
普通こんなダンジョン入りたいとは思わないし、
そもそも現状はいるメリットが存在してないのだ。
ベクターも追い詰められなければ入りたいとも思っていないので納得だ。
普通こんなダンジョン入りたいとは思わないし、
そもそも現状はいるメリットが存在してないのだ。
ベクターも追い詰められなければ入りたいとも思っていないので納得だ。
「ああそうかい。じゃあ後は好きにしな。
忠告だが早めにでねえとこっちの穴のゴブリンが出てくるぞ。
一応、さっきからずっとゴブリンがせりあがってくる床を固定してるが、離れるから解除されるぞ。」
忠告だが早めにでねえとこっちの穴のゴブリンが出てくるぞ。
一応、さっきからずっとゴブリンがせりあがってくる床を固定してるが、離れるから解除されるぞ。」
小石をポイっと入口の方へ投げて、足場を作る。
その際に何か人型の霊のようなものが見えたが、
ドグマが持つ魔法のように一種の魔法の類だとして気にしないでおく。
その際に何か人型の霊のようなものが見えたが、
ドグマが持つ魔法のように一種の魔法の類だとして気にしないでおく。
「待ってくれ。君は殺し合いには乗らないのだろう。ならば……」
彼についていく形で落とし穴を超えつつ仲間として誘う。
見ず知らずの人間、それも殺し合うべき間柄を態々助ける。
そういった行動がとれる相手が乗っている相手とはとても思えない。
見ず知らずの人間、それも殺し合うべき間柄を態々助ける。
そういった行動がとれる相手が乗っている相手とはとても思えない。
「殺し合いに乗ってないイコール善人か?」
入口が見えてきた中、ベクターは振り向く。
先程も目つきの悪さはあったが、今度は本当に悪党が似合う面だ。
同一人物なのかと疑いたくなるぐらいの凶悪さで顔を近づける。
先程も目つきの悪さはあったが、今度は本当に悪党が似合う面だ。
同一人物なのかと疑いたくなるぐらいの凶悪さで顔を近づける。
「人畜無害な奴が、突然人様の家を燃やすことだってあるだろ。
必要なら俺は他人を欺く、蹴落とす、そして殺すつもりだ。
お前が俺の敵になるんだったら、テメエをそっちへ突き落してるしな。」
必要なら俺は他人を欺く、蹴落とす、そして殺すつもりだ。
お前が俺の敵になるんだったら、テメエをそっちへ突き落してるしな。」
「な……」
「ついでに言えば、俺は神を信じねえし妹のいる兄はむかつく奴を思い出すんだよ。」
生前も、バリアン世界の住人になってもバリアンの神に実質殺されたし、
以前もナッシュとメラグの生前から続く兄妹に苛立ってポイントをためてきた。
ドグマは言うなればベクターにおける地雷のオンパレードと言ったところだ。
一緒にいればポイントを高速で一億溜めたところでおかしくはない。
以前もナッシュとメラグの生前から続く兄妹に苛立ってポイントをためてきた。
ドグマは言うなればベクターにおける地雷のオンパレードと言ったところだ。
一緒にいればポイントを高速で一億溜めたところでおかしくはない。
「ま、一先ず暫く乗るつもりはねえが、
俺の為なら俺は誰だって蹴落とすつもりだ。
信心深い神父のパートナーに合うわけがねえ。」
俺の為なら俺は誰だって蹴落とすつもりだ。
信心深い神父のパートナーに合うわけがねえ。」
「ではなぜ私を助けたんだ? 敵の可能性だってあっただろう。」
助けてほしい以外は何一つ言ってなかった。
殺し合いにおけるスタンスも、何もかも。
先ほど乗った人物ではないことを証明したぐらいか。
信用を得られる状況が皆無の中彼は邪見にはしてたが、
騙し討ちもすることなく助けた行動には疑問しか残らない。
一瞬の静寂が通り過ぎると、ベクターはこう返した。
殺し合いにおけるスタンスも、何もかも。
先ほど乗った人物ではないことを証明したぐらいか。
信用を得られる状況が皆無の中彼は邪見にはしてたが、
騙し討ちもすることなく助けた行動には疑問しか残らない。
一瞬の静寂が通り過ぎると、ベクターはこう返した。
「……まあ、良かれと思ってだ。」
「良かれと……?」
「だが安心しろ。少なくともテメエの邪魔をするつもりはねえよ。
もしテメエに似た妹がいたら、助けてやるぐらいは考えてやるさ。」
もしテメエに似た妹がいたら、助けてやるぐらいは考えてやるさ。」
誰かの意志を継ぐだとか、誰かのためにといった使命感もなく。
殺し合いを止めようとする善でも、殺し合いや凌辱を肯定する悪にも非ず。
ただ何となく、あいつの真似事を暫くはやってみる。それだけの理由。
彼だったら問答無用で、同じように手を伸ばしていたのだから。
その言葉を最後に、ベクターは入口へ戻り何処かへと去っていく。
殺し合いを止めようとする善でも、殺し合いや凌辱を肯定する悪にも非ず。
ただ何となく、あいつの真似事を暫くはやってみる。それだけの理由。
彼だったら問答無用で、同じように手を伸ばしていたのだから。
その言葉を最後に、ベクターは入口へ戻り何処かへと去っていく。
「……神に縋らない、か。」
何故だろうか。
具体的な理由は分からないが、
ドグマはその言葉が脳裏に焼き付いて離れなかった。
具体的な理由は分からないが、
ドグマはその言葉が脳裏に焼き付いて離れなかった。
【真月零(ベクター)@遊戯王ZEXAL】
[状態]:ちょっとセンチな気分
[装備]:クラフト・ワークのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0〜2(未確認)
[思考・状況]
基本方針:少しだけだが、アイツの真似でもしてみるか……よかれと思ってな。
1:主催者にでも八つ当たりする。あいつにとって良からぬことを始めようじゃねえか。
2:ナッシュや遊馬がいたら少しだけ協力は考えてやる。ナッシュは一回さっきの落とし穴に突き落とすが。
3:ドグマとはなれ合うつもりはないが、邪魔はしない。だが兄貴で神を信奉とかイラッとくるぜ。
4:アイツそっくりな妹がいたら、まあ助けるぐらいはするか。後は知らねえが。
5:『固定の能力』ね……掴んだ手は離さないってか?
