relations ◆AZWNjKqIBQ
月光に漬された青白い地面。
その中で少しだけ盛り上がった死者を抱く土山。
突き立てられた寂しげな一本の棒と、結ばれそよそよと静かにたなびく深緑のリボン。
その中で少しだけ盛り上がった死者を抱く土山。
突き立てられた寂しげな一本の棒と、結ばれそよそよと静かにたなびく深緑のリボン。
静かで静かで、そして静かな其処。
廃屋の脇にぽつんとある、リセルシア・チェザリーニの小さくちっぽけな墓。
その前でそこを訪れた三人は神妙に黙祷を捧げ、そしてささやかながらにそこを整えなおすと名残りを切って前を離れた。
廃屋の脇にぽつんとある、リセルシア・チェザリーニの小さくちっぽけな墓。
その前でそこを訪れた三人は神妙に黙祷を捧げ、そしてささやかながらにそこを整えなおすと名残りを切って前を離れた。
蒼髪の少女――玖我なつきは鞄の中から地図を取り出すとそれを広げ、次はどこに向かうかと目の前の二人に問う。
彼女達が山中の廃屋を訪ねたのは、地図上に記された建物に何かゲームを打破する為のヒントがあるのではないか、
またそこに彼女達が捜し求める人物が立ち寄っていないかを確認する為であったのだが、残念ながら廃屋は”はずれ”だった。
目の前の二人の内の片方。朴訥とした少年であるクリス・ヴェルティン。
彼と親しい存在であったリセの墓を発見することとなったが、しかしこれは本来の目的とは全く関係ない。
故に、次はどこに向かうのか? それを決めなくてはならなかった。
彼女達が山中の廃屋を訪ねたのは、地図上に記された建物に何かゲームを打破する為のヒントがあるのではないか、
またそこに彼女達が捜し求める人物が立ち寄っていないかを確認する為であったのだが、残念ながら廃屋は”はずれ”だった。
目の前の二人の内の片方。朴訥とした少年であるクリス・ヴェルティン。
彼と親しい存在であったリセの墓を発見することとなったが、しかしこれは本来の目的とは全く関係ない。
故に、次はどこに向かうのか? それを決めなくてはならなかった。
「――さて、私達は正午までにできるだけ多くの施設を調査してアル達と合流しないといけない訳だが」
「でもって、その途中で静留さん、唯湖さん……ついでにウェストとも合流したいってことなんだよな?」
「でもって、その途中で静留さん、唯湖さん……ついでにウェストとも合流したいってことなんだよな?」
それができればな、と返答したなつきの前で三人目の男――大文字九郎は地図を見ながら思案する。
簡潔に言えば、しなくてはならないのは島の中央付近――つまりは山中にある施設の調査と人探し。
どちらも混沌渦巻くアーカムシティで探偵を営む彼にとってはなじみのある仕事であり、そして思いついたことを言葉にした。
簡潔に言えば、しなくてはならないのは島の中央付近――つまりは山中にある施設の調査と人探し。
どちらも混沌渦巻くアーカムシティで探偵を営む彼にとってはなじみのある仕事であり、そして思いついたことを言葉にした。
「人探しするならまずはいなくなった場所から……ってのがセオリーだな」
九郎の意見になつきとクリスはコクと頷く。
別れた場所に戻ればなんらかの手がかりが、あわよくば書置きなどがあるかも知れない。
敵対していた静留や、考えの読めないウェストはともかくとして、唯湖を探すのにはそれが有効に思えた。
別れた場所に戻ればなんらかの手がかりが、あわよくば書置きなどがあるかも知れない。
敵対していた静留や、考えの読めないウェストはともかくとして、唯湖を探すのにはそれが有効に思えた。
「――それに加えて、迷子を捜すっていうなら互いに知っている場所を巡ってみるってのもセオリーだ」
もう一つの意見に二人は繰り返し頷く。
不慣れな土地で迷子になった場合。
待ち合わせを決めてなければ、取り合えず共通して知っている場所に留まり相手を待つというのは有効だろう。
ただ、この殺し合いというゲームの中では、待つという行為も普段よりか難しいものであるだろうが。
不慣れな土地で迷子になった場合。
待ち合わせを決めてなければ、取り合えず共通して知っている場所に留まり相手を待つというのは有効だろう。
ただ、この殺し合いというゲームの中では、待つという行為も普段よりか難しいものであるだろうが。
「それで心当たりはあるかクリス? 例えば最初に出会った場所とか?」
「うーん……それならここだね。大聖堂って書いてあるところ……」
「おー、いかにもって感じだな。で、他には一緒に立ち寄った場所はないか?」
「後は……、この温泉……旅館ってところだね」
「うーん……それならここだね。大聖堂って書いてあるところ……」
「おー、いかにもって感じだな。で、他には一緒に立ち寄った場所はないか?」
「後は……、この温泉……旅館ってところだね」
自分が探偵であったことを久々に思い出したのか、九郎はクリスより唯湖や静留、ウェストのことを聞きだしてゆく。
最初に出会ったのが大聖堂であったこと。
そこから襲撃を受けて追われ、その後にウェストや静留と出合ったこと。
湖に落ち、川を流され、温泉旅館に立ち寄ったこと。
温泉に入ったこと。
何故か混浴だったこと。
碧や平蔵と出会い……また温泉に入ったこと。
また混浴だったこと。
気絶してる間に着替えさせられたりしたこと。
朝食を食べさせてもらったこと――……
最初に出会ったのが大聖堂であったこと。
そこから襲撃を受けて追われ、その後にウェストや静留と出合ったこと。
湖に落ち、川を流され、温泉旅館に立ち寄ったこと。
温泉に入ったこと。
何故か混浴だったこと。
碧や平蔵と出会い……また温泉に入ったこと。
また混浴だったこと。
気絶してる間に着替えさせられたりしたこと。
朝食を食べさせてもらったこと――……
「(むむむ……)」
澄ました顔でクリスから事情聴取する九郎の隣でなつきはその顔を明らかに不機嫌とわかるものへと変えていた。
お前達は何をしていたんだ! と、そう突っ込みたくなる気持ちをグっと拳の中に押さえ堪えている。
お前達は何をしていたんだ! と、そう突っ込みたくなる気持ちをグっと拳の中に押さえ堪えている。
「(唯湖ってやつはクリスを自分のおもちゃか何かだと思っていたのか……?)」
クリスにオルガンを弾かせたり、巫女服を着せたり、温泉の中でかどわかしたり……etc.etc.
彼女にも仲間や知り合いがいただろう。それなのにこの殺し合いの場でクリスを連れて遊んでばかり。
しかも彼に”クリス君”という理想像を宛がい、心が軋むような重荷を背負わせていた。
不真面目だとも思える彼女の言動に、なつきの中にまた唯湖への怒りがフツフツと沸いてくる。
そして彼女のことを楽しそうに語るクリスに微かな憐れみとその何倍もの悔しさを感じるのであった。
彼女にも仲間や知り合いがいただろう。それなのにこの殺し合いの場でクリスを連れて遊んでばかり。
しかも彼に”クリス君”という理想像を宛がい、心が軋むような重荷を背負わせていた。
不真面目だとも思える彼女の言動に、なつきの中にまた唯湖への怒りがフツフツと沸いてくる。
そして彼女のことを楽しそうに語るクリスに微かな憐れみとその何倍もの悔しさを感じるのであった。
◆ ◆ ◆
「よし、じゃあ情報が揃ったところでどうするのかってのを検討するか!」
一際大きな声を発して二人を引き付けると、九郎は地図を指差して考え出した二つのプランを説明した。
「簡単に言えば、北か西。施設の探索を優先するか、尋ね人の捜索を優先するかだ」
「西……というと大聖堂か?」
「そうだな、最初に出合った場所っていうのは当たりをつけるにしちゃ悪くないと思うぜ。クリスはどう思う?」
「そうだね。言われてみたらなんとなくそこにユイコがいるような気もするかもしれない」
「そうだな、最初に出合った場所っていうのは当たりをつけるにしちゃ悪くないと思うぜ。クリスはどう思う?」
「そうだね。言われてみたらなんとなくそこにユイコがいるような気もするかもしれない」
まず一つ目は西へと向かうプラン。
クリスと最初に出合った場所である大聖堂に唯湖がいると当たりをつけてそちらを目指すプランだ。
ただしこちらへと向かうと、中央付近の施設の探索はほとんど諦めることとなってしまう。
クリスと最初に出合った場所である大聖堂に唯湖がいると当たりをつけてそちらを目指すプランだ。
ただしこちらへと向かうと、中央付近の施設の探索はほとんど諦めることとなってしまう。
「うむ……、しかし西の街へと出てしまうとアルとの約束に間に合わなくなるかも知れないな……」
「いやそこは考えてるって、あの金ピカの電車に乗ればアル達の待つ北東の街まではすぐだろう?」
「……キンピカ?」
「いやそこは考えてるって、あの金ピカの電車に乗ればアル達の待つ北東の街まではすぐだろう?」
「……キンピカ?」
そう言えばと納得するなつきと、何も解らずきょとんとするクリス。
彼のために九郎が地図上の駅を指し、悪趣味な金色の列車のことを話すとクリスもなるほどと頷いた。
彼のために九郎が地図上の駅を指し、悪趣味な金色の列車のことを話すとクリスもなるほどと頷いた。
「でもクロウ、線路の上に禁止エリアがあるんだけど……?」
「あぁ、それなら安心しろ。どういう訳か知らないが電車の中は安全地帯らしいからな」
「乗車時のアナウンスにそうあったし、実際にそうだったからなそれは確かだ」
「あぁ、それなら安心しろ。どういう訳か知らないが電車の中は安全地帯らしいからな」
「乗車時のアナウンスにそうあったし、実際にそうだったからなそれは確かだ」
ふうんとクリスは二人の説明に納得する。
そして金色の列車というものに不思議な興味を持ち、唯湖に教えたら喜ぶだろうかなどとボンヤリと思った。
そして金色の列車というものに不思議な興味を持ち、唯湖に教えたら喜ぶだろうかなどとボンヤリと思った。
「で、次は北の方だけど……まぁこれは順当な線だな」
「廃校や温泉旅館、寺や神社を巡ってそのまま北東へと山を抜けるルートか……」
「ユイコと別れた場所にも立ち寄れるね」
「廃校や温泉旅館、寺や神社を巡ってそのまま北東へと山を抜けるルートか……」
「ユイコと別れた場所にも立ち寄れるね」
二つ目は北へと向かうプラン。
山を登り中央に点在する施設を片っ端から探索してゆくというプランだ。
寺や神社という名前を見るに、施設に隠された何かがあるとしたらこっちの方が当たりっぽい。
山を登り中央に点在する施設を片っ端から探索してゆくというプランだ。
寺や神社という名前を見るに、施設に隠された何かがあるとしたらこっちの方が当たりっぽい。
「アルとの約束を重視するとこちらへ行くのがいいか……」
「だな。唯湖さん達とは別にこれだけ周れば他の誰かに会える可能性も高いだろうし」
「うーん、悩ましいね……」
「だな。唯湖さん達とは別にこれだけ周れば他の誰かに会える可能性も高いだろうし」
「うーん、悩ましいね……」
一枚の地図を中心に三人は首をひねり思案する。
西へ向かうのか、北へ向かうのか?
果たしてそれぞれの先には一体何が、いかなる運命が待ち構えているのか――?
西へ向かうのか、北へ向かうのか?
果たしてそれぞれの先には一体何が、いかなる運命が待ち構えているのか――?
◆ ◆ ◆
しばらく後。
とりあえずの行き先を分岐点となる山小屋へと定めた三人は、真っ暗な森の中を黙々と進んでいた。
とりあえずの行き先を分岐点となる山小屋へと定めた三人は、真っ暗な森の中を黙々と進んでいた。
廃屋を過ぎた辺りから立ち並ぶ木々の密度は増し足場も悪い場所が増え始めた。
そんな中をなつきは先導し、後ろに続く二人が歩きやすい場所を探しながらしなやかに身体を繰り進んでゆく。
そんな中をなつきは先導し、後ろに続く二人が歩きやすい場所を探しながらしなやかに身体を繰り進んでゆく。
一見、山歩きなどとは無縁に見える彼女だが実はそうではない。
風華の地に現れるオーファンと呼ばれる魔獣。
それを駆逐するため彼女は日々、学園の裏手にある山を駆けずり回っていた。故に山中はむしろ得意なフィールドだ。
風華の地に現れるオーファンと呼ばれる魔獣。
それを駆逐するため彼女は日々、学園の裏手にある山を駆けずり回っていた。故に山中はむしろ得意なフィールドだ。
感覚を研ぎ澄ませ周囲を警戒しながら、同時に自らの日常――極上の日々をなつきは思い返していた。
先刻、心の中へと流れ込んできた蘭堂りのの言葉。
極上の日々――そんなものが自分にあったのだろうかと。
幼い頃に母と生き別れて後、母を奪った一番地への復讐ばかりを考え生き続けて来た。
HiME、星詠みの舞、一番地、オーファン……調査と闘いに明け暮れる日々……。
極上の日々――そんなものが自分にあったのだろうかと。
幼い頃に母と生き別れて後、母を奪った一番地への復讐ばかりを考え生き続けて来た。
HiME、星詠みの舞、一番地、オーファン……調査と闘いに明け暮れる日々……。
「(……――静留)」
そんな中でも極上と呼べるところがあるのだとしたら、それは静留がいつも待っていてくれた生徒会室。
そこにあったのだろうとなつきは思う。
風華の地において、唯一の安息を得られる場所。
冷たく乱雑に散らかっただけの自宅とは違い、いつも静留が優しく出迎えてくれる場所。
そこにあったのだろうとなつきは思う。
風華の地において、唯一の安息を得られる場所。
冷たく乱雑に散らかっただけの自宅とは違い、いつも静留が優しく出迎えてくれる場所。
「(静留。どうしてお前は……?)」
親友である静留がその手を血に染め、自分のために凶刃を振るっていることがなつきは解らな……いや、解りたくなかった。
自分よりもいくつも頭が回る彼女のこと。
主催の打倒や脱走の可能性を早々に切り捨てて、優勝を……誰か一人を確実に生かそう――そう考えたとしてもおかしくはない。
相手の手の内にある以上、どう考えたって反抗が達せる可能性はそれよりも低いのだから。
だがしかし――
自分よりもいくつも頭が回る彼女のこと。
主催の打倒や脱走の可能性を早々に切り捨てて、優勝を……誰か一人を確実に生かそう――そう考えたとしてもおかしくはない。
相手の手の内にある以上、どう考えたって反抗が達せる可能性はそれよりも低いのだから。
だがしかし――
「(――お前は極上の日々を取り戻したくはないのか?)」
――こんなことで二人の間にある極上の日々が失われるのは納得できなかった。
あの遠い日に突然母を奪われたように、また突然に親友を奪われる。そんなことは絶対に繰り返したくはない。
あの遠い日に突然母を奪われたように、また突然に親友を奪われる。そんなことは絶対に繰り返したくはない。
「(哀しみの連鎖は……同じことは繰り返しては駄目じゃないのか?)」
なつきは己の手を見る。伊達スバルの命を奪った――血に染まった手を。
止む得ぬことだったとは言え悲劇の引き金を引いたことには変わりはない。だが連鎖は、繰り返すことはしない。
例え一度は汚れてしまった手であったとしても、掴み取ることを諦めては悲しいだけだとなつきはそう思う。
止む得ぬことだったとは言え悲劇の引き金を引いたことには変わりはない。だが連鎖は、繰り返すことはしない。
例え一度は汚れてしまった手であったとしても、掴み取ることを諦めては悲しいだけだとなつきはそう思う。
後ろについてくるクリスより教えてもらったそれを親友にも伝えよう。
優しい手を今度は自分が彼女へと差し伸べようと……、
天上を覆う黒い葉の切れ目から静かな月を見上げ、なつきは心の中で誓った――……
優しい手を今度は自分が彼女へと差し伸べようと……、
天上を覆う黒い葉の切れ目から静かな月を見上げ、なつきは心の中で誓った――……
無手で静かに、決意と悲壮をどこか感じさせるなつきの背を追ってクリスはランタンを片手に土を踏む。
今ここにいるのは理想に邁進する”クリス君”ではなく、一人のフォルテニスト。少年――クリス・ヴェルティンである。
クリスは一人のクリスとして、先刻のなつきよりの問いを反芻し先の一日を回顧していた。
今ここにいるのは理想に邁進する”クリス君”ではなく、一人のフォルテニスト。少年――クリス・ヴェルティンである。
クリスは一人のクリスとして、先刻のなつきよりの問いを反芻し先の一日を回顧していた。
「(……ユイコは僕にとってどんな”大切”なのか?)」
問われるまでそんなことを考えたことはなかった。
考える暇や必要がなかっただけかもしれないが、しかし問われたのならば答えないといけない。なのでクリスは考える。
考える暇や必要がなかっただけかもしれないが、しかし問われたのならば答えないといけない。なのでクリスは考える。
「(ユイコのために僕はクリス君でいなくちゃと思った……なんでだろうか)」
それは、彼女に気付いてほしかったからだったとクリスは思い当たる。
彼女自身が決して心無い人形ではない――そのことを彼女に気付いてほしかった。それが”クリス君”の原動力だと。
湯煙の中、背中合わせに彼女が語った、己が死人であること、人形であること、それを否定したかったのだ。
彼女自身が決して心無い人形ではない――そのことを彼女に気付いてほしかった。それが”クリス君”の原動力だと。
湯煙の中、背中合わせに彼女が語った、己が死人であること、人形であること、それを否定したかったのだ。
あの大聖堂で初めて出会ってから、彼女には振り回されっぱなしだった。
それは今までにない経験で、驚いたり困ったりはしたもののすごく楽しく、そして彼女もそれを楽しんでいると思っていたから。
だから――、
それは今までにない経験で、驚いたり困ったりはしたもののすごく楽しく、そして彼女もそれを楽しんでいると思っていたから。
だから――、
「(……ユイコは人形なんかじゃない)」
――彼女がそれを否定するのがクリスは悲しかった。
決してそんなわけはないのだから。
自分の曲を聴いてくれた彼女が、そしてそれに合わせて歌ってくれた彼女が、あの歌声を持つ彼女に心がないわけはないのだから。
決してそんなわけはないのだから。
自分の曲を聴いてくれた彼女が、そしてそれに合わせて歌ってくれた彼女が、あの歌声を持つ彼女に心がないわけはないのだから。
静かに、そして想う気持ちを確かにすると、クリスは顔を上げ彼にそれを問いかけたなつきの背を見る。
彼女も自分にとって大切な人で、そしてまた違う種類の大切な人でもある。
それが何なのかはまだはっきりとはしない。またそれも考えなくてはならないのだろうとクリスは思う。
彼女も自分にとって大切な人で、そしてまた違う種類の大切な人でもある。
それが何なのかはまだはっきりとはしない。またそれも考えなくてはならないのだろうとクリスは思う。
だけど、今はただ――……
気がついたら何時の間にかに手をつないでいたクリスとなつきを見て、最後尾を行く九郎は苦笑した。
惨劇の後、出合った二人は仲睦まじく微笑ましい。
理樹とリトルバスターズの面々――彼らとはまた別の意味で護りたいと思える二人だ。
惨劇の後、出合った二人は仲睦まじく微笑ましい。
理樹とリトルバスターズの面々――彼らとはまた別の意味で護りたいと思える二人だ。
「(哀しみの連鎖を止める……か)」
失った理樹のこと。そして彼の亡骸のことを思うと、未だに震えが身体を襲う。
だが、九郎の眼は最早曇らない。
理樹の遺した希望は己の拳の内に、そして目の前には儚くも強い新しい希望。
だが、九郎の眼は最早曇らない。
理樹の遺した希望は己の拳の内に、そして目の前には儚くも強い新しい希望。
「(この新しい”ミッション”。今度こそ達成してみせる――!)」
たった一日でこの島に連れてこられた人間はその数を3割ほどへと減らしてしまった。
ゲームは急速に煮詰まりつつあり、最早理樹が唱えた最初のミッションを達することは不可能だろう。
実際に、一時はこのミッションを失敗させた誰かへ報復しようなどという考えにも捕らえかけられた。
ゲームは急速に煮詰まりつつあり、最早理樹が唱えた最初のミッションを達することは不可能だろう。
実際に、一時はこのミッションを失敗させた誰かへ報復しようなどという考えにも捕らえかけられた。
だが今の九郎に心を縛る怒りの鎖は絡みついていない。
清浄なる心で新しいミッションに挑むだけだ。
清浄なる心で新しいミッションに挑むだけだ。
想いを背負い、拳を固め、眼差しを未来に、希望へと向かい九郎はまた一歩足を踏み出す――……
◆ ◆ ◆
廃屋より発ってからおよそ一時間程度。
深さを増した森の中を超え、三人は何事もなく無事に第一の目的地である山小屋へとたどり着いた。
深さを増した森の中を超え、三人は何事もなく無事に第一の目的地である山小屋へとたどり着いた。
開けた場所に建っている丸太を組んで作られた典型的なタイプのログハウス。
二階建てながらもこじんまりとしたそこはしんとしており人の気配は感じられない。
その周りをぐるりと一周しいくつかの出口と窓を確認すると、三人は正面の扉へと戻り慎重にそこを潜った――
二階建てながらもこじんまりとしたそこはしんとしており人の気配は感じられない。
その周りをぐるりと一周しいくつかの出口と窓を確認すると、三人は正面の扉へと戻り慎重にそこを潜った――
「クリス。躓いてランタンを落とさないよう注意しろよ」
「うん、さすがにそれは大丈夫だよ」
「うん、さすがにそれは大丈夫だよ」
三人で一階をあらかた探索して何者も潜んでないことを確認した後、
九郎とクリスはそこになつきを残して二階の探索をすべく階段を上り――そして二階へと到着した。
九郎とクリスはそこになつきを残して二階の探索をすべく階段を上り――そして二階へと到着した。
「少し離れていろよ……」
「……うん、気をつけて」
「……うん、気をつけて」
廊下に並ぶ扉の内、一番手前にあるものへと近寄ると九郎はなつきより譲り受けた拳銃を片手にそっと扉を開ける。
真っ暗だった部屋の中を侵してゆくランタンの光。
その中に誰も隠れてはいないことを確かめると、隣とその隣の部屋でも同じことを繰り返した。
真っ暗だった部屋の中を侵してゆくランタンの光。
その中に誰も隠れてはいないことを確かめると、隣とその隣の部屋でも同じことを繰り返した。
「……結局、ここには誰もいなかったか」
「そうだね。ちょっと残念だけど」
「そうだね。ちょっと残念だけど」
二階に三つ並んだ寝室。
その一室で残念と安堵の溜息をつくと、九郎は鞄を床に下ろしベッドに腰掛けたクリスへと話しかける。
その一室で残念と安堵の溜息をつくと、九郎は鞄を床に下ろしベッドに腰掛けたクリスへと話しかける。
「なつきとずっと一緒じゃなくていいのか?」
「…………どうして?」
「いや、どうしてって言われても……」
「うーん。ナツキは一人でも大丈夫だと思うよ。それに……」
「それだと俺は頼りないって風にも取れるんだが……まぁいいや、それで?」
「……ナツキは怒ると、怖いんだ。……その、すぐあの銃を向けてくるし」
「あー……」
「…………どうして?」
「いや、どうしてって言われても……」
「うーん。ナツキは一人でも大丈夫だと思うよ。それに……」
「それだと俺は頼りないって風にも取れるんだが……まぁいいや、それで?」
「……ナツキは怒ると、怖いんだ。……その、すぐあの銃を向けてくるし」
「あー……」
色々と前途は多難だなと、九郎はランタンの光の中で苦笑を浮かべた。
二人が今までどうでこれからどうなのか、そもそもこの島でそんなことを考えているのがいいことかどうなのか。
それはわかりはしなかったが、しかし悩み事全般、事の大小に関わらず解決するのが探偵だ。
ということで、
依頼は受けていないが、九郎は二人のために少しだけ気を利かせてあげることにした。
二人が今までどうでこれからどうなのか、そもそもこの島でそんなことを考えているのがいいことかどうなのか。
それはわかりはしなかったが、しかし悩み事全般、事の大小に関わらず解決するのが探偵だ。
ということで、
依頼は受けていないが、九郎は二人のために少しだけ気を利かせてあげることにした。
「じゃあ、俺は一階に戻るからクリスはここにいてくれ」
「探し物なら僕も協力するけど?」
「いや、次の目的地を決めといてくれよ。唯湖さんに静留さん……探してるのはお前だろ?」
「あ、そっか……西か北か、なんだよね。わかったよクロウ」
「探し物なら僕も協力するけど?」
「いや、次の目的地を決めといてくれよ。唯湖さんに静留さん……探してるのはお前だろ?」
「あ、そっか……西か北か、なんだよね。わかったよクロウ」
じゃあ、何かあったら声を出せよ――と最後に言い聞かせると九郎はクリスを残し部屋を後にした。
入り口となる扉を潜ればロビー兼休憩所。その隣には談話室。さらに奥にはダイニングルーム。
そして廊下を隔てて、男女別のレストルームに小さなバスルームと洗面所、雑多に物の詰め込まれた物置。
――と、一階を一通り周ってなつきは再び休憩所を兼ねたロビーへと戻ってきていた。
そして廊下を隔てて、男女別のレストルームに小さなバスルームと洗面所、雑多に物の詰め込まれた物置。
――と、一階を一通り周ってなつきは再び休憩所を兼ねたロビーへと戻ってきていた。
「――何か、脱出の鍵になるものは見つけられたか?」
「いや、これといって気になるところはなかったな。……上の方はどうだった?」
「いや、これといって気になるところはなかったな。……上の方はどうだった?」
下りてきた九郎になつきは成果がなかったことを、そして九郎も同じことをなつきへと報告する。
ここも”はずれ”なのだろうか?
ここも”はずれ”なのだろうか?
「――だが、誰かが立ち寄った形跡があるな」
「あぁ、そこのベッドだろう?」
「気付いていたのか」
「そりゃあ、これでも一応探偵なんだぜ」
「あぁ、そこのベッドだろう?」
「気付いていたのか」
「そりゃあ、これでも一応探偵なんだぜ」
なつきは手にしていたランタンをそちらに向けその痕跡を光の中に浮かべる。
ロビーの端に設置された休憩用の簡易ベッド。その白地のシーツは乱れ、所々に泥で汚されていた。
ロビーの端に設置された休憩用の簡易ベッド。その白地のシーツは乱れ、所々に泥で汚されていた。
「……誰かが着の身着のままで休んでいったみたいだ」
「シーツは冷え……泥も固まってる。少なくとも数時間は前のことだろうな」
「まるで探偵みたいなことを言うんだな」
「だから俺は探偵だって……と、寝てたのは女っぽいな……」
「シーツは冷え……泥も固まってる。少なくとも数時間は前のことだろうな」
「まるで探偵みたいなことを言うんだな」
「だから俺は探偵だって……と、寝てたのは女っぽいな……」
言いながら九郎は何かを摘み持ち上げる。その指先から垂れていたのは一本の髪の毛だった。
「この長さなら女だろう。艶もいいし、細くて柔らかいしな」
「ふむ……」
「ふむ……」
なつきは九郎より髪の毛を受け取り、じっくりと観察してみる。
黒髪で非常に長く、九郎の言うように細くて柔らかい真っ直ぐな髪だった。
十中八九女性のものだろうと言えたが……しかし、だからといって誰のものかまでは分からない。
あまりめぼしい情報ではなかったが、一応にとなつきはそれを丁寧にポケットの中へとしまった。
黒髪で非常に長く、九郎の言うように細くて柔らかい真っ直ぐな髪だった。
十中八九女性のものだろうと言えたが……しかし、だからといって誰のものかまでは分からない。
あまりめぼしい情報ではなかったが、一応にとなつきはそれを丁寧にポケットの中へとしまった。
「そういえばクリスはどうした?」
「ああ、ここからどっちに向かうかそれを考えてもらってるよ。お前も一緒に考えてやってくれ」
「……ふむ。わかったが、お前はどうするんだ?」
「ああ、一応俺も一階を一通り周ってみるよ。何か発見があるかも知れないしな」
「ああ、ここからどっちに向かうかそれを考えてもらってるよ。お前も一緒に考えてやってくれ」
「……ふむ。わかったが、お前はどうするんだ?」
「ああ、一応俺も一階を一通り周ってみるよ。何か発見があるかも知れないしな」
さらに二言三言言葉を交わしそれぞれの情報を交換し終えると、なつきはランタンを九郎に預け階段を上ってゆく。
そして、その後姿が見えなくなったことを確認すると、九郎は部屋の奥へと歩を進め――……
そして、その後姿が見えなくなったことを確認すると、九郎は部屋の奥へと歩を進め――……
「(く……あんなパン食べるんじゃなかった! うぅ、ぐあぁ…………やばい)」
……――無言で熾烈な闘争より己を解放すべく、急いでトイレへと駆け込んだ。
◆ ◆ ◆
階段を上ってより廊下の最奥。
九郎から教えられた部屋の前に立つと、なつきはその扉をノックし一言名乗りゆっくりと扉を開いた。
やや広めの部屋の中央。
丸いテーブルの上には、必要以上の光を漏らさせないための処置か薄いシーツを被せられたランタン。
部屋の中はぼんやりと淡く、端までは届かぬ弱いオレンジの光が広がっている。
厚手のカーレンがかけられた窓と部屋の隅の暗がりが、どこか部屋に秘密めいた雰囲気を醸しだしていた。
九郎から教えられた部屋の前に立つと、なつきはその扉をノックし一言名乗りゆっくりと扉を開いた。
やや広めの部屋の中央。
丸いテーブルの上には、必要以上の光を漏らさせないための処置か薄いシーツを被せられたランタン。
部屋の中はぼんやりと淡く、端までは届かぬ弱いオレンジの光が広がっている。
厚手のカーレンがかけられた窓と部屋の隅の暗がりが、どこか部屋に秘密めいた雰囲気を醸しだしていた。
後ろ手に扉を開くと、なつきはベッドに腰かけこちらを見上げるクリスを見た。
ナツキと声をかけられ、返そうとするがじっと見つめる瞳に息を飲み声を返しそびれてしまう。
また何やら気恥ずかしい。
とりあえずはどこかに腰を下ろそうと部屋の中を見回し、しかし椅子がないことに気付いた。
僅かな逡巡。
一呼吸か二呼吸の後、なつきは躊躇しながらも静かにその腰をクリスの隣へと下ろす。
ナツキと声をかけられ、返そうとするがじっと見つめる瞳に息を飲み声を返しそびれてしまう。
また何やら気恥ずかしい。
とりあえずはどこかに腰を下ろそうと部屋の中を見回し、しかし椅子がないことに気付いた。
僅かな逡巡。
一呼吸か二呼吸の後、なつきは躊躇しながらも静かにその腰をクリスの隣へと下ろす。
ギュ……と、ベッドの中の古いスプリングが小さな音を鳴らした。
「何か見つかった、ナツキ?」
「――は? あ、……いや、特に何もなかったな。ここも……”はずれ”だ」
「――は? あ、……いや、特に何もなかったな。ここも……”はずれ”だ」
そうかと小さく溜息をつくクリス。その隣でなつきは静かに大きく息を吐き出した。
どうしてなのか、魔法でもかかっているのか、それとも部屋が暗いせいだろうか妙に息苦しい。
顔が火照るのは目の前のランタンの明かりのせいか、それとも疲れているのか。
どうしてなのか、魔法でもかかっているのか、それとも部屋が暗いせいだろうか妙に息苦しい。
顔が火照るのは目の前のランタンの明かりのせいか、それとも疲れているのか。
「アルが言っていた脱出の鍵ってどんなものだろうね?」
「……さぁな。検討もつかん」
「……さぁな。検討もつかん」
やくたいなしな言葉を交わす最中に、なつきはクリスの横顔をちらりと窺う。
どうしてか、彼といると時々心が粟立ち変に緊張してしまう。
一見、頼りない風に見える華奢な少年だ。
そして実際にも彼は弱く脆い。
なのに何故だろう?
