学芸大附属高校よりも日比谷高校や西高校を選ぶ受験生が増えています。


2007年の話
日比谷高校は数年後には東大合格者が更に増えると塾業界では予測されていますね。学芸大附属高校は塾への通塾率が高いことが敬遠されているようです。1年生から塾へ通うので、学芸大附属高校に通っても、私立と同じぐらいのお金が掛かることが認知されてきたようです。海城高校や桐朋高校は中高一貫制ですので、附属中学出身者に進路で追いつくことに集中しなければならなく、入学後が大変なようです。ですから、学芸大附属高校や海城高校などを蹴って日比谷高校へいく生徒が増えているのも頷けます。数年後の日比谷高校の進学実績はうなぎのぼりでしょう。

ここ数年の傾向として、開成を除く私立難関校(=海城、桐朋、巣鴨、豊島岡女子など)が都立の難関校(=日比谷、西、国立、八王子東)にかなり蹴られていることは事実です。入試にもその影響が見られます。例えば、以前は多摩地区のトップ進学校だった桐朋が、進学実績の大幅な低下と都立の復活が影響してか、今では繰り上げ合格者をかなり出すようになりました。5年前ぐらいの桐朋だと、繰上げ合格者を出すことはほとんどありませんでしたから、かなり蹴られているようです。早慶附属を蹴る生徒も、昔ではほとんどいませんでしたが、今はかなり増えたなあという印象です。今春は開成や筑駒を蹴って日比谷と西に進学した生徒もいます。

都立の人気が上昇している理由は勿論、都立改革の成功でしょう。学区撤廃から始まり、重点校指定、自校作成問題実施などで都立高校同士の生徒獲得競争が繰り広げられている状況で、いまや私立と同じように、都立の先生が小さな塾を何軒も訪問して入学をお願いしたり、都立高校が塾対象の説明会を開く時勢です。

私立難関校を蹴る生徒が急増している理由はいくつかあると思います。一つめは、都立高校が進学に対して非常に熱心になったことです。夏期講習は受験対策で100講座以上、勉強合宿や特進クラスまである都立もある。土曜授業もやる。いわゆる「面倒見が良い」と自称する私立より熱心であろうと思われる都立が増えています。これだけ進学に熱心で、しかも学費が激安ともなれば、人気が爆発してもなんら不思議ではありません。中学受験でも、開成より国立の筑駒の偏差値の方が高いように、学費の安さほど魅力的なものはないわけです。二つめの理由として、海城や巣鴨などの上位私立校は全て中高一貫校で、東大合格者は大半が附属中学出身者なのが実情です。確かに、単純に東大の数で比較すれば、日比谷より海城の方が上です。しかし、日比谷高校の東大28名は全て高校からの入学者。海城の高校入学者からの東大合格者はそれほど多くないので、高校入学者のみの実績では、日比谷のほうが高いのです。また、都立進学指導重点校はすべて高校からのみの募集ですから、全員が同じスタートという安心感も人気に繋がっているようです。
ちなみに、現中3生の最新の模試による偏差値ランキングは以下のようになっています。都立のトップ校は、ここ数年でうなぎのぼりに偏差値を上げています。


2010年の話
日比谷高校が東大・京大現役合格率で学芸大附属高校を抜かしました。予想通りのことが起きています。2007年の段階で日比谷高校が数年後に上回ることが既に予想されていたので、一部の受験関係者はこの結果を冷静に受け止めています。来年は共学校の偏差値トップは日比谷高校になります。学芸大附属高校は日比谷高校の併願校になります。第一志望が日比谷、第二志望が学芸大附属という40年前のパターンに戻りそうですね。
最終更新:2010年04月07日 18:25