それは、正月三が日も過ぎた頃の事
「…あれ?ニーナちゃん?」
「あ、裂邪さん」
「あ、裂邪さん」
たまたま、顔を合わせた二人
昨年、夏以来の事だ
昨年、夏以来の事だ
「お久しぶりデス」
ぺこり、丁寧に頭を下げるニーナ
以前、裂邪と出会った時は見るからにシスターとわかるカソック姿だったが、この日は白いワンピースの上にコートを纏った姿
星が用意してくれた服を、素直に着ているのである
お陰で、以前のようにその姿で目立つ事はない
以前、裂邪と出会った時は見るからにシスターとわかるカソック姿だったが、この日は白いワンピースの上にコートを纏った姿
星が用意してくれた服を、素直に着ているのである
お陰で、以前のようにその姿で目立つ事はない
…なのに、何故、裂邪は一発でわかったか?
それは、彼が黄昏 裂邪だから、としか言いようがない
彼が、一度であったロリを忘れるはずがない
この学校街に住まうロリコン達にはよくある特徴である
特に珍しくない事実なのが悲しいが、裂邪は気にしてないので問題あるまい
それは、彼が黄昏 裂邪だから、としか言いようがない
彼が、一度であったロリを忘れるはずがない
この学校街に住まうロリコン達にはよくある特徴である
特に珍しくない事実なのが悲しいが、裂邪は気にしてないので問題あるまい
「久しぶり、元気だったか?」
「はい!問題ありません」
「はい!問題ありません」
裂邪の言葉に、ニーナは朗らかに答える
悪魔退治は、彼女なりに進めている
……問題は、肝心の淫魔が見つかっていないという事実だが
それでも、悪魔退治だけは何とか進めている事実が、辛うじて彼女の精神をネガティブ方向に向けずにすんでいた
悪魔退治は、彼女なりに進めている
……問題は、肝心の淫魔が見つかっていないという事実だが
それでも、悪魔退治だけは何とか進めている事実が、辛うじて彼女の精神をネガティブ方向に向けずにすんでいた
「そうか、なら良かった」
ロリが元気なのは良いことだ
裂邪は、心からそう思う
裂邪は、心からそう思う
「……あ、そうだ」
だから、こそ
ニーナを気遣っていたから、こそ
裂邪は、それを口にする
ニーナを気遣っていたから、こそ
裂邪は、それを口にする
「こないだ、カインの兄ちゃんに会ったぞ」
「え」
「え」
カイン
その名前に
ニーナは、ぴくりと反応する
その名前に
ニーナは、ぴくりと反応する
「カイン……カイン・ディーフェンベーカー司祭様に、デスか?」
「あぁ、そう名乗ってた」
「あぁ、そう名乗ってた」
カインが
かつて、自分に戦い方を教えてくれた存在であり
なおかつ、直接の部下ではないものの……ニーナよりも、「教会」内での位は、上
上司に当たるような存在だ
かつて、自分に戦い方を教えてくれた存在であり
なおかつ、直接の部下ではないものの……ニーナよりも、「教会」内での位は、上
上司に当たるような存在だ
それが
学校街に…来ている?
学校街に…来ている?
「ニーナちゃんを、探してる、って言ってた。ずいぶん心配してたぞ」
探している
自分を?
何故、わざわざ
自分を?
何故、わざわざ
「ニーナちゃん?」
「ぁ……」
「ぁ……」
黙りこんでしまったニーナを、心配したのだろう
心配そうな裂邪の声に、ニーナは正気に戻る
心配そうな裂邪の声に、ニーナは正気に戻る
「い、いえ、何でもありません。わざわざ伝えてくださり、ありがとうございました」
ぺこり、裂邪にお辞儀するニーナ
暗い考えを、必死に覆い隠す
暗い考えを、必死に覆い隠す
「あー、でも、御免な。カインの兄ちゃんの連絡先とかは、聞いてなかったんだよな…」
「いえ、大丈夫デス」
「いえ、大丈夫デス」
申し訳なさそうな裂邪に、ニーナはにっこり笑ってみせる
「神のお導きがあれば、私は必ず、カイン司祭の元に導かれるはずデス」
「そうか、なら、いいんだけど」
「私にお導きがなくとも、カイン司祭に神のお導きがあれば、私が見つかるはずデスから」
「そうか、なら、いいんだけど」
「私にお導きがなくとも、カイン司祭に神のお導きがあれば、私が見つかるはずデスから」
実は、カインが日本の学校街に来てから、既に二ヶ月近く経っていたりもするのだが
……思いっきり神様に見逃されているか見捨てられているかどちらかとしか思えないが、気のせいである
……思いっきり神様に見逃されているか見捨てられているかどちらかとしか思えないが、気のせいである
「本当、ありがとうございました」
カインの事を伝えてくれた裂邪に、ニーナは改めて礼を述べて
ぺこり、深々と頭を下げたのだった
ぺこり、深々と頭を下げたのだった
裂邪と、分かれた後
ニーナは、とぼとぼと歩いていた
ニーナは、とぼとぼと歩いていた
…カインが、この街に来ている
きっと、エイブラハムによって遣わされたのだろう
ニーナの、サポートをさせるために
きっと、エイブラハムによって遣わされたのだろう
ニーナの、サポートをさせるために
自分が
いつまでも、淫魔を見つけられずにいたから
自分が
何時までも何時までも、使命を達せられずにいたから
カイン司祭に、迷惑をかけてしまった
いつまでも、淫魔を見つけられずにいたから
自分が
何時までも何時までも、使命を達せられずにいたから
カイン司祭に、迷惑をかけてしまった
ニーナ・サプスフォードと言う少女は、真面目な少女だ
真面目であるが、ゆえに
必要以上に、物事を深刻に、深く考え込んでしまう
真面目であるが、ゆえに
必要以上に、物事を深刻に、深く考え込んでしまう
さらに
彼女には、何か悪い事が起きた場合などに「自分のせいだ」「自分が悪い」と思い込んでしまう節がある
ゆえに、彼女は自分を追い詰める
彼女には、何か悪い事が起きた場合などに「自分のせいだ」「自分が悪い」と思い込んでしまう節がある
ゆえに、彼女は自分を追い詰める
「……早く、淫魔を見つけないと……!」
そして
この手で、滅さなければ
ニーナは、改めて決意する
この手で、滅さなければ
ニーナは、改めて決意する
ぎゅう、と握り締めた木の十字架……彼女の契約都市伝説 ウッドドック伝説
それが……かすかに、震えた事に
ニーナは、気付かぬままだった
それが……かすかに、震えた事に
ニーナは、気付かぬままだった
to be … ?