タンジェリネ・プレス 創刊号
第二大陸暦986年4月16日
★オドネ掃討作戦成功
10年前に地震で湖に沈み廃棄された街オドネに、先日評議会議長のギルマン討伐軍が送られ、見事ギルマン討伐が完了した。
オドネに住み着いていたギルマンの数はおよそ500と伝えられる。中には熟練の冒険者をもてこずらせるレベルのギルマンもいて、簡単な討伐でなかったことがわかっている。
ギルマンたちはショアベルツ-ローラン間の水上交通路に度々出没し、船を襲っていた。作戦は無事に終了し、奪われた品々の一部は無事に回収され、氷の川へと続く水上航路の懸案は解決された。
オドネに住み着いていたギルマンの数はおよそ500と伝えられる。中には熟練の冒険者をもてこずらせるレベルのギルマンもいて、簡単な討伐でなかったことがわかっている。
ギルマンたちはショアベルツ-ローラン間の水上交通路に度々出没し、船を襲っていた。作戦は無事に終了し、奪われた品々の一部は無事に回収され、氷の川へと続く水上航路の懸案は解決された。
★幻の遺跡ガスパール発見
大暗黒期に滅亡したとされる魔導都市ガスパール跡が、ボロミア山中で発見された。発見者はエメリヒ・バルツァーとそのギルド“アカシアの弓”のメンバー。“アカシアの弓”は冒険者協会に発掘協力を要請。現在冒険者協会は、ガスパールへの短距離テレポートゲートの設置準備におわれている。
当方は幸運にも多忙なエメリヒ氏のインタビューに成功した。以下が氏のコメントである。
当方は幸運にも多忙なエメリヒ氏のインタビューに成功した。以下が氏のコメントである。
≪エメリヒ氏のコメント≫
「ガスパールへは、私たちは行くだけが精一杯でした。しかし、皆さんに位置をお知らせできたことはとても誇らしいことです。我々はガスパールを独占するつもりはありません。そこまで欲深くはありませんし。何より、ガスパールを甘く見たくありませんから」
「ガスパールへは、私たちは行くだけが精一杯でした。しかし、皆さんに位置をお知らせできたことはとても誇らしいことです。我々はガスパールを独占するつもりはありません。そこまで欲深くはありませんし。何より、ガスパールを甘く見たくありませんから」
★北西国境方面に異常
旧武都ロレイサ方面の国境付近で不審な集団が目撃される。間接的な攻撃を受けた集落もあり、ショアベルツ市は公式見解として、「ロレイサに集まる闇の陣営側の陰謀の一端」と発表した。更に評議会はローラン騎士団に向け、正式に対ロレイサ政策の見直しを求める意見書を送付した。
これが真実ならば、近くロレイサ討伐軍がローラン、ショアベルツのどちらかあるいは両方から送られる可能性があることになる。
今後とも、ロレイサの陰謀にまつわる情報収集を当方も行なっていく方針だ。
これが真実ならば、近くロレイサ討伐軍がローラン、ショアベルツのどちらかあるいは両方から送られる可能性があることになる。
今後とも、ロレイサの陰謀にまつわる情報収集を当方も行なっていく方針だ。
★ブランドバーク卿杯まであと20日
ショアベルツの初夏の祭典であり、市きっての食通ブランドバーク卿が開催する食の殿堂、ブランドバーク卿杯があと20日に迫っている。
今回のテーマは「ショアベルツの幸」。現在料理コンテストのエントリー数は21名。国内外から名声を求めて腕に自信のある料理人たちが集まりつつある。
今回のテーマは「ショアベルツの幸」。現在料理コンテストのエントリー数は21名。国内外から名声を求めて腕に自信のある料理人たちが集まりつつある。
★フォリア魔法学校に留学生団到着
ショアベルツ近郊に存在する魔法学校『フォリアの学堂』に“輝ける森の”ベルニエから留学生団が到着。派遣講師として、フレブス大学のラザン導師も随行している。
ラザン師はその昔、故フォリア前学長と魔法研究の自説をめぐって激論を交わし、前学長をフレブス大学から追い出した経緯がある。友好のための留学生団派遣とは言いつつ、ラザン師による学堂の乗っ取りが行われるのではないかという不安の声が一部学生の間から聞こえている。
ミネルヴァ現学長は「ベルニエとショアベルツの友好のひとつとして、知恵の国の学生諸君を心からの祝福をもって迎えます」と歓迎式で述べた。
ラザン師はその昔、故フォリア前学長と魔法研究の自説をめぐって激論を交わし、前学長をフレブス大学から追い出した経緯がある。友好のための留学生団派遣とは言いつつ、ラザン師による学堂の乗っ取りが行われるのではないかという不安の声が一部学生の間から聞こえている。
ミネルヴァ現学長は「ベルニエとショアベルツの友好のひとつとして、知恵の国の学生諸君を心からの祝福をもって迎えます」と歓迎式で述べた。
その一方、高位導師の一人エズラ・ヒルメイン師は当方のインタビューにこう答えた。
「フォリアの学堂はフレブス大学とは完全に別個なものです。ラザンは、フォリア先生のライバルでしたものね。わたくしもフレブスに居たときは、ラザンの授業を受けたことはございます。敬意を持ってお迎えいたしますよ。でも、先生の学堂をそう甘くみないでいただきたいものですわね。あの当時のフォリア先生の魔法理論は先生がフレブスを出た後で大学内の別の方がちゃぁんと実証なさいましたもの。つまり、あの方の方がうそっぱちだったのですわ。その先生の直弟子にして最高の魔道師のわたくしがいて、あのおいぼれが今更学堂を乗っ取れっこないことぐらい、自明の理というものですわ」