とある夜会の前に
本日の更新はお休みになります。
薬の魔物の、明日のお話にかかるSSを何編か書かせていただきますね。
「ご主人様…」
「やはりそこには、美味しいものが沢山並んでいるのですよね」
「持って帰って来ようか?」
「むむ!是非にと言いたいところですが、魔物の王様は夜会のお料理を持って帰ると噂されたら切ないので、ぐっと我慢しますね」
「主催者に言えば問題ないと思うよ?」
「お土産希望です!」
「シルハーンがお一人で夜会に出られるようなので、俺はそちらに向かうつもりだ。リーエンベルクの事は任せてもいいだろうか?」
「ああ。念の為に、ネア様のお近くに控えていよう。夜の座の管轄の時間で良かった。騎士達を通して、何かあれば連絡をくれるよう伝えておこう」
「すまないな、ミカ」
「これでひと区切りか」
「あれ、
ウィリアムは、これからあの子のところですか?」
「いや、夜会だ」
「ああ、ナインも参加するみたいですよ。満月の夜会は、死の静謐を司る僕はあまり好みませんけれどね」
「今年は薔薇の夜会らしい。俺も気は進まないが、出ておいた方がいいみたいだからな」
「
ヨシュア、今夜は夜会なのでは?」
「ほぇ、行かないよ」
「…満月の夜会は、収穫と豊穣の為の大事なものでしょうに」
「ターレンの魔術師なら遊んでもいいって、
ウィリアムに言われたんだ。魔術師が外に出る満月の夜だし、僕はターレンで遊ぶんだよ」
「…ターレンであれば、良しとしましょう」
「ネイ、夜会なのでは?」
「ありゃ、僕は行かないよ。シルはさ、諸事情から参加必須になっただけ。ネビアがいい情報をくれたよね」
「ディノ様はご事情が?」
「ネアに厄介な執着を持った馬鹿な奴がいたから、壊しに行くんだよ。伴侶がやるのが一番だからね」
「おや、それは行かねばなりませんね」
“シルハーンは満月の夜会か?”
“む。なぜ知っているのだ”
“今年は薔薇の夜会だ。まず間違いなく
ウィリアムを連れて帰るぞ”
“…
ウィリアムさんに何かがあるのですか?”
“あいつを、心底憎んでいる男が来るからな”
“では私は、ディノにその旨を伝え、
ウィリアムさんのお泊り準備をしておきますね!”
「ありゃ、ネアどうしたのさ?」
「
エーダリア様、今夜、
ウィリアムさんがこちらにお泊りしてもいいですか?ディノも参加の夜会に、
ウィリアムさんを虐める嫌な奴がいるようなのです」
「構わないが、本人から連絡が来たのか?」
「
アルテアさんから一報が入りました!」
「わーお、過保護だなぁ」
本日の更新は、ここまでとなります。
お付き合いいただき有難うございました。
夜会で何が起こるのかは、明日の満月と薔薇の夜会のお話で…
最終更新:2022年05月07日 20:23