636年13月
13月1日分 ネネツ艦隊、皇国回廊を通過
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軍事省は1日、簒奪政府軍の艦艇13隻とネネツ軍の艦艇3隻の計16隻が北部の皇国回廊を通過し、マンタルヘイムに航行したと発表した。ネネツの艦艇が皇国回廊を通過したのを確認したのは初めて。この16隻は先月27日に皇国回廊に進入しており、そのまま通り抜けた形だ。
同省によると、ネネツ艦隊には航空巡空艦が組み込まれており、30日10時ごろには、戦線区コントルカンタ帝国行政区マッテルツァイト山の上空でネネツ艦隊の艦載機の発着も確認したという。
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13月2日分 グッソーウルトブルグ家、断絶
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グッソーウルトブルグ家最後の当主だったフレイレ・フォン・グッソーウルトブルグ伯爵が1日、モイピック公領グッソーウルトブルグの領地で死去した。72歳だった。
564年ガリアグル自治区グッソーウルトブルグ(現:簒奪政府領グッソール)生まれ。父親のターマック氏の代に騎士に任ぜられた新興貴族で、ターマック氏の教育方針で5歳の時に駆逐艦に載せられ最初の実戦を経験、16歳の時にある程度の指揮ができるようになり、神童と呼ばれた。当時はまだ小さかったバリグ士官学校に入学。そこを主席で卒業すると駆逐艦「アンリターマ」の砲術長に任ぜられ、主にヒグラート東部で活躍した。24歳の時に子爵になり「アンリターマ」の艦長を務めた後、44歳に伯爵となって駆逐戦隊の司令官となった。リューリア戦役ではモイピック艦隊などの下で最初に侵入してきた第二艦隊を迎撃し、旗艦アーキリアを撃退するなどの戦果を上げた。それを機に家督を息子であるイドロルムに譲り、自らは隠居生活を始めた。だが、イドロルムの戦隊は貴族連合艦隊として天命作戦に参加し、壊滅。家の掟で一族郎党を艦に乗せていたイドロルムの一家は全員死亡し、嫡流が途絶えたフレイレ氏は失意の晩年を送った。
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13月3日分 北パンノニアで建設中の橋が崩落
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北パンノニア自治共和国ヴァンカリア州で3日、建設中の橋が崩壊し、少なくとも32人が死亡したと自由通信が伝えた。橋はオーモスツ渓谷の上にかかる鉄道橋として建設されており、100メルトを超える深さの渓谷に、救助及び捜索活動は難航している。
ソルノーク新聞によると、崩壊現場からは4日までに14人が救出された。ヴァンカリア州政府は事故は施行業者のミスであると説明しており、新たな業者が決まり次第、建設を再開するという。同国では拡大する需要に技術力が追いついておらず、連邦製や共和国製の資材に比べて北パンノニア製の資材は質と量と共に劣悪で連邦などで建設されている大規模な公共建築物をパンノニアで建てる際には基本的に輸入品も使っている。今回の事故は当局が全ての部品の国産化にこだわった結果だという。
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13月4日分 近衛騎士団員が帝国宰相閣下のサインを偽造した物品を販売していたことが判明
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ディ・インペラトル紙によると、叛逆的近衛騎士団の総務人事部に勤務していた30歳の団員が、前帝国宰相閣下や僭称皇帝フリッグの偽サインを入れたペンや短剣を同騎士団員に売っていたことが、3日に明らかになった。
この団員は632年5月から634年8月にかけて、近衛騎士団員の制式髪飾りなど判明分だけで8点の物品に前帝国宰相閣下のサインを真似て記入し、「恩賜の髪飾り」等と紹して駐帝都の近衛騎士団員に販売したという。12月18日、「フリッグ陛下より賜ったエポレット」(ママ)と称したものを落札した団員が「サインが偽物ではないか」と他の基地の団員に連絡したところ、シリアルナンバーが75年前に時の皇帝陛下から賜ったのものとなっていたため、この問題がわかった。また帝国日報によると、団員は偽皇帝フリッグを含む他の有力貴族のサイン、計88点も偽造していた。
