1:概要
パルニーツャ上空戦とはパルエ歴654年のパンノニア動乱時に5月19日に起きた空戦。パンノニア北部を占領する正統アーキル国に対する自由パンノニア共和国の反抗作戦中にパンノニア北部の都市であるアシュレーウ上空で勃発した空戦。パンノニア軍が同地に駐留するアーキル1個戦隊を撃破し、制空権を握ったことで北部工業地帯奪還作戦への一歩を切り開いた。
2:戦闘勃発の発端
この戦役の発端となったのは、
南北戦争終結により戦う理由が宗主国の対立以外になくなっていた南北パンノニアでは早速、南北統一の機運が高まる。
ここで統一賛成派の南北パンノニアと、それに反対する派諸国家(主に正統アーキルと
クランダルト帝国など)間による武力衝突が発生する。
介入勢力は
南北戦争直後だったこともあり、全面戦争化を恐れたため投入された兵力は小規模なものだった。この中でも最大の兵力を誇っていたのが正統アーキル国の部隊であった。当時経済的安定を取り戻しつつあったアーキルにとって連邦の存在、より具体的にはパンノニア北西部の工業地域との自由かつ活発な貿易が重要な役割を担っていた為、パンノニアの統一に伴う連邦離脱は現行の経済構造を維持出来るようなものでない限り、アーキルにとって受け入れがたいものであった。そしてアーキル政府関係者の殆どは、パンノニア統一はそれを破壊するものであるとして警戒していた。
そのためアーキルは南北急進的統一派によるクーデターが勃発した時点でまず北西部工業地帯を占領した後、侵攻を開始してパンノニア北西部の主要都市であるアシュレーウまで進軍した。しかし侵攻作戦の先陣を担っていた陸軍の
コムサック重戦車大隊が壊滅すると、アーキル軍は後退を余儀なくされた。この時、アーキル軍占領地域を制圧下においた自由パンノニア共和国軍が北部工業地帯に殺到しつあった。これに対しアーキル政府は北西部の工業地帯を含めたパンノニアの主要経済地域を完全に掌握すれば、連邦が崩壊しても問題ないと考えていた。
一方、アシュレーウの解放に成功した
自由パンノニア共和国はこれを機に北部工業地帯も含めた占領地域の完全奪還を目指した。これは勢いに乗って645年に不法に占領された北部工業地帯も奪還してしまえという声が、自由パンノニア政府内で大きかったからである。こうした動きを察知したアーキル軍は北西部工業地帯とバスタンナ地方を結ぶ交通の要所であるパルニーツャを死守するために小艦隊を派遣した。
3:第1次パルニーツャ攻略戦の失敗
5月18日夜間に
自由パンノニア共和国陸軍とアーキル軍の間で第一次パルニーツャ攻略戦は行われた。
この作戦の目的は敵地上陸部隊の退路となっている
パルニツィカ大橋の前方に位置する
パルニーツャ市を奪還し、北部工業地帯の橋頭保とすることにあった。このため自由パンノニア軍
第3機甲師団がパルニーツャ市への攻撃を開始。同師団は自由パンノニアでも数少ない最新鋭の
シタデル護国戦車や
ユサール中戦車を装備しており、この部隊が先鋒を務めた。またそのほかにもパンノニア西部から集結しつつある
パンノニア西部方面軍が増援としてアシュレーウに集結していた。しかしこれらの戦力をもってしても橋は落とせなかった。
この攻撃では自由パンノニア軍は市内に布陣した守備部隊を突破できず、逆にアーキル軍守備隊の集中砲火を浴びて多くの損害を出すことになった。というのも当初パンノニア軍は空爆を行いアーキル軍の防御陣地を無力化した上で、突撃を行う計画だった。ところがパルニーツャ市上空には重巡1隻と駆逐艦1隻を主力としたアーキル空軍の1個戦隊が展開しており、航空支援は不可能であった。というのもこの戦隊の編成に当時アーキル空軍内でも数少ない新装備の艦載重SAMを装備した
ジャガンナータ級重巡空艦〈ヴァハサトラン〉が含まれていたためである。対空兵装を強化し、艦載重SAMを複数装備した〈ヴァハサトラン〉は当時広域防空を担っておりロクな空中艦艇を持たず、重航空機を主力としていたパンノニア空軍空中艦隊には手が出せなかった。
このため自由パンノニア軍は地上部隊は航空支援なしの状態で市街地に突入しなくてはならなかった。しかしパルニーツャ市は旧パンノニア王国時代からの古都市でその市街地は入り組んでおり、市街戦では機甲部隊主体のパンノニア軍に勝算はなかった。このため自由パンノニア軍はパルニーツャ市内に突入したものの、各所で分断後、包囲殲滅され、市内の制圧は失敗した。この攻撃により自由パンノニア軍は多大な被害を出し、特に第3機甲師団司令部が壊滅したことで指揮系統が寸断された。
この事態に対し、自由パンノニア共和国は第3機甲師団残存兵力を再編すると同時に、南部方面から進撃中の
第2装甲騎兵師団を呼び寄せる事を決意した。
4:ジャガンナータ級重巡空艦〈ヴァハサトラン〉の活躍
ジャガンナータ級重巡空艦〈ヴァハサトラン〉は悪名高いリューリア戦役直後の619年に就役した艦艇で、元はジャガンナータ級重雷装巡空艦の2番艦として通商破壊戦やヒグラート渓谷の戦いに参加したのち、640年に誘導ラケーテ弾を装備した防空巡空艦として改装された。その後、パンノニア動乱では前線の広域防空を担っていた。この戦闘で〈ヴァハサトラン〉はその索敵能力と防空能力の高さを生かしてパンノニア空軍の航空機を次々と撃墜していた。同艦は防空巡空艦として改装を受けた際に、大型対空レーダーと4連装重SAM発射機、連装近SAM発射機とSSM発射機や対空兵装を増設されている。このレーダーは新型のもので、従来のものよりもより遠方の目標を探知できた。また搭載している火器もより強力で、主砲である20cm連装砲は最大射程20kmを超えており、そのほかにも120mm連装砲と30mm3連装ガトリング砲を装備していた。
同艦はこの火力を生かし、パンノニア空軍の主力戦闘機であったフォイレやソコルにガモフといった戦闘機や重航空機群の編隊に対して猛威を振るった。パルニーツャ市の攻防戦ではパンノニア空軍は〈ヴァハサトラン〉の迎撃によって多くの機体が撃破されていた。これは〈ヴァハサトラン〉に搭載されているのが長射程の誘導ラケーテ弾であったため、対空砲と違い視野外から高速で迫るラケーテ弾に対して回避機動をとることが不可能だったからである。この対空戦闘能力がパンノニア動乱中を通して猛威を振るっていた。
例を挙げるとパンノニア動乱中に〈ヴァハサトラン〉は同艦だけで多数のパンノニア機を葬っている。例えば、動乱初期に発生したバスタンナ空戦では自由パンノニア空軍最新鋭主力機の一つであったギルド・マジャル製の制空戦闘機ガモフMk1は、当時のアーキル空軍主力機であったギズレリア迎撃機を上回っており、ギズレリアとのキルレキシオは1:4と驚異的だったが、〈ヴァハサトラン〉に捕捉されると誘導ラケーテ弾の直撃を受けてあっけなく墜とされたという。またパルニーツャ市を巡る戦いでは、パルニーツャ市に突入するパンノニア陸軍第3機甲師団の戦車部隊を援護するため、パルニーツャ市へ向けて出撃した自由パンノニア空軍の爆撃機隊がパルニーツャ郊外に入る前に撃墜されるという事態も発生していた。
5:〈ヴァルハサトラン〉排除作戦の立案
パルニーツャ市をめぐる攻防において
自由パンノニア共和国陸軍は北部工業地帯を奪還するという当初の目的を断念し、動乱以降に占領された地域の開放を目指した
自由パンノニア共和国陸軍はパルニーツャ市で足止めを食らってしまった。しかし、このまま手をこまねいていては北部工業地帯の奪還どころか西部方面の奪還すらおぼつかない。そこで自由パンノニア共和国軍は、北部工業地帯と西部方面を結ぶ交通の要所であり、またアーキル軍の重要拠点でもあるパルニーツャ市を攻略すべく、北部工業地帯奪還のための橋頭保としてパルニーツャ市奪還作戦を発動した。
しかし、パルニーツャ市にはアーキル軍の守備隊が駐屯しており、その戦力はパンノニア軍を大きく上回っており、さらにアーキル軍の航空戦力の支援もあるため、攻略は困難を極めていた。しかも、パルニツィカ大橋の防衛戦力としてアーキル軍第11機械化師団だけでなく、アーキル空軍第31駆逐戦隊が展開していることも、事態の悪化に拍車をかけた。同戦隊は前述された重巡〈ヴァハサトラン〉を旗艦とする戦隊で、重巡〈ヴァハサトラン〉と
テュラン級駆逐艦 〈ガトライ〉、
ボラッタ級大型空防艦2隻の計4隻で構成されていた。
この戦隊は対空ミサイルを集中運用してパンノニア空軍機を撃墜する一方で、ミサイルをやり過ごしてなおも接近を図る敵に対しては、強力な対空砲火を浴びせて撃退していた。この対空戦闘は熾烈で、パンノニア軍は幾度となく航空機と搭乗員を喪失していた。そのため、パンノニア軍は制空権確保の為〈ヴァハサトラン〉撃墜を決定。同艦の排除に向かった。
パンノニア空軍は同艦撃墜の為に二段階の作戦を立てた。まずは〈ヴァハサトラン〉の防空能力を低下させるために、複数の航空隊と艦隊を動員する大規模な空襲を敢行し、〈ヴァハサトラン〉の対空火器を潰した後、〈ヴァハサトラン〉の索敵圏外から新型亜音速重対空ミサイルを搭載した攻撃機による精密爆撃を行い撃破するというものであった。
同艦は対空火器こそ強力だが、その反面防御能力はそれほど高くはないと予想されたため、撃沈は比較的容易であると考えられた。そしてパンノニア空軍の第5辺境管区艦隊を中心とした攻撃隊がパルニーツャ市に迫った。
6:第2次パルニーツャ攻略戦
第2次パルニーツャ攻略戦は第2侵攻戦と呼称された。この作戦でアーキル軍守備隊をパルニーツャ市から追い出すか、あるいは〈ヴァルハサトラン〉を撃沈することが目標となっていた。〈ヴァハサトラン〉の防空能力は強力で、第1次攻略戦の直前に第5辺境管区艦隊所属のフサール級戦列艦〈ザンクト・ゲオルク〉と〈ツェンタ〉が航空隊を複数伴って〈ヴァハサトラン〉の無力化を試みたも、同艦から対艦ミサイルによる攻撃を受け大破している。特に〈ツェンタ〉の被害は大きく、同艦は後に解体処分されている。しかし、パンノニア空軍はこの第2次攻略戦において第1次攻略戦よりも多く戦力を投入しており、飽和攻撃により〈ヴァルハサトラン〉の対空火器の防御処理能力の限界以上の数で目をごまかし、同艦の索敵圏内に侵入あい新型亜音速重対空ミサイルによる攻撃を行う予定であった。この作戦に先立ってパンノニア空軍は〈ヴァハサトラン〉に対して大規模空襲を仕掛けた。しかし、〈ヴァハサトラン〉はこれを事前に察知しており、〈ヴァハサトラン〉は僚艦と共にパルニーツャ市近郊に展開し、パンノニア空軍の攻撃を待ち構えた。
7:パルニーツャ市の攻防
パルニーツャ市は市郊外に急遽構築された簡単な防衛陣地によって守られていた。その防衛ラインはパルニーツャ市旧市街地外縁部に展開されており、市内への突入を阻むように構築されていた。パルニーツャへの突入にはこの防御陣地を突破せねばならないため、パンノニア軍はこの防衛線を突破する必要があった。しかしこの地域は丘陵地帯で見通しが悪かった為、機甲部隊には航空支援が必要なのだが、パンノニア空軍はその航空支援を満足に行えなかった。そのため航空部隊は陸軍の攻撃開始前に行動を開始し、航空機隊は地表数メルトの低高度を飛行し、〈ヴァハサトラン〉の対空レーダーに捕捉されないようにパルニーツャ市へ進入した。
一方、〈ヴァハサトラン〉の方はというと万全な状態にあるとは言い難かった。というのも、この時第31駆逐戦隊は動乱前半の二日で各艦が弾薬の半数を使い果していたからだ。その為、第31駆逐戦隊司令官兼〈ヴァルハサトラン〉艦長のナジフ・ゴーリン大佐は、オリエント海上空に滞在する第2統合航空打撃群に対し補給と増援を可及的速やかに派遣するよう要請するも却下された。このため第31駆逐戦隊は戦時既定の半数に満たない弾薬量で戦うことになるのであった。
8:航空隊による攻撃
5月19日8時34分に〈ヴァハサトラン〉の対空レーダーが敵機を発見した。同艦に発見されたのは自由パンノニア空軍第12有翼飛行騎士団に所属するフォイレMk35戦闘機の編隊だった。
同部隊はチャフを満載した長距離ラケーテ弾計32発を発射すると、即座に反転して離脱を図った。これに対し〈ヴァハサトラン〉は重SAM数発を発射し数機を撃墜した。そこへ更に数個編隊が攻撃を行うために第31駆逐戦隊と同高度に上昇したが、その際に発見され〈ヴァハサトラン〉は装備する艦隊防空用重SAMをそれぞれ発射。この攻撃を受けた数個小隊は瞬く間に全滅した。しかしそれと同時に先行した第1小隊の放ったチャフ弾により〈ヴァハサトラン〉の対空レーダーが一瞬攪乱された。
その隙をついて更に戦闘機数編隊と重航空機3個編隊が東方から来襲。〈ヴァハサトラン〉と〈ガトライ〉はこれに対処すべく防空火器を集中運用して迎撃を行おうとしたが、少しばかりの遅れにより敵機による攻撃を許してしまった。重空雷と長距離ラケーテ弾、更には少数の誘導ラケーテ弾が第31駆逐戦隊に殺到しつつあった。これに対し第31駆逐戦隊は回避運動を取りつつ迎撃を開始。〈ヴァハサトラン〉と〈ガトライ〉も可能な限りの防空火力を投射して応戦したものの、重航空機からの誘導ラケーテ弾による被害を抑えきることは出来なかった。
9:〈ヴァハサトラン〉の撃沈とパルニーツャ市の陥落
元々第31駆逐戦隊の艦艇はパンノニア動乱序盤から戦闘を繰り返していたため、他のパンノニアに展開している艦艇と比べても弾薬量が心もとなかった。そのため〈ヴァハサトラン〉は迎撃を開始してから僅か数十分後に虎の子の重SAMをほぼ全弾撃ち尽くした(
撃ち尽くすまでに敵機を多数撃墜した[ソース不明])。
さらに悪いことに、艦隊防空用の重SAMを搭載しているのは〈ヴァハサトラン〉のみで〈ガトライ〉は個艦防空用の中・近SAMを数基、空防艦に至っては誘導兵器自体搭載していなかった。一応空防艦2隻の搭載していた艦載機2機とギズレリア1個中隊(12機)がいたが、パンノニア空軍航空隊相手には数の上で甚だ劣っていたため戦闘開始から1時間後に全機撃墜された。
一方、パンノニア空軍は〈ヴァハサトラン〉の重SAMが弾切れなったところを狙って第5辺境管区艦隊と新型亜音速重対空ミサイルを装備したガモフMk1からなる
特別攻撃隊がパルニーツャ市上空に侵入。実はパンノニア軍は現地の協力者から〈ヴァハサトラン〉の重SAM残弾が半分を切った事を知っており、それを見越した上で作戦を立てていたのだ。
〈ヴァハサトラン〉と〈ガトライ〉は未だ健在であったがボラッタ級は1隻が被弾し撃沈、もう1隻は大破炎上していた。この時点で残存する駆逐艦の兵装では敵兵装の迎撃は難しかった。〈ガトライ〉は辛うじて損傷軽微だったが、それでもラケーテ弾発射機は被弾により使い物にならなかった。そして〈ヴァハサトラン〉は個艦防空用の近SAMを全弾打ち尽くしたところに
辺境艦隊旗艦A-9型〈シュナイン〉と
アルパド型護衛艦3隻にフサール級戦列艦5隻の計9隻からなる第5辺境管区艦隊が来襲。この時〈ヴァハサトラン〉は敵艦隊の来襲への対応がやや遅れ気味であったが、戦後の調査によるとこれは
〈ヴァハサトラン〉の火器制御をつかさどる電子頭脳の排熱口にクルカが密集しており、それが原因で電子頭脳の計算速度が落ちていたのが原因とされている。(クルカの密集に関しては、当時〈ヴァハサトラン〉の艦内ヒーターが故障しており艦内温度が低かったのが有力な原因とされている)
そう言ったアクシデントがありながらも〈ヴァハサトラン〉は主砲とSSM、空雷を用いて反撃を敢行。フサール級戦列艦1隻と
アルパド型護衛艦2隻を〈ガトライ〉と共同で撃沈。だがその代償として4発のラケーテ弾が命中。これによって〈ヴァハサトラン〉の機関部お呼びに舵と舵輪をつなぐ電気回路に重大な被害が発生し、航行不能に陥ってしまう。また、〈ヴァハサトラン〉には誘導兵器用に新型の火器管制レーダーを搭載していたが、その誘導用火器管制レーダーも被弾により破損してしまい以後使用不能となった。これにより効果的な迎撃ができなくなった所にガモフMk1 4機が新型亜音速重対空ミサイル(コードネーム:ヴィラエーム)を発射した。〈ヴァハサトラン〉は必死に迎撃したものの、〈ヴァハサトラン〉の搭載するレーダーが沈黙していた上に航行不能に落ちっており2発が命中。さらに2発が命中し最終的に4発のミサイルが着弾した。その結果、〈ヴァハサトラン〉は火薬庫誘爆により、10時07分に大爆発の末炎上しながら墜落。この光景を目にした〈ガトライ〉は煙幕を張ると撤退。アーキル軍第11機械化師団も防御陣地を捨ててパルニーツャ大橋を渡って対岸に撤退し、パルニーツャ市はパンノニア軍によって解放されたのだった。
この戦闘で得られた戦訓は以下のようなものである。
1.装備更新の必要性:パンノニアが今回の戦闘で投入した兵器はごく一部を除けばほとんどが
南北戦争中の物であり、しかも旧式化していた。特に航空機などは、フォイレやアルパドの損害が激しくこれ等の旧世代の遺物は対艦攻撃兵器としてはまだ威力を発揮するものの対空戦闘に用いるのは無理があった。そのため統一後はこれらの旧式兵器は急速に姿を消していった。
2.個艦対空戦闘能力の強化:パンノニア軍の保有する新型亜音速重対空ミサイルによって〈ヴァハサトラン〉が撃墜されたことを受けて、アーキル軍上層部は各艦の個艦防空能力の強化に着手し、一部の防空巡空艦はこれまでの艦隊防空偏重からバランスを考慮して装備が換装された。
3.制空権の確保の重要性:パンノニア軍が対空誘導弾を装備していたとは言え、所詮は旧世代兵器であった。しかしその旧世代兵器の装備する新型の重対空ミサイルによって〈ヴァハサトラン〉が撃沈された際に、飽和攻撃をうけて想定以上の攻撃により処理が追い付かなかったことや、まともに護衛を果たせていたのが駆逐艦〈ガトライ〉だけであったことから、アーキル軍は航空優勢を確保する必要性を感じ、今後さらなる防空艦建造の計画や航空隊の拡張、航空
ドクトリンの見直しなどを行っている。
おまけ
ジャガンナータ級重巡空艦〈ヴァハサトラン〉性能概要
ジャガンナータ級重巡空艦2番艦ヴァハサトラン
761名
重浮遊機関1基
アーキリアエンジン1基
パゼリア11式串形エンジン2基
ドリウ00式エンジン x2
再起動用ゼスパノエンジン1基
補助ドブルシャタンク
35000lc
46700ps×1
41200ps×2
20500ps×2
1460ps
船腹部5連装空雷発射管×2
艦首空雷発射管×10
艦尾空雷発射管×4
甲板部4連装重SAM発射管×2
甲板部連装重SAM×2
近SAM連装発射管×5
SSM連装発射管×4
20cm連装砲×4
120mm連装両用砲×4
30mm3連装ガトリング砲×7
対空用機銃多数
最終更新:2022年08月08日 02:04