真夜中
本日の更新はお休みとなります。
こちらより、少しですが
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
エーダリア
「ありゃ。晩餐を食べ損ねて、真夜中に騎士様の夜食目当てで会食堂に来たのかい?」
「ああ。かつては叶わない贅沢だったのだ。今は、こうして夜食も食べれる。こうして思わぬ…仲間にも会えたしな」
「そこは家族でいいよ?」
「っ、…か、家族にも」
「うん。いいね、家族」
「…ああ」
ヒルド
「それで、なぜ二人で窓辺にいるのですか?」
「禁足地の森に、夜大鷲がいたのだ!」
「エーダリア様、くれぐれも、そのようなものを追いかけて森に入りませんよう」
「ヒルド…」
「植物などの採取なら私も譲歩しますが、その精霊は、確か人間を襲うものでは?」
「…!」
「やれやれ…」
ディノ
「浮気はしてない…」
「まぁ、ではこっそり遊びに行ったのです?」
「ご主人様…。禁足地の森に人間の子供を襲う精霊がいたから、追い払ってきただけだよ」
「ディノにとっては危険がない事でも、真夜中に伴侶が失踪したら心配するのですよ?」
「うん、ごめんね。くっついてくる。…虐待」
ノア
「え、何で
アルテアが中庭にいるのさ」
「夜大鷲がいただろうが」
「それはシルが追い払ったよ。もしかして、ネア狙いだって気付いて慌てて駆け付けちゃった?」
「さてな」
「因みに僕は、これから、絨毯を汚した罰で洗濯を始めるところ」
「…は?」
「でも、家族に叱られるのもいいよね!」
グレアム
「…夜大鷲は、排除されたな」
「ん?何かいたのか?」
「
ウィリアム、随分と飲んでいないか?」
「あまり見たくない戦場だったんだ」
「その余韻を引き摺ったままでは、リーエンベルクには行けないか。明日は、例の隔離地か?」
「ああ」
「…ふむ。俺も予定を空けられるかもしれないな」
ヨシュア
「ほぇ、あの鷲で遊ぼうと思ったのに」
「ご主人様を狙うとは愚かですね」
「でも、排除したのはシルハーンだよ。ネアだと食べられるからね」
「ご主人様がどれ程偉大か、もう一度説明しましょうか?」
「ふぇ、イーザが怒ってる…」
「おや、グラタンが来ましたよ」
「僕の注文だよ!」
ベージ
「ああ、夜大鷲は駆除されたな」
「笑っている場合か!対策を考えてくれ!」
「ワイアート、俺が繋ぎを許されたのは偶然なんだ。対策と言われても…」
「ご主人様に使役される可能性があるのなら、どれだけ奉仕してもいい…。せめてもう一度首を掴んで欲しい」
「うーん、飲ませ過ぎたな」
ウィリアム
「…ふと思ったが、俺は何でここにいるんだ?」
「今夜は俺の家に泊まる事になったんだろう。覚えていないのか?」
「ああ。すまないな、グレアム。世話をかける。飲み過ぎたか…」
「…くれぐれも、ネアにおかしな事はするなよ?」
「はは、流石に俺も、悪酔いして会いにはいかないさ」
アルテア
「何で起きてるんだよ」
「あら、淑女にも夜を楽しむ権利はあるのですよ?」
「いいか、何か羽織れ。その部屋着はどうにかしろと言った筈だぞ」
「むむ、確かに胸元が開いていますが寒くないようになっているのですよ?」
「ほお?まさかそれで会食堂に向かうつもりじゃ…おい逃げるな!」
ネア
「ふぅ。何とか逃げ切りましたね。見付からない内に、エーダリア様に相談に乗って貰いましょうね」
「ご主人様…」
「また事故ったんじゃないだろうな?」
「ぎゃ!いる!!」
「で?何をした?」
「ぐぬぅ。夜大鷲とやらは群れで来ていたので、その一部を狩っただけなのですよ」
「は…?」
会食堂
「で、僕の妹は夜大鷲を狩っちゃった訳なんだね」
「煩かったので、窓を開けて手刀で叩いただけなのです…」
「これで、夜の羽石が…」
「エーダリア様?」
「っ、…怪我などはしていないのだな?」
「はい。所詮、五羽程ですからね」
「ご主人様が…」
「ったく。すぐに魔術洗浄するぞ…」
本日は以上となります。
お付き合いいただき、有難うございました。
おまけ
「ウィリアム、脱ぐのは駄目だ」
「…ん?…ああ」
「頷きながら、なぜ脱ぐんだ。ここはテントじゃないんだぞ…」
「すまない。癖だなもう…」
「男同士で狭量だとは思うが、俺は就寝時にしっかりと着る派でな」
「ほぇ、ウィリアムがいる…」
「ヨシュア!なぜ勝手に扉を開けたんですか!」
最終更新:2022年05月07日 15:17