騎士団は団員を即時銃殺刑に処するとともに、真贋を見抜けずに購入した騎士団員78名に対して譴責処分を行った。また騎士団は騎士団内に当該団員にサインの情報を提供した者がいるとみて捜査を進めている。
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13月5日分 ザイリーグ・フアン州のオイウェイク市の化学工場が爆発 市ごと消滅す
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ザイリーグ連邦・フアン州のオイウェイク市の軍用化学工場で、製造途中の液体爆薬が暴発し、街全体を巻き込んで大爆発を起こしたことがわかった。
3日13時前、オイウェイク市の弾薬工場複合体で、砲弾装薬の製造に必要な液体爆薬を輸送中のタンク車が、蒸留塔に衝突し、爆発。液体爆薬プラントは瞬間的に蒸発し、パイプラインを通してつながっていた砲弾工場にも誘爆した結果、オイウェイク市の新市街と付随する工業地区が消滅した。
液体爆薬は本来、専用軌道による輸送が義務付けられていたが、オイウェイク市の工場ではこれを逸脱し、自動車による輸送を行っていた。
専門家によれば、13年前にもアーキルで類似の事故が発生しており、それ以来事故防止マニュアルを徹底させていたが、オイウェイク市の所在するフアン州はその指導を拒絶しており、またフアン州が勤勉で知られるパゼル系人が多いことからザイリーグ政府による監査がほとんどされていなかったのではないか。としている。
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13月6日分 バリグの新名物、ズンコ・ゲベイク 廃棄物質から生まれた皇帝御用達の菓子
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バリグ工業城塞ベレス区、シュワルツ・ケーク店のゲベイクが、ギッザスの社交界で高い人気を誇っている。60個を詰め合わせたパックは、ドフ百貨店のカタログで1位の注文を集めることも。バリグ工業城塞の新しいお土産品として注目を集めている。
「だんだんと注文が増えていって、人気が出ているの感じている」
シュワルツ・ケーク店の3代目、エイナ・シュワルツィナ(52)は人気の「ズンコ・ゲベイク」を持ちながら嬉しそうに語った。もともと、バリグにあるキチン質製造工場に勤めていたシュワルツィナさんは、キチン質素材の製造の際に発生する身の部分を処理する工程を担当していた。
より効率的な処理を研究している際に、身を焼いた時の香りがいい感じなことに気づいたシュワルツィナさんは、消費財として活用できないかいろいろなものへの加工を試みた。「化粧品から、ソース、とにかくいろいろ試したのですが、どれも使用量が少なくって」。最終的に見つけたのはゲベイク・ビスケットへの加工だった。ドーレー芋のデン粉と麦粉と塩を練り合わせたものを鉄板で焼き、5日間乾燥させることで、風味豊かなゲベイクが出来上がる。これを633年に販売し始め、当初は工場の労働者を中心に月に60個ほど販売していた。
廃棄物質を利用している分単価が安く、1千ダルクで6000枚も届くとあって、お得感から徐々に口コミが広がった。昨年1月には、ドフ百貨店で特別出張販売所を開設し、7日間で60枚入りパックを1400箱売り捌いた。
11月にはなんと皇帝陛下がお忍びで店頭に来られて、ズンコをお召し上がりになったそうで、「アイギス様はとてもおいしそうにバリバリと食べられていて、『うん、おいしい!』とお褒めの言葉を頂き、もう嬉しくて嬉しくて」と店長は語った。
廃棄物質の流用とはいえ、素体は野生の甲殻類と変わらない組成のものも多く、味は一般的なクラル料理と比べて遜色がない。「薬物でも入ってるのかと思うくらい、食べ始めると止まらない」「とてつもなく大量なので親類に配ってもまだ余る」「毎日の軽食として生活必須用品になってしまった」などと称賛の声が相次ぐ。
現在は月に約1450パックを出荷する。ドフ百貨店カタログの菓子部門で月別の注文数が1位になることもあるなど、安定した人気をもつ。
現在の出荷数は従業員15人で製造可能なほぼ上限の数字だというが、シュワルツィナさんは従業員の拡充を計画している。「貴族の方々にも知られてきて、それがたった15人の工場で作っているのは少し恥ずかしいので、胸を張っていきたいのと、より多くの人に食べてもらえるように」と語った。バリグの新名物が六王湖の新名物となる日は近い。
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13月7日分 ギジー市の生廃処理施設で約50万ダルクの現金が見つかる
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皇帝崇愛ダルキットカイゼリニスタ誌によると、6日10時ごろ、バ=オーバー帝国行政区ギジー市の生体老廃物中和処理施設で、分別槽の清掃をしていた22歳の従業員が100ダルク札約5000枚の入ったバックを発見した。統合警察ギジー署は、拾得物として持ち主を探しているという。
ギジー・ツァイト紙によれば、100ダルク札は全て違うシリアルナンバーであり、100枚の連番になっている束もあったという。バックが混入していたのは1-4日にギジー市内の各生体廃棄物処理槽から回収されたコンテナだった。
両紙によれば、1年ほど前には、同市の別の処理施設でも約30万ダルクの現金が見つかり、所有者が名乗り出ないまま、統合警察の元へ渡っていた。
※お断り
昨日6日分付けの当紙記事「バリグの新名物、ズンコ・ゲベイク 廃棄物質から生まれた皇帝御用達の菓子」の記事中において、エイナ・シュワルツィナ氏の口から語られた皇帝陛下のお言葉を「うん、おいしい!」としていましたが、記事掲載後、当人から間違っていたとの指摘を受け、陛下のお言葉を「クラルのような香ばしい香りが口の中に広がり、廃棄品だったとは考えられぬ美味だ。皇帝の御用達の菓子にするに相応しいものだ」と訂正します。本文も一部修正します。誤解を招く表現だったことをお詫びします。
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13月8日分 キサンテッチュ城のマツゥー子爵邸にて立てこもり 2人重傷か
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8日19時20分ごろ、モルゼア公領キサンテッチュ城にあるマツゥー子爵邸で執事を名乗る男性から「主人が銃で撃たれた」と通報があった。キサンテッチュ城守護によると、フードで顔を隠した男性とみられる人が家主でマツゥー家当主のルーシー・フォン・マードック・マツゥー女子爵(43)を人質にとって民家に立てこもっているという。関係者によると、銃のようなものを発砲したという。
キサンテッチュ城守護によると、マツゥー女子爵の10代と20代の子息が救急搬送された。運ばれた10代の女子は胸部を撃たれているとみられ、容体不明。20代の男性は頭部に重大なダメージを負ったとの情報もある。犯人の動機は不明だが、子爵の知人である可能性があるという。
子爵邸周辺はキサンテッチュ城守護及び、モルゼア公軍によって包囲されている。
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13月9日分 キサンテッチュ城の立てこもり男逮捕 人質死亡
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8日19時20分ごろ、モルゼア公領キサンテッチュ城にあるマツゥー子爵邸で、男が小銃のようなものを持ち、家主でマツゥー家当主のルーシー・フォン・マードック・マツゥー女子爵(43)を人質に立てこもった。Xt城守護は約11時間後の9日0時半、子爵邸に突入し、ルーシー氏の又従兄弟のレートレング・フォン・マツゥー=バルモラル男爵(21)を帝国法計画殺人容疑及び、モルゼア家法叛逆罪で逮捕した。Xt城守護によると、ルーシー氏は病院に搬送されたが死亡が確認された。一緒にいたルーシー氏のご子息のグストル・デスタン・フォン・マードック・マツゥーさん(24)が頭を撃たれて死亡し、同じくご息女のラ・ノラクリン・ベクタリア・フォン・マードック・マツゥーさん(18)が胸を撃たれて重傷を負ったが、意識はあるという。Xt城守護及び統合警察は事件の発生に至る詳しい経緯を調べている。
現場はキサンテッチュ城の内城区画の西側一角。近くには他の貴族の邸宅や初等学校やモルゼア家が有する全寮制のオリントバルグ校がある。
近くに住む女性(122)は銃声を聞いた。「圧肉洗器に入っていたら、ボーンという音が聞こえた。小銃とも大砲とも違う、今まで聞いたことのないような音だった」と振り返る。状況を確認しようと外に出ると、Xt城守護の装甲車や救急車などがたくさん来ていたという。「守護の方々が今まで見たことのない装備を付けて出てきていたのでびっくり」と語った。
ベクタリアさんの学友の女学生(17(+CM65))は、遊びに行こうかと寄ってきたら子爵邸が包囲されていたという。「危ないので離れてください」と言われ、近くの広場に身を寄せた。
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13月10日分 評議員選定会にて、3歳の史上最年少議員が誕生
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本日終了した評議員選定会において、ユーナ・フォン・ノイガリ=デシュタイヤ(36)の娘であるバゥエドリーナ・フォン・ノイガリ=デシュタイヤ(3)が史上最年少で選ばれた。
バゥエドリーナ氏は、J・デシュタイヤ氏の次女で、11月に改名したノイガリ=デシュタイヤ家の継承順位第4位。デシュタイヤ家は旧帝都時代から常に2人以上の血族を政府中枢に送り込んできたが、現当主のG・デシュタイヤ卿が二重艦隊保有問題により被選定権を放棄したため、代替が誰になるか注目されていた。当然のことながらバゥエドリーナ氏は艦隊を保有していない。
633年に生まれたばかりのバゥエドリーナ氏はまだ喋ることすらおぼつかないため、秘書としてG・デシュタイヤ卿が入るとバゥエドリーナ氏は"発言"しており、敵対する旧辺境諸派はもとより、身内である旧皇帝派からも実質的にG・デシュタイヤ卿の傀儡であると目されている。
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13月11日分 メルタ城で大園芸展が開催される 約8000mlt²の花園
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ミャーラ伯領メルタ城のミャーラ伯ベル5世庭園で11日、大園芸展が始まった。全国の有名産地から集まった21業者が、おのおの約400平方mltの花壇を設営し、新種の花や樹木、新型の農作物などを展示、販売している。
メルタ城は園芸産業の発展に注力しており、園芸展の開催はこれが2回目。出店している産地は、近くのティゲルトブルクのオーリスブロスやフィルゼル湖畔のミーノなどから、トラッストイアーのツルハのポッド、科学系ではギッザス第二大の開発した18倍ヒェカャなどがそろう。主催するミャーラ伯のベルテン・フォン・ミャーラ伯爵は「市民にも手の届く価格で買える品もある。鉢主や園芸師の苦労話も聞いてみてほしい」と話す。
入場無料。入場可能時間は10時~20時、最終日は30日で、閉会式が25時まである。
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13月12日分 ボルトガルト国土開発大臣アイギシェンガルデン市のシュミンテルツ市長が会談 「あくまでオイマャート空港を中核空港にする」
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12日、ボルトガルト国土開発大臣とナーヤカタン帝国行政区アイギシェンガルデン市のシュミンテルツ市長が会談し、ボルトガルト大臣が、「あくまでオイマャート空港を中核空港にする」意向を示し、アイギシェンガルデン空港の中核空港化については言及しなかった。
ボルトガルト大臣は、「アイギシェンガルデン空港の抜本改革案は必要であるが、まずオイマャート空港を軍民双方の終日中核空港化に道筋をつけた上で、フィルゼル湖近辺の3つの空港の役割分担も含めて検討する」と話した。その上で、「戦線区には中核空港が1つしかない。ノイエインダストラールの新空港が638年3月に完成することを機に、新空港を国際線、オイマャート空港を国内線にするという役割の分担を行って、保安体制の強化と民間機の安全航行の保障を目指したい」と話している。ボルトガルト大臣は、「ノイエインダストラールの旧空港は条約港で、簒奪政府の人も出入りするため、国防上での大きな問題がある」と指摘し、国内と国外を分けることの重要性を訴えた。
これに対し、シュミンテルツ市長は「ボルトガルト氏はいつから軍事大臣になったのか。国家戦略の中で、あくまで国防を優先し、フィルゼル湖近辺の開発をしないのであれば、アイギシェンガルデン市は全土空港整備計画に協力しかねる」と反発した。
シュミンテルツ市長は行政区を超えたフィルゼル湖近辺の開発に取り組んでおり、市中心部に全高20mltのアイギス像を建立した他、フィルゼル湖遊覧飛行艇の発着場をアイギシェンガルデン空港に整備するなどアイギシェンガルデン空港を拠点とした観光都市を計画している。
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13月13日分 消息を絶った六王湖国内国外航空の旅客機を発見 乗員乗客は確認できず。
