Linguet
「Linguet」は、Idiom Neutralをベースに発音・文字・文法を可能な限り簡易化し、また語彙をVOAベースに制約した人工言語である。 (以下の文法は現在改変中)
I. 発音と綴り
1. この言語は 22 個の文字を持ち、母音は A E I O U の 5 個、子音は B C D F G H J K L M N P R S T X Y の 17 個である。
母音の発音は次のとおり。
A はア
E はエ
I はイ
O は オ
U は ウ
hebre-ik ヘブレイク (ヘブライ人の)、a-utomat アウトマト (自動装置)、E-urop エウロプ (ヨーロッパ)、no-i ノイ (私たち)、si-e スィエ (彼の)、などのように、母音が連続しても別個に発音する (すなわち、二重母音化しない)。
子音の発音は次のとおり (ア段音で示す)。
B はバ
C はチャ
D はダ
F はファ
G はガ
H はハ
J はジャ
K はカ
L はシャ
M はマ
N はナ
P はパ
R はラ
S はサ
T はタ
X はッ (声門破裂音; 原語が母音で終わる語に付けてアクセント位置を整合する実際上は無発音の子音)
Y はヤ
- アクセントは次のとおり。
fortun フォルトゥン (果報)、manu マヌ (手)、aloe アロエ、filio フィリオ (息子) のように、最後の子音の直前の母音にアクセント (強勢) を置く。そのような母音がないときは、mai マイ (五月)、Deo デオ (神) のように、最初の母音に置く。これら以外の位置のアクセントは、idex イデ (理念)、alex アレ (細道)、depox デポ (集積所) のように、xをその母音に続けて示す (公式辞書でこのタイプは、alex depox diarex dinex epopex idex kakadux kamex korifex lakex livrex moskex musex nausex portmonex shapox spondex supex trakex trofex trokex の 21 語だけである。
以下および公式辞書において、接辞や品詞語尾との境を / で示す。また、語内のハイフンは、語根同士の合成語において語根間の区切りを示すためのものであり、実際に用いる際にはそのハイフンを省略して語根同士を直接つなげてもかまわない。
II. 名詞
3. この Neutral 言語の名詞には、複数化変化のみがある。
単数
主格: dom; 家は、家が
属格: de dom; 家の
与格: a dom; 家に、家へ
対格: dom; 家を
複数
主格: dom/i; 家々は、家々が
属格: de dom/i; 家々の
与格: a dom/i; 家々に、家々へ
対格: dom/i; 家々を
対格は、文中の位置で主格と区別される。mi klos porta 私 (mi) はドア (porta) に鍵をかける (klos)、patr puni filio 父 (patr) は息子を罰する (puni)、のように、動詞に先立てば主格、動詞に続けば対格である (最初の例で分かるように、日本語で「を」で示されるものだけでなく、「に」で示されるものも、それが動作の対象なら対格で示す)。
与格は、文中において対格の前にある場合は、前置詞 a を省略してよい。il donav mi libr 彼 (il) は私に本 (libr) を与えた (don/av)、il mit mi flori 彼は私に花々 (flor/i) を送る (mit)、のように、代名詞が与格のときはこの方法がむしろふつうである。
-
冠詞はない。従って、例えば dom は、(今話している) その家でも(それとはまた別な) 家でもありえる (どちらになるかは文脈次第である)。(話者は知っているが聞き手は知らない) ある〜を示すには sert を用い、(適当な) ある〜を示すには kelkun (kelk-un) を用いる。話者も聞き手も知っている特定のものを示すには、指示代名詞を用いればよい。ist dom この家、el dom あの家。
-
名詞は、(1) 男またはオスの場合は男性名詞であり、(2) 女またはメスの場合は女性名詞であり、(3) それら以外の場合はすべて中性名詞である。男性名詞は、kaval/o 牡馬、ansian/o 男の老人、のように接尾辞 -o によってそのことを示し、女性名詞は、kaval/a 牝馬、italian/a イタリア人女性、のように接尾辞 -a によってそのことを示す (すなわち、それらの付かない名詞語根自体は、意味において特定の性別しか指さないものを除けば常に中性名詞 (性別不定、または無性) である)。
-
小さ (くてかわい) いものは、sigar/et 紙巻タバコ (sigar は葉巻)、kaval/et ポニー、fili/eta 小さ (くてかわい) い方の娘、のように接尾辞 -et で示す。
-
未成熟の (すなわち、若い) 動物は、yun-kaval 子馬、yun-ran オタマジャクシ (ran カエル。欧米語ではふつうジャンプするカエルと這うだけのカエルを別語で示すが、後者の共通語形がないので、公式辞書には前者からの ran しか取り入れられていない)、のように yun 若い、という語との合成で示す。
III. 形容詞
8. 形容詞には、grand 大きい、fasil 容易な、のような本来形容詞と、ほかの品詞の語を次の 7 つの接尾辞 -abl、-al、-an、-atr、-id、-ik、-os のいずれかで派生して得られる派生形容詞とがある。
-abl は、「〜され得る」や「〜に値する」意味の形容詞を派生する。この接尾辞は原則として、komprend/abl 理解できる/理解しやすい、konven/abl お似合いの、のように動詞語根に用いられる。
-al は、gramatik/al 文法の、teknik/al 技術の、のように語根自体が -ik で終わっている場合など、-ik (下記参照) では問題があるときの代替として用いられる。
-an は、mahomet/an イスラム教徒の (この語は古風でやや侮蔑的なので、現在では islam/an などの方がよい)、amerik/an アメリカ人の、のように、それの構成員に属するものであることを示す形容詞を派生する (形容詞はそのままで名詞に転用でき、すなわち構成員自体を表す語もこの形の形容詞を名詞に転用して示す)。
-atr は、類似性を示す形容詞を派生する。petr/atr 石のような、verd/atr 緑っぽい、のように、名詞か形容詞語根に付くことができる。
注: a で終わる語に対しては、接尾辞 -abl、-an、-atr は、rusia/n ロシア (人) の、akua/tr 水のような、のように -bl、-n、-tr の形で付く (これは、例外規則が皆無なこの言語における唯一の例外規則である)。
-id は、その傾向を持つことを示す形容詞を派生する。tim/id 臆病な (tim/ar 恐れる)、splend/id 輝かしい (splend/ar 輝く)、のように動詞語根に用いられる (この言語では、おそらくは語形節約のために、少なくとも公式辞書には品詞が異なるだけの同形語が多く含まれていることに注意されたい (ちなみに、公式辞書の基本語根は 3000、固有名などの追加も合わせれば 3500 から 4000 ぐらいである。ただし今は使われてない事物を指す語もけっこう含むので、現在でも使える語根はもっと少なくなる)。例えば tim は名詞なら薬草のタイムを指す。品詞変換用接尾辞が使える品詞が限定されていることと、ある品詞の現れる位置が厳密に定められているためにこの言語内ではそれでも問題はないが、この傾向のため、品詞転換や語順が自由な言語にこの公式辞書をそのまま使い回すのはかなりの無理がある)。
-os は、petr/os 石だらけの、ole/os 油っこい、lan/os 羊毛 (的なもの) に覆われた、amor/os 多情な (am/or 愛)、のようにそれを豊富に持つことを示す形容詞を派生する。
-ik は、一般的な形容詞化接尾辞である。-abl、-an、-atr、-id、-os の持つ特別な意味合いが不要または不適切な場合にこれで形容詞を派生する。elektr/ik 電気の、rus/ik ロシア語の (人は -an の名詞転用で示し、言語は -ik の名詞転用で示す)、anu/ik 年ごとの、Atlant/ik 大西洋の、fantast/ik 幻想的な、galvan/ik 直流電気の、hast/ik 急ぎの、histor/ik 歴史の、hom/ik 人間の、horisont/ik 水平 (線) の、ideal/ik 理想的な、ident/ik 同一の、lan/ik 羊毛製の、など。
- 比較は、plu grand より大きい、leplu grand 最大の、のように形容詞の前に副詞 plu を置くことで比較級を示し、leplu で最上級を示す。
比較対象は ka で示す。vo es plu grand ka mi あなた (vo) は私より背が高い (es/ar ~である)。同程度は、tal/e 形容詞 kual/e 比較対象、で示す (tal そのような、-e 副詞化接尾辞、kual どんな)。vo es tale grand kuale mi あなたは私と同じ背の高さである。
とても〜は multe (mult 多くの) で示す。multe grand とても大きい。
-
形容詞は必ず、それが修飾する名詞の後ろに置かれる。dom grand 大きな家、lingu universal 普遍語。また、名詞に合わせて変化することはない。patr bon よい父、fili/a bon よい娘、fili/i bon よい子どもたち。
-
どの形容詞も名詞に転用でき、その場合は名詞と同じ変化をする。bon/i e mal/i 善人たちと悪人たち、poltron 臆病な/臆病者。
-
不明瞭さをなくすために、特別な方法以外の動詞化接尾辞による形容詞の動詞化は禁じられている。その方法は、動詞 es/ar 〜である、を用いる (状態動詞化) か、接尾辞 -ifik/ar (他動詞化、~にする) または -esk/ar (自動詞化、~になる) を用いる。es/ar san 健康である、san/ifikar 癒す、san/eskar 元気になる。
IV. 数詞
13. 基数には、1 un、2 du、3 tri、10 des、のような本来数詞か、20 du-des、34 tri-des-kuatr のような合成数詞がある。
次のものは本来数詞である。1 un、2 du、3 tri、4 kuatr、5 kuink、6 seks、7 sept、8 okt、9 nov、0 nul、10 des、100 sent、1 000 mil、1 000 000 milion (百万)、1 000 000 000 bilion (十億)、1 000 000 000 000 trilion (一兆)、1 000 000 000 000 000 kuadrilion (千兆)、1 000 000 000 000 000 000 kuintilion (百京)。これら以外は、これらの合成語として作る。その場合、des はほかの桁の数と 1 つの合成語を形作るが、sent はより大きい桁とのみ合成語を形作る。mil、milion、bilion などのより大きな本来数詞は合成数詞にはならない。
1 un 10 des 11 desun
2 du 20 dudes 12 desdu
3 tri 30 trides 21 dudesun
4 kuatr 40 kuatrdes 32 tridesdu
5 kuink 50 kuinkdes 46 kuatrdesseks
6 seks 60 seksdes 101 sent un
7 sept 70 septdes 120 sent dudes
8 okt 80 oktdes 200 dusent
9 nov 90 novdes 873 oktsent septdestri
0 nul 100 (un)sent 1000 mil
1001 mil un 1020 mil dudes 1300 mil trisent
3000 tri mil 10000 des mil 100000 sent mil
1000000 milion 2000000 du milion
25,768,194 dudeskuink milion septsent seksdesokt mil unsent novdeskuatr
14. 序数は、対応する基数に接尾辞 -im を追加して派生する (形容詞化)。合成数詞の場合は、最後の本来数詞にこの接尾辞を付ける。1 un/im 第一の/一番目の、2 du/im 第二の/二番目の、7 sept/im 七番目の、12 desdu/im 十二番目の、30 trides/im 三十番目の、100 sent/im 百番目の、120 sent dudes/im 百二十番目の、325 trisent dudeskuink/im 三百二十五番目の、1000 mil/im 千番目の、など。また、次の語も序数として使える。1 prim 第一の/一番目の、2 sekund 第二の/二番目の、3 ters 第三の/三番目の、4 kuart 四番目の、5 kuint 第五の/五番目の、6 sekst 六番目の。また、文脈で序数であることが明白な場合は、基数で代替してもよい。ただしこの場合、本来序数があった位置 (すなわち、名詞の後ろ) に基数を配置すること。pagin trisent dudeskuink 325 (番目の) ページ。
- 倍数は、対応する基数に接尾辞 -upl を追加して派生する (形容詞化)。合成数詞の場合は、最後の本来数詞にこの接尾辞を付ける。1 un/upl 一倍の、2 du/upl 二倍の、3 tri/upl 三倍の、105 sent kuink/upl 百五倍の、など。また、次の 3 つの語も倍数として使える。1 simpl 一倍の、2 dupl 二倍の、3 tripl 三倍の。
注: 接尾辞 -upl は、mult 多くの、にも使える。mult/upl 多様な/多重の。
-
配分数は、対応する基数を前置詞 a に続けて示す (副詞句化)。a un 1 つずつ、a du 2 つずつ、など。
-
回数は、対応する基数または序数に接尾辞 -foa を追加して派生する (副詞化)。合成数詞の場合は、最後の本来数詞または序数にこの接尾辞を付ける。1 un/foa 一度/一回、2 du/foa 二度/二回、100 sent/foa 百回、1 prim/foa 初回、139 sent tridesnovim/foa 百三十九回、など。
注: 接尾辞 -foa はほかの品詞の語にも使える。mult/foa 何度も、ultim/foa これを最後として、など。
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分数は、分子を基数、分母を序数として続けて示す。1/2 un sekund または un demi (demi 半分の)、2/3 du ters/i、0.2 du desim/i (2/10)、0.03 tri sentim/i (3/100)、2/109 du unsent novim/i、0.007 sept milim/i (7/1000)。整数と分数を合わせて示すときは、接続詞 e (そして) でそれらをつなげる。3 1/4 tri e un kuart、pi = 3.14159 ... = tri total/i e un kuatr un kuink nov e s. (ここでの total (トータルの) は整数の意味で用いられている (whole number の whole)。現在では同意味だが学術用語化している integr (integer、全体の) の方がよいと思う。e s. は e setri (setr 残りの) の略字で「等々」の意味)、0.145 ... nul total/i e un kuatr kuink e s. (nul 個の名詞は複数形になる。単数形だと「まったくに存在しない、ありえない」意味合いが生じて、数え上げとは離れてしまうからである。ちなみにこれは、英語などでも同様である)。
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基数と分数は常に、それによって数が定まる名詞に先行する (9 の nov は「新しい」を意味する形容詞と同形だが、この規則と数字接頭辞が異なる形であることにより紛れることはない)。du kaval/i 2 頭の馬、tri kuart/i metr 3/4 メートル (0 より大きく 1 以下の数は単数で示すが、1 以外はすべて複数で示す人もいる。つまり、どちらでもよい)。ほかの数表現は常に、それによって数が定まる名詞または動詞に後続する (動詞に対する副詞はその動詞に後続する。動詞以外に対する副詞はその語に先行する)。paragraf sekund 第二段落、plesir dupl 二倍の喜び、noi and/av a du 私たち (noi) は 2 人ずつ (a du) 行った (and/av)、mi klam/av tri/foa 私は三度叫んだ。
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数副詞は、対応する序数に副詞化接尾辞 -e を追加して派生する。1 prim/e 第一に/はじめに、2 sekund/e 第二に/次に、など。
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数動詞は、倍数に接尾辞 -ifik/ar を追加して派生する。simpl/ifikar 単一化する、dupl/ifikar 二倍にする、など。
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日付は、次のように表す。1900 年 7 月 30 日 in (~の中に、~の中へ) diurn (日) trides/im de mens (月) yuli (七月) de anu (年) mil novsent/im po (~の後に、~の後ろに) nat (生誕) de Krist (キリスト)。このうち、太字でも斜体でもない語と in は省略でき、従ってふつうは次のように短くする。trides/im yuli, mil novsent。
十二ヶ月はそれぞれ、次のようにいう。yanuar (一月)、februar (二月)、mars (三月)、april (四月)、mai (五月)、yuni (六月)、yuli (七月)、august (八月)、septembr (九月)、oktobr (十月)、novembr (十一月)、desembr (十二月)。
七曜日はそれぞれ、次のようにいう。soldi (日曜日)、lundi (月曜日)、marsdi (火曜日)、merkurdi (水曜日)、yovdi (木曜日)、vendrdi (金曜日)、saturndi (土曜日)。
- 時刻は、次のように表す。[it es] hor tri e un kuart 3 時 15 分である (it それ、形式主語。hor 一時間、hor tri は第三時の略形なので単数。un kuart 1/4、60 分の 1/4 で 15 分)、hor tri e des minuti 3 時 10 分 (minut 分)、hor tri e kuinkdeskuatr [minuti] 3 時 54 分、in hor septim de matin 朝 (matin) 7 時の間。
V. 代名詞
24. 人称代名詞
一人称単数: mi 私
二人称単数: vo あなた
三人称単数: il 彼、il/a 彼女、it それ (非生命)
一人称複数: noi 私たち
二人称複数: vo/i あなたたち
三人称複数: il/i 彼ら/それら、il/ai 彼女ら (全員女性の場合)
on 世間一般の人 (々)
se 三人称である主語と同一人物を指す再帰代名詞
- 二人称において、相手が一人だけの場合は必ず vo を用いる (欧米語では、二人称単数は見下した感じになるので単数でも複数形を敬称として用いるのがふつうだが、この言語の二人称単数にそうしたニュアンスはない、ということ)。
注: 二人称単数にはもう一つ、tu があるが、これは「汝」という文語用代名詞なので、翻訳上どうしても必要な場合以外には用いない。
-
il、il/a、it は次のように使い分ける。人および動物において、性別不問または男性/オスには il を用いる。人および動物において、女性/メスを明示したいときには il/a を用いる。人でも動物でもない物には it を用いる。複数においては、全員女性/メスであることを明示する場合にのみ il/ai を用い、それ以外の場合はすべて il/i を用いる。
-
it に形容詞または分詞を続けることで、その性質を持つ存在を示す不定代名詞にできる。it bel 美人、it bon 善人、it lekt/ed 既読のもの (lekt/ar 読む。-ed 受動分詞化接尾辞)。
-
代名詞 aut 自身、を追加することで、その語を強調できる。mi aut 私自身、vo aut あなた自身、direktor aut ディレクター自身 (direktor はこれで 1 つの語根であり、派生語ではない)。
-
人称代名詞のように名詞用法で用いられる代名詞において (人称代名詞以外の代名詞は、特に言及がなければ基数のような限定詞としても用いることができる)、前置詞 de で属格、a で与格を示す (人称代名詞には所有格があるので、属格は非所有な属性を示すことになるが、別に所有の意味で用いてもかまわないかもしれない)。mi 私は、de mi 私の、a mi 私に/私へ、mi 私を、voi あなたは、de voi あなたの、a voi あなたに/あなたへ、voi あなたを。
-
所有代名詞
一人称単数: mie 私の (もの)
二人称単数: votr あなたの (もの)
三人称単数: sie 彼の (もの)、彼女の (もの)、それの (もの)
一人称複数: nostr 私たちの (もの)
二人称複数: vostr あなたたちの (もの)
三人称複数: lor 彼らの (もの)、彼女らの (もの)、それらの (もの)
再帰代名詞の所有形は sue (単複同形) で、sie や lor が主語と同じ人を指す場合に用いる (逆に言えば、sie や lor は常に主語とは異なる人物を指す)。
tu の所有形は tue である。
31. 所有代名詞をはじめ、限定詞として名詞を修飾する代名詞はその名詞に先行する。mie dom 私の家、ist sirkular この (ist) 回覧板 (sirkular はこれで 1 つの語根)、kel tabl? どの (kel) テーブル? kuant hom/i? 何人? (kuant は量に関する疑問詞) kelk parol/i いくつかの (kelk) 言葉 (parol 単語)、omni lingu/i 全 (omni) 言語 (ある言語のすべてではなく、存在するすべての言語、の意味)。
- 指示代名詞
ist この、ist-kos このこと (kos 事物)
el あの、el-kos あのこと
tel その (言及対象)、tel-kos そのこと
el sem 同一存在 (sem
は、これらの形でしか使われない特殊な代名詞。この意味の形容詞は egual
(イコールな、等しい) か simil (類似の) を用いる)
yust/e el sem そっくり同じ (存在) (yust ちょうどの、正当な)
it sem 同一事象
yust/e it sem そっくり同じ事象
ist および el が名詞的に用いられる場合、男性接尾辞 -o や女性接尾辞 -a で性別を明示できる。ist/a この女、el/o あの男。
ist-kos、el-kos、tel-kos、it sem、yust/e it sem は名詞的にのみ用いる (すなわち、限定詞的用法はない)。
- 疑問代名詞および関係代名詞
ki? 誰? (何者かを問う)
kel? どれ? どの人? (どの人物かを問う)
ke/kos? 何? (ke- は疑問詞化接頭辞。単一の ke
は文接続詞で、疑問詞ではないことに注意)
関係代名詞は疑問代名詞と同形である。
ki は人物に対して用い、ke/kos はそれ以外に対して用いる。
これらの代名詞には名詞と同様に前置詞 de や a で格を指定でき、また kel にはさらに複数接尾辞 -i も指定できる。さらに、性を指定する必要がある場合には、kel に -o や -a を付けることもできる (ki には選択性の含みがないので、これらを付けることはできない)。matr de ist sinior, kel/a veniav a mi この紳士 (sinior、これで 1 つの語根) の母 (matr) が私のところへ来た (veni/av) (ただの kel だと、sinior の方に係る)。
kel を限定詞的に用いるときには、そのような変化はしない。kel sinior es votr fratr? どの紳士があなたの兄弟 (fratr) か? kel siniora es votr matr? どの淑女 (sinior/a) があなたの母か? なお、ほかの疑問代名詞および関係代名詞 (すなわち ki と ke/kos) には、限定詞用法はない。
- 不定代名詞
kelk ある (もの、複数)/どれでも
kelk-kos あるもの
kelk-hom ある人
kelk-un ある/どれでも (単数)
no/hom 否定代名詞 (人物)
no/kos 否定代名詞 (人物以外)
no/un 否定限定詞
omni (単数名詞を修飾して) 各 (存在)
omni (複数名詞を修飾して) 全
omni du 両方
omni-hom 各人
omni ke/kos 何であれ
omni ki 誰であれ
omni-kos 各事物
otr ほか (の)
otr-kos ほかの事物
sert ある (もの、sert
自体は「確かな」という形容詞だが、限定詞として転用でき、その場合、話者は知っているが聞き手には不定のままにしておきたい対象を示す)
sert-kos ある事物
un A otr B, 片や A で片や B (このタイプは、公式辞書では un -- otr
のように示されている)
kelk、omni、otr、sert、un -- otr は名詞的にも限定詞的にも使える。名詞的用法では、de や a による格指定、-i による複数指定、-o や -a による性別指定が可能である。
otr と sert には、副詞化接尾辞 -e を付けることができる。otr/e ほかに、sert/e 確かに。
- 相関代名詞
kual? どの種類の?
kuant? どれほどの?
tal そんな
tant それほどの
tal/e A kual/e B (B と同じくらい A)
のように組で用いられることが多いので、相関代名詞と呼ばれる
(相関詞は元々このタイプを指す用語)。
これらの代名詞には副詞化接尾辞 -e を付けられる。
kual/e? どんな?
kuant/e? どんなくらいに?
tal/e そのように
tant/e それほどに
VI. 動詞
36. Idiom neutral の動詞に不規則変化はない。時制は、現在、過去未完了 (未完了の過去 (~していた、とか、~するのが常だった、など、過去の時点で継続中の動作や過去の習慣的行為を示す)。完了との使い分けは国際的に普遍とはいえないので、ほかの言語の過去時制 (完了したかどうかを明示しない過去) に相当するものとみなしてもよいと思う)、未来、完了、過去完了、未来完了の 6 つである。
37. 現在能動は、動詞の語根で示し、主語に続くことで現在能動動詞であると見なされる。mi am 私は愛する、infant dorm 子どもは寝ている (その動作に対応する名詞がこの現在形と同形のものもあれば、そうでないものもある。後者でほかに同形の品詞の語がない場合は、前に主語を持たない現在形は完全なエラーになる)。
性、人称、単複による動詞変化はない。
- 過去未完了は、語根に接尾辞 -av を付けて示す。
mi am/av 私は愛し (てい) た
また、未来は接尾辞 -ero で示す (未来時制がある言語ではふつう、この時制は未来にほぼ確実におこることを示す。すなわち、未来時制を持たない言語における未来表現、未来に関する推測や意志、とは異なることに注意されたい)。
mi am/ero 私は (必ずや) 愛するだろう
- ほかの時制は、av/ar 持っている、es/ar 〜である、を助動詞としてそれらの方を以上のように変化させつつ示す (合成時制)。
mi av 私は持っている
mi es 私はある
mi av/av 私は持っていた
mi es/av 私はあった
mi av/ero 私は持つだろう
mi es/ero 私はあるだろう
受動分詞は -ed で終わり、合成時制を示すのに利用される (もちろん、形容詞としても使われる)。
am/ed 愛された
av/ed 持たれた
es/ed あらしめられた
- 完了、過去完了、未来完了の能動は、助動詞 av/ar に受動分詞を続けて示す。
(a) 完了: av/ar の現在 + 受動分詞。mi av am/ed
私は愛してしまっている
(b) 過去完了: av/ar の過去未完了 + 受動分詞。mi av/av
am/ed 私は愛してまっていた
(c) 未来完了: av/ar の未来 + 受動分詞。mi av/ero am/ed
私は愛してしまっているだろう
- 現在仮定は、語根に接尾辞 -erio を付けて示す。
mi am/erio 私は愛していただろう
- 過去仮定は、助動詞 av/ar の現在仮定に受動分詞を続けて示す。
mi av/erio am/ed 私は愛してしまっていただろう
- 条件法は、上の仮定法と同形で、接続詞 if が導く従属節として示されることで非現実の条件を表す。mi akuirerio dom, if mi es/erio rik もし (if) 私が金持ち (rik) だったら (es/erio) 家を買えたのに (akuir/erio)。
注: 文接続詞 ke が導く従属節には、条件法ではなく直説法 (ふつうの時制) を用いる (欧米語の多くでは、そのような場合条件法の形を用いるものが少なくないことから)。on dik, ke il es malad 彼 (il) は病気 (malad) だと人 (on) は言う (dik/ar)。なお、文接続詞 ke は省略できない。
- 命令法は、動詞の語根に以下の接尾辞を付けて示す (二人称の単複別形や三人称の従属節化は、欧米語の多くでそうだからであり、それ以外の他意はない)。
(a) 二人称単数への命令: -a。am/a! (あなたは) 愛せよ!
(b) 二人称複数への命令: -ate。am/ate! (あなたたちは) 愛せよ!
(c) 一人称複数への命令: -am。am/am! 愛そう!
三人称への命令は、文接続詞 ke 内の現在形で示す。[mi komand, mi demand, mi desir] ke il (il/i) am! 彼 (ら) に愛させよ! (komand/ar 命じる、demand/ar 要請する、desir/ar 希求する・欲する) ke nostr patria viv! 祖国 (patr/ia) よ永遠なれ! (viv/ar 生きる)
-
不定詞は接尾辞 -ar で示す (ほかの品詞で ar で終わる語も少なくない)。
am/ar 愛する (こと) -
ふつう必要ないが、過去不定詞は、接尾辞 -avar か、助動詞 av/ar の不定詞に受動分詞を続けて示せる。am/avar または av/ar am/ed 愛した (こと)。未来不定詞も、なおさらに使うことはないが、接尾辞 -erar で示せる。am/erar 愛するだろう (こと)。
-
能動分詞は接尾辞 -ant で示す (形容詞化)。
am/ant 愛している (何か) -
過去分詞は、接尾辞 -avant か、助動詞 av/ar の能動分詞に受動分詞を続けて示せる (形容詞化)。
am/avant または av/ant am/ed 愛していた (何か)
未来分詞は、接尾辞 -erant で示せる (形容詞化)。
am/erant 愛しているだろう (何か)
-
分詞副詞は、分詞に副詞化接尾辞 -e を付けて示す。
am/ante 愛しながら、rid/ante 笑いながら。 -
直説法、仮定法、命令法、不定詞の受動 (態) は、助動詞 es/ar の能動に受動分詞を続けて示す。
直説法受動
現在: mi es am/ed 私は愛されている
過去未完了: mi esav am/ed 私は愛されていた
未来: mi esero am/ed 私は愛されるだろう
完了: mi av esed am/ed 私は愛されてしまっている
過去完了: mi avav esed am/ed
私は愛されてしまっていた
未来完了: mi avero esed am/ed
私は愛されてしまっているだろう
仮定法受動
現在: mi eserio am/ed 私は愛されていただろう
完了: mi averio esed am/ed
私は愛されてしまっていただろう
命令法受動
二人称単数: esa am/ed! (あなたは) 愛されよ!
二人称複数: esate am/ed! (あなたたちは) 愛されよ!
一人称複数: esam am/ed! 愛されよう!
