自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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第七話「海龍」

最初に気づいたのは、水測員だった。
海中から、歌のようなものが聞こえて、それを艦長に伝え、程なくしてシーサーペントのことが伝わり、
アクティブを使ってみたら発見した。
現在、殺してくださいと言わんばかりにアクティブソーナーを使用している。
パッシブではわかりづらいから、アクティブを使っている。潜水艦もいないから大丈夫。
「それで、数は?」水測員に聞く。
「数は9。約40ktで後方より接近中です」そう答える。
「40kt!?」ミサイル艇並みのスピードじゃないか!?
「艦長!!」
「ああ、わかっている。対潜? 戦闘準備。アスロック発射準備」
「了解! 数は?」ミサイル員がきく。
「1……いや、2発にする。目標はBとD」
参考として下にたかおとシーサーペントの位置を記しておく。

  T(10kt)


  A(40kt)
 BCD
EFGHI

T(たかお) A~I(シーサーペント)(内)(速度)
シーサーペントのそれぞれの間隔は20m。シーサーペントの全長は約20m。



「シーサーペントとて生物……。潜水艦用のアスロックの爆圧には耐えられないでしょう」伊吹が言う。
なるほど、目標をBとDにしたのは、そのためか。
仮にAを攻撃したら、最短でもGは60mも離れている。
どれくらいの耐久力を持っているかわからないが、60mも離れていると巻き添えで倒せるか怪しい。
仮に、EFHIが耐えきったら、最悪のシーサーペントは散開した場合、
1匹に1発ずつ撃たなければいけない。合計5発。
Cの場合はEIが逃れ、合計3発消費する。BとDの場合だと、高い確率で全滅できる。
「発射!!」
VLSから発射された、合計2発のRUM-139 VL-ASROC 対潜誘導弾が得体の知れない化け物へと向かう。
「着弾まで残り40秒」
シーサーペントを指し示す光点へ、アスロックの光点が向かう。
「……着弾」
「全滅か?」三日月が聞く。
「今はノイズが激しいのでわかりません」水測員が答える。
「あの攻撃を耐えられるはずが……」
「さあな……まあ、ここは魔法が使えたりするから耐えても不思議じゃないけれど」赤松が言う。
「不吉な事を言うとそうなりますよ」西条が言う。
「言わなくても不幸な目にあうぞ」赤松が言い返す。
俺もそう思う。
「……艦長!! 後方より、何かが接近してます!! 数は1!!」水測員が言う。
「……赤松、今後は不吉な発言は可能な限り控えろ。魚雷発射準備」艦長が言う。
不吉な事をいつと大変な事が起きるのか……。
「2番発射!!」
左舷側の3連装魚雷発射管から、73式魚雷を発射する。
二つの光点が近づいていく。そして、互いの間隔が100mをきった時だった。
「消えたっ!?」シーサーペントの光点が消える。
「……上空回避ですか……」三日月が言う。
見ると対水上レーダーに小さな光点が移っている。しかし、すぐに消えた。
「……潜水艦には無理な回避方法ですね」三日月が言う。
「日本製ならできそうですけど……」伊吹が言う。
「……赤松は伊吹の処分を外で。両舷全速、取り舵いっぱい。
後ろのCIWSはもう直っているか?」艦長が言ってる。
「はい、大丈夫です」三日月が言う。
「なら、水面下のシーサーペントめがけて攻撃しろ」
「了解!!」射撃管制員が答える。
たかおとシーサーペントの間がどんどん縮まっていく。
(……間に合ってくれ……頼む!)
そして、幸いな事にギリギリで二つの点はすれ違う。
「よし!!」思わず声に出してしまう。
そして、20mm弾の餌食となったのか速度を落とし沈んでいく。


