ドアチェック機能不全の原因とローラー交換手順

最終更新:

500mex

- view
だれでも歓迎! 編集

ドアチェック機能不全の原因とローラー交換手順


趣旨

皆さんの500のドアって、目一杯開いたまんまで止まります?
「えー!知らなかった!」という方もいらっしゃる様ですが、本来はちゃんと開いたままで止まるのでございます(笑)。
 
ただ、ドアを止めるためのドアチェック(ドアストッパー)が劣化していると、開けても自動ドアのごとく勝手に閉まってしまうのです。
これはちょっとした荷物の積み下ろしの際などにドアをお尻で押さえておくという、『人間ドアチェック』をしないとならなくて不便なことがあったり、しかも窓の”くるくるメカ”(本名=ウィンドウレギュレーターハンドル)が尻を攻撃したりしてデンジャラスなのでございます。
 
実は私が500を買った当初は、ちゃんとドアチェックが働いていました。
でも7~8年経った頃には自動ドア状態に。
なのでローラー部分を新しいパーツに入れ替えたものの、どうも品質が今ひとつの様で、今度はわずか半年ほどでまた自動ドアに。
その後あきらめて放置していましたがやはり不便なので、きっちり直してくれようという目論見です。
 

用意するもの

ドアチェック復活のためにドイツのショップから手に入れたパーツ。
これまでは削れてしまったローラーだけ交換していたのですが、今回はスプリングも交換してみようということで、これらがそのパーツです。
巨大な黒いスナップピンみたいなのが
『ドアチェック スプリング』
で、白い丸いのが
『ドアチェック ローラー』
という名称で、左右の区別はありません。
 

必要な工具

内装剥がし
Ωクリップを外すための道具(無い方は内装剥がしの薄いヘラを使うなど、工夫してください。)
3番のプラスドライバー
ロングノーズプライヤー
ウォーターポンププライヤー
汎用グリース
ウレアグリース

作業手順


01

ドアの内装パネルを外す。
ドアハンドル、くるくるメカ、ドアオープナーを外します。
(500Rの例。500Fはドアオープナーが異なり、500Lでは通常、右上のドアハンドルがありません。)

くるくるメカを外すには
この隙間に入っているΩクリップを抜く必要があります。
矢印の先にチラリと見えているやつがそれ。
内装剥がしのヘラなどで下から突いても良いのですが、うっかりすると『パイーン』と中に飛び去り行方不明になってしまうので注意が必要です。

写真では”キャブレターピンツール”という、Eリングを引っ張る工具を使っていますが、実は専用工具も存在するようです。→ドア&ウィンドウハンドル外し工具
中には樹脂板などで自作している人もいらっしゃいます。


これがΩクリーップ。


次に気を付けたいのが、ドアオープナーのベース部分。
こいつの裏側の爪がデリケートで、特にリプロ品ではすぐに折れたりガバガバになったりするので、着脱の際は丁寧に作業しましょう。


02

ドアチェックを外す。

ドアの内装パネルを剥がしたらこのキャップを外します。


中にはプラス頭のボルトがあります。


このボルトは十字溝が大きいので、ドライバーはプラスの3番を使います。
恐らく結構しっかり締まっているので、小さい番手のドライバーだとまずボルト頭をナメてしまうでしょう。
もしかしたら固着していてめちゃめちゃ硬いかもしれませんので、しっかりトルクをかけて回してください。
ボルトが一旦回せたら、ドア全開状態ではなく少し閉じ気味にすると回しやすくなります。
 

でもこれが最後まで出てきません(笑)。
なのでニードルノーズプライヤーなどでつまんで引っ張り出します。
 

続いてドアチェックスプリング(長いので以下スプリング)がボディに取り付いてる部分を摘んで外しますが、これはドアを半分ほど閉めた状態で作業しないとすんなり外れないと思います。
取り付け時も同じ要領です。
 
スプリングが硬い場合は無理をせず、ウォーターポンププライヤーなどで摘んで外します。


ボディからスプリングを外した状態。
矢印の先に見えているのがスプリングの頭。
 
 
パネルの隙間に手を突っ込んで取り出します。
スプリングに対してローラーがこの位置でドアがストップする仕組みです。

因みにスプリングは途中から外側に向かって湾曲していますが、スプリングは左右共通のため、左右ではスプリングの凸凹の向きが上下逆向きになります。
取り付けの際は向きに注意しましょう。


スプリングからローラーを外します。
ドアチェックが効かなくなる理由はこれ。
ローラーのこの部分がいつも削れてしまうのです。
中には削れるのではなく変形する物もあると聞きました。
それもヤダなぁ…いずれにせよこれじゃぁイカンです。
 
 

03

パーツの確認と検証。

さてここでOLD/NEWの比較。
思った以上にスプリングの形状が違う。
(500Fの前期型にはスプリングがクロスしているタイプも存在します。)
 

そこで、もしかしたら相性があるかも?と、ローラーをはめてみたら…
おや?
ロックされる位置が新旧のスプリングで違う!?

試しに新旧それぞれのスプリングで仮付けして検証した結果、新しいスプリングは古い物よりも手前でロックされるため、案の定、ドアの止まる位置が手前(ドアの開きが若干少ない)になることが判明しました。
したがって今回は、ドアがより開いた位置で止まる古いスプリングを使うことにしました。
 

04

ドアチェックの取り付け。
外したのと逆の手順で組み付けます。
写真にはありませんが、ローラーの周囲と中心の穴にはウレアグリースを、スプリングがドアに嵌る部分には汎用グリースを塗っておきました。

スプリングをドアに通して端部をボディにはめ、ドアを少し閉じ気味にして…
ローラーとボルトの穴の位置が合うと、このように明るく見えます。
 
で、ボルトを締めてさぁ、どうよ!
おお~!
いいじゃ〜ん!!
 

そこでドア内装パネルも復旧。
ふ…ふははは!
完璧だぜー!


で、その後助手席側も同様に組み付け、
「むははは!俺の勝ちだぜ~!」
と勝ち誇っていたのもつかの間…ドアの内装パネルを復旧したら
『ギィ~…』
「え…」
『バタン!』
「…」
( ゚д゚)

なんと!内装パネルの重みで自動ドア化したのだ!
ドアポケットなんか付けたりしてるから尚更重いのだ!
努力は報われなかったのだ!!
「ぐわー!!」
「こっ…こいつめ~…やってくれるじゃねぇか。」

そこで、恐らくはローラーに塗ったグリースのせいで滑りが良すぎるのだろうと判断し、再びバラしてグリースを綺麗に拭き取り再組み付け。
「内装パネル無しでは止まっているなぁ。まぁさっきもそうだったんだし当然か。」
で、内装パネル再復旧。
「さぁどーよ!」
そぉ~っと手を離す。
「が…頑張れ~!」
( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
『ンギィ~…』
( ゚д゚)
「エヘ…」
『バタン!』
…_| ̄|○

だいたいね、そぉ~っと手を離す時点でもはや終わってるのよね。
「まぁさ…運転席側はバッチリだから一勝一敗で引き分けだな…。」
うん、ホントは違うのだ。
負け惜しみなのだ。
ウキー!
 
ふっふっふ、さぁどーです!
皆さんもドアチェック…取り替えてみたくなりませんか?(笑)


さて、これで終わっていたと思うでしょう。
ふ…実は後日談がるのです。
ふはははは!
そう、最終兵器入手。
実は真鍮でローラーを作った人がブログでの嘆きを見て、なんと!ご好意で一組分けてくださったのです。
お名前は伏せますがとてもありがたく、感謝しております!


結果、今では…
このように羽ばたけるようになりました。

ということで、もしもどこかで真鍮などの金属製ローラーを見つけたら、ゲットすることをお勧めします。
うん、どなたか量産してくれないかしら^^。

(written by MEX)

真鍮ローラーの代替品

ここから先は大塚による追記です。

自分もMEXさんみたいにドアを改善したい!でも真鍮ローラーは手に入らないし、という場合の代替手段として既製品のカラーを使う手があります。

まず。
樹脂のローラーにタイラップを巻くといいかも、と試してみましたが駄目でした。

そこで既製品で手に入るカラーを探しました。
16mm径で幅が16mmの鉄製カラーです。
一例を上げるとミスミというサイトで一つ350円程度で入手可能です。(ただし、ミスミは法人の発注でないと販売してもらえません。)
単純な形状なので他にも代替品が探せるかもしれません。

そもそもローラーがプーリーのように凹んだ形をしている理由は
スプリングにはめたときに挟まり、ドア本体にスプリングを取り付ける際に外れない為です。
一旦ドアとボディにスプリングが装着されればローラーがスプリングから外れてしまうことはありませんので、前記のカラーを使用しても、取付の際に落とさないよう注意すれば、機能として問題ありません、
ドア前部、ちょうどこのスプリングの下にあたる部分には、実は細長〜い内ポケットのようになっていて、カラーを落とすと二度と取れません。

落とそうものなら見えない場所ですし、マグネットツールも歯がたたないくらい嵌ってしまいます。(経験者)
ですので、先回りしてそのポケットになにか詰め物しておいて作業することで悲劇を未然に防げます。
糊代わり、というわけでもないですが、カラーにたっぷりグリスを塗ってうまく取り付けられれば、真鍮ローラー入手不可能な人にも幸せが訪れます。


ローラーもしくは鉄製カラーが手に入らない場合のお試しとして

大塚さんの追記を読んで思い出したことがあるので、ここから先はMEXによる追記の追記です^^。

大塚さんの鉄製カラーも手に入らない!という場合、実は試してみたいことが二つあります。

01

アルミカラーで代用。
昔バイクに乗っていたこともあり、その記憶で探したら案の定、POSHにアルミのカラーがありました。

『ポッシュフェイス(POSH FAITH) アルミユニバーサルカラー(内径8mmX外径16.5mmX厚さ15mm) 2個入り 121508』
(密林で検索してみてください。)

アルミなので耐久性が不明ですが、樹脂製よりはマシかもしれません。


02

タイラップでスプリングを狭める。
これは以前、私の嘆きを見て「自分はこうしてる。」教えてくださった方が。
どうやらここにタイラップを巻いてスプリングを絞ることで、ローラーを強引に挟んでしまおうという手段のようです。
ふむふむ、なるほどその手が!
皆さん様々な工夫をしていらっしゃいますね。


ということで、どちらも自分で試したわけではありませんので、さてどうか…。
人柱報告がありましたらまた追記しますww。

(written by MEX)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー