「はあっ、はあっ...ふぅ」
抉られた部位を抑えながら、明は一息を吐く。
明は吸血鬼であるため心臓部のクレメインを破壊されない限りは死なないが、善やドミノとは違い、硬い装甲の代わりに再生能力が低いタイプである。
アーナスに刻まれた傷は完治はしていないが、どうにか行動への支障が減る程度には再生ができていた。
明は吸血鬼であるため心臓部のクレメインを破壊されない限りは死なないが、善やドミノとは違い、硬い装甲の代わりに再生能力が低いタイプである。
アーナスに刻まれた傷は完治はしていないが、どうにか行動への支障が減る程度には再生ができていた。
「...私が貴様らの思い通りになると思うな下衆共...!」
明は公人であり続けることを心掛けている。
彼女にとっての公人とは民の為に血を流し悪を許さぬ存在である。
放送の声がセレモニーで見た男たちのものとは違った気もするが関係ない。
相手が何人いようが私は奴らの言いなりにならない。必ず殺し合いに乗らずこのゲームを叩き潰すと、彼女は誓う。
彼女にとっての公人とは民の為に血を流し悪を許さぬ存在である。
放送の声がセレモニーで見た男たちのものとは違った気もするが関係ない。
相手が何人いようが私は奴らの言いなりにならない。必ず殺し合いに乗らずこのゲームを叩き潰すと、彼女は誓う。
(ここに連れてこられているのはリーダーと善。それに...日ノ元、士郎...!)
リーダーこと、ドミノ・サザーランドと佐神善は信頼できる仲間である。
絶対にこんな催しには賛同しない。すぐにでも合流し力を合わせて悪鬼どもを打ち倒す。
絶対にこんな催しには賛同しない。すぐにでも合流し力を合わせて悪鬼どもを打ち倒す。
日ノ元士郎―――己の実の父。
母を無情にも殺し、己の掲げる大義名分のもとに罪なき民の血を流す最悪の男。
奴はまかり間違っても力なき者を護るためになど戦わない。使いつぶすか殴殺するのが目に見えている。
許さない。主催諸共、奴だけは必ず討ち取る。それが明の戦う理由だから。
母を無情にも殺し、己の掲げる大義名分のもとに罪なき民の血を流す最悪の男。
奴はまかり間違っても力なき者を護るためになど戦わない。使いつぶすか殴殺するのが目に見えている。
許さない。主催諸共、奴だけは必ず討ち取る。それが明の戦う理由だから。
目下必要なのは身体の再生の完了である。
腹の底から滾る憎悪と怒りに耐えながら、明は呼吸を整え休息に専念する。
腹の底から滾る憎悪と怒りに耐えながら、明は呼吸を整え休息に専念する。
「ドカン!!」
響き渡る声と共に明の側頭部に衝撃が走る。
「!?」
突然の事態に明は顔をフルフルと横に震わせ視界を整える。
「オウオウ姉ちゃん!命が惜しけりゃ俺様のおやつを差し出してもらおうじゃねえか!」
ガサガサと豪快に茂みを掻き分け現れた少年、佐藤マサオは装着した空気砲を構え凶悪な笑みを浮かべていた。
「なんだ貴様は!?」
「ドカン!!」
「ドカン!!」
明が言葉を発すると同時に間髪入れずに空気砲を放ち言葉を遮る。
正面からそれを額に受けのけ反る明を見てマサオは更に笑みを深める。
正面からそれを額に受けのけ反る明を見てマサオは更に笑みを深める。
彼が泣きべそをかきながら我武者羅に逃げ回ること1時間以上。
ようやく先んじて見つけた参加者にマサオの気持ちは落ち着き、彼女の様子を伺っていた。
苦し気に息を荒げ、右半身の半分は吹き飛んだ様を見てマサオは思う。
この人は自分よりも弱いのではないか、と。
ようやく先んじて見つけた参加者にマサオの気持ちは落ち着き、彼女の様子を伺っていた。
苦し気に息を荒げ、右半身の半分は吹き飛んだ様を見てマサオは思う。
この人は自分よりも弱いのではないか、と。
この殺し合いは数日にわたり行われるものだ。
だというのに開幕数時間であそこまでの重傷を負っている。
それに比べて自分はあの凄腕の黒髪女に遅れをとりながらもこうして五体満足に逃げ延びている。
即ち、自分はあの右半身を負傷した彼女よりも強い。そう結論付けたマサオは先ほどまでの泣きべそが嘘のように吹き飛び、調子づいた笑みを取り戻し早速奇襲を仕掛けたのだ。
だというのに開幕数時間であそこまでの重傷を負っている。
それに比べて自分はあの凄腕の黒髪女に遅れをとりながらもこうして五体満足に逃げ延びている。
即ち、自分はあの右半身を負傷した彼女よりも強い。そう結論付けたマサオは先ほどまでの泣きべそが嘘のように吹き飛び、調子づいた笑みを取り戻し早速奇襲を仕掛けたのだ。
(思った通りだ!この姉ちゃんはさっきの黒髪よりも雑魚!今度こそ勝ってあいちゃんへの武勇伝にしてやるぜ!)
2発目の射撃にも関わらず正面から受け止めたのを見てますますマサオは上機嫌になる。
「見てろよあい!俺様のモーレツにカッチョイイ姿を!」
ドカン、と三度目の空気砲をまたも明は顔面から受けのけ反る。
「ドカンドカンドカンドカンドカン!!!!!」
いくら撃っても避けない明に気をよくしてマサオは空気砲を連射する。
テンションの上がり切っているマサオは気づいていない。
空気砲を防御の構えすらなく受けている明が、最初に当てた初音とは違い苦悶の声すら上げていないことに。
テンションの上がり切っているマサオは気づいていない。
空気砲を防御の構えすらなく受けている明が、最初に当てた初音とは違い苦悶の声すら上げていないことに。
ギョロリ。
仮面の奥から覗かせる鋭い眼光に、マサオはえっ、と小さく声を漏らす。
刹那。
一足飛びで明はマサオとの距離を一気に詰め、左手による当身で地面に叩きつける。
明は吸血鬼の中ではとりわけ素早いわけではない。しかし、マサオを相手取るにはそれでも十分すぎた。
刹那。
一足飛びで明はマサオとの距離を一気に詰め、左手による当身で地面に叩きつける。
明は吸血鬼の中ではとりわけ素早いわけではない。しかし、マサオを相手取るにはそれでも十分すぎた。
「これで少しは落ち着くといいのだが」
沈黙したマサオを見下ろし、明はふぅと息を吐く。
明はもとより日ノ元一族由来の頑強さと日々の鍛錬により吸血鬼の力を抜きにしても桁外れな頑強さと力を有している。
それに加えて吸血鬼の装甲だ。人間一人を即死させられない程度の威力の空気砲では、せいぜいドッヂボールを顔面に当てられた程度のダメージにしかならなかった。
明はもとより日ノ元一族由来の頑強さと日々の鍛錬により吸血鬼の力を抜きにしても桁外れな頑強さと力を有している。
それに加えて吸血鬼の装甲だ。人間一人を即死させられない程度の威力の空気砲では、せいぜいドッヂボールを顔面に当てられた程度のダメージにしかならなかった。
(このような幼子まで狂気に呑まれるとは...やはり奴らは許せん)
誰もが己のように異常事態においての誘惑を跳ねのけられるとは限らないのは解っている。
そんな民の光になるのが公人の役目であり責務。殺し合いに乗ってしまった者でも、恐怖からの肯定であれば説得を優先したい。
故に、明はマサオを殺さず無力化する方針で対処した。
そんな民の光になるのが公人の役目であり責務。殺し合いに乗ってしまった者でも、恐怖からの肯定であれば説得を優先したい。
故に、明はマサオを殺さず無力化する方針で対処した。
その方針が彼女にとって仇となる。
さてこの少年をどこで捕縛しておこうかと明が考えたその僅かな隙。僅かにマサオから目を離した時間。
その隙間に、マサオの姿は明の視界から消え失せた。
その隙間に、マサオの姿は明の視界から消え失せた。
「!?」
明の目が驚愕に見開かれ、キョロキョロと周囲を見回す。
マサオの姿は―――あった。
彼の姿は既に明の数十メートル先にあった。
マサオの姿は―――あった。
彼の姿は既に明の数十メートル先にあった。
「逃すか!」
明の体感上、マサオは格闘技経験などないズブの素人だ。
そんな彼があそこまでどうやって巧みに気配を消して逃げ出したかはわからない。
しかしそんな不安は頭から追いやりすぐにマサオを追いかける。
本来ならばすぐにでも距離を詰められるのだが、しかし、今の明はまだ右腕が再生しておらず身体の軸が嫌でもブレてしまう。
短距離ならば問題ないが、長距離となればその歪みは致命的なものとなり足を遅くする。
故に明は容易くマサオに追いつけない。
そんな彼があそこまでどうやって巧みに気配を消して逃げ出したかはわからない。
しかしそんな不安は頭から追いやりすぐにマサオを追いかける。
本来ならばすぐにでも距離を詰められるのだが、しかし、今の明はまだ右腕が再生しておらず身体の軸が嫌でもブレてしまう。