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先月25日に消息を絶った六王湖国内国外航空の旅客機が13日、南東禁足領域の監視をしていたゴッシナサーラ地方巡視戦隊の偵察艦「ガッソーⅣ」がノスギア山脈モンローティム山麓において事故機を発見したことが、関係者への取材でわかった。登録されている機体の鼓動と機体に印字された番号で確認した。近くにはかなり昔に墜落したとみられるパンノニア王国空軍の ストレガとおぼしき物体もあるという。
12月20日にダャーガンテ・バリグ国際空港を出港した、乗員乗客242名を乗せたバリグ発、ギッザス、ストラテ経由のカルタグ行きの六王湖国内国外航空23A便は25日までに消息を絶っており、墜落したのかどうかすら不明だった。
現場からは、両翼をもがれた胴体と流転循環器の脆臓の一部などが回収されたが、乗員乗客は見つかっていないという。
運輸省はモンローティム山の南東禁足領域との境界線近くに墜落している当該機の調査について、軍事省と連携して、安全を最優先で調査を行うとし、禁足領域の具合次第で、引き揚げが可能かどうか判断するとした。
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13月14日分 キサンテッチュ城の立て籠もり男、過去にマツゥー女子爵との間で家督争いか
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8日にモルゼア公領キサンテッチュ城で起きた立てこもり事件で、計画殺人で逮捕されたレートレング・フォン・マツゥー=バルモラル男爵(21)が、逮捕寸前の守護兵とのやりとりで、「私が正統な後継者になった」などとのたまっていたことが、関係者への取材でわかった。マツゥー家の家督を巡って、レートレング氏は、死亡したルーシー・フォン・マードック・マツゥー女子爵(43)と対立していたといい、Xt城守護は詳しいトラブルの原因を調べている。
血統府職員などによると、レートレング氏はルーシー・マツゥー女子爵の又従兄にあたり、レートレング氏の父の代でマツゥー子爵家から分家していたが、昨年3月に本家の男系直系が途絶えてルーシー氏が当主の座に着いてから、男系で最も近い自らにこそ当主の権利があると主張し、ルーシー女子爵との間に確執があったという。
一方、モルゼア公審判所にはには昨年8月以降、今月2日までの間に、ルーシー・マツゥー女子爵からモルゼア公による保証付の家督証明書と審判所による家系図の請求があったという。審判所は請求にあった書類を今月4日にマツゥー女子爵の元に送っており、Xt城守護は、ルーシー・マツゥー女子爵がこれをレートレング氏に提示したことで、正統な継承者であると証明されたマツゥー女子爵とその一家を逆恨みした可能性があるとみて、慎重に動機を調べる方針。
事件を受けて、モルゼア公当主のスタンリーヴ・フォン・モルゼア公爵閣下は「潔く、分家であることを認めさえすれば、自らと後世の子々孫々の名を穢さずに済んだだろうに」とレートレング氏の行動を悔やむ在宅医療を担う医師から発言をした。
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13月15日分 「陛下の御尊影展」が開幕。アイギス陛下の日常を切り取った一枚がずらり
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アイギス陛下の帯侍長のオステハイネ・フォン・エスターグレーヒェン氏が撮影した、六王湖を象徴する至宝の陛下の網膜板が展示される「陛下の御尊影展」が15日、バリグの第4区の区立術学複合館で開幕した。初日から大勢の来場者でにぎわい、陛下の美貌に酔いしれていた。
区立術学複合館の第15期拡張後のリニューアルオープンを記念した展示で、帝国記念物5件を含む全317点がテーマごとに分けられてずらりと並ぶ。「トココッコを抱かれる陛下」は白いトココッコと陛下のなまめかしいアンバーブラウンの体躯の対比が、バランスのとれた造形美を際立たせる。
このほか、「アーキバスを射撃なさる陛下」や「ジャン大でお産の手伝いをなさる陛下」、「妹達とお戯れになる陛下」などがそろった。区内の公立学校のアイギス幼年親衛隊の生徒(13)は「普段見れないものばかりで感動いたしました。陛下の体つきや手や腕の遣いなど、細かい部分まで撮られていました」と恍惚した表情で話していた。オステハイネさんは「陛下の一挙手一投足を何度も目に焼き付け、その脳内バインダーの中と比べてもいいと思った瞬間を、網膜板に収めさせていただいている」と語る。
区立術学複合館第15新館部北棟3Fで、9時~20時。会期中無休で30日まで。
