自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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第四話「初戦」

「距離は?」艦長が聞く。
「一番近いもので、約40km。時速約600km/hで真っ直ぐ本艦にむかって移動中です。方向は九時。……スタンダードを使いますか?」
三日月が答える。
RIM-66 SM-2MR スタンダード対空ミサイル……射程は約70km。
あれはレシプロ機より少し早い程度。
外れる事はないだろう。しかし……。
「いや、この程度なら、Mk 45 とファランクスで何とかなるだろう。ミサイルは後のために取っておこう。対空戦闘準備、気を抜くなよ」
「……了解」
たしかに、この程度ならスタンダードを使わなくても大丈夫かもしれない。
しかし、ここでその考えが通用するか……。
そして、たかおに向かっているドラゴンの数は40羽以上に膨れ上がっている。
だが、今更反対意見を言っても聞き入れてくれないだろう。
やるしかない。

大丈夫かな……。
敵の能力はわからないが、40機(もしくは40騎、40羽)に一斉に襲いかかれてらまずいだろう。
私たちの常識がここで当てはまるとは思えない。
例のご一行はさっきから深刻そうに私たちにはわからない言葉で話している。
けれど、レイオンとシェリーの口げんかに見えなくもない。
そんな事を考えているときだった。
ビシャ
ポタポタ
さっき、あいつらに入れてやったぬるいお茶がかかった。
「すまない」トカゲ人間。
「ごめんねー」自称魔女。
……殺してぇ。


「すまんな……あいつらは生まれたときから喧嘩ばかりだ。何度首が飛ぶと思ったか……」
芳野さんがハンカチを貸してくれる。やはりまともですね。ここの同僚より。
「まったくどこで教育を間違ったんだか……」
「親子なんですか?あなたとシェリーさん」
「いや、孫娘と祖父の関係だ」
「そうなんですか、それにしては若く見えますけど」
「まあ、魔法を使って40歳のときに肉体を維持してるからな」
「不老不死って奴ですか」
「いや、殺したり、寿命が尽きれば死ぬ。それに、私より吸血鬼の方が長生きだ。番人には創設期の生まれだし。
……まあ、この程度では長生きとも言わないな」
「いつ、この世界に来たんです?ここの出身じゃないみたいですけど」
「察しのとおり、私はこの世界の出身ではない。真珠湾の2、3ヶ月後だったな。召喚されたのは」
「へぇ、聞きたいですか?戦争の結果」
「別に、私は純粋な日本人ではないし、ここの方が好きだし」
「ふーん、そうこうする内に始まったみたいですね」Mk45の砲撃音が響く。
「だな」

「目標A・B・C撃墜」
「緒戦は好調だな。残りは38羽、このままいくぞ」伊吹、言わなくてもそうするさ。
「D撃墜、E撃墜、F撃墜……」
Mk45 mod4 はこんごう型のOTOメララ127mm速射砲よりは、連射速度は悪いがその分射程と命中精度に優れている。
予想より多く撃墜できたな……。
できることなら、このままいって欲しい。
淡々とドラゴンを海へと叩き落していく。しかし、
「目標Wがファランクスの射程に入りました!!」
「オートで攻撃を開始しろ!!」
数の暴力でここまで接近を許してしまう。
5in砲弾も落とせるファランクスが落とせないはず無くいっきに10羽も落とすことができた。
が、しかし――


「火災発生!!」
「なっ何だって!?」
「落ち着け、どこで起こった?」ドラゴンから攻撃があったようには見えない。しかし、火災は起こった。
「ヘリ甲板と航空機格納庫上部です!! 現在消火中です」
「艦長!! 後部のファランクスが破損しました!!」
「くっ!!」やばい、やばいぞ。
「艦長!! 西北西より新たな編隊を確認!! 数は200以上!!」
まずいな……もし、何度も攻撃を受け続ければ、レーダー等の電子機器が集中的に配置される艦橋に当たるかも知れない。もしそうなったら戦闘能力は大きく下がる。いや、VLSや90式艦対艦誘導弾の発射機に当たれば誘爆で沈むかもしれない……。
戦術的に考えるとこちらが有利だが、戦略的に考えるとこちらが不利だ。
「距離は!?」三日月が聞く。
「約300kmです。内70以上がこちらに向かっています」
300以上の距離のたかおが見えるのか? いや、考えても仕方が無い。
ここでは私たちの常識は当てはまらない。そう考えるべきだろう。
「艦長、今度は主砲とファランクスだけでは難しいと思います。スタンダードも使いましょう」
「ああ、わかった。今度はスタンダードも使う。本気でいくぞ」



「うわー、大丈夫かな……」艦内の様子があわただしい。どうやらドラゴンから思わぬ反撃を受けたらしい。
「対魔法魔法が無いからな……撃たれたらやばいだろうな……」
「とういうか、現実のドラゴンは魔法が使えたんですか?」
「いや、ごく最近出てきた種類だ……。炎系や氷系がメインだな」
「一番怖いのは?」
「やはり、高威力の〈オルターヌ〉だな、誘導能力もないし、連射もきかんが、威力が高い。
その次に氷系の〈パルクス〉、誘導能力付きだ。
〈フェルルール〉は連射もできるし誘導できる。でも射程は短いし、威力も低い。
あと普通のブレスもあるがこちらは射程が短いし大丈夫だろう」
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