トイレの花子様 28 貴腐人vs機関のメイド
彼女に話しかける機会をうかがう。
なにせ彼女は私にとって憧れの作家であり、またライバルだ。
まあ、一方的に私がそう思っているだけではあるが、声をかけてみたい。
そう思っていると、トイレにでも行くのか、彼女はホールから出る。
なにせ彼女は私にとって憧れの作家であり、またライバルだ。
まあ、一方的に私がそう思っているだけではあるが、声をかけてみたい。
そう思っていると、トイレにでも行くのか、彼女はホールから出る。
メ「今です。」
すかさず後をつける。そして後は適当なタイミングで声をかければ良い。
絶妙な距離を保って尾行をしていると、やはり彼女はトイレに向かった。
だが、トイレの入り口で立ち止まってしまった。
絶妙な距離を保って尾行をしていると、やはり彼女はトイレに向かった。
だが、トイレの入り口で立ち止まってしまった。
貴「いつまでコソコソしてるのよぉ?用があるなら出てらっしゃい。」
メ「バレていましたか。気配と足音は完全に消していたハズなのですが。」
貴「たしかに完璧な尾行だったわぁ。でも分かっちゃうのよぉ?
貴女から漂う『腐臭』でねぇ。」
貴女から漂う『腐臭』でねぇ。」
メ「流石は『危険指定』の名プロ同人作家『壁掛けセーラー服』ですね。」
『腐臭』。これは別に私が臭いとかそういう侮辱の言葉では無いと直感できた。
貴「よく分かったわねぇ。まさかこんな処で私の真の姿を知る者に出会うなんて…。
私も将門様の居る所だから、完璧に隠しているつもりなんだけど、なんで分かったのぉ?」
私も将門様の居る所だから、完璧に隠しているつもりなんだけど、なんで分かったのぉ?」
メ「手の動きです。先ほど、貴女がお酒を注ぐ動きを見させて頂いていました。
その感じから貴女の絵柄が…、貴女が『壁掛けセーラー服』だと分かりました。」
その感じから貴女の絵柄が…、貴女が『壁掛けセーラー服』だと分かりました。」
貴「ふ~ん、貴女、やっぱりタダの腐女子じゃないわねぇ。何者?」
メ「『腐ぅー腐ぁいたー』と言えば、通じるでしょうか?」
貴「まさか…あの多彩な絵柄とネタ、絶対に破綻しない作画に物理法則無視の筆速と言われるあの?」
メ「ご存知でしたか。貴女に知って頂いてるとは光栄です。
私は貴女の作品は腐に落ちた時から愛読させていただいております。」
私は貴女の作品は腐に落ちた時から愛読させていただいております。」
貴「で、そんな『腐ぅー腐ぁいたー』サマが何の用なのぉ?」
メ「貴女と勝負をしたいと思いまして。」
貴「なにで勝負するのよぉ?都市伝説絡みの争いは今日はナシよぉ?」
メ「そんな無粋なことはいたしません。かといって作画対決も決着が着かないでしょう。
そこで、『カップリング対決』をしたいのです。」
そこで、『カップリング対決』をしたいのです。」
貴「カップリング対決ぅ?」
メ「はい。普通は思いつかないようなカップリングを言い合い、相手を参ったと言わせれば勝ちです。
たとえば『天井×床』。いつも向かい合い、見詰め合っていても決して互いに触れ合うことができない…。」
たとえば『天井×床』。いつも向かい合い、見詰め合っていても決して互いに触れ合うことができない…。」
貴「切ないわねぇ…でも『壁』を『天井』と『床』が虐めるという考えもできないかしらぁ?」
かくして、壮絶なバトルは始まった。
貴「ガムテープの表×裏!表はそっけないけど、裏がすっごく粘着質なのよぉ?