それは――
綺麗で珍しいエメラルドの瞳のせいだろうか?
耳をくすぐる震えをもった声のせいだろうか?
やわらかくて優しい白い手のせいなのだろうか?
それとも、その全てのせいなのか……?
どうしてか、彼といると時々心が粟立ち変に緊張してしまう。
一見、頼りない風に見える華奢な少年だ。
そして実際にも彼は弱く脆い。
なのに何故だろう?
それは――
綺麗で珍しいエメラルドの瞳のせいだろうか?
耳をくすぐる震えをもった声のせいだろうか?
やわらかくて優しい白い手のせいなのだろうか?
それとも、その全てのせいなのか……?
盲点に落ちているのか、何故かその答えはなつきには見つけられない。
「……――で、なつきは北と西のどっちに向かうのがいいと思う?」
「そうだな。……アルは人探しの方を優先するように言ってたと思う」
「じゃあ、西?」
「うむ。元々の予定からは随分と外れてしまうことになるが……」
「そうだな。……アルは人探しの方を優先するように言ってたと思う」
「じゃあ、西?」
「うむ。元々の予定からは随分と外れてしまうことになるが……」
と、そこでなつきはポケットにしまっていた誰かの遺留品のことを思い出した。
それを取り出しながら、クリスへとそのことを報告する。
それを取り出しながら、クリスへとそのことを報告する。
「そうだ。脱出の鍵は見つからなかったが、誰かここにいたらしいことは分かったぞ」
「誰か……?」
「あぁ、……もっともそれが誰かとは分からないが、下のベッドに髪の毛が落ちていた。」
「誰か……?」
「あぁ、……もっともそれが誰かとは分からないが、下のベッドに髪の毛が落ちていた。」
言いながらなつきは髪の毛を摘み上げそれをクリスに見せる。
それをまじまじと見つめるクリス。
髪の毛を挟んで見詰め合う形になっていることに気付き、なつきの身体がトクンと震えた。
それをまじまじと見つめるクリス。
髪の毛を挟んで見詰め合う形になっていることに気付き、なつきの身体がトクンと震えた。
「触ってもいいかな?」
「――ふぁい!?」
「あ、その髪の毛なんだけど……」
「あ、あぁ……いいぞ。なくすなよ」
「――ふぁい!?」
「あ、その髪の毛なんだけど……」
「あ、あぁ……いいぞ。なくすなよ」
自身の変化を気取られなかったことに安堵すると、なつきはそっと髪の毛をクリスへと渡す。
その時かすった指先がいやにくすぐったく、素早く手をひっこめるとなつきは膝の上でぎゅっと拳を握った。
その時かすった指先がいやにくすぐったく、素早く手をひっこめるとなつきは膝の上でぎゅっと拳を握った。
「………………ぅぅ」
なつきより髪の毛をうけとりまじまじと見つめるクリス。
その様子を窺い、なつきはその真剣な眼差しこそが自身に緊張を強いる元凶ではないか推測してみる。
普段はぼうっとしてどこを見てるかも定かではないのに、時折じっとこちらの眼を覗き込んでくるのだ。
その様子を窺い、なつきはその真剣な眼差しこそが自身に緊張を強いる元凶ではないか推測してみる。
普段はぼうっとしてどこを見てるかも定かではないのに、時折じっとこちらの眼を覗き込んでくるのだ。
綺麗なエメラルドの瞳で。
昨日の夕方、初めて会った時もそうだった。
そしてその後も、見つめられるたびに自分が変になっている気がする。
他の人には見えない雨が見える? 魔法の瞳だろうか? ドキドキするのはそのせいか?
昨日の夕方、初めて会った時もそうだった。
そしてその後も、見つめられるたびに自分が変になっている気がする。
他の人には見えない雨が見える? 魔法の瞳だろうか? ドキドキするのはそのせいか?
「……ナツキ。どうして目をそむけるの?」
「べ、別になんでもない……」
「………………」
「………………」
「べ、別になんでもない……」
「………………」
「………………」
顔をクリスから背け、なつきは静かに呼吸する。
一分か二分か、それよりも短いかずっと長いか、よくはわからなかったがいくらかの沈黙の時間が過ぎた。
しかし息は深く、鼓動は緩まらない。頬は熱く、握った手の中は汗に濡れていた。
一分か二分か、それよりも短いかずっと長いか、よくはわからなかったがいくらかの沈黙の時間が過ぎた。
しかし息は深く、鼓動は緩まらない。頬は熱く、握った手の中は汗に濡れていた。
でも固まっている場合ではない……と、一欠けらの理性を用いてなつきは振り返った。
そこには変わらずクリスがいる。エメラルドの眼差しの……しかしなつきの顔は見ていなかった。
見ていたのはもう少し下方。ちょうどトクントクンと鳴っている心臓のあたりだった。
そこには変わらずクリスがいる。エメラルドの眼差しの……しかしなつきの顔は見ていなかった。
見ていたのはもう少し下方。ちょうどトクントクンと鳴っている心臓のあたりだった。
「――ど、どこを見てるっ!」
「え、え……?」
「え、え……?」
胸元を押さえ、なつきは慌ててベッドの上を後ずさる。
ドタバタという足音にギシギシとスプリングの音が追従し、一瞬の後再び部屋の中は静寂へと戻った。
ドタバタという足音にギシギシとスプリングの音が追従し、一瞬の後再び部屋の中は静寂へと戻った。
「……あの、さっきはありがとう」
倍以上離れた位置からの言葉を聞きなつきの頭の上に?マークが浮き上がる。
クリスが何を言っているのか、今この身を苛む焦燥の正体もわからない。
膨らんだもやもやに突き動かされ、いつもの様に銃を取り出そうとして――……
クリスが何を言っているのか、今この身を苛む焦燥の正体もわからない。
膨らんだもやもやに突き動かされ、いつもの様に銃を取り出そうとして――……
「リセのお墓の前でのこと……。
クロウと、そしてナツキがいなかったら……、
ナツキが僕を繋ぎ止めておいてくれなかったら、僕はきっとあそこから一歩も動けなかった」
クロウと、そしてナツキがいなかったら……、
ナツキが僕を繋ぎ止めておいてくれなかったら、僕はきっとあそこから一歩も動けなかった」
――しかし銃声は鳴り響かなかった。
◆ ◆ ◆
「――別に、私はあれだ、仲間だから当然のことをしたまでで……その、あのだなぁ…………」
手の中にエレメントの銃はない。ただ自分の意思とは無関係になつきは手をばたばたと振り回してしまう。
鏡を見るまでもなく顔が真っ赤になっていることがわかる。
心臓はドキドキと擬音語で表せるぐらいに早く打っており、水の中かと思えるほどに呼吸は不自由。
足元は空気を踏んでるかの如くにおぼつかなく、天地の方向すら錯覚しそうな程であった。
心臓はドキドキと擬音語で表せるぐらいに早く打っており、水の中かと思えるほどに呼吸は不自由。
足元は空気を踏んでるかの如くにおぼつかなく、天地の方向すら錯覚しそうな程であった。
否応がなしに脳内で再生されるあの時の一言一句。自分が誰に何をしたのか。
繰り返し思い返されるあの場面、あの場面、あの場面になつきの羞恥の許容量は限界に達しようとしていた。
何故か、出会ってから色々とおかしい。どうしてか、それはまだ解らないのだけど……。
繰り返し思い返されるあの場面、あの場面、あの場面になつきの羞恥の許容量は限界に達しようとしていた。
何故か、出会ってから色々とおかしい。どうしてか、それはまだ解らないのだけど……。
「……――ナツキに抱きかかえられていた時」
またクリスがあの目で見つめていた。どうしてか一度合わせると外すのがとても難しい。
蛇に睨まれた蛙? そんなことを思いながらなつきは次の言葉を待つ。
蛇に睨まれた蛙? そんなことを思いながらなつきは次の言葉を待つ。
「すごく安心できた。
やすらぎがあって、ここは安全なんだ、ただ泣いていても大丈夫なんだって、そう思えた。
ナツキの胸の中にいたら……ナツキに身を任せてもいいんだって……そんな風に、
まるで母親の胸の中にいるような、そんな――……」
やすらぎがあって、ここは安全なんだ、ただ泣いていても大丈夫なんだって、そう思えた。
ナツキの胸の中にいたら……ナツキに身を任せてもいいんだって……そんな風に、
まるで母親の胸の中にいるような、そんな――……」
お母さん? と、なつきの口から言葉がもれる。
それはとても予想外な言葉で、そして不思議な感触のある言葉でもあった。
それはとても予想外な言葉で、そして不思議な感触のある言葉でもあった。
「あれ? 変なこと言っちゃったかな? 素直な気持ちなんだけど……」
「あ、いや……わかった。よくわからんが……でも、あれだ。変なとこを見るなよ。恥ずかしいから……」
「あ、いや……わかった。よくわからんが……でも、あれだ。変なとこを見るなよ。恥ずかしいから……」
クリスの言葉に、なつきの中で張り詰めていた緊張が霧散してゆく。
代わりに膨らんでくるのはくすぐったいような、気持ちのいいような不思議な感情。
同じ温かいものなのに先程までのとはまた違った静かな感情だった。
代わりに膨らんでくるのはくすぐったいような、気持ちのいいような不思議な感情。
同じ温かいものなのに先程までのとはまた違った静かな感情だった。
「やっぱり変なこと言ったよね……僕」
「うん。……じゃなくて、別にかまわん。その、嫌でもなかったしな……」
「うん。……じゃなくて、別にかまわん。その、嫌でもなかったしな……」
ベッドの端。暗がりの方まで離れていたなつきは立ち上がると歩を進めクリスの隣へと座りなおした。
再びのギシというスプリングの音。
オレンジ色の明かりに互いの顔がまたはっきりと見えるようになったがもうどちらにもぎこちなさはない。
再びのギシというスプリングの音。
オレンジ色の明かりに互いの顔がまたはっきりと見えるようになったがもうどちらにもぎこちなさはない。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
言葉のいらない時間がすぎてゆく。
これもどれぐらいだったのかはわからない。とても長かったのか、それともほんの一瞬だったのか。
ただ、次にベッドが軋む音を立てた時に、なつきは何かを問われた気がして、
それに応えようと――……
これもどれぐらいだったのかはわからない。とても長かったのか、それともほんの一瞬だったのか。
ただ、次にベッドが軋む音を立てた時に、なつきは何かを問われた気がして、
それに応えようと――……
「――おいっ! クリス! なつき!」
……したところに独闘を終えた九郎が帰ってきた。
◆ ◆ ◆
雲散霧消という言葉はこんな時のためのものなのだろうか、
それまでその部屋に満ちていた雰囲気はそれが幻だったかごとくに消え去り、そして――……
それまでその部屋に満ちていた雰囲気はそれが幻だったかごとくに消え去り、そして――……
「気をつけろ、何か近づいてきているぞ!」
――新しい緊張の糸が張り巡らされた。
「何か近づいてきているとは変な言い方だな。人じゃないのか……?」
「よくわかんねぇが、でかい音立てて何かが山を登ってきてやがる」
「よくわかんねぇが、でかい音立てて何かが山を登ってきてやがる」
言われてクリスとなつきは耳を澄まし――確かに地響きのようなものが近づいて来ていることを察した。
加えて、なつきだけはその気配に覚えがあった。
それが何かなのとは確かに答えることはできない。だが、覚えのある気配。
加えて、なつきだけはその気配に覚えがあった。
それが何かなのとは確かに答えることはできない。だが、覚えのある気配。
「(――オーファン? いや、チャイルドか?)」
しかし誰のチャイルドなのか?
次第に大きくなる気配を前になつきは考える。
とはいえ考えるまでもなく答えは一瞬で出た。彼女が知るHiMEは自分を除けば杉浦碧たた一人なのだから。
だとすれば、轟音の主は彼女のチャイルド――愕天王のものだろう。だがしかし――
次第に大きくなる気配を前になつきは考える。
とはいえ考えるまでもなく答えは一瞬で出た。彼女が知るHiMEは自分を除けば杉浦碧たた一人なのだから。
だとすれば、轟音の主は彼女のチャイルド――愕天王のものだろう。だがしかし――
「(違う気がする。……なんだこの嫌な予感は)」
――えも言えぬ不安がなつきを襲っていた。
何か知ってるはずの災厄が来るとわかるのに、しかし思い出せない。そんなもどかしさが、と――……
何か知ってるはずの災厄が来るとわかるのに、しかし思い出せない。そんなもどかしさが、と――……
「馬鹿っ! 窓から離れろクリス!」
――無防備にもカーテンを開いて外を窺っていたクリスになつきは絶句し、そして――……
「…………え? なつき?」
――クリスの前の窓が壁ごと爆裂した。
◆ ◆ ◆
一角を打ち崩され、そのまま月を見上げることができるようになってしまった部屋の中を六つの蛇頭が覗き込んでいる。
二階建ての山小屋とほぼ同じほどの大きさの六頭の大蛇。
その頭の内の一つには一人の白い阿修羅姫――藤乃静留が立っており、また彼女も冷ややかな目でそこを見下ろしていた。
二階建ての山小屋とほぼ同じほどの大きさの六頭の大蛇。
その頭の内の一つには一人の白い阿修羅姫――藤乃静留が立っており、また彼女も冷ややかな目でそこを見下ろしていた。
「あら、クリスはんやないか……べべが変わっとったからよう気付けへんかったわぁ」
部屋の隅、ガラスを全身に浴びた九郎に抱えられたクリスを見て静留はころころと哂っている。
それは――なつきが初めて見る静留の姿でもあった。
間違っていて欲しいと願うぐらいに、極上の日々にあった彼女の姿からはほど遠い修羅がそこにいた。
それは――なつきが初めて見る静留の姿でもあった。
間違っていて欲しいと願うぐらいに、極上の日々にあった彼女の姿からはほど遠い修羅がそこにいた。
「……静留?」
声をかけられて初めて気付いたのだろう。
彼女が驚く様がなつきからははっきりと見て取れた。そして、そのとても哀しい眼差しも。
彼女が驚く様がなつきからははっきりと見て取れた。そして、そのとても哀しい眼差しも。
「静留は……静留もHiMEだったのか……?」
哀しい表情でただ頷き静留はそれを肯定する。
言い訳も何も無く、感じられるのは決意と覚悟の重さのみ。
言い訳も何も無く、感じられるのは決意と覚悟の重さのみ。
「それでも、私はかまわない。私も隠していたんだ。静留を責めることはできないさ。
けど……今は一緒に戦うことはできないのか? これは、HiMEの宿命とは関係ないはずだ。だったら――」
けど……今は一緒に戦うことはできないのか? これは、HiMEの宿命とは関係ないはずだ。だったら――」
なつきは説得の言葉を吐きながら同時に自分の吐く言葉の無力さを不甲斐無く思う。
自分を見下ろす静留の哀しくも優しい顔を見ていると、何をもってしても通じないような気がして。
清姫の上に立つ彼女が、自らの手が届かない場所にいるような気がして。
自分を見下ろす静留の哀しくも優しい顔を見ていると、何をもってしても通じないような気がして。
清姫の上に立つ彼女が、自らの手が届かない場所にいるような気がして。
「……堪忍なぁ」
静留から見下ろすなつきにかけられる言葉はこれが精一杯だった。
言葉を重ねればどうしても綻びは生まれ覚悟は鈍る。
愛するなつきと出会えたことは僥倖であったが、同時に最悪の試練でもあった。
己が内に潜ませている想い……決して覚らせてはならない。一番大事なものだけは護り通したいが故に。
言葉を重ねればどうしても綻びは生まれ覚悟は鈍る。
愛するなつきと出会えたことは僥倖であったが、同時に最悪の試練でもあった。
己が内に潜ませている想い……決して覚らせてはならない。一番大事なものだけは護り通したいが故に。
