橙 Chen

初登場作品 東方妖々夢
種族 式神(化け猫)
性別 女性
一人称
特殊能力 妖術を扱う程度の能力(化け猫時:人を驚かす程度の能力)

「ここで遭ったが百年目。今日は憑きたてのほやほやだよ!」


概要

八雲紫の式神である八雲藍の式神。つまり式神の式神。
ここでいう式神とは、PCにソフトウェアをインストールするように、憑依させることで能力が向上する『式神』を憑けた妖怪の事である。従って式神が憑いていない状態の時もある。式神は鬼神が憑いているらしい。
水に濡れると式神が剥がれて単なる化け猫に戻ってしまう。それに加えてそもそも化け猫は水を嫌うため、総じて水に弱い。ちなみに式神が剥がれても姿は特に変わらず、人型のままである。お燐と違って黒猫の姿になることはない。
式神が憑いている時は人間の子供程度の智慧を持つが、憑いていない時はただの化け猫である。同じ式神であっても、のように複雑極まる数字の処理等は出来ない。
その他、猫だけあってマタタビが好きである。も稀にマタタビを使って橙を操ることがあるようだ。
普段はの傍におらず、妖怪の山のマヨヒガで暮らしている。


外見

緑色のZUN帽を被り、衣服から猫の耳(左耳にピアス)と尻尾が覗いている。
紅い中華風の服を身に纏い、下には白い長袖の服を着用。胸にはリボンを付けている。
と比べると外見は幼い。


性格

外見相応に幼く明るい性格だが、人間を少々小馬鹿にしている節も見受けられる。
人間の子供程度の智慧しか持っておらず、あまり頭は良くない模様。


能力

妖術を扱う程度の能力

式神憑依時の能力。簡単な妖術を扱う事が出来る。しかし妖術と言っても手品の類に近い。
一例として、一定のリズムで左に動いている時に急に右へ方向転換すると、相対している人間にとっては姿を消したように見える等。これは人間の動体視力の限界を利用したトリックなので、人間よりも身体能力に優れる妖怪等にはまるで通じない。

人を驚かす程度の能力

化け猫時の能力。化け猫の状態になると、噛み付きや引っ掻き等の原始的な行動しか取らなくなる。
多々良小傘と似たような能力ではあるが、一般的に妖獣は精神よりも肉体に依存する所が大きく、人肉が好物だとされるため、小傘のような「心を食べる」ための能力ではないと思われる。


+ 本ロワにおけるネタバレ

本ロワにおける動向

初登場話 026:紫の式は妖しく輝く
死亡話 136:白兎巧師よ潮流に躍れ ――『絆』は『相棒』――
登場話数 7話
登場時期
スタンス マーダー?

詳細

第26話「紫の式は妖しく輝く」で初登場。
敬愛する主人である八雲藍に暴力を以て痛め付けられ、を生き残らせる為に他の参加者を殺し首を持ってくるを強要される。冷酷に振る舞うに絶対的な恐怖を感じた橙は逆らう事も出来ず、彼女に従ってしまう。
「首を三つ持ってくれば褒美を与える」という約束と共に、彼女はから逃げるように奔走することに。

第41話「迷い猫オーバードライブ!」では殺し合いという現状への恐怖、信じていた藍に裏切られたショックで悲しみに暮れる。
そんな橙を心配するように姿を現したのはジョセフ・ジョースター。彼に波紋で負傷を治してもらう。
ジョセフに助けられた橙だが、恐怖の対象であるとの約束に逆らえず「探している人が居る」というウソをついた。
橙は「誰かに殺させて、その首を自分が持っていく」という手段を思いついた。
その為に彼女はジョセフにウソをつき、会場内の人の集まるであろう場所へと誘導させようとしたのだ。
そのまま橙の言葉を信用したジョセフと共に、人里やコロッセオの存在するE-4へと向かった。

第72話「Trickster ーゲームの達人ー」ではジョセフと共に人間の里へ到着。ジョセフから食事をご馳走されながら情報交換を行う。
ジョセフを悪い人間ではないと思いつつも、心の内では如何にして参加者の首を三つ手に入れるかを思案する橙。
その内彼女らの元に打倒ジョースターを掲げるエンリコ・プッチが襲来。ジョセフは橙を隠れさせ、ひとり迎撃に入った。
単独で戦うジョセフを見て橙は胸を痛めながらも思う。ジョセフも神父も、この場で死んで欲しいと。
ジョセフは間一髪でプッチを退けるが、DIOの仲間として動く古明地こいし、肉の芽に操られたチルノが次々襲撃。戦いはますます激化する。
屋外から屋内へフィールドは移り、数々の機転やハッタリを駆使してジョセフはこいし、チルノまで撃退することに成功。
勝利の確信……それが油断となり安堵するジョセフを橙は背後から銃撃。恩人ジョセフを再起不能一歩手前まで追い込む。
だが橙は、どうしてもそこから先に進めることが出来ずにいた。撃たれてまで橙を救おうとするジョセフを殺せるわけがなかった。
やがて現れた森近霖之助因幡てゐに彼女は懇願する。どうかジョセフを助けて欲しい、と。

第93話「鳥獣人物戯文」。
嵐はひとまず去った。橙は虹村家に現れた森近霖之助因幡てゐの二人に負傷したジョセフの治療を頼み込んだ。
自分のせいで死ぬところだったジョセフに罪悪感を感じ、消沈する橙。そんな折、第2回放送の知らせが鳴り響く。
予想以上の死者に動揺を隠せない三人。その時、霖之助が立ち上がった。八雲藍説得の為、ひとり香霖堂に向かうというのだ。
あまりの無謀な行為にてゐは苛立ちを露にするも、結局彼を止める事は叶わなかった。橙とてゐ、無力な二人だけが眠り続けるジョセフの傍に残ることとなる……

第114話「燃えよ白兎の夢」では、ムシャクシャして外をうろつく因幡てゐに付き合わされる。
道端で三つ葉のクローバーを拾いつつ、無為な時間を過ごす彼女たちの前に現れたのはルドル・フォン・シュトロハイムだった。
ジョセフの知り合いと言う彼を連れて部屋に戻り、既に覚醒していたジョセフと今までの出来事・これからの行動を話し合う。
優しかった八雲藍を正気に戻す為、ジョセフとシュトロハイムについて行く形で橙はその場を後にするのだった。

第132話「ギャン鬼」。
香霖堂に到着した橙は数時間ぶりに八雲藍と対面する。
自分を心配していたと駆け寄ってくる主の姿に橙は僅かな希望を見るも、それが上っ面だったと知り絶望してしまう。
気付けば己の首には謎の首輪が。スイッチ一つで体中が麻痺する毒を放出する首輪を掛けられ、橙は藍の人質にされてしまったのだ。
その行為はもはや大好きだった主からの裏切り行為と同義。橙は涙を流しながらも藍の言いなりになる他無かった。
橙の命を盾に藍が提案してきた内容は何とチンチロリンによる勝負。敗北した者から首輪を発動し、最後まで残った者の勝利とするデスゲームであった。
橙が命じられた立場はゲームの「中立」。首輪のリモコンを持たせて敗北者へと罰を執行する、恐ろしい行為の強要を命令されてしまう。
こうしてジョセフ一行VS藍の究極の頭脳戦が始まった。

終わらぬ心理戦は第136話「白兎巧師よ潮流に躍れ ――『絆』は『相棒』――」まで続いた。
藍の圧倒的な頭脳を前にひとり、またひとり倒れゆくジョセフ一行。ここからの逆転は絶望的に見えた。
しかしその時、勝負の場に突如現れた因幡てゐの機先によりチンチロ勝負は終了。実質にはジョセフの敗北という形で勝負は新たな種目に継がれた。
遊戯内容は「ジジ抜き」。ジョセフ・てゐの詐欺コンビと最強の妖獣・八雲藍の最終対決が幕を開けた。
展開は藍有利のまま三人それぞれがカードを揃えていき、ジョセフと藍の正面対決の末に勝ったのは藍。負けた者はジョセフ・ジョースターただ一人となってしまう。
第二回戦、残ったてゐは藍のイカサマが式神橙を利用したものだと看破し、ジョセフの残したトリックカードを利用して藍を追い詰め勝利する。
橙にはてゐの策が分かっていた。理解していながらもそれを藍に伝えることはしなかった。
ひとえにそれは大好きな藍が元通りの優しさを取り戻してくれるものだと願っていたから。
だが皮肉にも、橙の純粋な想いが藍の心に決定的なヒビを入れてしまう。

「これ以上みんなを、傷付けないで……! 藍さま……っ」

暴走し、毒を喰らいながらも虐殺を始める藍に橙は、己の持つ唯一の「暴力」を向けてしまった。

「ッち゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ん゛ッッッ!!!!!!!!」

支給品である焼夷手榴弾を間近で受け火達磨になる藍と橙。耳を塞ぎたくなるほどの絶叫が響く。
藍と橙。二人がその心に掲げるものは共に、主への純粋な想い。何が彼女たちの絆を引き裂いてしまったのか。
こうしてゲームは終焉を迎えた。自らの手で主と、そして己の身をも焼き尽くしてしまった橙。
物言わなくなった彼女の手の中に握られていたのは、ジョセフを救う解毒剤のみ。

―――愛する者をただ救いたかっただけの、ひとつの人妖譚。
―――大きすぎる犠牲を経た……勝者なき、勝利だった。

【橙 死亡】

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最終更新:2016年05月16日 06:01