205系電車量産中('85年-'91年)


1984(昭和59)年度

 1984年度は、横浜線(蒲田電車区)と武蔵野線(豊田電車区)の輸送力増強用(昭和59年本予算)として205系の量産先行車が10両編成4本製造された。この40両は、すべてが山手線(品川電車区)へ導入され、置き換えられた103系を転配することで、横浜線と武蔵野線の輸送力増強を実現した。
品川 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
1 1 1 1 1 2 2 2 3 3 1 東急 1985.01.31
400→2 2 4 4 3 5 5 4 6 6 2 日立 1985.02.14
8→3 3 7 7 5 8 8 6 9 9 3 川重 1985.02.25
16→4 4 10 10 7 11 11 8 12 12 4 日車 1985.03.05

1985(昭和60)年度

 1985年度から、205系の量産化が行われた。同年度は、9月までに10両編成16本(予算上は18本だが、2本は1986年2月落成)が製造された。これは、同年9月30日に開業する東北本線別線(埼京線)開業用(昭和59年3次債務)としての導入であり、山手線(品川電車区)に導入して同線の103系10両編成18本(うち1本は新宿開業用のため埼京線開業に遅れて転属)を埼京線向けとして転属させるためであった。これにより、埼京線(川越電車区)は、池袋電車区から転属した赤羽線時代からの配置車両(山手線との共通予備車含む)を加えた、103系10両編成22本体制で開業を迎えることになった。
品川 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
5 5 13 13 9 14 14 10 15 15 5 川重 1985.07.09
6 6 16 16 11 17 17 12 18 18 6 近車 1985.07.11
7 7 19 19 13 20 20 14 21 21 7 日立 1985.07.16
8 8 22 22 51 23 23 16 24 24 8 東急 1985.07.23
9 9 25 25 17 26 26 18 27 27 9 川重 1985.08.20
10 10 28 28 19 29 29 20 30 30 10 川重 1985.08.22
11 11 31 31 21 32 32 22 33 33 11 日立 1985.08.27
12 12 34 34 23 35 35 24 36 36 12 近車 1985.08.29
13 13 37 37 25 38 38 26 39 39 13 東急 1985.09.03
14 14 40 40 27 41 41 28 42 42 14 川重 1985.09.05
15 15 43 43 29 44 44 30 45 45 15 川重 1985.09.10
16 16 46 46 31 47 47 32 48 48 16 日立 1985.09.11
17 17 49 49 33 50 50 34 51 51 17 東急 1985.09.18
18 18 52 52 35 53 53 36 54 54 18 近車 1985.09.19
19 19 55 55 37 56 56 38 57 57 19 近車 1985.09.25
20 20 58 58 39 59 59 40 60 60 20 日車 1985.09.27
 1985年11月1日に、品川電車区は山手電車区に改称され、この時点で山手線に所属していた205系電車200両は、同日付で全車両が山手電車区所属に変更となった。編成番号は変更されていない。1985年度後半は、1986(昭和61)年3月3日の京葉線西船橋-千葉港開業(昭和59年4次債務)として90両、武蔵野線増発と南武線101系取換用として20両の、合わせて10両編成11本が製造され、山手線(山手電車区)に配置された。
山手 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
21 21 61 61 41 62 62 42 63 63 21 川重 1986.02.13
22 22 64 64 43 65 65 44 66 66 22 近車 1986.02.25
23 23 67 67 45 68 68 46 69 69 23 日車 1985.11.06
24 24 70 70 47 71 71 48 72 72 24 川重 1985.11.19
25 25 73 73 49 74 74 50 75 75 25 川重 1985.12.03
26 26 76 76 51 77 77 52 78 78 26 川重 1985.12.21
27 27 79 79 53 80 80 54 81 81 27 川重 1986.01.09
28 28 82 82 55 83 83 56 84 84 28 東急 1986.01.20
29 29 85 85 57 86 86 58 87 87 29 東急 1986.02.03
30 30 88 88 59 89 89 60 90 90 30 川重 1986.02.20
31 31 91 91 61 92 92 62 93 93 31 川重 1986.02.24

