アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「葬儀屋」01_vol02
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- 248 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:18:04.13 ID:xD3qVx580
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アフターファイブ・居酒屋にて
店主「ごゆっくりどうぞー」
女「…」
男「…ん、どうした?早く食べないと冷めるぞ?」
女「…魚って…」
男「…」
女「海に返してあげるのと、土に埋めてあげるのと、どっちが幸せなんでしょうね…」
男「……やっぱり最後には生まれた所に帰りたいんじゃねえの…?」
女「…」
男「…」
女「…コレ、食べます?」
男「食欲無くなる様な事言うお前が悪い…」 - 249 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:19:14.11 ID:iBRKXslw0
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男「おまえさぁ、なんでそんなに泣き虫な訳?」
女「だってぇ・・・ぐずっ・・・人が死んでるんですよ」
男「・・・・・」
男「・・・お前の感覚の方が正常なんだよな・・・」
女「へ?・・・ぐずっ」
男「はい、泣くの終了。仕事とっととかたすぞ」 - 250 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:20:47.18 ID:QNv1/8cK0
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女 「あ」
男 「どうした」
女 「猫…」
男 「…」
女 「死んでるね」
男 「轢かれてからだいぶ経ってるな」
女 「かわいそう」
男 「…」
女 「…」
男 「ちょっと一服してくる」
女 「おかえり」
男 「埋めてきた」
女 「お疲れ」
男 「仕事だからな」
女 「…土に還るんだね」
男 「あぁ」
女 「人は・・・空に還るんだね」
男 「どっちが生まれ変わるって言えるんだろうな」
女 「…うん」
男 「明日も仕事だ」
女 「…うん」 - 251 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:23:21.07 ID:gqcZmDUwO
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>>250の後にタイトルが出てOPが始まるw
- 252 犯ずきん ◆71isWD/fFU 2006/04/29(土) 16:26:20.07 ID:rxQrCaybO
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女「……」
猫「……なぉー……」
女「あ、……」
猫「……」
女「あの……これ、食べてね」
男「おーい、行くぞ」
女「あっ、じゃあ、また」
猫「……にぁー」
ザアアアアァァァ……
男「……」
女「……」
猫「……」
男「……この雨だ、見えなくても、気付かなくとも、無理はまい……」
女「……」
ぎゅっ
猫「……」
男「……」
ザッ、ザッ……
女「……安らか、に……」
男「……」
女「……」
男「……泣かないのか」
女「……葬儀屋、ですから」
男「…………」 - 253 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:27:36.59 ID:xD3qVx580
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- 254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:28:48.92 ID:QNv1/8cK0
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女 「先輩」
男 「ん?」
女 「先輩は幽霊とか見ないんですか」
男 「あー…、そういうのは全く無い」
女 「そっかー…」
男 「急にどうした」
女 「見えたら…どうなのかなって」
男 「…どうなんだろな」
女 「お別れの挨拶も言えるんじゃないかなって」
男 「…知り合いがな」
女 「?」
男 「見たって。式場で。」
女 「幽霊、ですか?」
男 「そ」
女 「で、どうしたんですか」
男 「笑顔だったってさ」
女 「そっか…」
男 「耐えれんだろ」
女 「……はい」
男 「さ、行くぞ」 - 257 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:42:46.47 ID:YxNUlTSfO
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男「…遅くなったな。」
女「…今日は長引きましたからね。」
男「よし、飯食べにいくか。」
女「…おごりならいきます。」
男「ちゃっかりしてんなぁ、お前。」
―焼肉店 牛角―
女「……。」
男「なんだ、食べないのか?」
女「…よく食べれますね……葬儀の後に焼肉なんて。」
男「…ん、まぁ。少なくとも骨は見なくてすむしな。」
女「……。」
女「…すみませーん、骨付きカルビ一皿。」
男「おい。」 - 258 犯ずきん ◆71isWD/fFU 2006/04/29(土) 16:42:49.03 ID:rxQrCaybO
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男「……」
女「……」
男「……」
女「……花、ですね」
男「ああ……遺体は、駄目だった」
女「……」
男「……」
女「……柩には誰もはいってないのに、
誰のでもない葬式をするんですね……
不思議な……感じです」
男「……」
女「……」
男「……入ってるさ、あの柩の中にな」
女「……」
男「……」
女「……はい」 - 259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:44:38.55 ID:7XCXA/Dn0
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- 260 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:48:42.48 ID:xD3qVx580
