誕生日会の夜の魔物達の小さなお話
薬の魔物のSSは、誕生日会の夜の魔物達の小さなお話となります。
安らかな夜の中で目を覚ました。こうして心許せる者達に囲まれて眠る事はあまりない。月光の下でゆっくり体を起こし、近くのハンモックで眠っているシルハーンを見つめた。幸福そうなその寝顔になぜか堪らなく幸せな気持ちになり、ふっと微笑みを浮かべる。
「ふふ」
「…っ、ネア、起きていたのか」
目を覚まして隣を見ると、気持ち良さそうに寝ている
ヒルドと、その奥に寝ている
エーダリアが見えた。いい気分でそれを見つめ、そろりと手を伸ばして
ヒルドの頭を撫でてみる。
「…ありゃ、見られた」
「
ヒルドを撫でた者を、初めて見た」
「よし、
エーダリアもやっちゃおう」
「わ、私もか?!」
花明りに瞬きをして隣を見れば、なぜ目を覚ましたのかの理由が腑に落ちる。ネアが、ハンモックから片手を落としていた。
「…ったく。どれだけ目を離せないんだ」
起き上がり一度抱き上げると、その額に口づけを落としてハンモックに戻した。ふと視線を感じて戸口を見る。そして絶句した。
「は?」
三話目の魔物が見てしまったのは、何だったのでしょう?
本日は以上となります!
お付き合いいただき、有り難うございました。
「…むが?…なぜ私のハンモックに、
アルテアさんが入っているのだ」
「…くそ、あの部屋を誰かが開けたな?」
「…ネアが浮気する」
「ディノ、なぜかすっかり怯えた使い魔さんと寝てあげてくれます?」
「え…」
「やめろ…」
最終更新:2022年05月07日 11:56