1986(昭和61)年度

 1986年度は、総武線101系取換用として山手線(山手電車区)に10両編成3本、京阪神緩行線に7両編成4本が配置された。京阪神緩行線に配置された車両は、国鉄分割民営化後はJR西日本に継承された。
山手 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
32 32 94 94 63 95 95 64 96 96 32 東急 1986.04.15
33 33 97 97 65 98 98 66 99 99 33 川重 1986.05.13
34 34 100 100 67 101 101 68 102 102 34 川重 1986.06.10
 1987(昭和62)年4月1日、国鉄分割民営化が行われ、JR東日本には、山手線(山手電車区)用の10両編成34本が継承された。

1987(昭和62)年度

 1987年度国鉄分割民営化によりJR東日本が発足した初年度である。国鉄時代は各製造メーカーに製造を分担させていたが、民営化によりその必要は無くなったため、最初は日立製作所に10両編成8本が発注された。車両番号については、山手線導入分と、JR西日本に継承された京阪神緩行線導入分が連番で製造されていたため、番号重複を避けることと、車両番号を分かりやすくする(山手線導入分は、サハはクハの2倍、モハはクハの3倍といった法則がある)ため、クハは41号、サハは81号、モハは121号から製造された。
山手 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
41 41 121 121 81 122 122 82 123 123 41 日立 1987.12.01
42 42 124 124 83 125 125 84 126 126 42 日立 1987.12.22
43 43 127 127 85 128 128 86 129 129 43 日立 1988.01.08
44 44 130 130 87 131 131 88 132 132 44 日立 1988.01.12
45 45 133 133 89 134 134 90 135 135 45 日立 1988.01.22
46 46 136 136 91 137 137 92 138 138 46 日立 1988.02.06
47 47 139 139 93 140 140 94 141 141 47 日立 1988.02.18
48 48 142 142 95 143 143 96 144 144 48 日立 1988.02.27
 1987年度は、川崎重工に発注した東ヤテ49編成~52編成のグループより、コストダウンを図った仕様に変更された。乗務員室扉直後の足掛けが省略されたほか、荷物棚の形状変更、電動発電機(MG)の搭載数の削減などが行われた。これ以降、編成中に6両の電動車を組み込んでいる場合は編成中央に組み込まれるユニットのモハ204形はMGの設置が省略されている。なお、既に導入されている42編成についても、電動発電機の撤去を行った。コストダウン車は、東急車輛で製造された分も含め、この年は10両編成7本が製造され、山手線(山手電車区)に導入された。
山手 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
49 49 145 145 97 146 146 98 147 147 49 川重 1988.02.25
50 50 148 148 99 149 149 100 150 150 50 川重 1988.03.05
51 51 151 151 101 152 152 102 153 153 51 川重 1988.03.11
52 52 154 154 103 155 155 104 156 156 52 川重 1988.03.17
53 53 157 157 105 158 158 106 159 159 53 東急 1988.03.22
54 54 160 160 107 161 161 108 162 162 54 東急 1988.03.28
55 55 163 163 109 164 164 110 165 165 55 東急 1988.03.30