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男「…桜、綺麗だなぁ」
女「…」
男「ほら、この前車でココの前通ったときに…綺麗だなぁ……って…」
女「…」
男「ひょっとして……コワいのか…?ずっと目つぶってるけど」
女「…別に」
男「大丈夫だって、俺らのスーツ線香の匂い染み付いてるしさw」
女「だからって…こんな墓場で花見…」
男「お前なぁ、この時期の花見なんて何処行ったって人だらけで、
普通こんなゆっくり酒なんて飲めないんだぞ」
男「……」
女「……?」
男「…どうした?」
女「今…肩に……」
男「ああ、これ俺だから。冷えてきたし、この方があったかいだろ?」
女「……バカ」
男「本当は怖かったくせにw」 - 261 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:49:57.14 ID:QNv1/8cK0
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女 「先輩」
男 「何だ」
女 「葬儀屋って」
男 「しんどいな」
女 「なんで続けてるんですか」
男 「さぁ…」
女 「つらいですね」
男 「あぁ」
女 「だから私たちがやるんですよね」
男 「行くぞ」
女 「はい」 - 262 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:52:36.89 ID:gGYJwItY0
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新人「んー、やっと終わった。ったく、この後用事あるってのに。無駄に時間取らせないでほしいッスよねぇ」
女「ちょっと、そういう言い方ないんじゃないの」
新「先輩、こういうのは割り切っていかないと。変に気張ってると疲れますよ?」
女「……!」
男「はいはいそこまで、っと。ほら、お前用事あるんだろ?急がなくていいのか?」
新「おっと、じゃあ俺は失礼しますね」
女「……何で止めたの」
男「お前じゃあいくら言い合ったって無駄だっつーの。すぐ感情的になるし。
この仕事あんまり向いてないんじゃねぇの?」
女「…………」
男「……人の事なんてどうでもいいんだよ。お前はお前の思うようにやっていけばさ。
自分で決めた道なんだろうが。なら人にどう言われようと気にすんな。胸をはれ」
女「あっ……そうだよね。うん。ありがと」
男「もっともお前が無い胸を張ったところでたいした魅力は……いてっ、何すんだよ」
女「せっかく人が感動してたのにぶち壊すんじゃないわよ、馬鹿」
男「空気を和ませようと気を使ってやったんだろうがよ」
女「はぁ……何でこいつはいつもこうなのかなぁ……」 - 263 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:54:11.84 ID:xD3qVx580
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- 264 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 16:57:35.27 ID:QNv1/8cK0
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女 「疲れた…」
男 「精神的に?」
女 「わかってるじゃないですか」
男 「慣れるさ」
女 「それが怖いです」
男 「それが仕事だ」
女 「それじゃ、また」
男 「あぁまた、『明日』」 - 266 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:04:54.94 ID:x1tTu9250
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姉 泣き虫 優しい 天然
弟 しっかりもの 冷静 姉思い
プロローグ
弟「そろそろ時間だよ」
姉「………」
弟「泣いていてもしょうがない、人は生まれたらいつかは死ぬ」
姉「…でも可哀想だよ、まだこんなに小さいのに
世の中にはいっぱい楽しいことがあることを知らないで死んじゃうなんて」
弟「世の中には生きている方が辛いこともたくさんある」
姉「そうかもしれないけど、こんなのってないよ」
弟「いちいち死んだ人のこと気にしていたら、この仕事はやってられない」
姉「………」
弟「この仕事は死んだ人を安心してあの世に送ること
残された人に本当に死んでしまったということを伝えること。
決して死んだ人を哀れみ悲しむ事じゃない」
姉「………」
弟「辞めてもいいんだよ」
姉「………辞めない…でも死んだ人のために悲しむのもやめたくない」
弟「そう」
姉「ごめんね変なこと言って」
弟「別にいつのもことだ、行こう仕事だ」
姉「うん」 - 267 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:04:58.21 ID:QNv1/8cK0
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長編書いたら嫌われる?
- 268 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:06:10.81 ID:gGYJwItY0
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んなこたーない
- 275 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:20:12.74 ID:xD3qVx580
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女「………」
男「今日はいつもと違って機嫌悪いな、どうしたんだ?」
女「……さっき弟の病院に行ったら、病院の前の空き地に葬儀屋の出張所が立ってたんです」
男「へぇー同業者か。最近新規参入とか多いからな。ウチも引き締めて…」
女「………」
男「何だ?そんなに不満なのか?」
女「……そのプレハブ、病棟の窓からも見えちゃってるんですよ…?」
男「…そりゃ宣伝効果は抜群だな。そういうアイディアはウチも見習わないとこれからは生き残っ・・・」
女「!!」
男「っ・・・いってぇ・・・」
男「お前何もビンダすることねぇだろ……」
女「……」
男「…また、泣いてるのか。…やっぱりお前この仕事向いてねえわ」
女「……」
男「いや…今日はもう帰れ。頭冷やして来い。俺も頭冷やして…」
女「…分かってるんです……言いたいことも分かってるんです、
でも、仕事じゃ割り切れないことだってあるじゃないですか!!