「あの人が静留さんか……」
軋み、痛みを訴える身体を気合で捻じ伏せ、九郎は偃月刀を片手に清姫とクリス達の間へと立つ。
静留には折れぬ心を持った闘士としての眼差しを、クリスとなつきのは守護者の背中を見せながら。
静留には折れぬ心を持った闘士としての眼差しを、クリスとなつきのは守護者の背中を見せながら。
「要説得だろ? クリス、なつき、それはお前達に任せた。俺は化物退治だ」
震えないとは、怖気づかないと言えば嘘だろう。だが今の九郎にはそれを消し去る決意がある。
受け継いだ手中の希望。そして仲間達。それぞれが希望で、その全てを護るという決意が。
受け継いだ手中の希望。そして仲間達。それぞれが希望で、その全てを護るという決意が。
「クリス。俺から離れるなよ。絶対、最後まで俺が護りきってやるから――」
「シズル……。ナツキはそんなことを望んじゃいない。だから……」
クリスは涙のような霧雨の中に濡れる静留を見上げ訴える。
隣にはなつき。寄り添い手を取り合い、そして絶望の淵に立つ彼女へも手を差し伸べる。
隣にはなつき。寄り添い手を取り合い、そして絶望の淵に立つ彼女へも手を差し伸べる。
「唯湖はんの次はなつきにか、えろう色男振りやないか……ハハ、一等一番に殺したるわ」
しかしまだその手は届かない。
けれどもクリスはその優しい手をのばすことを諦めない。
何故ならば、雨煙の中に佇む阿修羅姫はとてもひどく哀しそう見えるのだから――……
けれどもクリスはその優しい手をのばすことを諦めない。
何故ならば、雨煙の中に佇む阿修羅姫はとてもひどく哀しそう見えるのだから――……
◆ ◆ ◆
殺戮の盤上のその中心。
それぞれにそれぞれの強い想いを抱え、それを決意の糸で縛り上げた四人が激突する。
それぞれにそれぞれの強い想いを抱え、それを決意の糸で縛り上げた四人が激突する。
どのような結果に終わろうともそこに喜びは生まれないかも知れない。
哀しみの連鎖がまた一つ足されるだけなのかも知れない。
哀しみの連鎖がまた一つ足されるだけなのかも知れない。
しかし、激突は最早回避することはできない。
運命はただ無慈悲にターンを進めてゆくのみ――――……
【E-5 山小屋/2日目/黎明】
【クリス・ヴェルティン@シンフォニック=レイン】
【装備】:ポーリータキシード(真)@THEIDOLM@STER、防弾チョッキ、髪の毛(唯湖)
【所持品】:
支給品一式、ロイガー&ツァール@機神咆哮デモンベイン、アルのページ断片(ニトクリスの鏡)@機神咆哮デモンベイン
フォルテール(リセ)@シンフォニック=レイン、ピオーヴァ音楽学院の制服(ワイシャツ以外)@シンフォニック=レイン
刀子の巫女服@あやかしびと-幻妖異聞録-、和服、情報の書かれた紙、アリエッタの手紙@シンフォニック=レイン
【状態】:Piovaゲージ:50%
【思考・行動】
基本:哀しみの連鎖を止める――だけどクリスができる力で。目の前の哀しみを。仲間とともに。
0:ナツキと一緒にシズルを説得し助ける。
1:以下の目的の為に島の中央部へと向かう。
-ユイコを探し出し、彼女を護る。
-首輪を解除できるであろうドクターウェストを探し出し、彼と仲間にする。
-何かこのゲームのヒントが隠されていないか付近の施設を調べる。
2:第六回放送(2日目の正午)までにツインタワーへと向かい、アル達と合流する。
3:誰かと出会ったら仲間になるよう説得。即座に同行できないならば、ツインタワーで待ち合わせる。
【備考】
※原作よりの登場時期は、リセルート-12/12後からになります。
※西洋風の街をピオーヴァに酷似していると思ってます
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、「MightyHeart、BrokenHeart」の本文参照。
※ユイコの為の”クリス君”である事を止めました。
【装備】:ポーリータキシード(真)@THEIDOLM@STER、防弾チョッキ、髪の毛(唯湖)
【所持品】:
支給品一式、ロイガー&ツァール@機神咆哮デモンベイン、アルのページ断片(ニトクリスの鏡)@機神咆哮デモンベイン
フォルテール(リセ)@シンフォニック=レイン、ピオーヴァ音楽学院の制服(ワイシャツ以外)@シンフォニック=レイン
刀子の巫女服@あやかしびと-幻妖異聞録-、和服、情報の書かれた紙、アリエッタの手紙@シンフォニック=レイン
【状態】:Piovaゲージ:50%
【思考・行動】
基本:哀しみの連鎖を止める――だけどクリスができる力で。目の前の哀しみを。仲間とともに。
0:ナツキと一緒にシズルを説得し助ける。
1:以下の目的の為に島の中央部へと向かう。
-ユイコを探し出し、彼女を護る。
-首輪を解除できるであろうドクターウェストを探し出し、彼と仲間にする。
-何かこのゲームのヒントが隠されていないか付近の施設を調べる。
2:第六回放送(2日目の正午)までにツインタワーへと向かい、アル達と合流する。
3:誰かと出会ったら仲間になるよう説得。即座に同行できないならば、ツインタワーで待ち合わせる。
【備考】
※原作よりの登場時期は、リセルート-12/12後からになります。
※西洋風の街をピオーヴァに酷似していると思ってます
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、「MightyHeart、BrokenHeart」の本文参照。
※ユイコの為の”クリス君”である事を止めました。
【玖我なつき@舞-HiME運命の系統樹】
【装備】:ELER(なつきのエレメントである二丁拳銃。弾数無制限)、パンキッシュゴシック(春香)@THEIDOLM@STER
【所持品】:
支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THEIDOLM@STER、
白ドレス@Fate/staynight[RealtaNua]、大量の下着、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)、
七香の MTB@CROSS†CHANNEL~toallpeople~、双眼鏡、クルーザーにあった食料、情報の書かれた紙、首輪(サクヤ)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:クリスと一緒にこのゲームより脱出。静留を助ける。
0:クリスと一緒に静留を説得し助ける。
1:以下の目的の為に島の中央部へと向かう。
-唯湖を探し出し、彼女を護る。
-首輪を解除できるであろうドクターウェストを探し出し、彼と仲間にする。
-何かこのゲームのヒントが隠されていないか付近の施設を調べる。
2:第六回放送(2日目の正午)までにツインタワーへと向かい、アル達と合流する。
3:誰かと出会ったら仲間になるよう説得。即座に同行できないならば、ツインタワーで待ち合わせる。
4:来ヶ谷唯湖に怒りと憎悪。クリスへの不思議な気持ち。
【備考】
※媛星の事はアルやウェスト等、媛星への対策を思い付き得る者以外に話すつもりはありません。
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、「MightyHeart、BrokenHeart」の本文参照。
※クリスに対しなんらかの好意を持っています。また、彼が雨の幻影を見ていることに気付きました。
※来ヶ谷唯湖に対し怒りと憎悪の感情があります。
【装備】:ELER(なつきのエレメントである二丁拳銃。弾数無制限)、パンキッシュゴシック(春香)@THEIDOLM@STER
【所持品】:
