ノベル/雨夜の星に手を伸ばし - タクティカル祓魔師ってなんだよwiki | タク祓wiki

雨夜の星に手を伸ばし

　あたしは、信じている。悲しみの雨に覆われようとも、その先にきっと星はあるのだと。

基本情報

作品URL	https://syosetu.org/novel/348388/
権利者	クサリ
コンタクト先	https://twitter.com/kusari13

　境対の祓魔隊第八班に所属する祓魔師、市倉八尋は悲しい程に理想の自分と現実に持つ素質が食い違う凡人であった。
　格闘戦を見切る目はあるくせに、体が全くと言って良いほど追いつかず。
　霊的素質はあるくせに、それを運用し術として用いる才に乏しい。
　才能や一芸に秀でた同僚達の中で、何もかもちぐはぐな素養に藻搔いているヒラの祓魔師、それが市倉八尋という人物である。

　ある七夕の夜、“アメコジキ”と呼ばれる界異の討伐に駆り出された八尋は気がつくと隊からはぐれて雨の街に立ち尽くしていた。
　降りしきる黒い雨の街は半ば異界と化しており、単体での戦闘力に乏しい八尋にとってはただでさえ危険地帯であるというのに、同じように隣で立ち尽くしていた身元不明の少年を保護してしまったものだからさあ大変。
　荷の重すぎる責任に押しつぶされそうになりながら雨の中を進む八尋の元に現れたのは、八尋が複雑な感情を向けている同期の友人、鵠別供花だった。

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