シームルグ・アッタール
負傷を癒さない代わりに、負傷するほど攻撃力が増大する。
痛みに耐え、恐怖を笑い飛ばし、受けた傷をどんな敵であろうと立ち向かってきた勲章として誇り、欠ければ欠けるほどに燃え盛る戒律。
攻撃力は赤い闘気という形で現れ、サムルークはこれを纏って戦う。
オーラは擬似的な肉体器官としても働き、能力発動中は欠損部位強化・補修される。
常態でも『負傷したまま生存する』という異形の体構造を実現し出血多量や臓器不全、感染症などになることはない。
またこの戒律は本質的に回復を禁じているため、たとえ表面上は傷が癒合しているように見えても痛みが常に残っている。傷の痛み自体はこの能力で癒すことは出来ないため、痛みはそのままに、物理的のみならず精神的な傷まで常に抱えて戦い続けるという非常に重い戒律。
単純な意味で苦しく過酷な戒律であり、これを負いながらも笑っていられるサムルークの剛毅さは驚異的と言って差し支えない。
そういったことからか戒律の能力発動には痛みを感じることも重要であるようだ。
継戦能力という点では非常に優れるものの不死身ではないので脳や心臓を破壊されれば流石に死んでしまう。あくまで『痛みに耐える』というリスクを裏返した力であり、死を克服するものではないということ。
手足の欠損までに至った攻撃の際には、闘気が幻肢の手足を創り出し五百倍近く巨大化(右手と左脚だけなら身長九百メートルを超える)、その重撃は山を抉り砕くほどで渾身の一撃は隕石の直撃にも等しい威力がある。
傷の量と出力の関係
これまでサムルークが負った傷の総量を100とすると、上記の手足を失った際の量は7か8程度。
傷の総量(100)×そのとき負った傷(7〜8)が、使用可能なエネルギー量(700〜800)となる。
一撃に込められる瞬間的なエネルギーの最大量は傷の総量分(100)だけ。そのため手足を失った時に全力の攻撃は7、8回しか繰り出せない。
限りがある使用可能なエネルギーを超えて力を行使しようとした場合どうなるかは不明。
傷の総量(100)からみて、負った傷が1未満の軽傷の場合本気の攻撃が出来なくなる(0.1の傷の場合、一撃の最大出力は10となる)。
そして能力の再使用には再び傷を負う必要がある。
まさにハイリスクハイリターンの、文字通り身を削る武威と言える。
ちなみにサムルークはこれまで使用可能なエネルギーを使い切ったことがなくその分を死蔵することになっていた。しかし
聖王領で開発された義肢の新機能により神経網に直接痛みを送ることで死蔵していたエネルギーを引っ張り出すことを可能にしている。使用中は痛みの度合いが跳ね上がるが継戦能力の大幅アップに繋がった。
その本質
この戒律の本質は、物理的な負傷に限らず、精神的なものも含めてあらゆる欠落とそれに対する恐怖に立ち向かい、燃え上がる生き方にある。
むしろ根こそぎ欠けて万全とは程遠いがゆえに万全以上、過去最高を絞り出せる。
そのため、
孔雀王の代償として記憶を消費されても、実際は最初から忘れていない。(思い出すのにきっかけは必要なようだが)
備考
元ネタはイラン神話に伝わる神鳥「シームルグ」。
シームルグの他にサエーナ(アヴェスター語)、セーンムルウ(中世ペルシャ語)、サムルーク(カザフ語)とも呼ばれている。オリエントの様々な民話に登場する他、「シャー・ナーメ」においても重要な役割を持つ。
象をも運べるほど巨大な長命の鳥で、その羽根は美しいだけでなく治癒の力を持つと言われている。鳥類の王で、自らの食べ残しは全て他の動物たちが食べられるようにその場で置くという。
後半の部分は長編詩「鳥の言葉」の著者、「ファリードゥッディーン・アッタール」が元ネタと思われる。
別題の一つは「鳥たちの階梯」。
内容は、世界中の鳥たちが王の座に相応しいシームルグを見つけ出すための冒険に出るといもの。七つの谷、海での溺死、そして太陽の激熱といった様々な艱難辛苦を乗り越えた先に、残された鳥の一団は自分たちの中にこそシームルグが宿っていることに気づき、一体化してシームルグになる。
元々は
黒白のアヴェスター発表以前に正田崇が
Twitter上で語っていた戒律の代表例の一つである。
「戦闘中に負った怪我を治さない」→「欠損部位が異形の成長をする。」
- 地味だけど『失血、感染症その他で死なない』っていうパッシブ効果もある -- 名無しさん (2020-03-14 13:58:13)
- 出血性ショックとか敗血症とかサイトカインストームが起こらないとかいう無敵免疫 -- 名無しさん (2020-03-14 14:05:14)
- 精神的な傷を癒さない、ってことは友人とか恋人に -- 名無しさん (2020-03-14 17:27:53)
- ミスった↑慰められて立ち直ったら戒律破ったことになるんかね? -- 名無しさん (2020-03-14 17:28:32)
