「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある組織の構成員の憂鬱-42a

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
「はい…………あぁ、やはりそうでしたか……いえ、あなたの責任ではありません」

 …Tさんから、提案された物の
 嫌な予感は、していたのだ
 それが、当たってしまった

「…どうだったんだ?」

 パワーストーン契約者への電話を終えた黒服に、日焼けマシンの契約者は声をかける
 黒服はそれに対して、困ったように応えた

「…解毒作用のあるパワーストーンが、軒並みないそうです。どれもこれも品薄で、入手もしばらく先になりそうだとか…」
「それはまた、タイミングが悪いな」

 赤マントが苦笑する
 …まったくもって、その通りだ
 タイミングが悪すぎる

「一応、後ほどゴブリンマーケットに立ち寄って、「ユニコーンの角の粉末」が入荷されていないか確認するつもりですが…どうやら、世界的に解毒作用のある都市伝説が品薄状態のようですので、望みは薄いかと」

 悪い事、と言うものは重なるものだ
 マレー半島に出現した、無差別に毒をばら撒く毒の木「ウパス」の他にも、毒を使う都市伝説が世界各地で同時多発的に暴れ出したらしい
 あちらこちらの、それらに敵対する存在が解毒作用のある都市伝説を求めた為に、そんな事になったのだろう

「と、なると、元に戻るには時間が経つのを待つしかないのか?」
「…都市伝説ならば、それで良いのですが…」

 問題は、日焼けマシンの契約者だ
 人間である彼が、時間経過でマッドガッサーの毒を自力で解毒できるかどうか
 …望みは薄い
 マッドガッサーを倒すか解毒手段を手に入れないかぎり、恐らく元には戻れないだろう

「そう言えば、さ。解毒する以外に、毒を消すってか、女になったの直す手段、ないのか?」

 もっともな質問をしてきた、Tさんの契約者
 元に戻す方法…
 ………

「…黒服さん?どうして視線をそらすんだ?」
「……黒服?」

 …確かに
 確かに、同僚から…その情報は聞いている、が
 あの方法は…ちょっと

「あぅ、あるのなら話すのですよ!情報は貴重なのです!」

 赤いはんてんはそう言ってくるが…
 …ちらり、黒服は赤い靴の契約者を
 そして、Tさんの契約者と、彼女が連れているリカちゃんに視線をやった

「……未成年がいる前で話す事は躊躇われます」
「「へ??」」

 きょとんとしたのは、日焼けマシンの契約者と、Tさんの契約者
 「?」と、首をかしげているのは、赤い靴の契約者とリカちゃん
 ……あぁ、と何となく察してくれたのは、Tさんと赤い靴、赤マントと赤いはんてんだ

「…あー、一応、こっそりとは話してくれるかね?」
「必要なら、ロリの耳はふさいでおくが」
「ちょっと、何なのよ、赤い靴」

 そっと、契約者の耳をふさいでいる赤い靴
 Tさんも、おのれの契約者の耳を塞ごうとしているようだが、ちょろちょろと逃げ回られている

「何だよー、子供扱いするなよ」
「いや、契約者も未成年だろう」
「どうしたのー?」

 …一応、リカちゃんの耳は、Tさんの契約者がふさいでくれているが…
 …本当に、話していいものだろうか?

 じっと、こちらを見つめてくる日焼けマシンの契約者
 この子を、早く元に戻してやりたい、と言う気持ちはある
 …しかし
 しかし、だ
 だからと言って、同僚から託されたその情報を実行するのは…情報が確実とは言え、躊躇われる
 たとえ、本人の同意を得られたとしても、だ
 ……確実に、同意は得られないと思うが

 ぽふ!とTさんが自身の契約者の耳をふさいでくれたのを、見て
 仕方ない…と、黒服は意を決して、口にした

「……複数人の男性からの精液摂取によって、その毒は中和されるそうです」

 ………
 …………
 ……………

 重い、重い
 重苦しい沈黙が、場を支配した

 ようやく口を開いたのは、Tさん

「…あー、黒服さん」
「信じがたい情報ですが、残念な事に情報源は確かなものでして…」

 「夢の国」戦が終わってから「組織」に入った新人の黒服女性
 彼女が契約している都市伝説…「恐怖のナポリタン」の能力は「本人が知るはずのない情報を、何時の間にか手に入れている」というもの
 よって、彼女は知るはずのない「マッドガッサーの毒ガスの中和方法」の情報を、何時の間にか手に入れていたのだ
 …その能力で手に入る情報は、全て真実である
 故に、この情報もまた、真実なのだ…信じたくはないが

「えぇと…黒服、その…複数人……って………一人からだけじゃ、駄目なのか?」

 つつ、と若干視線を逸らしつつ、尋ねてくる「日焼けマシン」の契約者
 黒服は軽く頭痛を覚えつつ応える

「同一の人物から大量に摂取しても、効果はないそうです……様々な理由により、その中和方法は、あまりオススメできないかと」
「……確かに、な」

 つ、と視線をそらす赤い靴
 つつつ、と赤マントも赤いはんてんも、視線をそらした
 それはそうだろう
 こんな方法、男性として、誰も実行したくないはずだ
 …黒服としても、口にしたくなかった情報である

「……あー、何と言うか、すまない」
「いえ、お気になさらず」

 謝罪の言葉を告げてきたTさんに、黒服は小さく苦笑する
 彼も、まさかこんな方法とは想わなかったのだろう
 と、言うか、想像されても嫌だ

「何だよー、Tさん。何があったんだよ」
「どうしたのー?」
「ちょっと、赤い靴、どうしたのよ」

 とりあえず、耳栓状態から解放された三人が首をかしげている
 …この三人は、知らないままでいい
 できれば、永遠に知らないままでいてほしい

 ほんのり頬を赤らめたまま硬直している日焼けマシンの契約者の姿に、黒服は苦笑して
 …話さなければ良かっただろうか、と少し後悔したのだった








 終わっておけ







タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー