イデュリア級軽巡空艦

イデュリア級軽巡空艦 Yduria-class Light Cruiser
基本情報
種別 軽巡洋艦 命名規則 特になし
前級 ガリアグル級(主な更新対象)
デ・プレメール級(本級のプロトタイプ)
次級 ヴァルダグル級ラケーテ巡空艦
設計 グレーヒェン工廠
ハスコーヒェン厩工(628H型)
所属 クランダルト帝国
製造 XX 世代 第三紀
性能諸元
全長 - mlt 全高 - mlt
器官 浮遊嚢器 1器
ヱ式循環器 4器
仮想翼端安定器 2器(628Hを除く627以降)
反芻器官(631のみ)
総代謝 532q(626型)
672q(631型)
569q(635型)
最高速度 170~180km/h 航続距離 XXgaias
武装(626) 15fin連装速射砲 3基
8.5fin連装両用速射砲 6基
38fin単装対地臼砲 2基
三連装大型空雷発射管 3基
30連装対空ラケーテ発射機 2基
3.7fin連装機関砲 8基
2.3fin三銃身有眼機関砲 2基
補助装備 艦載機 常備2機 (触手係留時4機)
乗員 233名(626)

二次創作
作者名 六方晶ダイヤモンド


▲626型"オーリア=フィルスルート" Olia-Filsloute
626型6番艦。イデュリア級の標準カラースキームで塗装されている。数奇な運命を辿りイデュリア級では最も知名度が高い。


▲627型"ニールスルーフ" Nielsruff
627型2番艦。正規軍所属の前線生産された個体で砂漠型簡易塗装(通称ヨダ3号カラースキーム)で塗装されている。


▲627型"カントワーズ・ヴィロドゥアゾジール" Quantoisse vir’od-Oiseauxierre
カノリカ=ルパルクトゥム家の旗艦。近衛艦隊に準じた本国式の紅色塗装が目立つ。


▲627I型"10・アンノ・アニヴェルサリア・コンスラキア・インペラリア" 10 Anno Anniversaria Consulacia Imperalia
執政官府所有船。

- 概要
【概要】
グレーヒェン工廠第一補助艦艇設計局(PBGV-1)は、前級デ・プレメール級が主にコストの問題から少数の発注しかなかったことを受けて、同様に高コスト・時代遅れながらもいまだに生産の続くガリアグル級もまとめて更新できる汎用量産型軽巡を623年から計画し始めた。コンセプトとしては、船体設計や搭載武装はデ・プレメール級のものを用いつつ、簡略化と小型化を行うことで量産しやすくするというもので、当初の計画ではデ・プレメールの8割の性能を5割の値段で実現することが目指された。唯一妥協されずデ・プレメールと同等の性能が残されたのは居住性と航続距離で、これはリューリア戦後特に現場から強く求められていたものだったとされる。

こうして小型デ・プレメールはある程度設計案がまとまってきたが、ここにきて空軍中央装備局はさらなる小型化、高速化を要求してきた。これは帝作戦後に旧ヴィマーナ艦艇がほぼ全廃されたことに関連しており、バリステア級とフレイア級の後継としても本級を利用したかったのである。小型重巡といった性格のガリアグルはこれらの後継にはなり得なかったため、両級は明らかに時代遅れながらも運用が続けられてきたが、ここに来てついに正式な後継がないまま廃止されてしまう形となったのである。両級の廃止命令後、その枠を埋めるべく現場では改名や改装、果てには命令無視による運用継続を行い、また様々な工廠の新型艦による埋め合わせも試みられてきたが、これらの船の生産数を思えばいずれも根本的解決には遠く及ばなかった。しかし、いまの"ミニ・デ・プレメール"では、その目的にはまだ大きすぎ、まだ高すぎた。そうしてより一層の小型化が求められた結果、さらにいくつかの要素が削られることになった。

艦載機格納庫は艦底部に移され、カタパルトの搭載は断念(これによりパルファローズの運用が不可能になった)された。またスペースの問題から対地臼砲は38finのより小型なものに変更され、不足する対地火力は大型空雷発射管から発射可能な新型誘導爆弾によってこれを補うこととした。主砲は当初は1基削減のかわりに同時装填可能な(デ・プレメールの主砲は交互反動利用装填式で揚弾機はひとつしかない)大型砲塔とすることが目指されていたが、重量の問題からデ・プレメールと同じものが採用された。

このような要求事情の混乱もあり、イデュリア級は、当初のガリアグル級の後継としては火力、装甲が不足し、結局はガリアグル級の近代化も並行して生産されることとなった。また、これだけの簡略化にも関わらず建造コストはまだバリステア級の倍以上と試算されたが、それでもガリアグル級よりは十分安価であった。最も、これについてはバリステア級が圧倒的な量産効果を有していたためであり、また新装備のための設備投資といういずれは必要なコストがイデュリア級に上乗せされていたという事情もある。予算問題は一度元老院を紛糾させたが、624年末にはグレーヒェン工廠とその関連施設での大規模生産が承認された。