どうして平然とそんなこと言えちゃうんですか!!」
男「……」
女「失礼します…っ」 - 277 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:22:52.87 ID:gGYJwItY0
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女の話し方は敬語とため口とどっちがいいのさ
- 278 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:24:00.67 ID:QNv1/8cK0
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書き手のスタイルによって違う感じでいいんじゃない
- 279 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:31:29.25 ID:gXpKEt0h0
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- 281 犯ずきん ◆71isWD/fFU 2006/04/29(土) 17:33:32.01 ID:rxQrCaybO
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俺なんか>>1のとは全く別人ので書いてるなんだぜ
- 283 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:34:38.94 ID:xD3qVx580
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俺も俺も
- 286 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:37:40.28 ID:gXpKEt0h0
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そういや
葬儀屋って
どうやってなるんだ? - 287 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:39:26.53 ID:yxGp5bO80
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- 288 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:39:56.38 ID:YxNUlTSfO
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―事務所―
男「――あれ?」
社長「彼女なら今日は休みだそうだ。」
男「へぇ~……」
社長「弟君の外泊許可が出たからお出かけするそうだ。」
男「別に聞いてませんけど。」
社長「…ん、そうか。」
男「……じゃあ、いってきますわ。」
社長「おう、頼むな。」
黒猫「…にゃーーん」
社長「ん、お前も寂しいのか?」 - 289 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:41:21.87 ID:xD3qVx580
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女「きたよー」
弟「あ、ジャンプ買ってきてくれた?」
女「うん。ハンター今週も載ってないみたい」
弟「うん」
女「……」
弟「どうしたの?」
女「……なんでもない」
弟「……ふーん」
女「……」
弟「…仕事…どう?」
女「………別に。楽しいよ…?」
弟「……そうなんだ…。」
女「……うん」
弟「……姉ちゃん仕事…辞めないでね。」
女「……どうして?あんた自分の姉さんが葬儀屋でいいの?」
弟「俺、姉さんがこの仕事してくれてて……うん、安心できる。」
女「……」
弟「そこにプレハブの出来たじゃん?…俺だって死んだってあんなショボイ所で扱われたくないしさ」
女「…あんたまでそんな事言わないでよ…もう…うぐっ…うぐっ…」
弟「泣くなよwww姉ちゃんの親族なんだから社割とか効くんだろ?だから絶対辞めないでよ」
女「うぐっ…そんなもん……ないし……」
弟「それにあのプレハブに居るオッサンむさ苦しいしwww死んでも姉ちゃんが扱ってくれるんならまだマシだろwww」
女「………」
弟「だから絶対やめんなよ。…ちょっと俺顔洗ってくる」 - 291 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:43:37.14 ID:79zUeiWvO
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- 293 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:44:27.17 ID:xD3qVx580
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- 301 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:58:14.32 ID:EbNOH75C0
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男「いつまで寝てんだ!!早く事務所来い!!」
女「すっ、すいません!!」
男「・・・ったく・・・」
女「先輩…」
男「ん?」
女「私、今日も生きてるんですね」
男「たとえ死んでても、地獄まで起こしにいく。早く来い」
女「…鬼…」 - 302 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 17:58:31.46 ID:x1tTu9250
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葬儀屋稼業
プロローグ
男「こ、殺さないでくれ」
女「どうして私が葬儀屋って呼ばれているか知ってる」
男「何言ってんだ知らねーよ、頼む頼むから見逃してくれ」
女「私、仕事を引き受けると必ず棺桶を作るの
一体誰の物だと思う」
男「知らねーよ、頼む勘弁してくれ」
女「もちろんあなたの」
男「やめろ、ひぃいい、いやだ俺はまだ死にたくない」
女「だーめ せっかく用意した棺桶が無駄になってしまう」
男「いやだ、許してくれこの通りだ」
女「それは私に言うべき言葉じゃない、あなたが殺した人に言うべき言葉よ」
男「違う違う俺はやってねぇ」
女「はいはい」
男「やめてくれぇぇ」
女「一名様ごあんなーい」 - 303 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:02:09.68 ID:V7tR174p0
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しかし冤罪
- 304 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:04:18.85 ID:gqcZmDUwO
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- 307 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:20:42.97 ID:xD3qVx580
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ヤバいwwww最終回みたいなの書いちゃったどうしようwwww
- 308 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:22:07.61 ID:RtUg9o690
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1000まで粘れ
- 309 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:25:32.20 ID:xD3qVx580