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13月16日分 戦線区にて簒奪政府所属と見られる軍艦が座礁
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16日22時ごろ、戦線区トッコ湖畔の未確定地域N5O2-17地区において「赤い軍艦が座礁している」という通報があった。調査にあたった警察関係者によると、座礁していたのは簒奪政府所属のゲダルン級で生体器官の不調のため不時着したとみられる。
戦線区の帝国軍ゲリゲン・ノルディア基地によると、簒奪政府所属のゲダルン級アーリー型で、皇国戦線に到着した後、来月1日付けで近衛騎士団所属となるものだった。
同基地によると、21時半ごろ、皇国回廊を通過していた同艦から悲鳴が聞こえたという連絡が、内務省通信局を通じて入ったとのこと。
帝国軍と統合警察及び新帝都防空隊は救助部隊を送ったとのこと。
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13月17日分 近衛騎士団が戦線区北部を違法に占拠
昨日の座礁事故が急展開を見せている。16日の会見でO-P.C.クリーブマン最高報道官はN5O2-17地区において15日発生した事故で、事故現場周辺に狡猾で邪悪なる近衛騎士団によって規制線が敷かれたと報じ、「我が国の警察や軍、消防の立ち入りを拒絶し、一方的に線内での権限を主張する、盗人国家らしいやり方だ。」と簒奪政府の強引なやり方を非難した。
騎士団を名乗る犯罪者集団は今日の5時頃、クヴェーラ輸送機により運ばれ、事故現場上空から降下して周辺を占拠した。数は数十名と見られており、クヴェーラと共に周辺を警戒している様子が帝国軍により確認されている。
救出のために駆けつけていた帝国軍は、違法武装集団を前に救出活動の中止を余儀なくされたが、武器を持っていなかったものの包囲網の構築に成功。14時頃から緊張状態にあり、23時現在では、追加で派遣された装甲車5台と100名ほどの完全武装した兵士によって、近衛連中と対峙している。
簒奪政府のノイエラント日報紙によると座礁したゲダルン級アーリー型はメルティーⅦという艦名で、乗員108名にけがはなく、生体器官への目立ったダメージもなかった。同艦は回送中だったため、通常より少ない人員で運用していた。
13月18日分 ギッザス声楽団、通牒罪により賜死と解散
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人気絶頂の合唱団だった「ギッザス声楽団」が、アイギス陛下のご決断により、突如解散することが発表された。結成5年目に突入し、陛下のご寵愛の元、熱心な支持を集めてきた声楽団の予期せぬ終焉に、驚嘆の声が上がっている。
18日8時ごろ、ギッザス声楽団から帝国監査院並びに各通信社に対して、"皇帝陛下の名において"、団員1名に対して死を賜ると共に、声楽団の解散が発表された。発表によると解散の理由は、団員の一人が異性との不適切な交際を行ったためとされており、相手の男性の続柄がパンノニア系の平民外国人であったことから、632年大宰相令第65号の3項の政府組織への外国人の通牒罪に当たり、重禁固20年及び直属の上官への処罰となるところが、ギッザス声楽団は皇帝直属の組織に当たるので、帝国法の不敬罪となり、当事者への賜死と当事者組織の解散となった。
死を賜った団員と親友だったという団員は、「突然のことで、まだ気持ちの整理がついていません。皇帝陛下の恩寵で交際を自由にしてくださったのに、こんなことになってしまって、これまで声援をかけてくれた皆様にほんとうに申し訳ないです。」と悲痛なコメントを残した。
ギッザス声楽団を追っかけているというギッザス在住の女性(21)は、今回のニュースに大きな衝撃を受けたと話し、「とてもじゃないけど受け止められません。つい3日前も見に行ったばかりなのに。」とこぼし、「ルールを知らなかったのか、知っててそれを無視したのか、彼女にも色々な事情があったのかもしれませんが、賜死という形になってしまったのは、本当に悲しいです。」と団員の死を惜しんだ。
声楽団は、10月15日には、最新の「六王湖の星と大地」を皇帝陛下御覧の元、ギッザスのハレで公演したばかりで、その前4月から5月中頃まで開催された全国行幸では、主要都市の公演全てがソルドアウトとなる大盛況だった。
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最終更新:2025年05月15日 23:27