目次
序章◆〈異人〉──漂泊と定住のはざまに
遠と近・または漂泊と定住
関係としての異人・異人としての関係
第一章◆〈異人〉の考古学
Ⅰ 境界・無縁・コムニタス
共同体とその外部
森の放浪者たち
裏返された内部の風景
無縁またはコムニタス
II 市・交通・異界
境を横ぎるもの
沈黙交易と異人
市の起源史
異界への窓としての市
他者の発見・自己の誕生
Ⅲ ほかいびと・まれびと・やまびと
穢れと異人歓待
排除・それゆえ聖なるもの
ほかいびとの原像
まつりとまれびと
山人譚という装置
Ⅳ聖痕・不具・逸脱
聖なるものの分化
聖痕・または媒介者の表徴
常民社会と異人
琵琶と杖のある風景
噴罪と復活の旅
第二章◆〈異人〉の系譜学
I王権・供犠・刑罰
原型としての王
王権という浄化装置
偽王の制度
宦官・ある道化の肖像
聖なるものと供犠
供犠としての刑罰
Ⅱ天皇・賎民・職人
聖なるものの系譜
斎人・または王権の影
貴種流離謹の深層
国家のキョメの構造
職人由緒書と天皇
Ⅲ亡命・遊行・芸能
古代の山林亡命者たち
行基という問題
勧進と技術の系譜
聖から毛坊主へ
鎮魂としての芸能と境界
第三章◆〈異人〉の現象学
Iわれら・かれら・バルバロス
名付けることと異人
隠噛的地理学
妖怪イメージと境界
政治的なるものと供犠
分身または変身
Ⅱ周縁人・境界人・通過儀礼
マージナル・マン
過渡的トルコ人
よそものと村入り
周縁あるいは境界
通過儀礼のなかの異人
Ⅲ内なる他者・無意識・狂気
アイデンティティの構造
無気味なもの
影と投射
魂の航海としての狂気
主体喪失の物語