不定詞受動
esar am/ed 愛される (こと)
- 受動分詞は、既に紹介したように、語根に接尾辞 -ed を付けて示す。am/ed 愛された (何か)
同様に、過去受動分詞は接尾辞 -aved、未来受動分詞は接尾辞 -ered で示す。am/aved 愛されていた (何か)、am/ered 愛されるだろう (何か)。
-
動名詞は接尾辞 -and で示す。am/and 愛すること。
-
以下の一覧は、動詞 am/ar 愛する、を例に、その動詞変化を示すものである。
(a) 直説法
現在: 能動 mi am、受動 mi es am/ed
過去未完了: 能動 mi am/av、受動 mi es/av am/ed
未来: 能動 mi am/ero、受動 mi es/ero am/ed
完了: 能動 mi av am/ed、受動 mi av es/ed am/ed
過去完了: 能動 mi av/av am/ed、受動 mi av/av es/ed
am/ed
未来完了: 能動 mi av/ero am/ed、受動 mi av/ero es/ed
am/ed
(b) 仮定法
現在: 能動 mi am/erio、受動 mi es/erio am/ed
完了: 能動 mi av/erio am/ed、受動 mi av/erio es/ed
am/ed
(c) 命令法
二人称単数: 能動 am/a! 受動 es/a am/ed!
二人称複数: 能動 am/ate! 受動 es/ate am/ed!
一人称複数: 能動 am/am! 受動 es/am am/ed!
(d) 不定詞
能動 am/ar、受動 es/ar am/ed
(e) 分詞
能動 am/ant、受動 am/ed
(f) 動名詞
am/and
すべての動詞は例外なく上と同じ変化をし、また上の代名詞 mi を別のものに替えても何の影響もない。mi skrib 私は書く、vo audi/av あなたは聞いた、il av ole/ed 彼は油をさしてしまっている、voi av/av volu/ed あなたたちは祈願してしまっていた、noi and/ero 私たちは行くだろう、it av/ero es/ed aksentu/ed それは強調されてしまっているだろう、pay/a! 払え! など。
-
無主語動詞では、代名詞 it を形式主語にする。it pluvi 雨が降る (pluvi/ar 雨が降る)。
-
再帰動詞は、次の規則に従って変化する。
(a) 直説法、仮定法、命令法の一人称と二人称では、主語の人称代名詞 [mi, vo, noi, voi] をそのまま動詞の後ろでも用いる。
mi lav mi 私は自分を洗う
vo lav vo あなたはあなた自身を洗う
noi lav noi 私たちは私たち自身を洗う
mi e mie fratr vis noi in miror 私と私の兄弟は鏡 (miror)
の中に私たち自身を見る (vis/ar)
mi lav/erio mi 私は自分を洗っていただろう
lav/a vo! あなた自身を洗え!
lav/ate voi! あなたたち自身を洗え!
lav/am noi! 私たち自身を洗おう!
(b) それ以外の場合は、動詞の後ろでは se を用いる。
il lav se 彼は彼自身を洗う
femin/i lav se 女たちは彼女ら自身を洗う
lav/ar se 自身を洗う (こと)
lav/ant se 自身を洗うこと
-
相互作用は、代名詞 unotr (un/otr。英語の one another から) か副詞 resiproke (resiprok 相互の) で示す。noi vis unotr in miror または noi vis noi resiproke in miror 私たちは鏡の中に互いを見る、patr e filio am unotr または patr e filio am se resiproke 父と息子は互いを愛しあう。
-
質問文は、直接であれ間接であれ、疑問詞がない場合は接続詞 eske で文を始めることで示す (「はい (si)/いいえ (no)」のいずれかを求める質問文)。
Eske vo volu skribar? あなたは書きたいか? (volu/ar 意志する、skrib/ar 書く)
Mi no konos, eske it plis a vo それをあなたが喜ぶかどうか私は知らない (no ~でない、konos/ar 知っている、plis/ar 喜びである)
疑問詞がある場合は、eske でなく、その疑問詞 (句)
で文を始めることで質問文であることを示す。
Ki parl? 誰が話すのか?
Libr de ki es su tabl? 誰の本がテーブルの上にあるのか?
A ki vo donav flori? 誰にあなたは花を与えたのか?
Ki patr puni? 誰を父は罰するのか?
(動詞の直前の名詞的語が主格になるので、それより前にある名詞的語は対格になる)
Ko ki vo esav in teatr? 誰とあなたは劇場にいたのか?
Kuant arbori es in votr hort?
何本の木があなたの庭にあるのか?
Kuant paroli vo av skribed? 何語あなたは書き終えたか?
VII. 副詞
58. 副詞には、本来副詞と派生副詞がある。
- 以下のものが本来副詞である。
a (数詞の前) 〜ずつ
ankor まだ
bene 申し分なく
denove 再び
ergo ゆえに
gratis 無料で
ipse 〜でさえ
kuasi ほとんど
la そこで、そこへ
leplu 最も
minu より小さい程度で
no いいえ、〜でない
plu もっと
respektive それぞれで
retro 後ろへ
si はい
sirka まわりに、おおよそ
tro 〜過ぎ (過剰)
ya すでに
- これら以外の副詞はすべて派生副詞で、ほかの品詞の語根に接尾辞 -e を追加したものである。
dom/e 家で
fakt/e 実際に
fini/e ついに
frekuent/e しばしば
interior/e 中に
kontinu/e ずっと
lent/e ゆっくり
mult/e たくさん、とても
nokt/e 夜ごとに
nord/e 北で、北に
obstin/e 〜にもかかわらず
ped/e 足で、徒歩で
pen/e ほとんど〜でない
posibl/e たぶん
probabl/e おそらく
rar/e まれに
sert/e 確かに
setr/e さらに
si/kaus/e その理由により
sol/e 〜だけ
sue-temp/e そのうちに、時が来れば
sufis/e 充分に
tal/e そのように
total/e すっかり
ulterior/e もっと遠くに
注: -foa による副詞については、数詞の項を参照のこと。
- 以下のものは疑問副詞である。
ke/frekuent/e? どれほど頻繁に?
ke/kaus/e? なぜ?
kel/foa? 何回目?
ke/lok/e? または ke/plas/e? どこ? (lok 場所。plas
地点、(将棋盤などの) マス目)
ke/manier/e? どんな方法で?
kual/e? どんな?
kuande? いつ? (kuande は、これで 1 つの語根)
kuant/e? どんなくらいに?
kuant/foa? 何回?