1988(昭和63)年度

 1988年度は、最初に、前年度導入分から年度をまたぎ、山手線(山手電車区)に10両編成5本が導入された。これにより山手線は10両編成54本の体制となって103系を全て置き換え、205系に統一された。
山手 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
56 56 166 166 111 167 167 112 168 168 56 東急 1988.04.25
57 57 169 169 113 170 170 114 171 171 57 東急 1988.04.28
58 58 172 172 115 173 173 116 174 174 58 東急 1988.05.26
59 59 175 175 117 176 176 118 177 177 59 東急 1988.05.27
60 60 178 178 119 179 179 120 180 180 60 東急 1988.06.20
 山手線用の製造が、1988年6月20日落成の東ヤテ60編成をもって終了したことを受け、JR東日本は次の導入路線に選定したのは、横浜線(蒲田電車区)だった。横浜線のイメージアップを目的としたものであり、103系7両編成24本を、205系7両編成25本で置き換えることになった。
蒲田 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
1 61 181 181 121 182 182 61 日車 1988.09.02
2 62 183 183 122 184 184 62 日車 1988.09.07
3 63 185 185 123 186 186 63 日車 1988.09.14
4 64 187 187 124 188 188 64 日車 1988.09.20
5 65 189 189 125 190 190 65 日車 1988.09.26
6 66 191 191 126 192 192 66 日車 1988.09.30
7 67 193 193 127 194 194 67 日車 1988.10.05
8 68 195 195 128 196 196 68 川重 1988.11.07
9 69 197 197 129 198 198 69 川重 1988.11.15
10 70 199 199 130 200 200 70 川重 1988.11.25
11 71 201 201 131 202 202 71 川重 1988.12.02
12 72 203 203 132 204 204 72 近車 1988.12.06
13 73 205 205 133 206 206 73 川重 1988.12.09
14 74 207 207 134 208 208 74 近車 1988.12.12
15 75 209 209 135 210 210 75 東急 1988.12.15
16 76 211 211 136 212 212 76 川重 1988.12.21
17 77 213 213 137 214 214 77 川重 1989.01.13
18 78 215 215 138 216 216 78 近車 1989.01.17
19 79 217 217 139 218 218 79 川重 1989.01.20
20 80 219 219 140 220 220 80 川重 1989.01.24
21 81 221 221 141 222 222 81 東急 1989.01.27
22 82 223 223 142 224 224 82 東急 1989.01.31
23 83 225 225 143 226 226 83 東急 1989.02.17
24 84 227 227 144 228 228 84 東急 1989.02.21
25 85 229 229 145 230 230 85 1989.03.01
※東カマ25編成は、クハ205-85、モハ205-229、モハ204-229、クハ204-85が東急車輛、サハ205-145、モハ205-230、モハ204-230がJR大船工場で製造された。
 横浜線向けの製造が終了後は、南武線(中原電車区)に6両編成3本が導入された。これは1989年3月11日ダイヤ改正に伴い運用増となることを受けて配置車両数が増加することになったため、イメージアップを兼ねて新造車を直接投入することになったものである。このグループは川崎重工で製造されたが、これ以降に製造された車両については、500番台と6扉車を除き全て川崎重工で製造された。これは、大量発注を条件に大幅な値引きをすると川崎重工が提案したためで、205系電車と、同時期に製造されていた211系電車が川崎重工に大量発注され、実際に製造されたものである。1988年度は、この南武線向けをもって導入終了となった。
中原 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 モハ205 モハ204 クハ204
27 86 231 231 232 232 86 川重 1989.02.13
28 87 233 233 234 234 87 川重 1989.03.07
29 88 235 235 236 236 88 川重 1989.03.08

1989(平成元)年度

 1989年度は、埼京・川越線(川越電車区)向けの導入から始まった。同線は1985年9月30日の開業時に赤羽線(旧・池袋電車区)向け車両を継続使用するほか、山手線(旧・品川電車区)へ205系電車を導入することによって捻出された103系電車を配置するなどして、103系電車は10両編成23本の体制であったが、騒音問題などを理由として置き換えられることになった。この年度は10両編成11本の導入が予定されていたが、後述する理由により、実際に配置されたのは9編成のみであった。編成番号は欠番を作らず、1~9が付番された。
川越 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
1 89 237 237 146 238 238 147 239 239 89 川重 1989.06.08
2 90 240 240 148 241 241 149 242 242 90 川重 1989.06.13
3 91 243 243 150 244 244 151 245 245 91 川重 1989.06.21
4 92 246 246 152 247 247 153 248 248 92 川重 1989.06.26
5 93 249 249 154 250 250 155 251 251 93 川重 1989.07.08
6 94 252 252 156 253 253 157 254 254 94 川重 1989.08.22
7 96 258 258 160 259 259 161 260 260 96 川重 1989.09.02
8 98 264 264 164 265 265 165 266 266 98 川重 1989.09.19
9 99 267 267 166 268 268 167 269 269 99 川重 1989.09.22
 1988年12月5日、中央本線東中野駅構内で、列車の衝突事故が発生した。先行する103系電車(習志野電車区所属)に後続の201系電車(三鷹電車区所属)が衝突したもので、この事故で激しく損傷した103系9両、201系9両は事故廃車となった。これに伴う車両不足を補うため、事故で唯一生き残った車両と、首都圏の各路線で廃車予定だった車両を寄せ集めて中央・総武線の運用に投入してきたが、この事故によって不足した分を補うため、三鷹電車区に急遽205系電車を投入することになった。三鷹区には当初導入予定は無かったが、埼京・川越線用として製造されていた車両のうち10両編成2本を中央・総武線へ暫定的に投入した。このため、ATS線区への導入でありながら、ATC準備車としての製造となった。
三鷹 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
6 95 255 255 158 256 256 159 257 257 95 川重 1989.07.20
23 97 261 261 162 262 262 163 263 263 97 川重 1989.09.08
 年度の前半で埼京・川越線向けと中央・総武線向けを製造した後、この年度3番目の導入線区は南武線(中原電車区)となった。編成番号については、1989年11月1日付で整理が行われ、車番順に10から16が割り振られた。
中原 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 モハ205 モハ204 クハ204
19 100 270 270 271 271 100 川重 1989.09.27
18 101 272 272 273 273 101 川重 1989.09.30
21 102 274 274 275 275 102 川重 1989.10.12
6 103 276 276 277 277 103 川重 1989.10.20
  • 南武線編成番号整理(第1次/1989年11月1日)
新番号 旧番号 該当車両
ナハ10 ナハ27 クハ205-87以下6連
ナハ11 ナハ28 クハ205-88以下6連
ナハ12 ナハ29 クハ205-89以下6連
ナハ13 ナハ19 クハ205-100以下6連
ナハ14 ナハ18 クハ205-101以下6連
ナハ15 ナハ21 クハ205-102以下6連
ナハ16 ナハ6 クハ205-103以下6連
 南武線用の導入を挟んだ年度の後半は、1990年3月10日の京葉線東京延伸に伴う製造となった。まずは、京浜東北・根岸線(浦和電車区)に初めて205系電車を導入。10両編成4本を投入して103系電車を京葉線(習志野電車区)と武蔵野線(豊田電車区)へ転用した。
浦和 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
1 104 278 278 168 279 279 169 280 280 104 川重 1989.10.18
2 105 281 281 170 282 282 171 283 283 105 川重 1989.10.27
3 106 284 284 172 285 285 173 286 286 106 川重 1989.11.08
4 107 287 287 174 288 288 175 289 289 107 川重 1989.11.15
 続いて、京葉線東京延伸開業に際しては、京葉線(京葉電車区)にも205系電車を直接投入することになった。快速電車用としての導入で10両編成12本が製造された。このグループでは前面の形状を他の編成と変更した、京葉線オリジナルのスタイルとなったが、番台区分は行われず、0番台として導入された。京葉電車区の発足は、京葉線東京延伸と同日の1990年3月10日であるため、それまでは暫定的に習志野電車区の所属としていた。
京葉 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
1 108 290 290 176 291 291 177 292 292 108 川重 1989.11.21
2 109 293 293 178 294 294 179 295 295 109 川重 1989.11.25
3 110 296 296 180 297 297 181 298 298 110 川重 1989.12.01
4 111 299 299 182 300 300 183 301 301 111 川重 1989.12.08
5 112 302 302 184 303 303 185 304 304 112 川重 1989.12.15
6 113 305 305 186 306 306 187 307 307 113 川重 1989.12.19
7 114 308 308 188 309 309 189 310 310 114 川重 1989.12.26
8 115 311 311 190 312 312 191 313 313 115 川重 1990.01.10
9 116 314 314 192 315 315 193 316 316 116 川重 1990.01.19
10 117 317 317 194 318 318 195 319 319 117 川重 1990.01.23
11 118 320 320 196 321 321 197 322 322 118 川重 1990.01.30
12 119 323 323 198 324 324 199 325 325 119 川重 1990.02.08
 1989年度は最後に、山手線(山手電車区)に、サハ204形900番台が2両導入された。JR東日本の205系電車はこれまで0番台のみの導入だったが、初めて900番台が導入されることになった。この車両は6扉車の試作車であり、山手線の既存編成(東ヤテ42編成)に組み込んで連結位置等を変更しつつ、営業運転で使用しながら試験を行うことになった。
山手 製造 落成日
サハ204 サハ204
901 902 近車 1990.03.02

