「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と-24

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 それは、舞がTさんと一緒に買出しに出かけていた時の事である

「…あ、Tさん。あれ、こないだの仲介者の兄ちゃんだよな?」
「うん?……あぁ、そうだな」
「………?おや」

 あちらも、舞達に気づいた
 薄茶色の長い髪、白い肌。眼鏡をかけた小柄な青年
 「光輝の書」と呼ばれる分厚い本を、大事そうに抱ええていて……見ようによっては、それよりも大事そうに、つい最近学校町に出来たばかりの、タイヤキ専門店の大きな紙袋を抱えている
 「仲介者」、玄宗 直希
 つい最近、舞達と知り合ったばかりだ
 「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者である翼の友人らしいが…彼の友人と言うには、同じく翼の友人である誠と違い、彼とは随分とタイプの違う青年だ
 もっとも、だからこそ仲が良いのかもしれないが

「これは、奇遇だな」

 舞達に、小さく頭を下げてきた直樹
 その仕草はどこか優雅と言うか、芝居がかった感じすらする

「この間はどうもな」

 つい先日、直希の女装写真(ついでに天使の写真)を撮らせてもらっている舞
 その事に関して改めて礼を言うと、直希は感情がはっきりしない、淡白な表情で答える

「あれくらいならば、特に問題はない」

 直希のその様子に、翼とは随分反応も違うな、とTさんはこっそりと考えた
 あちらは、女装も全力で拒否するが、写真撮影も全力で拒否してくるタイプだから

「あれから、君達は悪魔の囁きや、コーク・ロア支配型の被害者と、遭遇しただろうか?」
「いや、今のところはないな」
「ないはずだぜ」
「ないのー」

 ひょこん
 舞が持っていた鞄から、リカちゃんがこっそりと顔を出して舞の言葉に続いた 
 その通り、今のところは遭遇していないはずである
 もっとも、悪魔の囁きに関しては…表にその存在が現れてこない限り、その存在を確認する事は難しいため、断言はできないのだが
 無尽蔵に増え続けているという卵とて、どこで拾ってしまうかわからない

「ふむ、そうか……ところで、レディ」
「………へ?俺??」

 レディ、などと言う呼ばれ方をされて
 一瞬、反応が遅れた舞
 その舞に、直希が淡々と告げる

「その、人形のレディを隠した方が」
「リカちゃんを?いや、ちょこっと顔だしてるだけなら、周りには見えねぇし…」
「いや、周りと言うか」


 ----その時
 Tさんは、何かを感じた

 それは、殺意や敵意といったものではなく
 だが、確実に、Tさんはその気配に反応した

 直希の背後から、迫ってきた、それ
 それは、物凄い勢いで、舞…と言うか、リカちゃんを、舞ごと狙ってきていて


「しゃ、喋る人形さんかぁいい………っ!お持ち帰みゃっ!?」

 べちん!!
 いい勢いで舞に向かって突撃しようとしたそれを、Tさんは結界で防いだ
 それは、物凄い勢いで結界に正面衝突し、べちゃ、と転ぶ

 ………

「えぇと…」

 どう、反応したらいいのかわからない舞
 咄嗟に結界で防ぎはしたものの、Tさんもどう反応したらいいものか、よくわからなかった
 リカちゃんも、舞の鞄から顔を出したまま、首を傾げている

「…何と言うか、すまない」

 やや、間を置いて
 口を開いたのは、直希だった
 表情は淡白なままだが…申し訳なさそうな感情が伝わってくる

「いや、構わないんだが」
「えーと…この……姉ちゃん?兄ちゃんの知り合い?」

 派手にすっ転んで、起き上がるのに時間がかかっている、それ
 それは、女性のようだった
 長い黒髪をポニーテールにし、まだ三月に入ったばかりで肌寒い中、肩から二の腕にかけてを大きく露出し、ロングスカートにも大きくスリットが入っていて足がちらちら見えているという、なんとも露出の多い服装
 …そんな中、がっちりと露出をガードしているように見える胸元が若干異質だが

「僕の姉だ」
「へ?」

 直希の言葉に、舞がきょとん、とすると

「…いったぁい」

 むくりっ
 その女性が、起き上がった
 起き上がったその顔を見れば、どことなく、直希と似ていなくもない

「姉さん、いい加減、可愛い物を見た時暴走するのは勘弁してくれ」
「え。だって、お人形さんかぁいいだもの」

 じ、と
 女性は、どこか至福の表情で、鞄から顔を出しているリカちゃんを見つめた

「……ちょっとこわいの」

 にじにじにじ
 その視線がちょっぴり怖かったのか、リカちゃんは舞の鞄の中に退避してしまった
 あぁっ!?と女性が残念そうな声をあげる
 その様子に、直希が小さくため息をついて…舞とTさんに、頭を下げてきた

「…申し訳ない。姉さんは、可愛らしいものを見ると暴走してしまうもので」
「あぁ、それはよくわかった」

 苦笑するTさん
 …どうやら、姉だと言う彼女に、この青年は苦労しているようである

「……ところで、ナオ君。この人達、知り合い?」
「あぁ。この間、翼の事で、話しただろう?」

 …ぴくり
 翼の名前を聞いて、女性が反応を見せた
 むくりと、起き上がる

「そっか。じゃあ、あなたたちが、「寺生まれのTさん」と、その契約者さん?」
「あぁ、そうだが」

 …なるほど
 あの時、喫茶店「兎の尻尾」で、直希は翼に「僕や姉さんは、いつだって無条件で君の味方だ」と言っていた
 その姉さんというのが、この女性か

 女性はにこり、Tさんと舞に微笑みかけてくる

「はじめまして。私は玄宗 エリカ。あなたたちの事は、ナオ君や翼君達から聞いてるわ」
「…チャラいにーちゃんからも?」

 舞が、首をかしげると…彼女の言うチャラいにーちゃんが、翼の事だとわかったのだろう
 えぇ、とエリカは頷いてきた

「最近、また翼君と会うようになったから。おねーさん、色々と聞いてるわ」

 …どこか、楽しそうなエリカの様子に
 直希が若干、複雑そうな表情を浮かべたのは、気のせいか?

「あなた達も、コーク・ロアの事件に関わっちゃってるのよね?」
「…まぁ、そうなっているな」

 裏に、何があるのかはわからないが
 その事件は…学校町全体を巻き込み、飲み込んでいきそうな
 そんな、気配すらTさんは感じていた
 相手の敵戦力がはっきりとわからないのが、一番不気味だ

「んー…それなら、おねーさんが遭遇した相手のこと、話した方がいいかな?」
「…どゆ事?」

 舞が、首をかしげると、エリカはんー、と考えながら答える

「おねーさんも、コーク・ロア支配型の契約者と遭遇した事があるんだけど…他の都市伝説契約者に邪魔されちゃって、生け捕りに出来なかったのよね」
「君達が見た相手や、黒服さんたち「組織」が把握している者とも、違うらしくてな」

 僕も、今朝その話を聞いたばかりだ、と呟く直希
 後で、黒服達にも伝えるつもりだったのかもしれない

「どうしよっか?お話する?」

 首をかしげ、そう言って来た直樹
 ……が、気のせいだろうか
 エリカの視線が、いまだ、舞の持っている鞄に、注目されているような………リカちゃんがまた出てこないかな、とでも言うように見ているような
 そんな予感がして、ならないのだった







続くかどうかわからない




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