624年末に初期受注を受けた6隻は626年に進空し、この初期設計の艦は626年型と呼ばれる。一番艦の艦名は進空式の直前まで決まらず、最終的に見学中のフリッグによってイデュリアと名付けられた。なお、イデュリアとはノイエラント郊外にある滝の名で、離宮ループシェル・ヴァヴェのすぐ側にある。イデュリア級の建造は改良を重ねながら終戦まで続き、結果としてクランダルト帝国最後の大戦型軽巡の一つとなった。なお、戦後にラケーテ巡となることが期待された次期軽巡には、終戦による少数精鋭志向もあってデ・プレメール級の純粋な発展型である大型のヴァルダグル級が選定され、バリステア以来の小型汎用巡の伝統はイデュリア級を最後に途切れることになった。

一説には、少なくとも4隻のバレグ・イデュリアが存在すると言われるが、どのようなものかは明らかになっていない。

- 船体
【船体】
浮力器官はデ・プレメール級を参考にした1B1D1W(単腹・単背・両翼)配置であり、両翼の生体器官も同様に菱形の船体と強く一体化した形状となっている。この設計は大破時の修理性や急降下爆撃の被弾率にやや難があるものの、航続距離や安定性、繊細な操作に有利であるほか、一般的な砲戦における被弾率を軽減でき、また空気抵抗の減少を抑えつつ上部構造物の設置可能面積を広げられるという利点があった。

艦橋が背器官から分離し、間に武装を置く設計はガリアグル級を踏襲したもので、全長を抑えながら空雷を左右に発射できる位置に置くためにデ・プレメール級の一体型艦橋ではなくこちらを採用したと言われている。

装甲配置はデ・プレメール級から大きくは変わっていない集中防御式であるが、装甲厚は軽量化のために若干抑えられているとされる。

艦橋はデ・プレメール級と同様の筒型+側面観測窓方式を採用しているものの、艦橋の長さを抑えるため側面観測窓はかなり小型化され、また利便性を考慮して露天式の張り出しも設けられた。またデ・プレメール級よりも前線運用を重視した船であるため、艦橋上部に装甲司令塔を設置している。

- 武装
【武装】
対空装備は年式によりかなりの個体差があるが、主武装はNGFN-15-C 15fin連装速射砲3基、OUN-1008 8.5fin連装両用速射砲6基、B-568 38fin単装対地臼砲2基、三連装大型空雷発射管3基を搭載する。

空雷は主にすべて105FT2K(無誘導、通常弾頭)が搭載されたが、デ・プレメール級同様の多目的発射管を採用しているため、しばしば小型空雷を2発装填することもあった。

- 生体装備
【生体装備】
生産時期によって異なるが、イデュリア級は軽巡としてはやや豪華な探知装置が設置されており、これは小型化、居住性の向上の代償となった純粋な火力、防御力の不足を補うためであった。

何よりの特徴は背器官の前端に設置された、フラワーマスト(ブルーメンマスト)と呼ばれる大きな花弁状の知覚器を備えた複合探知装置である。これは本来特別花を意識したわけではなかったものの、理想的な知覚精度を実現しようと調整した結果花のようになったというもので、イルディクシア級のマストにも同様のものが設置されている。イデュリア級はフラワーマストを採用した最初期の船であるが、フラワーマストは80年代に入り翼複合生体器官直結知覚アレイ(WDWA)が主流化するまで帝国艦の主要な艦船用探知装置の一つであった。

- 評価
【評価】
軽快で素直な操縦のできる船でありながら、デ・プレメール級譲りの居住性と航続距離により、広大な戦線であらゆる任務に対応できる船として現場の評判は概ね良かった。一方で火力主義者からはかなり嫌われたらしく、15cm連装砲3基は重駆逐艦であって軽巡とは呼べないとまで批判された。

連邦軍からの評価は、『突出した個性は無いがバランスのとれた船であり脅威』とした上で、主に本級による通商破壊戦を警戒していた。

- 派生型
【派生型】
  • 626年型
626年から就役しはじめた初期型。シルクダット戦役に参加したのはほぼこのタイプ。
  • 627年型
627年の後半から就役し始めた改良型。『ベリューテ』のみがシルクダット戦役に参加。
  • 627年型『インペリアリス』モデル
3隻のみ建造された特殊なモデルで、軍事用ではないため武装は一部削減され内装が強化されている。2隻すべてが宮廷に、1隻が執政官府にそれぞれ納入され、主に警備や視察などに用いられた。
  • 628年型
シルクダット戦役の戦訓を取り入れた中期型。船体に大きな変更はないものの、対空火器の追加や連携能力の強化が図られている。
  • 628年型(ハスコーヒェン)
基本設計はグレーヒェン系造船所のものと同じだが、量産のためにハスコーヒェン系造船所でも建造可能なように一部を改設計したもの。翼の形状がかなり異なる他、生体探知装置類が簡略化されている。
  • 631年型
航続距離の拡大を目指した哨戒艦モデル。主翼の後縁が艦尾まで伸びたことでより平面的なシルエットとなったほか、主砲塔が1基、副砲塔が2基削減され、かわりに追加栄養液タンクと対空噴進弾が追加されている。また格納庫容積が大幅に拡大され、偵察機4機を収容可能となった。
  • 635年型
最終型。628年型をベースに全体的な改善を図ったモデル。
最終更新:2025年01月25日 20:35