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連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と-29

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 犬メイドに伸ばされた、中華黒服の手
 しかし、それは犬メイドに、届かなかった

 ばしっ!!と
 どこからか伸びてきた漆黒の触手が、その手を払う

「む……!?」
「……あ゙-」

 ちょんっ、と
 どこから入り込んだのか、小さな、小さな、黒い毬藻のような悪霊が、まるで犬メイドを護ろうとしているかのように、犬メイドと中華黒服の間に入り込む
 それは、犬メイドの胸元にもぐりこんでいて、犬メイドの呼吸でのモールス信号を受けて、胸元から出て行ったはずの、悪霊
 ざわざわと、その小さな体から、どこに収まっていたのだと突っ込みたくなるような触手が伸び続けている

「邪魔だ、どけ…!」
「あ゙-」

 中華黒服の苛立ち混じりの声に悪霊はふるふると首…と言うか、体全体を降った

 ぽこんっ

(……へ?)

 悪霊が戻ってきた事に、あっけにとられていた犬メイド
 目の前の光景に…思考が停止しかけた

 体を降った、悪霊
 …その体が、増えた

「あ゙-」

 ぽこんっ
 ぽこんっぽこんっぽこんっ

 悪霊が、その小さな体を振るたびに
 悪霊が、増えていく

「あ゙-」
「あ゙-」
「あ゙-」

 増え続ける悪霊
 それらは、全てが中華黒服を睨みあげ、激しい敵意を向けていた

「邪魔だ、いくら増えようとも……」
「……あ゙-!!」

 何か、口走ろうとした中華黒服
 それを遮り、増えた悪霊たちが、武器皆叫び声をあげた
 まるで、某国民的RPGの雑魚キャラのように、悪霊達が一箇所に固まって

 ---っぼん!!

 その体が、巨大な悪霊へと姿を変えた
 初めから存在した悪霊だけがそれに加わらず、ぷるぷる体を振って、悪霊を増やし続けている


 …犬メイドは思い出す
 この悪霊が、マステマが召還した悪霊である事に
 マステマが操る悪霊の本質は、レギオン
 その一体一体が、個体でありレギオンである
 つまり…一体いれば、いくらでも、増える
 そして、集団が個体になる事も可能
 そう言う事なのか?


 巨大になった悪霊が、中華黒服の体を押さえつけた
 何か喋ろうとした口に、巨大悪霊の体が入り込み、言葉を封じる
 動きを封じただけで、殺すつもりはないようだ

「…ヘタに殺したら、毒になっちまうからな」

 ばさり
 黒い羽が舞い落ちる

「悪い、遅れた。すぐにエリカも来て、少なくともお前のその状態だけでも解除するから、待ってろ」

 ばさり、ばさり
 漆黒の翼をもった、仮面をつけた堕天使…マステマが、犬メイドの傍らに降り立って
 じろり、巨大悪霊に押さえつけられる中華黒服を、仮面の下から睨みつけるのだった



to be … ?



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