疑問副詞は、関係詞として用いることもできる。
- 接頭辞 si- (今ここの) と pre- (前の)、前置詞 po (~の後で)、副詞 plu を、diurn 日、と組み合わせてある日を中心とする前後の日を表現できる。
si/diurn/e 今日
pre-si/diurn/e 昨日
po/si/diurn/e 明日
plu/pre-si/diurn/e おととい
plu-po/si/diurn/e あさって
同様に、hor 一時間、seman 週、mens 一ヶ月、anu 年などから時を表す副詞を派生できる。si/hor/e この時刻に、presi/mens/e 昨月、plu-po/si/anu/e 明後年、si/moment/e この瞬間に。
-
副詞の比較は、副詞 plu に続けて比較級、leplu に続けて最上級を表す。
tard/e 遅くに、plu tard/e もっと遅くに、leplu tard/e 最も遅くに。 -
動詞を修飾する副詞は常に、その動詞に後続する。skrib/ar korekt/e 正しく書く、mi skrib korekt/e 私は正しく書く。ただし、副詞 no は例外として、常にそれが否定する動詞の前に置く。mi no skrib 私は書かない。動詞以外の品詞を修飾する場合は、副詞はその語に先行する。multe grand とても大きい、no ankor 「まだ」ではなく、yuste ist まさしくこれ。
注: 時、場所、理由を表す補語は、意味的に重要なら動詞の前に置いてよい。nokuande mi skribav tale けっして私はそう書かなかった、in ist dom Emerson moriav この家の中でエマーソンは死んだ、kausu pluvi noi restero dome 雨なので私たちは家にいるだろう (-u は前置詞化接尾辞)。
VIII. 前置詞
65. 以下が本来前置詞である。
a 〜へ、(不定詞の前) 〜するために
ad 〜の場所で
ante 〜の前に (時間的先行も場所的面前もこれで表す)
da 〜から、〜以来
de 〜の
di 〜について
eks 〜から外へ
ekstr 〜に加えてさらに
in 〜の中で、〜の中へ
intr 〜の間に
ko 〜とともに
kontr 〜に対して、〜に面して
per 〜を抜けて、〜を過ぎて
po 〜の後ろに、〜の後に
pro 〜を目的として
sine 〜なしで
sirka 〜のまわりに、〜頃に
su 〜の面上に
sub 〜の下に
trans 〜を越えたその上に、〜を横切って
ultra 〜の向こう側に
usk 〜まで
versu 〜へ向かって
via 〜を経由して
- これら以外の前置詞は派生前置詞で、ほかの品詞の語根に接尾辞 -u を追加するか、熟語的組み合わせで表す。以下がその主要なものである。
a kont de 〜のつけで (kont 口座・集計)
dekstr/e de 〜の右に
dors/u 〜の背後に
dur/antu 〜の間ずっと (dur/ar 持続する)
eksept/u 〜を除いて
eksterior/e de 〜の外側で
favor/u 〜に味方して
in dom de 〜の家で
inferior/e de 〜の下に
in honor de 〜に敬意を表して
in manier de 〜を見習って、〜を模倣して
in medi/ad de 〜の最中に (medi 媒介・仲介、-ad
汎用名詞化接尾辞、medi/ad 中間)
in nom de 〜の名義で (nom 名前)
in sentr de 〜の中心で
in sosietet de 〜に伴なって (sosietet 社会・人の集まり。sosietet
はこれで 1 つの語根)
in temp de 〜の時に
interior/e de 〜の内側で
kaus/u 〜の理由で
konsider/antu 〜を考慮して
ko permit/asion de 〜の許しを得て
ko sukurs de 〜の助けを借りて
long/u 〜の沿って (long 長い)
mank/u 〜不足のために
medi/u 〜を手段/媒介として
neglig/antu 〜にかまわず (neglig/ar 無視する)
obstin/u 〜にもかかわらず (obstin/ar 頑固である)
okasion/u 〜の機会に
plas/u または in plas de 〜の代わりに
present/u 〜の面前で
profit/u 〜の利益のために
proksim/u 〜の近くに
relativ/u 〜に関連して、~に比例して
seku/antu 〜に従って
seku/antu komand de 〜の指図で
sinistr/e de 〜の左に
siterior/e de 〜のこちら側に
superior/e de 〜の上方に
ulterior/e de 〜のあちら側に
visin/u 〜の近くに (visin 近所の)
前置詞は常に、後続する主格の名詞をその補語とする。
favor/u mie fratr 私の兄弟に味方して
ad mur 壁のところで
pro mi 私のために
kaus/u pluvi 雨なので
IX. 接続詞
67. 以下が、本来接続詞である。
e そして
e A e B A と B ともに
eske 正否疑問文頭語、~かどうか
et そのうえ
if もしも
if et もし〜でも
ka 〜と比べて (比較表現における比較対象を示す)
ke 文接続詞 (文を語に接続)
ma しかし
ni A ni B A でも B でもない
u または
u A u B A でも B でも
68. これら以外の接続詞は派生接続詞で、熟語的組み合わせで表す。また、副詞にもそのままで接続詞に転用できるものがある。以下がそれらの主要なものである。
a fini ke 〜するために (fini
終わり。最後が~となるように、ということ)
ante ke 〜する前に
da temp ke 〜して以来
dur/ante ke 〜している間
eksept/e ke 〜しない限り
in kual/itet de 〜として (-itet 形容詞を性質名詞 (~性、~さ)
化する接尾辞)
kaus/e 〜だから
kual/e if まるで〜するように
kuande 〜しているとき
neglig/ante ke 〜であるけれども
ne/mediat/e po ke 〜するやいなや (mediat 間接の、仲介の)
no sol/e A ma et A だけでなく
obstin/e ke 〜であるにもかかわらず
omni/foa ke 〜するときはいつも
omni-lok/e ke どこで〜しても
plas/e ke 〜する代わりに
po ke 〜の後で
sine ke 〜することなく
supos/ante ke もし〜であるなら (supos/ar 仮定する)
tal/e ke 〜するならば
tal/e long/e ke 〜もの間
usk ke 〜するまで
X. 間投詞
69. 以下が、本来間投詞である。
a! あっ!
apo! あっちへ行け!
ekse! 見ろ!
fi! ちっ! (不快、嫌悪)
o! おおっ!
stop! 止まれ!
ve! うわぁん!
- これら以外の間投詞は派生間投詞である。以下が主要なものである。
a re/vis/ad! また今度!
audi/a! もしもし! (直訳は「聞け!」)
brav/e! やったね! (brav 勇敢な。bravo からの転用なので、これを brav
の派生とするのは欧米的偏りであろう)
damn/os! かわいそうに! (damn 傷害、損害)
hast/e! 急げ!
o Deo! 頼むから!
parat! 用意!
pardon! すみません!
regret/e! 残念!
silensi! 静かに!
sukurs! 助けて!
