家庭で作るアイスクリーム
失敗する原因と対処方法
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ドロドロになる原因
温度条件が悪く、凍結に至ってない。蓄冷ポットが冷えてない
最もよくあるのはこのパターン。アイスクリームメーカーにもよるが、丸一日は冷やさなければならない。
冷凍庫の状況によっては冷えにくいこともあるので、更に冷やさなければならないこともある。
また、そもそも冷凍庫の冷却力が足りなければ冷えない。
通常の冷凍庫であれば、スリースター以上・温度設定「中」以上でなければならない。
もちろん冷却力設定を最高まで上げるのが望ましい。
水分が多い
冷却力の大部分は水の凝固に費やされるため、水分が多いほど固まりにくくなる。アイスクリームよりシャーベットの方が固まりにくいのはそのためである。
そもそも完全に凍結するものではない
「蓄冷ポットを使うタイプ」は市販のアイスクリームほど完全に凍結することはなく、完全に固めたければ冷凍庫で冷やさなければならない。「ソフトクリーム状になる」というのは「ドロドロ」ではない。
アイスクリームミックスの温度が高い
材料は最低でも冷蔵庫でしっかり冷やし、できればチルドルームで冷やすこと。材料が多すぎる
アイスクリームメーカーごとに最大容量が決まっているため、その容量を守ること。室温が高い
例えば、室温が30℃を超えているような状況では、いくら他の条件が良くても冷気が逃げてしまう。軽くエアコンを付ける程度には室温を下げること。
注ぎ口は塞ぎ、底面と側面は予め冷やした断熱材(エアパッキンなど)で囲うのが良い。
シャリシャリになる原因
何らかの理由で氷結晶が大きくなってしまっている。氷結晶が大きいと味を感じにくいため、食感だけでなく味にも影響が出る。
アイスクリームメーカーの能力不足
「冷凍庫で撹拌するタイプ」のアイスクリームメーカー(例:BH-941P)がこれに該当する。同じ作り方であれば他のタイプよりも格段に劣るので、他のタイプを使った方が良い。
アイスクリームの水分が多い
材料の保水性×比率が多いほど、氷結晶が成長しにくくなる。つまり、固形分を増やして水分を減らせばシャリシャリ感を軽減できる。
材料によって保水性は異なるが、ゲル化剤>トレハロース>転化糖>砂糖であると思われる。
ゲル化剤は分量や扱いに注意が必要なので、手っ取り早いのがトレハロースを使うことである。
アイスクリームの空気が少ない(オーバーランが低い)
空気が多ければ、それだけシャリシャリ感が気にならなくなる。ただし、シャリシャリ感がなくなるわけではない。
オーバーランを手っ取り早く上げる方法が、生クリームや卵白をホイップして入れる方法である。
オーバーランを上げると口当たりが軽くなり薄味になるので、上げないに越したことはない。
アイスクリームミックスの温度が高い
アイスクリームミックスの温度が高いと、凍結に時間がかかりシャリシャリになりやすくなる。アイスクリームの温度が低い
温度が高ければ、それだけ氷の結晶も溶ける。完成したアイスクリームがシャリシャリな場合、温度を上げれば良い。
アイスクリームメーカーが撹拌できてない
あまりに材料が多すぎたり少なすぎたりすると、アイスクリームメーカーが撹拌できなくなる。特に材料が少ない場合に起こりがちであり、ある程度固まるとアイスクリームごと回転してしまう。
例えば、推奨200~500mlのBH-941Pなら500mlの時が一番安定する。
ガチガチになる原因
市販のアイスクリームが柔らかいのは、オーバーランを上げているか材料を工夫しているからである。逆に言えば、それらがなければ硬くなってしまう。
アイスクリームの温度が低い
シャリシャリになる原因と同じ。アイスクリームスクープ を使えば、よほどの硬さでない限りはすくい取れる程度の柔らかさになる。
アイスクリームの空気が少ない
アイスクリームの空気が多ければ、それだけ隙間ができて柔らかくなる。アイスクリームの凝固温度が高い
凝固温度が低いと、スプーンを入れただけでアイスクリームが溶け出して柔らかくなる。凝固温度の下がり方は固形物の重量×分子量で決まる。
バランス的に固形物を増やす方向で凝固温度を下げるのは難しいので、固形物自体を変える方が良い。
例えば、転化糖は砂糖より若干甘味度が高い程度でありながら分子量が約半分しかないので、同じ甘味度なら砂糖より転化糖を使った方が柔らかくなる。
リキュールを入れるのも有効。
リキュールに含まれるアルコールは冷凍庫では凍らないため、アイスクリームの未凍結部分が増えて柔らかくなる。
粘度が高過ぎる
粘度が高いと、通常よりも硬くなる。増粘剤・水あめ・一部の果物(桃やマンゴーなど)が該当。