「終わっ「かかかか艦長!!左舷からシーサーペントが!!」……なんだって」三日月が言う。
確かに左舷側から光点が迫っている。
「……あれ以外にもいたか気絶してたのか……どちらにせよさっきのに、気を取られたみたいです」三日月が言う。
すでに、互いの距離は1kmを切っている。このままでは激突する!!
「CIWSで攻撃しろ!! 最後まであきらめるな!!」艦長が支持を出す。
しかし、例え当たってもこの距離では慣性で衝突する……詰んだ。
クソ……よりによって日本以外の所で……それ以上に今はRPGではまだ前半。
こんなとこで負けるのはかっこ悪すぎる!! そして、最新の護衛艦が魚とぶつかって喪失なんて屈辱の極みだ!!
 欝だ、死のう。
ズヴァーーン
……何が起こったかわからない。ただわかることはシーサーペントが消えて変わりに対水上レーダーに何かが映ってることだ。
「……何? 何が起こったの」思わず口に出してしまう。
「……カメラに触手っぽいのが見えますから……クラーケン?」西条が答える。
「何故気づかなかった!?」艦長が言う。
「おそらく高い静寂性を持っているんでしょう。それよりどうします? 
追いかけてきますが……」
「……この距離で攻撃したらこちらも傷つく。振り払うぞ」
「……そうしたいんですけど……レーダーを見てください。囲まれてます」
レーダーを見てみると、8つの光点がたかおを包囲している。
カメラを見ると、イカっぽい物体が水面から顔? を出している。
龍の次はイカかよ……。
「主砲とCIWSで攻撃する。最後まであがき通すぞ」
「待ってください!!」三日月が言う。
「何か人魚見たいなのが見えるんですけど……」
三日月がクラーケンを移すモニターの一つを指差す。
確かに、クラーケンの触手の先っぽに人魚が乗ってる。
大学時代に三日月と人魚を見つけたらどうするかというどうでもいい討論を思い出す。
こんなシチュエーションではなかったら心が踊るのに……。
「……話があるとでもいいそうだな……。レイオンを呼んで話を聞こう。
だが怪しいそぶりをしたらすかさず攻撃しろ」
「了解」


小学生時代に人魚がいたら、どうするかという弟とのどうでもいい討論を思い出す。
あの時、私が出した結論は哨戒機やヘリで爆雷を投下し、航路の安全をはかるという。
物騒な答えだった。
今、甲板には、私こと西条と船務長、芳野さんと、薗谷を含むその他4名がいる。
人魚の言葉が話せるのはセルラと吉野さんだが、
セルラはまだ勉強中でベテランの吉野さんに来てもらった。
「で、何を聞けばいいかね」吉野さんが言う。
「とりあえず、彼らの目的を」
「わかった、#############################」
「##########################」人魚が答える。
女性なのだが、絵本のようにビキニ? をつけていない上半身裸の状態だ。ついでに言うと顔はきれいではない。
「彼女は『我々はクラーケン教の第241悪魔祓い隊である。我々は穢れた悪魔の手先の大群に襲われながら、
恐れずに立ち向かいこれを撃退したそなた達の勇気と力に敬意をしめし、互いの友好のためにお守りと、新鮮な魚と貝を送る所存である』と言っている。
参考程度に言っておくとクラーケン教はクラーケンを神の使いと崇める海の宗教だ。シーサーペントは悪魔の手先ね」
「わかりました……それでは『我々は異界から来た日本国海上自衛隊所属のミサイル護衛艦[たかお]である。我々は貴女方の援護と心遣いに感謝する。
しかし、我々は急ぎの用があるので、この包囲を解いていただきたい』とお願いします」
「わかった、多少の手直しはするがそのように伝えよう。ところで、ミサイルとは何だ?」
「あー……簡単に言えば誘導兵器ですかね」
「わかった。####################################」
「##############################」
「############################」よくこんな言葉覚えたな。私には無理だ。
「################」
「……大筋では同意していただけた。しかし、彼女たちは『互いに物を送りあわなければ不公平だ』と言っている。
……とりあえず、陸の食べ物をいくつか与えないとダメだ」
「……仕方ありません。生鮮食料をいくつか持ってくるように伝えます」
こうして、私たちはお守りとこの世界の魚をゲットした。
しかし、この魚が思わぬ騒動を起こすことを私たちはまだ知らなかった……。
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