支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THEIDOLM@STER、
白ドレス@Fate/staynight[RealtaNua]、大量の下着、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)、
七香の MTB@CROSS†CHANNEL~toallpeople~、双眼鏡、クルーザーにあった食料、情報の書かれた紙、首輪(サクヤ)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:クリスと一緒にこのゲームより脱出。静留を助ける。
0:クリスと一緒に静留を説得し助ける。
1:以下の目的の為に島の中央部へと向かう。
-唯湖を探し出し、彼女を護る。
-首輪を解除できるであろうドクターウェストを探し出し、彼と仲間にする。
-何かこのゲームのヒントが隠されていないか付近の施設を調べる。
2:第六回放送(2日目の正午)までにツインタワーへと向かい、アル達と合流する。
3:誰かと出会ったら仲間になるよう説得。即座に同行できないならば、ツインタワーで待ち合わせる。
4:来ヶ谷唯湖に怒りと憎悪。クリスへの不思議な気持ち。
【備考】
※媛星の事はアルやウェスト等、媛星への対策を思い付き得る者以外に話すつもりはありません。
※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、「MightyHeart、BrokenHeart」の本文参照。
※クリスに対しなんらかの好意を持っています。また、彼が雨の幻影を見ていることに気付きました。
※来ヶ谷唯湖に対し怒りと憎悪の感情があります。
【大十字九郎@機神咆吼デモンベイン】
【装備】:バルザイの偃月刀@機神咆哮デモンベイン、私立穂群原学園指定体操服+運動靴@Fate/staynight[RealtaNua]
【所持品】:
支給品一式、ベレッタM92(9ミリパラベラム弾15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(15発入り)×3
凛の宝石×7個@Fate/staynight[RealtaNua]、物干し竿@Fate/staynight[RealtaNua]
キャスターのローブ@Fate/staynight[RealtaNua]、木彫りのヒトデ×10@CLANNAD、
トランシーバー(故障)、加藤虎太郎の眼鏡、タバコ、虫除けスプレー
【状態】:決意、疲労(中)、打撲(背中/重)、打撲(全身/中)、銃創(肩/深)、銃創(右足/浅)、腹痛(軽)
【思考・行動】
基本:亡き者達の遺志を継ぎ、希望を実現させる。
0:クリス達が静留を説得している間、清姫を引きつけ護る。
1:クリスとなつきに同行し、彼らを助ける。その後、一緒にアル達と合流。
2:虎太郎の生徒と出会えたら保護する。
3:金髪の女(ドライ)とはいずれ決着をつける。
4:ドクターウェストに出会ったら、問答無用で殴る。
【備考】
※千華留、深優と情報を交換しました。
深優からの情報は、電車を破壊した犯人(衛宮士郎)、神崎の性癖?についてのみです。
※クリスが雨の幻影を見ていることに気付きました。
※理樹を殺したのはドライだと気付きました。
【装備】:バルザイの偃月刀@機神咆哮デモンベイン、私立穂群原学園指定体操服+運動靴@Fate/staynight[RealtaNua]
【所持品】:
支給品一式、ベレッタM92(9ミリパラベラム弾15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(15発入り)×3
凛の宝石×7個@Fate/staynight[RealtaNua]、物干し竿@Fate/staynight[RealtaNua]
キャスターのローブ@Fate/staynight[RealtaNua]、木彫りのヒトデ×10@CLANNAD、
トランシーバー(故障)、加藤虎太郎の眼鏡、タバコ、虫除けスプレー
【状態】:決意、疲労(中)、打撲(背中/重)、打撲(全身/中)、銃創(肩/深)、銃創(右足/浅)、腹痛(軽)
【思考・行動】
基本:亡き者達の遺志を継ぎ、希望を実現させる。
0:クリス達が静留を説得している間、清姫を引きつけ護る。
1:クリスとなつきに同行し、彼らを助ける。その後、一緒にアル達と合流。
2:虎太郎の生徒と出会えたら保護する。
3:金髪の女(ドライ)とはいずれ決着をつける。
4:ドクターウェストに出会ったら、問答無用で殴る。
【備考】
※千華留、深優と情報を交換しました。
深優からの情報は、電車を破壊した犯人(衛宮士郎)、神崎の性癖?についてのみです。
※クリスが雨の幻影を見ていることに気付きました。
※理樹を殺したのはドライだと気付きました。
【藤乃静留@舞-HiME運命の系統樹】
【装備】:殉逢(エレメント)、清姫(チャイルド)、真白な振袖
【所持品】:
支給品一式×3、シアン化カリウム入りカプセル、愁厳の服、シーツ、首輪(刀子)
古青江@現実、虎竹刀@Fate/staynight[RealtaNua]、包丁2本、コルト・ローマン(0/6)
ビームライフル(残量0%)@リトルバスターズ!、ラジコンカー@リトルバスターズ!
木彫りのヒトデ1/64@CLANNAD、玖我なつきの下着コレクション@舞-HiME運命の系統樹
【状態】:疲労(中)、全身(打身)、後頭部(打撲)、左太股(刺傷)、左脇腹肋骨(罅)、左手首(銃弾による擦過傷)
【思考・行動】
基本:修羅となりて、自分も含めたなつき以外の参加者を皆殺しとする。
0:クリスと九郎を殺害し、なつきを保護する。
1:人を探し出し、なつきでなければ殺害する。
2:なつき以外の全員を殺害し終わったら自害する。
3:清姫(=なつき)がやられることだけは絶対に回避。
4:眼帯の男(九鬼耀鋼)、衛宮士郎など強者を警戒。
【備考】
※登場時期は”星詠の舞”が始まるより前です。
※チャイルド(清姫)を召喚できるようになりました。
※士郎より聖杯についての情報を得ました。
【装備】:殉逢(エレメント)、清姫(チャイルド)、真白な振袖
【所持品】:
支給品一式×3、シアン化カリウム入りカプセル、愁厳の服、シーツ、首輪(刀子)
古青江@現実、虎竹刀@Fate/staynight[RealtaNua]、包丁2本、コルト・ローマン(0/6)
ビームライフル(残量0%)@リトルバスターズ!、ラジコンカー@リトルバスターズ!
木彫りのヒトデ1/64@CLANNAD、玖我なつきの下着コレクション@舞-HiME運命の系統樹
【状態】:疲労(中)、全身(打身)、後頭部(打撲)、左太股(刺傷)、左脇腹肋骨(罅)、左手首(銃弾による擦過傷)
【思考・行動】
基本:修羅となりて、自分も含めたなつき以外の参加者を皆殺しとする。
0:クリスと九郎を殺害し、なつきを保護する。
1:人を探し出し、なつきでなければ殺害する。
2:なつき以外の全員を殺害し終わったら自害する。
3:清姫(=なつき)がやられることだけは絶対に回避。
4:眼帯の男(九鬼耀鋼)、衛宮士郎など強者を警戒。
【備考】
※登場時期は”星詠の舞”が始まるより前です。
※チャイルド(清姫)を召喚できるようになりました。
※士郎より聖杯についての情報を得ました。
218:Realta Nua | 投下順 | 220:It is mysterious./少女よ、大志を抱け |
時系列順 | ||
216:tear~追憶夜想曲~(後編) | クリス・ヴェルティン | 223:阿修羅姫 |
玖我なつき | ||
大十字九郎 | ||
208:DEVIL MAY CRY | 藤乃静留 |