1990(平成2)年度

 1990年度は、埼京・川越線(川越電車区)の103系電車を全て置き換えるため、10両編成14本を製造した。本来なら中央・総武線に暫定配置された2編成も戻すところ、実際には1編成しか戻せなかったため、山手線(山手電車区)の予備車を削減してもう1編成を確保して10両編成25本体制を整えた。編成番号も整理を行ったが、中央・総武線から戻せなかったクハ205-95以下10連に付くはずだった「7」は、山手線からの転入車に割り振られた。
  • 新製車
川越 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
12 120 326 326 200 327 327 201 328 328 120 川重 1990.05.29
13 121 329 329 202 330 330 203 331 331 121 川重 1990.06.07
14 122 332 332 204 333 333 205 334 334 122 川重 1990.06.14
15 123 335 335 206 336 336 207 337 337 123 川重 1990.06.21
16 124 338 338 208 339 339 209 340 340 124 川重 1990.06.28
17 125 341 341 210 342 342 211 343 343 125 川重 1990.07.05
18 126 344 344 212 345 345 213 346 346 126 川重 1990.07.12
19 127 347 347 214 348 348 215 349 349 127 川重 1990.07.19
20 128 350 350 216 351 351 217 352 352 128 川重 1990.07.26
21 140 377 377 222 378 378 219 379 379 140 川重 1990.11.09
22 141 380 380 224 381 381 225 382 382 141 川重 1990.11.19
23 142 383 383 226 384 384 227 385 385 142 川重 1990.11.22
24 143 386 386 228 387 387 229 388 388 143 川重 1990.12.03
25 144 389 389 230 390 390 231 391 391 144 川重 1990.12.10
  • 車両転入に伴う車両番号整理
新番号 旧番号 該当車両
ハエ7 ヤテ41 クハ205-41以下10連
ハエ8 ハエ7 クハ205-96以下10連
ハエ9 ミツ23 クハ205-97以下10連
ハエ10 ハエ8 クハ205-98以下10連
ハエ11 ハエ9 クハ205-99以下10連
 埼京・川越線用の導入は2回に分けられたが、その間には南武線(中原電車区)用の製造があり、6両編成9本が製造された。1990年9月27日に最終編成が落成した後、1990年10月29日に編成番号の整理が行われ、車番順に1~16が割り振られた。
中原 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 モハ205 モハ204 クハ204
19 129 353 353 354 354 129 川重 1990.08.02
35 130 355 355 356 356 130 川重 1990.08.07
36 131 357 357 358 358 131 川重 1990.08.17
18 132 359 359 360 360 132 川重 1990.08.23
7 133 361 361 362 362 133 川重 1990.08.28
37 134 363 363 364 364 134 川重 1990.08.31
20 135 365 365 366 366 135 川重 1990.08.04
23 138 373 373 374 374 138 川重 1990.09.25
21 139 375 375 376 376 139 川重 1990.09.27
  • 南武線編成番号整理(第2次/1990年10月28日)
新番号 旧番号 該当車両
ナハ1 ナハ10 クハ205-87以下6連
ナハ2 ナハ11 クハ205-88以下6連
ナハ3 ナハ12 クハ205-89以下6連
ナハ4 ナハ13 クハ205-100以下6連
ナハ5 ナハ14 クハ205-101以下6連
ナハ6 ナハ15 クハ205-102以下6連
ナハ7 ナハ16 クハ205-103以下6連
ナハ8 ナハ19 クハ205-129以下6連
ナハ9 ナハ35 クハ205-130以下6連
ナハ10 ナハ36 クハ205-131以下6連
ナハ11 ナハ18 クハ205-132以下6連
ナハ12 ナハ7 クハ205-133以下6連
ナハ13 ナハ37 クハ205-134以下6連
ナハ14 ナハ20 クハ205-135以下6連
ナハ15 ナハ23 クハ205-138以下6連
ナハ16 ナハ21 クハ205-139以下6連
 南武線用の導入と並行して、京浜東北・根岸線(浦和電車区)向けにも10両編成2本が導入された。
浦和 10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 サハ205 モハ205 モハ204 クハ204
5 136 367 367 218 368 368 219 369 369 136 川重 1990.09.11
6 137 370 370 220 371 371 221 372 372 137 川重 1990.09.18
 1990年度は埼京・川越線への導入(第1次)、南武線への導入(第1次)、京浜東北・根岸線への導入、南武線への導入(第2次)、埼京・川越線への導入(第2次)を行った後で、相模線(豊田電車区)への導入を行った。相模線が1991年3月16日に電化開業することに伴い、205系電車4両編成13本を直接投入したものである。相模線の路線事情に合わせた特別仕様車のため、500番台に区分された。
豊田 1号車 2号車 3号車 4号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 クハ204
R1 501 501 501 501 川重 1991.01.10
R2 502 502 502 502 川重 1991.01.10
R3 503 503 503 503 川重 1991.01.17
R4 504 504 504 504 川重 1991.01.17
R5 505 505 505 505 川重 1991.01.29
R6 506 506 506 506 川重 1991.01.29
R7 507 507 507 507 川重 1991.02.09
R8 508 508 508 508 川重 1991.02.09
R9 509 509 509 509 川重 1991.02.16
R10 510 510 510 510 川重 1991.02.16
R11 511 511 511 511 川重 1991.02.23
R12 512 512 512 512 1991.03.06
R13 513 513 513 513 大船 1991.03.06
※東トタR12編成は、クハ205-512とクハ204-512が東急車輛で製造され、モハ205-512とモハ204-512がJR大船工場で製造された。

1991(平成3)年度

 1991年度は、12月1日のダイヤ改正から武蔵野線(豊田電車区)の一部列車が8両編成化するのに合わせて、8両編成5本が直接投入された。京葉線に導入された車両と同じデザインの色違いの導入となった。このうちの1本は、103系電車の8両編成化に伴う予備車として、電動発電機(MG)の付かない電動車ユニットを除いた6両編成で先行導入されており、後から落成した車両を組み込んで正式な8両編成を組成した。
豊田 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 製造 落成日
クハ205 モハ205 モハ204 モハ205 モハ204 モハ205 モハ204 クハ204
E1 145 392 392 394 394 145 川重 1991.09.27
393 393 川重 1991.10.08
E2 146 395 395 396 396 397 397 146 川重 1991.10.08
E3 147 398 398 399 399 400 400 147 川重 1991.10.17
E4 148 401 401 402 402 403 403 148 川重 1991.10.23
E5 149 404 404 405 405 406 406 149 川重 1991.10.30
 また、武蔵野線向けの製造と並行して、同日のダイヤ改正から11両編成化する山手線用に増結中間車を製造した。増結車は6扉車(サハ204形)での導入となり、53編成のうち900番台を組み込む2編成を除く51編成分51両が製造された。組み込み位置はクハ205形とモハ205形の間の10号車となった。
山手 10号車 10号車 10号車 製造 落成日
サハ204 サハ204 サハ204
1 2 3 近車 1991.10.23
4 5 6 近車 1991.10.24
7 8 9 近車 1991.10.30
10 11 12 近車 1991.10.31
13 14 15 近車 1991.11.01
16 17 18 近車 1991.11.13
19 20 21 近車 1991.11.14
22 23 24 近車 1991.11.15
25 26 27 近車 1991.11.20
28 29 30 近車 1991.11.21
31 32 33 近車 1991.11.22
34 35 36 近車 1991.11.27
37 38 39 近車 1991.11.28
40 41 42 近車 1991.11.29
43 44 45 近車 1991.12.04
46 47 48 近車 1991.12.05
49 50 51 近車 1991.12.06
  • 組み込み先
車番 組込編成
1~5 車番と同番号の編成に組み込み
6 一旦ヤテ51に組み込んだ後、ヤテ6に組み込み
7~34 車番と同番号の編成に組み込み
35~41 対応する番号のサハ205形が無いヤテ52~ヤテ58に番号順に組み込み
42 一旦ヤテ59に組み込んだが、ヤテ42のサハ204-901と入れ替えた
43~50 車番と同番号の編成に組み込み
51 ヤテ51に組み込み、サハ204-6を置き換えた
901 試験運行時に組み込まれていたヤテ42に組み込まれていたが、ヤテ59のサハ204-42と入れ替えた
902 対応する番号のサハ205形が無いヤテ60に組み込み
 この山手線に導入されたサハ204-49~51の落成をもって205系電車の量産は終わり、これ以降にJR東日本が導入する直流通勤型電車は、901系電車での試験を経て、209系電車が量産されることになる。

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最終更新:2020年02月06日 20:01