[備考]
※参戦時期はドン・サウザンドに吸収による消滅後。
※ドン・サウザンドの力、及びバリアン態等の行使は現状できません。
力が残っていて、バリアンスフィアキューブがあれば別かも。
[状態]:ちょっとセンチな気分
[装備]:クラフト・ワークのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0〜2(未確認)
[思考・状況]
基本方針:少しだけだが、アイツの真似でもしてみるか……よかれと思ってな。
1:主催者にでも八つ当たりする。あいつにとって良からぬことを始めようじゃねえか。
2:ナッシュや遊馬がいたら少しだけ協力は考えてやる。ナッシュは一回さっきの落とし穴に突き落とすが。
3:ドグマとはなれ合うつもりはないが、邪魔はしない。だが兄貴で神を信奉とかイラッとくるぜ。
4:アイツそっくりな妹がいたら、まあ助けるぐらいはするか。後は知らねえが。
5:『固定の能力』ね……掴んだ手は離さないってか?
[備考]
※参戦時期はドン・サウザンドに吸収による消滅後。
※ドン・サウザンドの力、及びバリアン態等の行使は現状できません。
力が残っていて、バリアンスフィアキューブがあれば別かも。
【ドグマ(ドグマ・トスカリナ)@END ROLL】
[状態]:女体化、ずぶ濡れ、困惑、頭痛(精神的な)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1〜3
[思考・状況]
基本方針:乗るつもりはない。
1:この身体、コーディにどう説明すればいいんだ……
2:彼(ベクター)は敵ではないとはわかる。だが協力は難しいか?
3:他の仲間になりうる人物を探す。
[備考]
※参戦時期は少なくとも五日目以降、
二度目の埋葬者との戦いを経験済みなので『女神の加護』は習得済みです。
また、ラッセルとどの程度イベントに関わったかは後続の書き手にお任せします。
※ラッセルのハッピードリームにおける夢の世界出てくるドグマです。
※ダンジョンの罠の影響によって身体が女性で筋力が落ちてます。
ほぼコーディ@ENDROLLがドグマの服を着て髪をストレートにした感じです。
[状態]:女体化、ずぶ濡れ、困惑、頭痛(精神的な)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1〜3
[思考・状況]
基本方針:乗るつもりはない。
1:この身体、コーディにどう説明すればいいんだ……
2:彼(ベクター)は敵ではないとはわかる。だが協力は難しいか?
3:他の仲間になりうる人物を探す。
[備考]
※参戦時期は少なくとも五日目以降、
二度目の埋葬者との戦いを経験済みなので『女神の加護』は習得済みです。
また、ラッセルとどの程度イベントに関わったかは後続の書き手にお任せします。
※ラッセルのハッピードリームにおける夢の世界出てくるドグマです。
※ダンジョンの罠の影響によって身体が女性で筋力が落ちてます。
ほぼコーディ@ENDROLLがドグマの服を着て髪をストレートにした感じです。
【クラフト・ワークのDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
ベクターに支給。頭部にDISCを挿入することでスタンド能力を行使可能だが、相性が悪いと弾かれる。
このDISCは物理的な破壊はほぼ不可能。特殊な手段を用いらない限り消滅するには、
装備した対象が死亡することでの消滅のみ。頭部のディスクは頭に強い衝撃を与えれば出てくる。
ベクターに支給。頭部にDISCを挿入することでスタンド能力を行使可能だが、相性が悪いと弾かれる。
このDISCは物理的な破壊はほぼ不可能。特殊な手段を用いらない限り消滅するには、
装備した対象が死亡することでの消滅のみ。頭部のディスクは頭に強い衝撃を与えれば出てくる。
原作の第五部でサーレーが使役するスタンドが宿ったDISCで、
ステータスは【破壊力:A スピード:A 射程距離:E 持続力:C 精密動作性:E 成長性:E】
物質を固定する能力を持ち、固定したものは能力の解除以外では基本的には動くことはない。
固定した物はエネルギーを蓄積することが可能で解除時に放出。蓄積次第で弾丸以上の速度で飛ぶ。
ただし大雑把にやると軌道が大きくずれてしまうので、細かい動作での調整が必要とすごく手間がかかる。
飛び道具は肉体の途中で止まる為致命傷になりにくく、近接攻撃も基本のステータスが高く弾丸をはじくぐらいはできる。
ステータスは【破壊力:A スピード:A 射程距離:E 持続力:C 精密動作性:E 成長性:E】
物質を固定する能力を持ち、固定したものは能力の解除以外では基本的には動くことはない。
固定した物はエネルギーを蓄積することが可能で解除時に放出。蓄積次第で弾丸以上の速度で飛ぶ。
ただし大雑把にやると軌道が大きくずれてしまうので、細かい動作での調整が必要とすごく手間がかかる。
飛び道具は肉体の途中で止まる為致命傷になりにくく、近接攻撃も基本のステータスが高く弾丸をはじくぐらいはできる。