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- 310 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:29:37.79 ID:79zUeiWvO
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- 312 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:30:29.44 ID:UORaba8i0
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我慢できないという単語で変態クールを連想する俺末期
- 313 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:30:41.92 ID:YxNUlTSfO
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男「……なぁ、いつも思うんだけど炎ってすげぇな。」
女「何ですか?突然。」
男「どんな金持ちでも貧乏人でも、偉い奴でも悪人でも……」
女「………。」
男「焼いちまえば後に残るのは似たようなもんだ。」
女「………。」
男「………。」
女「でも、体は消えてしまっても、骨と記憶だけは残ります。」
男「…灰も骨も記憶も、風が吹けばいずれ消えちまうんだよ。」
女「……何かあったんですか?」
男「………。」
男「絶対に忘れないって思ってたのにな……最近、思い出せないんだ、あいつの顔。」
女「……あいつ?」
男「どんな顔で笑ったのか、どんな声で笑いかけてくれたのか…」
女「…先輩。」
男「…わりぃ、次いくぞ」 - 314 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:31:09.48 ID:yicUjGdj0
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- 315 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:31:26.56 ID:xD3qVx580
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男「……」
女「おはようございます」
男「ああ…」
女「どうしました?」
男「ん?いや…もう、来ないのかと思ってたから。昨日は悪かったな。」
女「別に…この仕事やってたら、そういうのじゃもうへこたれませんから」
男「……あれから考えたが。確かに、俺は無神経なこと言ったかもしれんがやっぱりこの仕事をしていくなら…」
女「いいんです。」
男「…え?」
女「私以外の人の為にするんです、この仕事。いつか来てしまうその日の為に、だから、その日が来るまでは私辞めません。」
男「……そうか…。」
ファァァァァァァァァァァァァン
男「…おい。」
女「なんですか?」
男「泣かないのか?」
女「泣いてますよ」
男「そうか…」
女「そうですよ」
男「……。」
女「……。」
男「…誰だって死ぬ。俺達は毎日、誰だって死んでしまうヒトを扱ってる商売だ。 それは必要悪でもあり、蔑まれても文句の言えない商売だろう。
俺達はこの霊柩車のクラクションを、耳を塞がず聞かなきゃならない。悲しみに濡れる親族達の顔を、目を背けずに見なきゃいけないんだ…」
女「……」
男「だが今日はお前は向こう側の人間だ。だから泣いても…」
女「そろそろ出ないと焼き場に着くの間に合いませんよ?」
男「……。」
女「……。」
男「そうだな、行くか。」
女「ええ。」 - 317 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:32:56.96 ID:wwI3e38S0
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弟おおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!
- 318 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:33:34.50 ID:xD3qVx580
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- 320 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2006/04/29(土) 18:35:05.47 ID:15dsKJV10
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- 321 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:37:06.31 ID:QNv1/8cK0
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女 「先輩、少しいいですか」
男 「悪い、これから仕事だ」
女 「…わかりました」
男 「ただいま」
女 「おかえりなさい、随分早いですね」
男 「あぁ」
女 「(あ…、鳥さんの死骸がなくなってる…)」
男 「先、仕事行ってくるわ」
女 「…いってらっしゃい、お気をつけて」 - 322 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:39:51.71 ID:xD3qVx580
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- 324 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 18:50:54.89 ID:xD3qVx580
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女「葬儀屋って…夏有利ですよね…」
男「ん?どうしてだ…?」
女「いや、線香の匂いで蚊が逃げてくじゃないですか…」
男「……」
女「このずっと匂い染み付いて嫌なんですけど、
夏になればそういう風に得すると思えばまだラッキーですよね。」
男「(……蚊取り線香な訳じゃないから虫除け塗らなきゃ大変だって事は夏になるまで伏せておこう…) - 327 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 19:09:38.42 ID:im+cyl0ZO
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そういや死んだ親父にさ
爺ちゃんの葬式の時、地元じゃ凄い偉い人だったから祭壇も凄かったのよ。
それ見て親父さ
「俺の時もこれぐらいやってくれよ。」
って言いやがったんだよ。
その数年後に親父癌で死んだんだけど、
爺ちゃんみたいな偉い人ってわけでもないただのリーマンだから、
そんなに派手にしないでおこうって親族で決めちゃってさ
長男なのにそれに反対出来なくて凄く悔しくて
爺ちゃんの時より遥かに小さい祭壇見て泣いた
オチなくてごめん - 329 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2006/04/29(土) 19:11:03.75 ID:1+kHcdTf0
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少年 「泣いてねー」
男 「ん?」
少年 「泣いてねー」
男 「ああ、偉いな」
少年 「俺はお兄ちゃんだから」
男 「かっこいいな」
少年 「…ん」
男 「今日からはお兄ちゃんだけじゃなくてパパもやんなきゃだな」
少年 「…ん」
男 「…」
少年 「…」
男 「…今日は暑いから、これ使いな」
少年 「泣いてねー」
男 「汗拭けってんだよ」
少年 「泣いてねー」
女 「…?」
男 「…泣いてねー」
女 「…」
男 「昔の俺に会っただけだ」
女 「プロ失格ね」
男 「…」 - 331 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 19:12:00.50 ID:Lef3KXDL0
