自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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5月9日 午前7時 マーシャル諸島メジュロ環礁
レイム・リーソン魔道師は、ヴァイアン号の割り当てられたハンモックで寝入っていた。
そこへどこからともなく、楽器が吹かれる音が聞こえた。それはあちらこちらから聞こえてくる。
レイムはその音で眼を覚ました。その音は聞いたこともない楽器の音だった。
「何かしら?」
彼女は起き上がると、甲板に上がって行った。甲板に上がると、その音がはっきり聞こえてきた。
彼女が何気なく視線を左舷のインディアナポリスに移したとき、インディアナポリスの後部甲板
で何かをやっていた。
レイムは後で知ったが、それは海軍軍楽隊による朝の国旗掲揚だった。音楽と共に旗がするする
とあがり、やがて一番上らしい位置に止まった。
赤い縞模様に上のある程度の部分に青い下地、その青い下地の上に50ほどの星。それこそアメリカの象徴
である星条旗であった。やがて演奏が終わると、後部甲板に集まっていた人たちは艦内に入っていった。

レイムはあたりをぐるりと見回した。回りは船、船、船である。それもヴァイアン号よりでかい
船ばかりだ。
「すごいのね、アメリカって国は。一地方の艦隊でこれだけの軍艦を持ってるなんて、もはや神
すらも恐れる勢いかもしれないわね。」
レイムはそう言いながら、昨日のインディアナポリスでのやり取りを思い出していた。

「長官、協力するのですか?」
参謀長のデイビス少将は、恐る恐る彼に聞くと、スプルーアンスは頷いた。
「座して待っても何も変わらない。それよりかは彼女達に協力して、活路を見出したほうがいい。」
彼は淡々とした口調でそう言うと、スプルーアンスは突如席を立ち、インディアナポリスの艦橋に向か
った。そこで隊内無線で、マーシャル諸島全域の米軍に、先の話し合いの事を伝えた。そして彼は最後に
こう伝えた。
「我々が挑もうとしている戦いは、これまでとは全く違う。これは救う為の戦いだ。」
スプルーアンスが隊内無線、そして電文でそう伝えた後、2時間ほどの間に各任務郡司令官から指示に従う
との通信が入ってきた。
スプルーアンスは、レイムらに向かってこう言った。
「皆の意見が一致した。我が第5艦隊は、これよりヴァルレキュアに協力する。」
スプルーアンスは珍しく微笑みながら4人に握手を求めた。
「これから長い付き合いになるかもしれん。よろしく頼むよ。」
レイムはこの時、彼が微笑んだ事に驚いていた。常に寡黙な表情であったことから、
「この人は笑う事を知らないのね。」
と、スプルーアンスを冷血人間のように思っていた。だが、彼女の考えは改められたのである。
スプルーアンスが握手した時、彼の手は程よいほどに暖かかった。

「やあ、魔道師さん。眠れたかい?」
後ろから野太い声がかかった。プラットン船長である。
「なんとか眠れました。」
「そうか。それにしても、雄大な光景だねぇ。周りを見てると、俺の自慢の船が虫けらに見えるよ。」
そう言うと、彼はハッハッハ!と豪快に笑った。
「でも、スプルーアンス提督は、この船をいい船だと言っていました。よく整備もされ、乗員の腕も
見た限りではベテラン揃いみたいだと。」
「ほう、そなのか・・・・・・まっ、それはそうだ。」
彼は傲然と胸を張った。
「なんたって、トラビレス協会一の稼ぎ船だからな。」
彼はニヤリと笑みを浮かべると、すぐにまた仕事人の顔に戻り、船員が寝ている船倉に入って言った。
「おい、てめえら!いつまで寝てやがる!起きろ!今日も忙しくなるぞぉ!!」
プラットン船長の怒鳴り声が響き、ヴァイアン号の今日が始まった。

ヴァイアン号は、この日の朝に早速メジュロを出発することになった。それと同時にスプルーアンスは
第58任務部隊に出動を命じた。もちろんスプルーアンスのインディアナポリスも機動部隊に混じるつも
りだった。
午前9時、まずヴァイアン号が先にメジュロ環礁を出た。ヴァイアン号には護衛が付けられ、第2任務郡の
軽空母キャボット、軽巡モービル、駆逐艦ルイス・ハンコック、マーシャル、デューイがヴァイアン号を取
り囲むように輪形陣を作って航行した。
その翌日、アメリカ海軍自慢の高速空母部隊が次々と、メジュロを出航した。
ヴァイアン号は14ノットのスピードで北上し、第58任務部隊の4個空母郡は、海賊船や巨大生物の存在
を警戒しながら、ヴァイアン号を追いかける形で、ロタ半島に向かった。
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