ve a mi! (さもなくば) 我に災いあれ! (絶対にそれをする、という誓い)
XI. 造語
71. 語には、tabl のような本来語 (語根のこと)、ne/mult や drog/ist のような派生語 (語根に接辞を付けて作る語)、grand-patr のような合成語 (語根同士を組み合わせて作る語)、の三種がある。
(a) 語根
-
公式辞書の語根は、欧州の印欧系諸語から取っている。普遍言語国際学会 (Akademi Internasional de Lingu Universal。Idiom Neutral の制定と管理を行なっていた学会。その役割においては、1908 年に事実上消滅) は、語根の選定にあたり、次のような規則を定めた。"欧州における主導的言語のほとんどに本来語または借用語として既に存在するものを、国際語に最適な語根とする"。主導的言語と見なされたのは、次の 7 つの言語である。英語 (略語 e、以下同様)、フランス語 (f)、ドイツ語 (d)、スペイン語 (s)、イタリア語 (i)、ロシア語 (r)、ラテン語 (l)。これらすべてに共通する語において、実用上意味があるものは採用した。apetit [e f d s i r l]、食欲、diametr [e f d s i r l] 直径、eksamin/ar [e f d s i r l] 検査する、tri [e f d s i r l] 3、など。実際に学会が作業を始めてみると、これらの言語に共通する語は予想されていたよりはるかに多いことが分かった。実際、最終的に採用された語根のほとんどは、これらの言語の少なくとも 4 つで共通するものである。ただし、例外的に、それ以下でも採用した語根もある。trotoar [f d r] 歩道、urs [f i l] クマ、tint [d s] インク、など。国際的語彙が存在しない概念については、自然言語由来の語根を用いての派生語や合成語 (後述) をあてることとした。ne/mult わずかな、kanal/ei どぶ、san/eskar 回復する、bel-fili/o 婿養子、など。
-
単純で習得しやすい綴りを達成するために、発音を以下の改変を経た綴りに合わせた。
73-1. 自然言語の qu は ku と綴る。kuadrat 正方形。
73-2. 子音および a o u の前の c は、一般的な発音に従い k と綴る。kart カード、klas クラス、kolor 色、kub 立方体。同じ理由で、e か i の前にあるものは s と綴る。selebr 著名な、sipres イトスギ。
73-3. -tion における t は、発音に従う限りにおいて s で綴る。nasion (民族) 国家。
73-4. 英語、フランス語、ドイツ語において語末部分のみ異なる語、例えば、Anker d、anchor e、ancre f、Meter d、meter e、mètre f、Bibel d、Bible e f、のような語については、ankr、metr、bibl のように、子音の共通性から母音を抜いて子音を連続させる形にする。なぜなら、例えば発音しやすさの観点から e を末尾子音前に挿入すると、bibél のような不自然なアクセントになるか、あるいはアクセント規則の単純さを放棄することになるし、かと言って語末に不必要に母音を足しても語形変化の障害になるだけだからである。
73-5. 自然言語の z は s と綴る (z は自然言語間で発音の相違が大きい文字であるためと思われる)。basar バザール。
73-6. 自然言語の ph は f と綴る。fosfor リン。
73-7. 自然言語の x は ks と綴る。eksamin/ar 検査する。
73-8. 同じ意味で微妙に異なる語形が複数ある場合、例えば、vid と vis、redig と redakt、kresk や krev と kret、kolig と kolekt、のような場合は、より一般に知られているか、またはより都合がよい方を採用した。vis/ar 見る、redakt/ar 編集する、kresk/ar 成長する、kolekt/ar 収集する。
73-9. 語形が同じなのに意味が異なる語根同士は、本質的な品詞も異なる場合のみ両方とも採用する。dur 固い、dur/ar 続く、libr 本、 libr 自由な、nov 新たな、nov 9。
73-10. ラテン語の ae と oe は e と綴る。diet 規定食/定例議会 (日ごとの糧、日ごとの会合、から。日本の国会もこの語で表す)、homeopati ホメオパシー (微毒により毒への抵抗力を発揮させる民間療法)。
73-11. ギリシア語の ch は k と綴る。kerub ケルビム、Krist キリスト。
73-12. 自然言語における二重子音 (同じ子音の連続) は、単一子音にする。aprend/ar 習う、er/ar 選び間違う、supos/ar 仮定する。そもそも、二重子音は実用的意味のない歴史的遺物であり、しかも言語によって、例えば adresse f d、address e のように引き継ぎ方も異なる。
73-13. ラテン語の j は y と綴る。yug くびき、obyekt 対象/目的語/オブジェクト、mayestet 王者の威厳。
73-14. フランス語起源の語の j と、e または i の前の g はともに j と綴る。これらは起源的に、ヂュ ではなく ジュ と発音される傾向が強くなるだろう。jalus 妬ましい、kurtaj 仲介業。
73-15. シュ音は sh と綴る。shalup スループ (帆船の一種。英語ではスループだが、フランス語、ロシア語などではシュループと呼ぶ)、sharm 魅力 (こちらも同じく、charm(e) をシャルメと読む国が多い)。
73-16. 語末の -ion と -ier における i は残す。nasion (民族) 国家、kavalier 騎士。
73-17. フランス語 (起源) の ll (リュのような変化音) と gn (鼻に抜けるン) は、それぞれ単独の l および n に i を続けて綴る。biliet 手紙/ノート、viniet 唐草模様 (現在では特に、本の表紙や各章冒頭などに用いられるそんな風な模様を指す)。
73-18. 次のものは用いない。(a) 例えばフランス語などにおける尻尾付き (セディーユ) c (ç) のような、特殊符号で表す子音、(b) ᵷ (turned g) のように類似音の代字としてのみ用いられる逆字 (でのみ表せるような子音、という意味か)。
以上の規則を基本的な手引きとしたが、学会はこれらの貫徹にこだわったわけではなく、各語根について語形と意味とを吟味して検討した。
74. 後述する派生語および合成語の作成規則にどうやっても当てはまらないものは、自然言語においては派生語であっても、Neutral 言語においては語根と見なす。dialekt 方言、doktor 博士、eksempl 例、optimist 楽天家、original 本来の/独創的な、perpendikular 垂直の。
-
語根は常に無変化とする。派生語における接辞や合成語におけるもう 1 つの語根は、単純に元の語根に足されるだけである。
-
語根は、その本性に従いいずれかの品詞であると見なされる。tabl テーブル、grand 大きな、tri 3、mie 私の、am 愛する、ergo それゆえ、de 〜の、if もしも、fi ちっ。
-
語根は 1 音節から 4 音節 (まれに 5 音節) までの長さとする。verb 動詞、tortur 拷問、mineral 鉱物、temperatur 温度、perpendikular 垂直の。
-
語根は母音で始まってもよい。adres 住所、am/ar 愛する。また、母音で終わってもよい。akua 水、lingu 言語、kontinu/ar 続く、pronunsi/ar 発音する、flu/ar 流れる、vaku 空っぽの。
-
英語、フランス語、ドイツ語にその綴りが存在するなら、4 つまで子音が連続してよい。katastrof 大惨事/大災害、magistrat 行政職、monstr/ar 示す、obskur 不明瞭な/薄暗い、splend/ar 輝く。
(b) 派生語
派生語は、語根に接頭辞や接尾辞を付けて作る。
- 接頭辞
80-1. anti- 前置詞 kontr 〜に対して、と同じ意味。anti/alkohol/ik 反アルコールの、anti/pap 対立教皇。
80-2. arki- 上位。arki/angel 大天使、arki/episkop 大司教/大主教。
80-3. auto- 自身による、自動。auto/biografi 自伝。
80-4. dis- 分離、分割、切断。dis/frang/ar 粉々にする、dis/kup/ar 切り分ける。
80-5. ekui- 等しさ。ekui/krur/ik 二等辺の、ekui/val/ar 同等の。
80-6. elektro- 電気。elektro/teknik 電気工学。
80-7. foto- 光。foto/graf/ar 写真を撮る。
80-8. gala- 荘厳、壮麗。gala/diné 公式晩餐会、gala/vest 晴れ着。
80-9. hidro- 水。hidro/dens 防水の。
80-10. homo- 比例、つり合い。homo/ton 協和音/子韻/共鳴。
80-11. kali- 美。kali/graf 書家。
80-12. ke- 疑問。ke/loke? どこ? ke/kause? なぜ?