- 一人で戦った方が強い能力 -- 名無しさん (2020-03-18 10:48:41)
- 再来週には胸から下が旧支配者みたいな事になってそう -- 名無しさん (2020-03-28 10:44:37)
- 傷を癒さないと攻撃を避けないの多重戒律になったら、攻撃避けない戒律は内容が変わるんやろか。 -- 名無しさん (2020-03-28 17:18:42)
- 作中でも現状トップクラスに重い戒律だと思うんだけど、活躍が・・・ -- 名無しさん (2020-03-28 23:50:49)
- いやだなぁ正にこれから本領発揮フラグが建ったじゃぁないか…… -- 名無しさん (2020-03-29 00:07:56)
- 総量(100)に対して1以上の負傷追わなくちゃいけないから、戦えば戦うほど傷つくほどにそのハードル高くなるってのに特級のガチンコぶち込まれるとか今後のハードルぶちあがりですよ -- 名無しさん (2020-03-29 00:48:58)
- どっちかというと我力で負傷や苦痛を無視できそうな不義者向きの戒律よね -- 名無しさん (2020-03-29 09:31:02)
- 戒律の名前が霊鳥ってあるから、形が人間やめて鳥になっちゃうとか? -- 名無しさん (2020-03-29 11:19:08)
- 階梯ってハシゴの事らしいからマジで鳥型へ変形していく可能性がある -- 名無しさん (2020-03-29 11:38:28)
- ↑3痛みを天然自然のまま抱えるのに意味があるから、そこを曲げると縛りがゆるくなって効果も落ちそうなんでやっぱり義者じゃないと駄目じゃない? -- 名無しさん (2020-03-29 12:21:33)
- 戒律の厳しさに反してパワーがイマイチ足りない感があるから(これはサムルーク本人の力量・ポテンシャル不足もあるんだろうけど)、ここいらで破滅的な異形の実力を発揮してほしいところ -- 名無しさん (2020-03-29 12:35:15)
- もっと戦闘狂の戒律だと思ってたな。 -- 名無しさん (2020-03-31 01:14:22)
- 格上でオーバーキルできる連中が多すぎ問題 -- 名無しさん (2020-03-31 13:45:01)
- 基本的に神座世界は格差絶対の世界観だしな。強い奴は単純に強いから勝ち、(一部例外有)弱い奴は弱いから負ける感じ。 -- 名無しさん (2020-04-01 20:17:30)
- 未だに細かいルールやシステムがよく理解できない…… -- 名無しさん (2020-04-27 23:47:39)
- 自然治癒セーフなのはいいけど能力使うたびに本気だすのに必要な傷増えてくのひでーな -- 名無しさん (2020-04-28 00:04:35)
- まあある程度の傷さえおえば、ザリチェ以上の攻撃力ってことだからセーフ -- 名無しさん (2020-04-28 19:06:31)
- ある程度って致命傷レベルだけどな -- 名無しさん (2020-04-28 19:13:51)
- 風前の灯火で最後にどでかい威力にまで上がったけど結局死ぬだろうしな -- 名無しさん (2020-04-29 14:59:24)
- 戒律名見るとサクルークは死ぬけど、元サムルークだった何かが残るんじゃないかって気がしてならない -- 名無しさん (2020-04-29 18:59:04)
- クイン「これ、サムルークです…」 -- 名無しさん (2020-11-10 22:23:49)
- ↑なんかツッコミ役で眼鏡かけみたいな声っぽいクインだ -- 名無しさん (2020-11-10 22:27:00)
- サムルークの記憶喰い過ぎて孔雀王(弟)がサムルークになっちゃうんじゃ? 鎧に憑く怨霊と化したサムルークのせいで、姉と同じ運命辿ったりして… -- 名無しさん (2020-11-10 22:58:40)
- 跡形もなくなった後が本番とか敵からしたら嫌すぎる -- 名無しさん (2021-04-25 00:08:01)
- これ微塵になっても死ねないアムリタとの相性最高なんじゃ・・・ -- 名無しさん (2021-04-25 16:42:51)
- →サム「まだだ!!!」できちゃうね -- 名無しさん (2021-04-26 10:46:24)
- ↑光狂いは勘弁してくれ -- 名無しさん (2021-05-25 20:47:25)
- 兄者のコピー版、よく見るとバフラアイオーンの分身が受けたダメージでこれ発動してて笑った コスト踏み倒しじゃねーか -- 名無しさん (2021-07-09 17:15:10)
- なお、弟者も鎧に戒律のコストをなすりつけてた模様 -- 名無しさん (2022-03-14 16:28:48)
最終更新:2022年03月14日 16:28