短距離ならば問題ないが、長距離となればその歪みは致命的なものとなり足を遅くする。
故に明は容易くマサオに追いつけない。
「ヒイイイイイイ、こないでえええええ!!」
マサオは追ってくる明の気配に恐怖し泣きながら逃げていた。
八将神特有の気配遮断スキルによりスタートダッシュを有利に決められたところまではよかった。
しかし、アカメの時とは違いマサオの姿は隠れておらず、周囲も開けている状況だ。
明がマサオを視界にとらえている以上、八将神の気配遮断スキルもほとんど意味を為さなくなっている。
故に完全に逃げ切ることはできず、明との鬼ごっこを余儀なくされてしまう。
八将神特有の気配遮断スキルによりスタートダッシュを有利に決められたところまではよかった。
しかし、アカメの時とは違いマサオの姿は隠れておらず、周囲も開けている状況だ。
明がマサオを視界にとらえている以上、八将神の気配遮断スキルもほとんど意味を為さなくなっている。
故に完全に逃げ切ることはできず、明との鬼ごっこを余儀なくされてしまう。
本来は参加者を屠る為に生み出された八将神と、無辜の民を護る公人を志す吸血鬼。
そんな二人の立場を鑑みれば、珍妙にもほどがある鬼ごっこがいま始まった。
そんな二人の立場を鑑みれば、珍妙にもほどがある鬼ごっこがいま始まった。
【F-7/一日目/黎明】
【佐藤マサオ(歳破神)@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん、我妻善逸の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:何もかもぶっ壊す
0:ひいいいいいい!!
1:黒髪の女の人(アカメ)や怪物みたいな女の人(日ノ元明)から逃げる。
2:うわあああああんなんで空気砲効かないのおおおおお!?
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん、我妻善逸の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:何もかもぶっ壊す
0:ひいいいいいい!!
1:黒髪の女の人(アカメ)や怪物みたいな女の人(日ノ元明)から逃げる。
2:うわあああああんなんで空気砲効かないのおおおおお!?
[備考]
※映画の出来事などを経験しています
※映画の出来事などを経験しています
【日ノ元明@血と灰の女王】
[状態]:吸血鬼状態、全身にダメージ(中〜大・再生中)、右腕損壊(再生中)、頭部ダメージ(微小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、不明支給品0〜3
[状態・思考]
基本方針:公人として殺し合いに乗るつもりはない。主催を打倒する。
0:日ノ元士郎を斃す。
1:身体を治しつつおにぎり頭の少年を追いかける。
2:針目縫とアーナスを警戒
3:善、ドミノとの合流。
※燦然党との決戦前からの参戦となります。
[状態]:吸血鬼状態、全身にダメージ(中〜大・再生中)、右腕損壊(再生中)、頭部ダメージ(微小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、不明支給品0〜3
[状態・思考]
基本方針:公人として殺し合いに乗るつもりはない。主催を打倒する。
0:日ノ元士郎を斃す。
1:身体を治しつつおにぎり頭の少年を追いかける。
2:針目縫とアーナスを警戒
3:善、ドミノとの合流。
※燦然党との決戦前からの参戦となります。
034:辺獄平安討鬼伝 | 投下順 | 036:ナイトレイドを斬る |
008:花は生きることを迷わない | 佐藤マサオ | 042:嵐を呼ぶ辺獄平安大合戦 序 |
凶ゲラレタ夜 | 日ノ元明 |