80-13. krono- 時。krono/metr クロノメーター (高精度時計)。
80-14. ksilo- 木。ksilo/graf 木版画家。
80-15. kubik- 立方。kubik/radik 立方根。
80-16. mikro- 小。mikro/kap/ik 小頭 (症)、mikro/metr マイクロメーター (精密測定機)。
80-17. mis- 不良、失敗。mis/kredit 不信任、mis/komprend/ar 誤解する。
80-18. ne- 正反対。ne/amik 敵、ne/mult わずかな、ne/fasil 難しい。
80-19. neo- 新。neo/pers/ia/n サーサーン朝ペルシア人の (新ペルシアという呼称は現在ではほとんど使われていない)。
80-20. no- 無。no/kuande いつでも〜でない、no/lok/e どこも〜でない、no/kos 何も〜でない。
80-21. para- それに対しての保護。para/pluvi 雨傘、para/sol 日傘。
80-22. pleni- 十全。pleni/lun 満月、pleni/potent 全権使節。
80-23. poli- 多。poli/angul 多角形、poli/teknik/al 工芸教育の。
80-24. pre- 前。pre/lud 前触れ/前口上/前奏曲、pre/skrib/ar 処方する。
80-25. proto- 始源。proto/forest 原生林、proto/tip 原型。
80-26. pseudo- 偽。pseudo/nom 偽名/ペンネーム。
80-27. re- 反復、戻り。re/don/ar 返す。
80-28. semi- 半。semi/lun 半月、semi/fili/o 継息子。
80-29. si- 今ここ。si/temp/e 今、si/lok/e ここ、si/diurn/e 今日。
80-30. te- 接頭辞 ke- による疑問詞の相関語となる指示語を作る。te/lok/e そこ、te/kaus/e そんなわけで。
80-31. termo- 熱。termo/metr 温度計/体温計。
80-32. ultra- 超〜。ultra/violet 紫外線の。
80-33. vise- 副〜、〜代理、次〜。vise/direktor 次長 (など、英語の director が指す役職の次・副または代理)。
意味が許す限りにおいて、以上の接頭辞はどの語根にも使える。
81. 接尾辞
各品詞の項で紹介したもののほかに、Neutral 言語には以下の接尾辞がある。
-ad 汎用名詞化。行為の結果を指す名詞もこれで作れる。bene-fasi/ad 利益 (fasi/ar する・作る)、ed/ad 食べ物、font/ad 泉、garant/ad 保証 (するもの)、intr/ad 入口、kampestr/ad 田舎、kandel/ad ろうそく立て、kavalk/ad (騎馬の) パレード、konos/ad 知識、limon/ad レモネード、medi/ad 中間、merkant/ad 製品、pikt/ad 絵画、plat/ad 皿、prefer/ad 好み、promen/ad 散歩道、skrib/ad 書き物/論文/小論、gani/ad 稼ぎ、kapt/ad 捕獲/戦利品、pens/ad 思考、rost/ad 焼き肉。
-aj 物の集まり。foli/aj 全葉、lin/aj (洗濯物としての) 下着類、mont/aj 山脈、ekip/aj 一式 (馬車と供ぞろえ、装備一式など)、plum/aj 全羽毛。
-asion 動詞語根からその行為を意味する名詞を作る。deklin/asion 傾斜/語形変化、prepar/asion 準備/調合。
-ativ 動詞語根からその能力を意味する形容詞を作る。purg/ativ 浄化能力を持つ。
-ator 動詞語根からその行為をする人または物を意味する名詞を作る。or/ator 演説家、salv/ator 救済者、ventil/ator 換気装置、numr/ator 計算者/計算機/分数の分子 (全体のいくつ分かを告げることから)。
-el 人の集まり。parent/el 全親族、klient/el 全顧客。
-er 動詞以外の語根からそれに関する人または物を意味する名詞を作る。接尾辞 -ist では不適切な場合に用いる。aksion/er 株主、milion/er 百万長者、senat/er 上院議員/元老院議員/評議員 (日本の参議院議員は konsilier)、tabl/er 家具職人、pins/er 眼鏡 (鼻を挟むことから。ただし、英語的にも古風な言い方と思われ、現代では洗濯ばさみの方が適切か)。
-eri 場所。tan/eri なめし革工場、api/eri ミツバチの巣箱、restaur/eri 料理店 (直訳だと休憩所)、kaf/eri カフェ、bir/eri ビヤハウス/ビヤガーデン。
-esk[ar] 〜になる。verd/eskar 緑になる、putr/eskar 腐る、palid/eskar 蒼白になる、san/eskar 回復する。
-graf その方式に従って図面や書き物を作成する人。foto/graf 写真家。
-ia 国。Espan/ia スペイン、Rus/ia ロシア、Ital/ia イタリア、patr/ia 祖国。
-ifik[ar] 〜ならしめる。grand/ifikar 大きくする、fals/ifikar 偽造する、simpl/ifikar 単純化する。
-ism 宗教または主義。protestant/ism プロテスタント、real/ism リアリズム、kosmopolit/ism 世界主義/コスモポリタニズム、partikular/ism 排他主義。
-ist 動詞以外の語根からそれに従事する人を意味する名詞を作る。velosiped/ist ベロシペード騎手 (ベロシペードは、まだペダルのない自転車の祖型)、drog/ist 薬屋、telegraf/ist 電信士。
-itet 形容詞からその性質を意味する名詞を作る。egual/itet 等しさ、amabl/itet 感じのよさ、kual/itet 性質、rar/itet 希少性、total/itet 全体性。
-metr 計測者または計測機器。termo/metr 温度計/体温計、hor/metr 時計。
-on 大型のものを意味する名詞を作る。rastr/on まぐわ (馬やトラクターで引く巨大な熊手の農具)。
-or 動詞からその行為をする人または物の状態や感情を意味する名詞を作る。am/or 愛、ard/or 情熱、er/or 過ち/エラー。
これらの接尾辞を使って、以上の説明に沿う限りにおいて、誰でも自由に造語してよい。ただし、接尾辞 -ad に限っては、その曖昧さのゆえに、普遍言語国際学会のみが使えるものとする (上述したように普遍言語国際学会はとっくの昔に消滅しているので、-ad の乱用は避けよ、という意味に取ればよいと思う)。
(c) 合成語
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合成語は 2 つの語根を組み合わせたもので、意味が許す限りにおいて、基数 (後述) 以外のどの品詞の語でも使用でき、そのままあるいは (より稀だが) ハイフンで単純につなげるだけでよい。より概念的な (すなわち修飾的な) 語がそうでないものに先行する。post-mark 切手、grand-patr 祖父、dupl-akuil 双頭の鷲紋章 (を持つ物)/(ゴルフの) アルバトロス (別名のダブルイーグルから)、omnipotent 全能の、benefasi/ar 利益になる、eks-pos/ar さらす/展示する。
基数については、次のような特別な接頭辞で代用する。1 mono-、2 bi-、3 tri-、4 kuadri-、5 penta-、6 heksa-、7 hepta-、8 okto-、9 nona-、10 deka-、100 hekto-、1000 kilo-。mono/okul/ik 片目の、bi/kaval/ik 二頭立ての、penta/angul 五角形。 -
注: 汎用の接辞のほとんどは自然言語から取られたので、それによる造語のほとんども、自然言語における語形類似語と同じ意味になると考えてよい。pre/skrib/ar、proto/tip、kavalk/ad、deklin/asion、ventil/ator、milion/er、patr/ia、fals/ifikar、real/ism、drog/ist、kual/itet などは自然言語的造語だが、そのままで国際的語彙としても通るものである。とは言え、規則的造語の語形が自然言語系の国際的語彙と類似しない場合も少なくはない (以下、-- の前がより国際的語彙に近い語形で、-- の後ろが規則的造語による語形)。visibl -- vis/abl 見れる、egualis/ar -- egual/ifikar 等しくする、anual -- anu/ik 年ごとの、infeksion -- infekt/asion 伝染。その場合、国際的語彙の方も (Idiom neutral 式綴りで)、同じ意味の規則的造語に続くかっこに入れる形で辞書に取り込んである。用いる際には、どちらの語形でもかまわない (国際的語彙の方を好む人は、そもそもこの言語ではなくより自然言語的な人工語を好むはずなので、そうした人工言語が多々ある現在においてあえてこの言語を使うからには、規則的造語の方がより望ましいと思われる)。