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- 334 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 19:14:35.82 ID:RtUg9o690
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- 335 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 19:14:55.07 ID:QNv1/8cK0
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男 「小さい葬式だったな」
女 「えぇ」
男 「お子さん泣いてたな」
女 「悲しみっていうより」
男 「悔しさっぽかったな」
女 「何があったんでしょうね」
男 「さぁ…」
女 「良かったんですか」
男 「何が」
女 「声、かけなくて」
男 「仕事、だからな」
女 「そうですね…」
男 「遺族の感情を汲み取っちゃいけない」
女 「…はい」
男 「つらいか」
女 「…はい」
男 「金が全てか…」
女 「…ぐずっ」 - 336 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 19:15:39.89 ID:im+cyl0ZO
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- 337 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 19:15:40.34 ID:8Ax90WCbO
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女はいつから強がらなくなったんのやら
- 339 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2006/04/29(土) 19:16:53.52 ID:x/QZYSd80
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涙腺が緩むじゃねぇかコンチクショーが・・・
- 341 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします インテリ風味 2006/04/29(土) 19:27:47.71 ID:QNv1/8cK0
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女 「先輩」
男 「何だ」
女 「ちょっと用を足しに…」
男 「…準備終わるまでに帰って来い」
女 「失礼します」
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時…」
男 「(おせーな…)」
女 「失礼しました」
男 「目、赤いぞ」
女 「…すいません」
男 「早く慣れろ」
女 「…はい」 - 342 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 温故知新 2006/04/29(土) 19:40:33.95 ID:QNv1/8cK0
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女 「今日も仕事かー」
男 「疲れる…しんどい…」
女 「だよねー」
男 「体の節々が筋肉痛」
女 「そんな力仕事いつしたんですか」
男 「あ゛ーーーー」
女 「何さ」
男 「誰も死ななきゃいいのに」
女 「・・・」
男 「なー・・・」
女 「・・・」
男 「辞めたら?」
女 「うっさい」
男 「はぁ」
ガチャ バタン
女 「…ぐずっ」 - 344 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:11:18.85 ID:gXpKEt0h0
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アレだな
曾ばーちゃんの葬式のとき法師さんに
「一番悲しいことは死別ですけど、
一番楽しい事はなんですか?」
って訊いたら
「生きること」
って行ってた罠 - 347 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:39:15.35 ID:4PlrYAqw0
-
新 「先輩」
男 「…なんだよ」
新 「RPG、やります?」
男 「…あ?」
新 「RPGですよ。俺RPG」
男 「…イカれたのか、頭」
新 「あなたの名前を入力してください」
男 「黙ってろ」
新 「『ダマッテロ』でよろしいですか?」
男 「…」
新 「ダマッテロ のいちにちがはじまった!
ダマッテロ のまえに、ふたつのせんたくしがある
いきる、しぬ」
男 「…お前、なんだ。ちょっと頭イタい奴なのか?」
新 「入力待ちです」
男 「…いきる」
新 「ダマッテロ は、いきる をせんたくした!
へいぼんなにちじょうがすぎていった!」
男 「…お前マジでちょっと黙っとけ」
新 「ダマッテロ のふつかめがはじまった!
ダマッテロ のまえに、ふたつのせんたくしがある
いきる、しぬ」
男 「…うるせえ。死ね」
新 「ダマッテロ は、しぬ をせんたくした!
とつぜんみにふりかかったふこうで、ダマッテロ はしんだ!」
男 「…」
新 「…ずっと『いきる』を選んでたら」
男 「…」
新 「死ぬまで、生きられました」
男 「…」 - 349 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:42:24.99 ID:4PlrYAqw0
-
新 「先輩」
女 「…」
新 「RPG…」
女 「…」
新 「…殴ること、ないじゃないですか」 - 354 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:49:21.79 ID:8+8Vjhok0
-
女「死は乗り越えられるものなんですか?」
- 357 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:54:26.91 ID:QNv1/8cK0
-
いろんな人が書いた話を一話一話まとめて本にしたいな。
- 358 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:55:53.87 ID:gqcZmDUwO
-
- 359 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 20:57:09.68 ID:iBRKXslw0
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- 362 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:10:00.02 ID:4PlrYAqw0
-
弟 「ねえちゃん」
女 「うん?」
弟 「RPG…」
女 「やらない」
弟 「…」
女 「…」
弟 「…マザー3、だめ?」
女 「…明日買ってきてあげる」 - 364 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:16:36.48 ID:msgTQf9c0
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- 365 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:17:18.34 ID:DttNpy44O
-
やっと追いついたぞ
新ジャンル「俺」の1とみたが
まぁそうでもそうじゃなくても
大好きだ - 366 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:19:16.05 ID:gqcZmDUwO
-
女「…」
男「おい、親指隠すな、感じ悪りぃだろ。」
女「…え?」
男「葬儀屋は隠さねぇのが暗黙のルールなんだ。手はパーにしてろ。」
女「あ、す、すみませんっ。」
男「そんな事しても、『人の生き死に』は変わんねぇ…時がくれば嫌でも迎えにくる。」
女「………」
パーーーーーーー!