いわばヤンホモな弟とノンケな兄。たまらないでしょう?」
いわばヤンホモな弟とノンケな兄。たまらないでしょう?」
メ「く…まいって…ない!まいっていませんよ!!!」
不良教師「へっくし」
骨「あれ?かぜですか?」
不良教師「そうかもな、悪寒がする。」
骨「あれ?かぜですか?」
不良教師「そうかもな、悪寒がする。」
ヤン弟「へっくし」
ヤン弟「う~ん、風邪かな?」
ヤン弟「う~ん、風邪かな?」
(はないちもんめより)
カップリング数が三桁を超えた頃。
戦いは熾烈を極めていた。これが普通の戦闘なら、超極限の殺し合いだろう。
そんな激しいやり取りでも充実感があった。
まるで戦いの中でしか生きられない傭兵がライバルと殺し合う時の充実感のような。
戦いは熾烈を極めていた。これが普通の戦闘なら、超極限の殺し合いだろう。
そんな激しいやり取りでも充実感があった。
まるで戦いの中でしか生きられない傭兵がライバルと殺し合う時の充実感のような。
もう3日徹夜で語ってるような気さえする。(実際は2分未満)
そんな時、2人の眉間をニュータイプのピキュリリリーン的なものが走る。
そんな時、2人の眉間をニュータイプのピキュリリリーン的なものが走る。
メ「これは!?」
貴「最高のネタが『発生』したみたいねぇ!」
メ・貴「「おそらくこんなビジョン!」」
2人がそれぞれ小銭で壁を引っ掻きまくる。
ズガガガガガっと音と埃を立てる壁。
そこには数秒で絵が浮かび上がる。
ズガガガガガっと音と埃を立てる壁。
そこには数秒で絵が浮かび上がる。
メイド服を着た女性(らしい男)と襲いかかる男。やたらイロっぽく生々しく、美しく描かれていた。
それもメイドが描いたのと貴婦人のモノの2つ。
両者の絵は見事に同じものを描いていた。
両者の絵は見事に同じものを描いていた。
メ「流石は壁掛けセーラー服ですね。」
貴「貴女もなかなかよぉ」
2人の戦いは更に加速するのだった。
(女装少年より)
その頃・・・
メ「なにやらステキ電波を受信したので作って見ました。」
いまだカップリング闘争の最中、受信した電波に従って作ったもの。
壁の一部を切り出し、自宅の鍵で削り出されたのは・・・
壁の一部を切り出し、自宅の鍵で削り出されたのは・・・
貴「悔しいけど、貴女っていちいち凄いわぁ。まさかフィギュアも作れるなんてねぇ。」
メ「いま作りましたこの2体のフィギュア・・・。
素人目にはただのかわいいメイドと美少女に見えるでしょうが・・・」
素人目にはただのかわいいメイドと美少女に見えるでしょうが・・・」
貴「分かる、私には分かるわぁ。その2人は男の娘ねぇ(それにしても再現度高いわね。片方は同僚のアイツ、もう片方も会場にいたわよね)」
メ「はい、スカートの中は完全再現です。また完全可動式なので・・・」
貴「あぁんなポーズも、こぉんなポーズも自由自在なのねぇ!?」
メ「さらにオプションで・・・ゴニョゴニョ涙目赤面にできます」
貴「素晴らしいわぁ!!」
貴「じゃあ私も電波をカタチにするわよぉ。」
再度、小銭で壁を引っ掻き何かを描き始めた貴腐人。
描かれたのは、会場にいた美少女(に見える少年)。まさにメイドが作ったフィギュアの片方と同じ人物だ。
その女装少年がエンジェルさんの契約者に抱きつく、いや、絡み付く絵だった。
その場を見たかのような正確な描写、かつ卑猥で美しく、描かれる。
描かれたのは、会場にいた美少女(に見える少年)。まさにメイドが作ったフィギュアの片方と同じ人物だ。
その女装少年がエンジェルさんの契約者に抱きつく、いや、絡み付く絵だった。
その場を見たかのような正確な描写、かつ卑猥で美しく、描かれる。
メ「貴女も、素晴らしいです・・・!!」
トイレに向かう通路、チャラ男メイドと女装少年の卑猥な大きい壁画が刻まれた。
おわり