【あらすじ】
その戦いから2年後の西暦2314年。地球連邦政府は新政権の樹立と共に独立治安維持組織『アロウズ』を解体、弾圧から協調・融和へと政治方針を改めた統治されている。
その中でソレスタルビーイングは
ガンダムを使わず極秘裏の武力介入による紛争根絶を続けていた。
そのとき130年前に木星の有人調査へと向かい消息を絶ったはずの探査船「エウロパ」が地球に接近する。
地球への衝突コースに入ったエウロパの巨体を破壊するためにMA『ガデラーザ』を投入、圧倒的な火力により破砕、細かく砕かれた破片は地球へと落下した。
しかしこの出来事の後、世界各地で不可解な現象が起きることなる。
それは、イオリアが予見していた「来たるべき対話」の始まりを告げるものであった…。
【作品解説】
2010年9月18日に公開された劇場作品にしてTVアニメから続いた「
機動戦士ガンダム00」の完結作。BD・DVDが同年12月25日に発売された。
副題の「A wakening of the Trailblazer」は和訳すると「先駆者の目覚め」となる。
ガンダムシリーズとしては初の地球外生命体である金属異星体ELS(読みはエルス)が登場(SEEDにもエヴィデンス01…所謂羽クジラが登場したが、化石状態だったことに加え「ジョージ・グレンが木星から持ち帰った」以外の設定が全く無い)、
ダブルオークアンタに標準搭載されている量子テレポートによる惑星間航行、ELSとの戦闘と対話・共存までを描いた従来のガンダムシリーズとは違う方向性には当初は賛否両論あったが、売り上げや入場者数は好調であった。
イオリアのもたらした概念すべてをフルに使い人類の困難に立ち向かうSF色あふれる快作。イオリア計画の全貌とその完遂ともいえる内容。
実は00のTVアニメ版の初期設定の再利用的な面もある。TV版の企画当初は劇場版のように地球外生命体と戦う…という流れで考えていたが、バンダイより「それじゃ
ガンダムらしくない」ということで没にされている。劇場版ならいい、という事であったようだ。
新造された4機の
ガンダムをはじめ、ブレイブ、ガデラーザ、
ジンクスⅣ等のMSによる超高速戦闘による派手なアクションシーンはTV版をしのぐクオリティで織りなされている。その為、一つのシーンでも見るたびに発見がある。
一方、中には「戦闘時における速度(とくにシザービット)が速過ぎて何をやっているのかよく分からない」という意見も一部散見されており、そのためかBD版ではシザービットにエフェクトがつけられている。
イベントなどで再上映されることもあるがBD同様の修正版となっている。
本作を最初に見ようという人はあまり多くはないと思うが念のために補足しておくと、本作は00を見ている前提のお話なので00を見ずにこちらから見ると理解できない点が多いのでお勧めできない。
時間があれば1st2ndシーズン、もしくはスペシャルエディションを視聴してから本作を観てほしい。
余談だが、いろんな意味で視聴者を置いてけぼりにした劇中劇『ソレスタルビーイング』は『
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でメカニカルデザインとしても参加したアニメ制作会社『ガイナックス』が担当している。
冒頭にはアクシズっぽい小惑星が出てきたりフラッグがSEED立ちでリニアライフルを撃ったりアロウズのボスがリボンズではなく
アレハンドロ・コーナーだったりとマイスターの設定が変更されているなど色々と自由な内容となっている。
【VSシリーズ登場勢力】
ソレスタルビーイング
イオリア・シュヘンベルグが創設した私設武装組織。
アロウズ壊滅後は表舞台から姿を消しつつも武力介入を行っていた。
地球連邦軍
地球連邦政府が設立した軍隊。
アロウズ壊滅後の新政権によって軍縮が進められている。
【VSシリーズ使用BGM】
閉ざされた世界
本作のOPテーマ。歌っているのはEDテーマ1を担当したTHE BACK HORN。
映像の合間に謎の風景のようなものが映っているが、これはELSの記憶の様子。デザインしたのはメカデザイナーたちによるもの。
EXVSFBで使用。
ENVOY FROM JUPITER
本作の劇伴の一つで、ELSエウロパとの戦闘で流れた。
VS.シリーズでは、
ラファエルガンダムが救援に駆け付けて来た時の「FIGHT」アレンジパートが採用されている。
EXVSFBで原曲「FIGHT」より先に登場。原曲が採用されるのはGVSまで待つこととなる。
INNOVADE & INNOVATOR
激伴。ガデラーザが戦闘を繰り広げる印象が強い。
「COUNTER ATTACK」のアレンジ。
FINAL MISSION~QUANTUM BURST~
劇伴。本編終盤のクアンタ出撃シーンから、ELSの中枢にたどり着きクアンタムバーストを使用したシーンまで使用された。そのため、原曲の長さは8分越えとなっている。これでも本作の楽曲最長ではない。
前半部は「TRANS-AM RAISER」、後半部は「MASURAO」をベースにしている。
EXVSMBおよびMBONで使用。こちらは前半部を採用しており、EXVS版「TRANS-AM RAISER」と比べるとアレンジの出来がかなり良い。
他のゲーム作品では前半と後半を分けて収録していることもあった。
【VSシリーズ関連ステージ】
絶対防衛ライン
- マキシブーストから登場。劇中での最終決戦の場でELSに取り込まれかけている連邦の大型航宙戦艦「ナイル」が戦いの場となっている。
背景ではトレミー2改やソレスタルビーイング号、無数のELSが確認できるほか、オブジェクトにELSがあったり、床がELSと同化している。勿論触れてもダメージを受けず、全く問題ないので安心して戦おう。
陣営の垣根を越えてピラー迎撃作戦途中のアフリカタワー同様戦闘どころではないステージである。
【ガンダムVS.シリーズにおけるステージタイトルとの関連】
- 刹那の望んだガンダム(EXVSトライアルミッション)…ダブルオークアンタの事で、イアン・ヴァスティの台詞「刹那の望んだガンダム、ダブルオークアンタ」より。
最終更新:2024年02月11日 11:34