女「(礼)」
男「(礼)」
…
男「次まで控え室で休んでろ。」
女「だ、大丈夫で…ず、よ」
男「大丈夫じゃねぇ、向こうで落ち着いたら戻ってこい」
女「あ…あぃ…ぐすっ」
(控え室)
女「うわぁぁぁぁぁ…」
黒猫「…にゃー」 - 367 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:23:40.02 ID:4Hkx80qk0
-
男「今日もしごとだったのか?」
女「・・・うん。」
男「今日はどんなだった?」
女「女の子、女子高生。」
男「・・・・・・・・。」
女「まだまだこれからだったのに・・・・・」
男「その子の分まで生きようぜ。」
女「・・・・・・・・グスッ」
渡辺「あれれ~っ私の体がないよ~?」 - 368 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:23:56.16 ID:4PlrYAqw0
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- 369 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:25:14.70 ID:15dsKJV10
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- 370 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:25:41.67 ID:cxsFq5r00
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女「先輩は、なんでこの仕事をやってるんですか?」
男「……なんだよ、やぶからぼうに」
女「いや、会話が途切れて、ちょっと気まずいなーって」
男「……俺の話は場つなぎ程度の話かよ」
女「そ、そう言うわけじゃないですけど……」
男「……まぁいいさ」
女「それで、どうしてなんですか?」
男「あー……俺さ、昔仲のいい奴が死んだんだよ」
女「…………」
男「そんとき、全然涙が出てこなかったんだ」
女「なんでですか……?」
男「わかんねぇ。……涙腺がいっちまってんのかとも思ったが、どうやらそれも違うらしい」
女「…………」
男「そん時、俺は葬儀屋に向いてるなって思ったんだ」
女「そう、なんですか……」
男「ああ。……っと、話は終わりだ。さっさと仕事片付けて来い」
女「……はい」
女「先輩は、泣きたいんですね……」 - 375 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:29:26.57 ID:jEioUHnP0
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夜明けの口笛吹きっぽい
- 378 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 上のひととかぶったがorz 2006/04/29(土) 21:33:48.36 ID:fFdKdHSf0
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男 「お前…少し休め」
女 「大丈夫です、ちょっと夜更かししただけですから
……ご迷惑をおかけしてすみません。
ところで……どうして、この仕事を選んだんですか?」
男 「冠婚葬祭、この辺りは食いっぱぐれることはないだろうからな」
女 「……」
男 「おい」
女 「……」
男 「……自分に出来ることをやりゃいいんだよ」 - 381 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:38:43.88 ID:QNv1/8cK0
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- 382 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:41:53.37 ID:O3XGxld20
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- 384 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:51:39.68 ID:x1tTu9250
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葬儀屋稼業
chapter 2 需要と供給
女「需要と供給って知ってるよね」
男「んーーんーーん」
女「物が欲しい人とその物を提供する人のこと」
男「んーーんーーん」
女「私は需要と供給は多すぎても少なすぎてもダメで
ちょうど同じぐらいで誰もが幸せになれると思う」
男「んーーーんんーん」
女「でも需要があるのに供給がなくて、今とっても困ってる人がいる。
もちろんあなたなら助けてくれますよね」
男「んーんんーん」
女「え、なにを言ってるか分からない」
男「んんんんん」
女「えーとそうだな、要するに私が需要であなたが供給」
男「んん!!」
女「アンダスタン?」
男「んんんんんんん!!」
女「よーし」
男「んんんんんんんんんん!!たすけ」
女「一名様ごあんなーい」 - 386 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 21:59:36.17 ID:4PlrYAqw0
-
弟 「…あれ」
男 「こんにちは」
弟 「こんにちは。珍しいですね」
男 「元気かい」
弟 「病人ですよ。相変わらず」
男 「そうか。…そうだよな」
弟 「入院患者捕まえてなに言ってるんですか」
男 「すまない」
弟 「謝らないでください。今のはツッコミです」
男 「ボケに対しての、ツッコミか」
弟 「天然ボケに対しての、ツッコミです」
男 「俺は天然じゃない」
弟 「天然の人は、決まってそう言います」
男 「…お前は頭がいい」
弟 「ねえちゃんは、どうですか?」
男 「相変わらずだよ。涙腺はいまだ故障中」
弟 「ダメだなあ」
男 「ダメだよ。お前の姉ちゃんは」
弟 「でも楽しそうだなあ」
男 「実に楽しそうだ。お前の姉ちゃんは」
弟 「いいなあ…」
男 「…」
弟 「…」
男 「…タバコ、吸ってもいいか」
弟 「死にますけど、いいですよ」
男 「…だから病院は嫌いだ」 - 387 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:04:36.74 ID:GW4/8+H80
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葬儀屋-AM9:30-
女「今日は11時から入ってます」
男「把握」
女「唐突なんですけど、この仕事好きですか?」
男「愚問」
女「私は、当人の人生の一部に加わることが出来る大切なことだと思っているので好きです。・・・・悲しみもありますが」
男「・・・」
女「先、行きます」
男「先に逝くな」 - 388 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:07:35.34 ID:6hcZcJnmO
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- 394 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2006/04/29(土) 22:28:26.62 ID:15dsKJV10
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女「死んだことが信じられないとかいいますよね」
男「たまに言うヤツもいるな」
女「・・・ホントはわかってるんですよね」
男「・・・涙流してるしな」
女「・・・・・・」
男「顔逸らさなくていいぞ。泣いてるのぐらいわかる」 - 395 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:33:39.15 ID:7XCXA/Dn0
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女「先輩…」
男「どうした?」
女「……」
男「……」
女「ぐすっ…」
男「なんで、何も言わず泣き出すかね…」
女「うぅ……」
男「少しは落ち着け?ほら、俺のハンカチ貸してやる」
女「ちーん」
男「おまっ、いきなり鼻を咬むなよ……」
女「……ずびばぜぇぇえん……」
男「鼻水と涙で顔ぐしょぐしょだからな」
女「ちーん」 - 397 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:43:12.45 ID:GW4/8+H80
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葬儀屋-PM1:20-
女「悲しそうでしたねご家族の方々」
男「・・・ああ」
女「私も家族を持てば必ず通るんでしょうかね」
男「恐らくな」
女「・・・」
男「俺は」
女「?」
男「自分の大切な人が、死ぬまで俺の事を忘れないで居てくれればそれで俺の人生は万々歳だ」
女「・・・」
女「そんな事言うなんて思ってもいませんでした」
男「・・・」
女「・・・」
女「私は忘れませんよ、あなたの事」
女「今の言葉がきっかけで、きっと、ずっと」 - 398 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:45:04.95 ID:4PlrYAqw0
-
男 「生きろよ」
弟 「なんですか。急に」
男 「特に理由もなく生きてみろ」
弟 「病院じゃ、その手の話はタブーなんですよ。知ってます?」
男 「俺は病院と一生相容れない体質なんだ」
弟 「頷けますね」
男 「いいか、死と生にさしたる意味はない。理由も、目的もない」
弟 「はあ」
男 「人間はただ生まれて、浮遊して、しかるのち死んでいく。それだけだ。
そこにドラマ性やセンチメンタリズムを持ち込むから、ややこしいことになる」
弟 「そうなんですか?」
男 「だから死に向かう運命にある人間が無理して生き急ぐ必要はないし」
弟 「…」
男 「若いお前が、くそくだらない病気でわざわざ死ぬことはない」
弟 「…」
男 「決して望むな。当たり前のように生き延びてみろ」
弟 「…それはあれですか」
男 「…」
弟 「もしかして励ましてくれてるんですか」
男 「…」 - 399 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:52:04.21 ID:7XCXA/Dn0
-
男「おーい」
女「…なんです…か?」
男「…鼻と目が赤いからな……」
男「じゃなくて、今日暇か?」
女「…?暇…ですけど?」
男「あー、それじゃ、飯食いにいかね?」
女「…目と鼻が赤い子なんて誘って…楽しいです…か?」
男「あー、まあ、そのあれだ!」
男「って、また泣くのかよ」
女「うぅ……ちーん」
女「……ずびっ…こんな……私で…よければ……」
男「やっと笑ったな、笑わすのも一苦労だわw」 - 400 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:53:28.45 ID:BDhU4RayO
-
───帰り道。
女「………」
男「どうした?」
女「なんか…おかしいですよ、やっぱり」
男「何が?」
女「どうして…葬儀プランにランクなんてあるんですか?」
男「しょうがねえだろ。遺族にだって事情があるんだ。
死んだ人間のために必要以上の借金なんかするか?」
女「グスッ……そんな言い方しなくても…!」
男「泣くなって」
女「泣いてません!」
男「はいはい」
女「…グスッ…」
男「…………」
男「見ただろ、遺族の必死な顔をよ」
女「…………はい」
男「ああやって遺族が出来る精一杯のことをやってくれてんだ。仏さんだって浮かばれるだろーよ」
女「…………」
男「人の価値って、そこらへんじゃねぇの?」
女「………はい」
男「んじゃ、次行くぞ。と、その前にタバコ買ってくるわ。…メイク、直しとけよ?」
女「泣いてません!」
男「はいはい」 - 401 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 22:58:20.27 ID:DttNpy44O
-
俺「こないだ親戚の爺さんが亡くなってさ」
友「ん、昨日の忌引きのことか。…重い話?」
俺「いや、その人はほとんど話した事もない遠戚だったから。実感できる死じゃなかったし」
友「…ふぅん」
俺「それで昨日、ちょっと気になる人に出会ってさ」
友「一目惚れか」
俺「……お前、ほとんど話したこともない遠戚の爺さんが死んだら、泣けるか」
友「なにをやぶさかに。お前がそれを聞くなよ」
俺「じゃあなんにも関係の無い、全くの他人の葬儀に立ち会って、泣けるか」
友「だからお前が聞くなって」
俺「………だな」
友「でも、そうだな。もしそれで泣けるやつがいるとしたら、そいつはとんでもないバカだな」
俺「バカ正直」
友「真っ直ぐバカ」
俺「バカ素直」
友「俺達は」
俺「大バカ者だ」
友「大バカか」
俺「大バカだ」
友「人類皆、大バカばっかだな」
俺「だからこそ、バカが必要だ」
友「そんなもんか」
俺「そんなもんだ」 - 417 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2006/04/29(土) 23:15:11.51 ID:v2a+amaH0
-
淡々としてていいなぁ。事務的な中にも情みたいなものが見え隠れして
- 418 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:16:38.10 ID:7XCXA/Dn0
-
女「…ご飯の奢りって屋台ラーメンですか…しかも仕事服のままだし……」
男「しょうがねぇだろ、今月はもう金ねぇんだからよ」
女「……甲斐性なし…」
男「あん?なんだって?」
女「…あ、きました…ラーメン……」
男「ち、話しそらしやがったな」
ずるずる~むぐむぐ
女「…ごめんなさい……先輩には迷惑かけてばかりで……」
男「ん?気にすんな、お前は可愛い後輩だ。後輩は黙って先輩に甘えてろ」
女「……」
男「……うまいか?」
女「…うぅ…美味しい…です……」
男「あー、それ、絶対しょっぱいだろ、泣くな泣くな」
女「…うぅ…ごめんなさい……ちーん」 - 419 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:19:32.36 ID:0WrAstqsO
-
幼女 「ママ、おやすみなさい」
幼女父 「……パパにも…お花を分けておくれ」
幼女 「ハイ!パパっ!」
幼女父 「…ありがとう」
女 「…あの子笑ってますね」
男 「小さいからな」
女 「お父さんも、笑顔……作ってますね」
男 「ああ」
男 「……ちゃんと見れてるな」
女 「……ぐすっ」 - 426 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:31:24.46 ID:8xl2hV7V0
-
女「誰も泣いてませんでしたね・・・」
男「そういう生き方もあるってことだ」
女「私は」
男「うん?」
女「自分の葬儀で泣かれたら、きっと辛いと思います」
男「・・・」
女「でも、誰も泣いてくれなかったら・・・やっぱり寂しい」
男「・・・」
女「そう・・思います」
男「我侭な奴だな」
女「あはは・・・これじゃあみんなが困っちゃいますね」
男「まぁ・・・そんなのもありだろうよ」
女「いいんですか?」
男「最後の我侭だ、多少は大目に見てくれるだろ」 - 431 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:35:31.71 ID:/a+JCwRx0
-
女「なんで死んじゃうのよ…」
男「……」
女「しかも私が貴方の担当だなんて……」
男「……」
女「戻って…きて…」
男「おはよう」
女「…どこから起きてた?」
男「それは企業秘密だが勝手に殺さないで欲しい」
女「……っ!!」
後頭部殴打、最初へ...... - 432 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:37:56.13 ID:iBRKXslw0
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- 433 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:38:38.86 ID:IqPBJnMP0
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やたらと泣くよりは、>33みたいなノリのほうがいい俺はこのスレでは異端っぽいな
- 434 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:39:03.69 ID:5uARRfYB0
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- 435 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:39:47.41 ID:hmjIdHQa0
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- 436 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:40:51.65 ID:3JiMk95W0
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- 437 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:42:55.90 ID:1mH7dKXdO
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「先輩、、、。」
「あ、、お前、何で、、?今日休みじゃ、、、!…すまん、本日は…ご愁傷様です」
「親戚の大叔母様なんです」
「ん、、。」
「どうしたんですか?こっちばっかり見て。私気にしてませんから」
「あ、いや、、(普段スーツだからな、、ワンピース着ると案外可愛らしい、、、なんて、不謹慎だな)」 - 438 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:45:02.45 ID:BDhU4RayO
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- 439 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2006/04/29(土) 23:45:25.88 ID:7yQ/DEm80
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- 443 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:48:32.15 ID:3JiMk95W0
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- 444 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:48:51.31 ID:4PlrYAqw0
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- 448 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:50:56.39 ID:BDhU4RayO
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- 450 436 2006/04/29(土) 23:51:58.10 ID:1mH7dKXdO
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「お見合い、どうだったんだ」
「断られちゃいました。葬儀屋なんて、縁起が悪いって」
「、、親に無理矢理、だったんだろ。気にすんな。それに」
「それに?」
「あ、いや、、何でもねぇ」 - 453 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:53:13.42 ID:Pj3mui+k0
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- 454 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:53:58.06 ID:ifsZXhUZO
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- 458 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:58:34.82 ID:79zUeiWvO
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- 462 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/29(土) 23:59:56.60 ID:Q4XrPrfBO
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とりあえず謝るスレはここですか?
ごめんなさい - 463 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/30(日) 00:00:09.54 ID:Pgow+7YzO
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そろそろ>>1の「葬儀屋」が恋しくなってきた
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