本ロワにおける動向
詳細
第26話「 紫の式は妖しく輝く」で初登場。
敬愛する主人である 八雲藍に暴力を以て痛め付けられ、 紫を生き残らせる為に他の参加者を殺し首を持ってくるを強要される。冷酷に振る舞う 藍に絶対的な恐怖を感じた橙は逆らう事も出来ず、彼女に従ってしまう。
「首を三つ持ってくれば褒美を与える」という約束と共に、彼女は 藍から逃げるように奔走することに。
第41話「 迷い猫オーバードライブ!」では殺し合いという現状への恐怖、信じていた藍に裏切られたショックで悲しみに暮れる。
そんな橙を心配するように姿を現したのは ジョセフ・ジョースター。彼に波紋で負傷を治してもらう。
ジョセフに助けられた橙だが、恐怖の対象である 藍との約束に逆らえず「探している人が居る」というウソをついた。
橙は「誰かに殺させて、その首を自分が持っていく」という手段を思いついた。
その為に彼女は ジョセフにウソをつき、会場内の人の集まるであろう場所へと誘導させようとしたのだ。
そのまま橙の言葉を信用した ジョセフと共に、人里やコロッセオの存在するE-4へと向かった。
第72話「 Trickster ーゲームの達人ー」では ジョセフと共に人間の里へ到着。ジョセフから食事をご馳走されながら情報交換を行う。
ジョセフを悪い人間ではないと思いつつも、心の内では如何にして参加者の首を三つ手に入れるかを思案する橙。
その内彼女らの元に打倒ジョースターを掲げる エンリコ・プッチが襲来。ジョセフは橙を隠れさせ、ひとり迎撃に入った。
単独で戦うジョセフを見て橙は胸を痛めながらも思う。ジョセフも神父も、この場で死んで欲しいと。
ジョセフは間一髪でプッチを退けるが、 DIOの仲間として動く 古明地こいし、肉の芽に操られた チルノが次々襲撃。戦いはますます激化する。
屋外から屋内へフィールドは移り、数々の機転やハッタリを駆使してジョセフはこいし、チルノまで撃退することに成功。
勝利の確信……それが油断となり安堵するジョセフを橙は背後から銃撃。恩人ジョセフを再起不能一歩手前まで追い込む。
だが橙は、どうしてもそこから先に進めることが出来ずにいた。撃たれてまで橙を救おうとするジョセフを殺せるわけがなかった。
やがて現れた 森近霖之助、 因幡てゐに彼女は懇願する。どうかジョセフを助けて欲しい、と。
第93話「 鳥獣人物戯文」。
嵐はひとまず去った。橙は虹村家に現れた 森近霖之助、 因幡てゐの二人に負傷した ジョセフの治療を頼み込んだ。
自分のせいで死ぬところだったジョセフに罪悪感を感じ、消沈する橙。そんな折、第2回放送の知らせが鳴り響く。
予想以上の死者に動揺を隠せない三人。その時、霖之助が立ち上がった。八雲藍説得の為、ひとり香霖堂に向かうというのだ。
あまりの無謀な行為にてゐは苛立ちを露にするも、結局彼を止める事は叶わなかった。橙とてゐ、無力な二人だけが眠り続けるジョセフの傍に残ることとなる……
第114話「 燃えよ白兎の夢」では、ムシャクシャして外をうろつく 因幡てゐに付き合わされる。
道端で三つ葉のクローバーを拾いつつ、無為な時間を過ごす彼女たちの前に現れたのは ルドル・フォン・シュトロハイムだった。
ジョセフの知り合いと言う彼を連れて部屋に戻り、既に覚醒していたジョセフと今までの出来事・これからの行動を話し合う。
優しかった八雲藍を正気に戻す為、ジョセフとシュトロハイムについて行く形で橙はその場を後にするのだった。
第132話「 ギャン鬼」。
香霖堂に到着した橙は数時間ぶりに八雲藍と対面する。
自分を心配していたと駆け寄ってくる主の姿に橙は僅かな希望を見るも、それが上っ面だったと知り絶望してしまう。
気付けば己の首には謎の首輪が。スイッチ一つで体中が麻痺する毒を放出する首輪を掛けられ、橙は藍の人質にされてしまったのだ。
その行為はもはや大好きだった主からの裏切り行為と同義。橙は涙を流しながらも藍の言いなりになる他無かった。
橙の命を盾に藍が提案してきた内容は何とチンチロリンによる勝負。敗北した者から首輪を発動し、最後まで残った者の勝利とするデスゲームであった。
橙が命じられた立場はゲームの「中立」。首輪のリモコンを持たせて敗北者へと罰を執行する、恐ろしい行為の強要を命令されてしまう。
こうしてジョセフ一行VS藍の究極の頭脳戦が始まった。
終わらぬ心理戦は第136話「 白兎巧師よ潮流に躍れ ――『絆』は『相棒』――」まで続いた。
藍の圧倒的な頭脳を前にひとり、またひとり倒れゆくジョセフ一行。ここからの逆転は絶望的に見えた。
しかしその時、勝負の場に突如現れた因幡てゐの機先によりチンチロ勝負は終了。実質にはジョセフの敗北という形で勝負は新たな種目に継がれた。
遊戯内容は「ジジ抜き」。ジョセフ・てゐの詐欺コンビと最強の妖獣・八雲藍の最終対決が幕を開けた。
展開は藍有利のまま三人それぞれがカードを揃えていき、ジョセフと藍の正面対決の末に勝ったのは藍。負けた者はジョセフ・ジョースターただ一人となってしまう。
第二回戦、残ったてゐは藍のイカサマが式神橙を利用したものだと看破し、ジョセフの残したトリックカードを利用して藍を追い詰め勝利する。
橙にはてゐの策が分かっていた。理解していながらもそれを藍に伝えることはしなかった。
ひとえにそれは大好きな藍が元通りの優しさを取り戻してくれるものだと願っていたから。
だが皮肉にも、橙の純粋な想いが藍の心に決定的なヒビを入れてしまう。
「これ以上みんなを、傷付けないで……! 藍さま……っ」
暴走し、毒を喰らいながらも虐殺を始める藍に橙は、己の持つ唯一の「暴力」を向けてしまった。
「ッち゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ん゛ッッッ!!!!!!!!」
支給品である焼夷手榴弾を間近で受け火達磨になる藍と橙。耳を塞ぎたくなるほどの絶叫が響く。
藍と橙。二人がその心に掲げるものは共に、主への純粋な想い。何が彼女たちの絆を引き裂いてしまったのか。
こうしてゲームは終焉を迎えた。自らの手で主と、そして己の身をも焼き尽くしてしまった橙。
物言わなくなった彼女の手の中に握られていたのは、ジョセフを救う解毒剤のみ。
―――愛する者をただ救いたかっただけの、ひとつの人妖譚。
―――大きすぎる犠牲を経た……勝者なき、勝利だった。
【橙 死亡】
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