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新ジャンル「未来人で宇宙人で超能力者で幽霊」01_vol05
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新ジャンル「未来人で宇宙人で超能力者で幽霊」
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- 576 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:10:53.22 ID:CJeQ+wia0
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13時59分47秒にいきなりフリーズするmyPCのツンデレ具合に萌えたorz
- 579 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:18:40.34 ID:CJeQ+wia0
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しめっぽい夜だった。
その日、木下優はしばらく袖を通していなかった学生服に身を包んだ。
ねずみ色のブレザーは地元ではよく見かける中学校の制服だった。
姉はこの一年でようやくなじんだ紺色スーツを着て、父と母は黒を纏っていた。 - 583 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:26:30.41 ID:CJeQ+wia0
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いとこは父方も母方も女の子ばかりで、特に父方の叔父は三人姉妹を娘に持っていた。
一番上は僕よりもふたつ年上で、残りのふたりは逆に僕よりもふたつ年下の双子だった。
叔父は北海道、札幌に住んでおり三人の従姉妹もそこで暮らしていた。
家は父方の先祖代々で、叔父夫婦、従姉妹たち、祖母、そして――祖父が『暮らしていた』。
享年は八十七。深夜、自宅での呼吸困難による窒息。大往生であった。 - 584 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:30:06.77 ID:CJeQ+wia0
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ざあざあと強くではなく、さらさらと。
ぱらぱらと弱くではなく、さらさらと。
春休みの中ごろに顔を見せた訃報は、滴る涙のように雨を零した。 - 586 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:36:43.53 ID:CJeQ+wia0
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漠然とした寂しさと、そんな感情しか抱けなかった自分へのかすかないらだち。
厳格な父がひつぎにすがって声を上げて泣く様に、かつてなく大きな溝を感じた。
普通に。ごく普通に。大きなケンカもなく、仲良く過ごし、たくさんのことを知っていると思った父。
その父から垣間見えた『まったく知らない一面』は、むしろ奇異に映った。
そう、まるで『父が別の何かにとって替わってしまったかのような』。
当然なのに、受け入れきれず。頭で分かっているのに、感情が拒絶した。
ひどく、気味が悪かった。 - 587 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:42:42.31 ID:CJeQ+wia0
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ドォン
まるで漫画のような、そのまま擬音に表せるような間の抜けた音にたたき起こされた。
目を開くと、電柱。それにぶつかって大きくひしゃげた車体。やや左にかしいで止まっていた。
エアバックは働かず、だがシートベルトに引き絞られ、僕は座席に張り付けられていた。 - 589 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:48:20.05 ID:CJeQ+wia0
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フロントガラスの向こう側から煙が上がることはなく、炎上することも爆発することもなかった。
運転席と後部座席に声をかける。
僕は手も足も動く、シートベルトに引かれ過ぎて羽毛のジャンパーは裂けていたが、打撲程度。
運転席の父は反応をした。身体がうまく動かせないという。 - 590 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:52:34.01 ID:CJeQ+wia0
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後部座席の母も応えた。車から降りて、救急車を呼ぼう、と。
かしいではいたが、ドアを開けるのには問題なく、助手席から降りて携帯電話を取り出す。
額を切って、母はだくだくと血を流していたが意識ははっきりしていた。
問題ない、と思った。
――ただひとり、後部座席右。運転席の後ろに座っていた従姉を除いて。 - 591 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:56:58.64 ID:CJeQ+wia0
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>>
また、嫌な夢だ。
「うぅ……ん」
昨日も昨日で随分と起きるのが早かったが、今日はそれにも増して早い。
窓の向こうは真っ暗だった。 - 592 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 14:58:56.06 ID:9VBkPJuBO
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wktkwktkwktkwktk
- 593 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:01:06.40 ID:CJeQ+wia0
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音を立てないようにそっと身体を起こす。
アルとラクは、昨日と同じようにそこに居た。
ベッドのすぐ隣にある窓。そこにかかった淡い色をした短いカーテン。手でそっと開き、隙間から表を覗く。
月がふたつあった。 - 594 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:08:09.56 ID:CJeQ+wia0
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天体の知識などないも同然だが、それでも少しは分かることがある。
星座に並ぶ星たちは、地球からずっとずっと遠くで輝いている――恒星の光を反射しているものもあるがそれはともかく。
つまり、すべてではなくともいくつかの星座は判別できてしかるべきなのだ。
ここが、地球かあるいはそこからそんなに遠くない星であるならば。 - 595 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:12:16.52 ID:CJeQ+wia0
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しかし、分からない。
そんなに星座を知っているわけでもないが、記憶に当てはまるものがひとつもない。
「……何処なんだ、ここは?」 - 596 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:15:54.35 ID:CJeQ+wia0
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太陽系の惑星は、すでに地球以外のすべてにおいて知的生命体が居ないとされている。
それは環境の条件からも推測でき、そして環境は直接その星に降り立つことができなくとも多くが分かるようになった。
天文学者は日夜遠くの遠くの遠くの星を眺め、その大気成分や星そのものの構成成分を突き止めている。
そして、その限りにおいて地球と同等の条件を満たす星はひとつもない。 - 598 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:18:09.33 ID:CJeQ+wia0
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つまり、ここは未知の星。
むしろ異世界と呼んだ方が分かりやすいくらい『地球人類』から隔てられた場所。
「……嘘みたいだなぁ」
つぶやきが、もれた。 - 599 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:22:13.18 ID:CJeQ+wia0
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目も頭も違うわけだが、感覚をそのまま信じるなら――『エルフ』は『人類』とほぼ同じだ。
知的レベルも思考形態も論理の組み立て方も生理的な条件に美醜さえも。
たった二日で何を知った風に、と言われればそれまでだが、ともかく驚くほど似ている。 - 600 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:28:38.63 ID:CJeQ+wia0
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収斂進化というものがある。
イルカとサメは哺乳類と魚類の違いがあるにもかかわらず、非常によく似た身体を得た。
このように、同じ環境において進化を遂げた生物は、種族によらず外見や身体構造が近しくなる。
これが収斂進化。
- 601 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:32:20.14 ID:CJeQ+wia0
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『エルフ』と『人類』は、分断されているといっていいほど遠く離れた土地で収斂進化を見せたのだろうか。
それにしても似通い過ぎている気もするが……。
そうだ、似通うといえば、環境そのものもだ。
口にした食事には、たくさんの野菜や穀物が含まれており、その多くが地球にあったものと同じであった。 - 602 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:37:14.14 ID:AhhlFOuQO
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書き手は文房具の人?
ちがったらすまそ - 603 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:37:28.89 ID:CJeQ+wia0
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種子の誕生は地球で、それを持ち込んだのかも知れないけれども、それらが育つ環境はここにもある。
つまり、大気や土壌もあわせて、それらの環境全般が恐ろしいほど地球に似ているということだ。 - 604 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/12(火) 15:38:08.88 ID:CJeQ+wia0
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- 606 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 15:43:44.81 ID:CJeQ+wia0
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ここで目を覚ましたのは本当に偶然なのか。
『巫女』が何者なのかもまだよく分からない。
『エルフ』たちは何処まで『人間』らしくて、何処まで『人間』らしくないのか。
この世界がすべてぼくの妄想で、夢の中の出来事で、目を覚ますまでの短いうつつ――とは、もう考えられない。
そのくらい彼女たちは生き生きとしていて、各々に人格を持っている。
どれほどか『胡散臭い』世界だというのに……。 - 615 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:17:33.86 ID:CJeQ+wia0
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そろそろ最初のターニングポイントを与えようと思ったんだけれども、試算したらそれをやると果てしなく長くなる悪寒がする件
どうしよ? - 616 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:18:17.92 ID:CJeQ+wia0
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訂正、それをやると、今後の展開が延々長くなる。
- 617 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:18:50.97 ID:tEMoFv6v0
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- 618 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:21:12.40 ID:R3LFoa9P0
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- 619 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:22:50.32 ID:CJeQ+wia0
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長くなってもパー速には行かないのが私のジャスティスwww
ま、方向性があってやがて収束するわけだから根本的には問題なかろー - 620 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:24:13.89 ID:zge9BNcg0
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長いと嫌だ
短く太くやらないと感動が薄れる - 621 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:28:22.98 ID:R3LFoa9P0
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- 622 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:29:10.85 ID:CJeQ+wia0
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ふむ
もう短いって分量ではない気もするけれどw - 623 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:33:52.49 ID:9NF6ir/oO
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- 626 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:44:26.61 ID:CJeQ+wia0
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>>623
木下優は、死んだと思ったらなぜかクローというエルフ耳のおにゃのこの身体で目が覚めた。
アルと名乗る極悪系うっかりさんの導きで村の長に面会をし、長から大雑把な話を聞く。
話の内容は主に三点。
『こうやって意識だけこちらに来てしまう人間はこれまでもいたということ』
『優に対して友好的・協力的な態度を取るということ』
『男は危険ということ』
その後、夜には長から村の女性たちに紹介をされ、ラクという妹系暴走少女が新たに世話役としてつくことになる。
一夜をアルとラクと過ごしたあくる朝、長とトイレで鉢合わせる。
お風呂に入り、巫女装束に身を包み、改めて長の屋敷を訪ね様々な話を聞く。
そのうちのいくつかの質問に、長は「明日、まとめて答える」と言った。
『神殿』で目が覚めた、二日目の早朝。
空を見上げてもここが何処かは分からなかった……。
産業なら
・目が覚めたらエルフおにゃのこ
・村の長からアレコレ聞くも、不明点は明日答えるとはぐらかされ
・いろいろと不可解だなと思いつつ二日目が始まる…… - 627 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:46:50.05 ID:tEMoFv6v0
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木下優は、死んだと思ったらなぜかクローというエルフ耳のおにゃのこの身体で目が覚めた。
アルと名乗る極悪系うっかりさんの導きで村の長に面会をし、長から大雑把な話を聞く。
話の内容は主に三点。
『こうやって意識だけこちらに来てしまう人間はこれまでもいたということ』
『優に対して友好的・協力的な態度を取るということ』
『男は危険ということ』
その後、夜には長から村の女性たちに紹介をされ、ラクという妹系暴走少女が新たに世話役としてつくことになる。
一夜をアルとラクと過ごしたあくる朝、トイレに向かうとすでに誰かがいた……。
家庭用コンロはないけどおいしいご飯できるよ。
ラクの髪の毛は清流の如し
お風呂で何か大切な物を失った気がする。
女装はイヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
優のような人は数十年に一度くらいしか現れない。
長はDカップ
翼人なんてノもいる。
優の祖父は享年87歳
従姉は事故で死んだ?
月が2個ある。 - 628 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 17:48:30.09 ID:CJeQ+wia0
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あんま私がまとめるとネタバレしてきそうだから、今後一切はおまかせーw
- 630 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:10:09.87 ID:tEMoFv6v0
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- 632 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:28:31.33 ID:N6+Tzy6zO
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今のところ、宇宙人にも未来人にも超能力者にも幽霊にも見えない(単に説明が無いだけかもしれない)が…
ここまでスレが進むともう無理か…
あと夢とかいらなくね? - 634 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:38:04.32 ID:CJeQ+wia0
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- 635 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:40:36.33 ID:N6+Tzy6zO
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- 636 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:41:59.28 ID:zge9BNcg0
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- 637 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:42:12.79 ID:CJeQ+wia0
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- 638 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:46:33.96 ID:tEMoFv6v0
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>>632
>>593
星が二つあった
↑
この辺でほかの惑星にいるらしいことが解るよな?
>>31
>>32
バン
とそこで、背中から腹に、そして首筋から全身に続く激痛が一瞬走って、ATMの画面にヒビが入って、ドットのお姉さんが血に濡れて泣き笑いのような顔になっているのを見た。
そこで途切れた。
だから、『たぶん』あっさりと死んだ
↑
この辺で死んでる。
それをふまえてクローの身体に間借り? というか乗っ取っている(憑依)ってことで幽霊
>>454
長「細かい話は追々するが――おそらく、そなたの体感からすれば年単位のズレがあるじゃろうな」
↑
この辺でどうやら優のいた時代とはずれていることが解る。
超能力者はこれからか? - 639 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:47:12.79 ID:N6+Tzy6zO
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- 640 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:48:37.53 ID:CJeQ+wia0
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夢オチはしないけれども、このスレ一個で終わる気がしない罠w
- 641 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:48:47.23 ID:tEMoFv6v0
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- 642 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:49:55.58 ID:CJeQ+wia0
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- 643 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 18:53:00.74 ID:H56hC0fV0
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で、仮に次スレ立てるとして
どんくらいで終わりそうなわけ?
概算で - 644 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:54:20.69 ID:N6+Tzy6zO
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>>638
せっかくの解説に感謝と言いたいが、その辺は分かってる。
だが、ハッキリと「宇宙に行った」とも確実に「死んだ」とも「未来に居る」とも証明されてないから不安になった。それだけだ。
あと煽りだなんて思ってないよ。気にすんな。 - 645 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:55:02.83 ID:CJeQ+wia0
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かなり省略した書き方しててこれだからなぁ……。
途中で安価ミスったら即行で終わるけれど、『とないぬ』のときはそれでもラノベ一冊分くらいの文字数になったよ。ククク…… - 646 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:57:59.60 ID:9NF6ir/oO
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- 647 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 18:59:19.61 ID:H56hC0fV0
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- 648 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 18:59:42.51 ID:tEMoFv6v0
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- 655 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:00:00.34 ID:CJeQ+wia0
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~再開~
- 656 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 20:02:53.75 ID:DUmM5gv30
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wktkし過ぎて携帯電池終わって保守出来なかったorz
- 657 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:05:06.27 ID:CJeQ+wia0
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>>
逆に、というべきだろうか。その不自然は場所を見つけられたのは。
「……なんだこれ?」
宵の香りが残る暗い空をひと仰ぎしたその後、トイレへと続く玄関そばの廊下。
物置のためか玄関口からは死角となるところに設けられた小さな空間。
そこに、普段ならなんとなく見過ごしてしまうようなふとしたくぼみがあった。 - 658 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 20:05:34.25 ID:z+mqFG//O
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- 659 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:10:23.23 ID:CJeQ+wia0
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くぼみは床。カーペットの切れ間、張られた木の板がそのまま見える場所に見られた。
ちょうど、片手の指を第一関節くらいまで挟みこめるような、浮き。
昼間は気が付かなかったくらいのそれだけの異変。 - 660 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:14:07.18 ID:CJeQ+wia0
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最初、単に板が浮いてしまっているだけだと思った。
しかし、数度軽く踏んでもその『浮き』は沈まない。
わざわざ死角にある物置なのだから、これはちょっとした収納ではないか、と次に思いついた。
指をかけ、上に力を加えてやると、案の定一帯の板が同時に持ち上がった。 - 661 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:16:47.71 ID:CJeQ+wia0
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ところが、だ。
「はしご……だよなぁ?」
そこにあったのは、地下へと伸びるはしごだった。 - 665 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:22:03.34 ID:CJeQ+wia0
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顔だけを穴に入れ、中を見渡す。
暗い。
せめて近くに窓でもあればいいのだが、辺りには何もない。
どうしたものだろうか……?
1.そのままはしごを降りてみる
2.ロウソクに火をともして中をもう一度覗いてみる
3.放っておく
4.その他
>>670 - 670 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:32:27.93 ID:N6+Tzy6zO
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4.放って置こうと思ったが指を挟んでしまい、慌てて板を持ち上げたら、弾みで近くにあったろうそくを掴んだまま落下。
- 672 近くにロウソクがあるとは書いていないけれどねw 2007/06/12(火) 20:33:53.65 ID:CJeQ+wia0
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- 678 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:41:56.55 ID:CJeQ+wia0
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「ま、いいか」
どうせ物置だろう。
目に付くような大きなものも見えない。気にする必要はな――
ばちん
「痛っ!?」
指挟んだぁ……あ? - 680 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:46:10.89 ID:CJeQ+wia0
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閉めようと下ろした板は予想外に重かった。
挟んだ指をあわてて引き抜いたのもまずかった。
次いで、カーペットが後ろに敷かれていることを忘れていたことも問題だった。
ずるっ、と勢いよくぼくの世界は一回転した。
「のあっ、ひゃ……きゃ……ぁあああああああああああああああああああああ」
おむすびころりんすっとんとん♪ - 683 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:49:58.78 ID:CJeQ+wia0
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とりあえず、おまいらもちつけwwwwwwww
私が明示していないから悪かったんですorz
・連レス可
・展開に関するお話はほどほどに
・『まったりいこうぜ』
できれば、このような感じでお願いできればとorz - 685 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 20:57:32.83 ID:CJeQ+wia0
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何がどうなったのか、滑ってから地べたに付くまでの時間が『長かった』。
くるくるくるくる――っと前転前転前転前転――「あああああぁぁぁ……ぁぁああああああああぁぁ……ぁぁああああああぁぁぁぁ……」
がんがんとわよんわよんとドップラー効果を体感しつつ回転すること数回滞空すること数秒「死んだ」とか思う暇もないっていうかそれ以前に思考が「ああああああああああああああ」の一色で
何も分からないはずなんだけれどもとりあえず死ぬ死ぬ死んじゃう死んじゃう助けて助けては分かるような不思議に矛盾を感じることそういえば走馬灯マダーって注文したら冷やし中華始めましたって言わ
ぼすんっ
クッションがあった。 - 687 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:01:53.16 ID:CJeQ+wia0
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「いたた……お、おしりが、おしりがー」
うにうにとしたクッションの上で、おしりおしりと連発し苦しむ。
あらいやだ、おしりだなんて下品ねおほほほほ、どうせなら臀部とおっしゃい臀部と――縦ロールが常磐線に乗って通過した。
「びていこつー!」
痛い。 - 691 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:06:04.21 ID:9NF6ir/oO
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- 692 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:08:07.22 ID:CJeQ+wia0
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そこは、穴の中だった。
はしごの周りに敷かれたクッションに真っ直ぐ飛び込めたから助かったものの、かなり危ないところだった。
クッションがなければ当然大怪我。
あったとしても着地が悪ければ骨折くらいは当たり前。
はしごに身体を取られれば、そのまま死んでいてもおかしくない。
考えたら背筋が引っ張られるほどぞっとした。 - 693 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:11:45.02 ID:CJeQ+wia0
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大きなものは置かれていない、と穴に入る前にも思った。
だが、実際中に入ってみると『何もない』と分かった。
小部屋。
手を伸ばしたくらいでは届かないが、走るには狭すぎるくらいの小部屋。
そういえば、自分が与えられた子供部屋もこのくらいの大きさだったか……。 - 696 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:16:58.33 ID:CJeQ+wia0
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「ユウさーん、どうかしましたかー?」
「おにーちゃーん、何処ー?」
と、落ちるときの悲鳴を聞いたのか、ふたりの呼ぶ声が耳に届く。
「と、とりあえず……おしりの痛みが引くまで待ってくださいぃ……」
この恐ろしくかっこ悪い姿を見られる前にこの穴倉を抜け出すことが至上命題となったので、探索は終了と相成った……。 - 697 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:17:50.80 ID:CJeQ+wia0
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☆ちなみに、ロウソクは火がないのであっても変わらず、でしたw
- 699 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 21:20:11.57 ID:DUmM5gv30
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そういえば台所の謎も分かってなかったな
- 700 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:30:02.49 ID:9NF6ir/oO
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- 703 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:45:04.33 ID:CJeQ+wia0
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~再開発地域~
- 705 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:52:17.18 ID:CJeQ+wia0
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長がとち狂った。
「は?」
「どうかしたかの?」
ニコニコ顔を貼り付けて、長が狂ったということは分かりました。
「いやその、ボケが始ま……もとい、痴ほ……いやいや、もといもとい若年性痴呆症ですか?」
「なんぞそのまま放り出されたいのならその通りにしてやるぞ?」
にこにこにこにこにこにこにこ。 - 707 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:58:01.25 ID:CJeQ+wia0
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「いや、だってどんな危険思想ですか、男村行けだなんてっ!?」
よもやこれは十字も赤もびっくりの軍隊教育!?
新入りに対しての洗礼というやつか! 手の平灰皿とか駅前ドナドナ合唱とかの類ッ!
「あとは任せたぞ、ラク?」
「はーいっ」
うわ、説明省略した。 - 708 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 21:58:50.88 ID:Hu/tQRbIO
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なんやらヤバめなふいんきwktk
- 709 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 21:58:58.76 ID:DUmM5gv30
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ついに男村!!
- 710 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:01:43.11 ID:CJeQ+wia0
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>
「はいっ、それではごせーちょーくださいっ!」
イスでこさえた簡易な壇上で、ラクはぶんぶん手を振っている。
「これから、おにーちゃんと一緒に男村に向かいまーす!」
わー……ぱちぱち……
なんとなく拍手が出た。 - 711 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:04:04.97 ID:CJeQ+wia0
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「ですが、このままではおにーちゃんは確実におおかみさんの餌食ですっ! がぷがぷです、ぱくぱくです、じゅるじゅるです、おいしーです!」
「汁音はやめてくれ……なんか生々しいから……」
いやもうホントに。
「そこで! とりいだしたるはこの一枚の紙!」
ラクの手にははがき大の小さな紙があった。 - 712 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:07:31.83 ID:CJeQ+wia0
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「たねもしかけもございまーす」
あるのかよ。
ツッコむ間もなく、ラクはそのはがきを構え――
「はいっ!」
ぽっ
「おおぅ!?」
一声あげるやはがきの上から、ライターでつくくらいの小さな火が現れた。 - 713 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:12:05.44 ID:CJeQ+wia0
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「おー……って、これ、手品?」
「手品じゃなくてー、魔法でーす!」
魔法。あっさり過ぎ。
「うんとねぇ、理屈はよく分かんないけれど、自分の血でこーんな形を書いて、この丸のところに小麦粉を乗せれば完成っ! あとはこのはじっこに指を乗せると――」
ぽっ
「こんな感じでかーんたんに火がつくのでーす!」
ぱちぱち。 - 714 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:14:45.45 ID:ULKSj0ga0
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まほうきたこれ
- 715 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 22:17:57.77 ID:DUmM5gv30
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小麦粉www
汎用性無さそうww - 716 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:23:12.81 ID:CJeQ+wia0
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やけに簡単。
「これは、『魔法陣』と呼ばれるものです」
アルが補足をする。
「身体の一部を利用して回路図を引き、特定の呪物を配置して、そこに触れることで『魔力』を流し、『魔法』として発動させるものなんです」
「はぁー……」
ふぁんたじぃだ……。
なんといなんという、なんというファンタジーっぽさ!
おファンタジーもの。
伝説と神話のはざまから出現せし文学と妄想の雄弁者。
物理法則何のその、不可能嗤い軍事バランス書き換えるすさまじさ。
なぞの魔力になぞ回路、なぞの陣形なぞの魔法、使うはなぞの魔術師。
表すは無限の象徴か、精神の物理融合か、彼女はこの世界に――
……ノリきれん。
見るのは楽しいんだが、自分が『魔女っ娘』になってしまうのはなぁ……。 - 718 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:26:38.40 ID:CJeQ+wia0
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「……?」
「ああいえ、その……」
不思議そうな顔をしていたので、アルに言う。
「物理法則を超えるようなものが実在するって凄いですねぇ」
あはは、と笑――
「超えませんよ?」
超えようよ。 - 719 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/06/12(火) 22:31:28.17 ID:DUmM5gv30
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一気に色々分かるのか序の口かwktk
- 720 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:31:31.91 ID:KWne2Sqz0
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超 え ね ぇ の か よ ? !
- 721 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:31:58.69 ID:Hu/tQRbIO
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超えないwwww
- 722 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:33:36.92 ID:CJeQ+wia0
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そこから先は、またラクが引き継いだ。
内容を大雑把にまとめるとこのようになる。
・『魔法陣』は、回路である。
・『魔法陣』の回路は、血を『魔力』の導線に様々な呪物を抵抗やコンデンサとした電気回路のようなものである。
・『魔法陣』によって得られる反応を『魔法』と呼ぶ。
・『魔法』は物理的な力であり、また物理現象のひとつである。
と、これだけを説明するのに十五分くらいの時間を要した。疲れた。 - 723 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:36:49.61 ID:CJeQ+wia0
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「つまり、『魔法』とは電磁気学などと同列の――ユウさんたちの世界ではまだ発見されていない普通の力なんです」
「なるほど……」
『エルフ』の名称もそうだけれど、イメージを微妙に切り崩してくる辺りこの世界の日本語はあなどれない。無意味に。 - 724 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:39:21.56 ID:ULKSj0ga0
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なんかそんなもっともらしく説明されるとファンタジーだと分かっていても
出来そうな気がした - 726 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:41:35.63 ID:KWne2Sqz0
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…もしかして書きながら投下、なのか?
猿回避支援ー - 727 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:42:31.62 ID:CJeQ+wia0
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「んで、どうするんですか、そのライター魔法で?」
ぺらぺらと紙を振る。
「ふっふっふー、おにーちゃん、甘い甘いあまーい。砂糖を煮詰めてカラメルシロップを作るくらいあまーい! それにはちみつとアンコをあわせてキンツバにかけるくらい……おいしそう……」
たぶん甘すぎて吹く。
「視覚的な問題が主で、男村には入れない。つまり、ちょこっとだけ視界をゆがめるような魔法を使えばいいの!」 - 729 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:44:50.29 ID:CJeQ+wia0
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つらつらとながーくのびのびになるラクの話を要約すると、
・なんだかよく分からないけれど、あんまり視界とか変わらないのに男たちに会っても影響を受けない魔法がある
ということらしい。所要時間は合計でおおよそ一時間。 - 731 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:46:36.02 ID:CJeQ+wia0
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「分かった? おにーちゃん」
「トテモヨクワカリマシタアリガトウゴザイマシタ終了シマショウオネガイシマスオネガイシマスオネガイシマス」
「よろしいっ」
発展途上にある胸をつん、と張った。 - 732 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:48:36.47 ID:9NF6ir/oO
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- 733 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:49:35.24 ID:CJeQ+wia0
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- 735 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:52:36.36 ID:ULKSj0ga0
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エロ展開かと思ってたら普通なのね、個人的にはGJ
エロが見たければ自分で書けと - 736 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:54:08.76 ID:CJeQ+wia0
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- 738 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 22:55:40.86 ID:CJeQ+wia0
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- 741 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:06:25.67 ID:KWne2Sqz0
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>738
いやいや、しっかりしてると思うぞ?
一度の書き込みでの文章量が少ないことに気付くまでそうとはわからなかったくらいだぜ?
まぁ、書いてる側でもないんで書き手ならではの歯がゆさは理解できないだけかもだが
- 742 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:08:06.12 ID:CJeQ+wia0
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- 744 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:15:09.84 ID:CJeQ+wia0
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~じりじり再開~
- 746 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:20:34.30 ID:CJeQ+wia0
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長の屋敷のふすまをくぐると、一本の長い廊下があった。
そして、そこにはひとり、子供が立っていた。
「初めまして、ユウさん。僕はアイ、男村との間で行き来する伝言役です」
にこやかに笑んで、アイは小さく会釈をした。 - 747 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:26:59.91 ID:CJeQ+wia0
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他の村人と同じ、金髪に碧眼。長さは肩口までで軽く整える程度の髪。礼儀正しくも行動的な雰囲気のうかがえる強い眉と目が記憶に残る――少年、いや少女か……?
「アルさん、ラクもこんにちは。またお会いできてうれしいです」
握手に回るアイ。
「アルさんはいつでもおキレイですね」
「あらあら」
「ラクも元気そうでよかったよ」
「子ども扱いするなー!」 - 750 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:31:35.91 ID:CJeQ+wia0
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実際、アイよりもラクの方が背が高い。
なんとなく不思議に思えるが、まあよしとする。
「では、このふすまの先は男村になります。きちんと魔法陣を発動させてくださいね? 出来得る限りお守りいたしますが、限度はもちろんありますから」
「ああ、分かった」
ごそ、とふところからはがき二枚を組み合わせたくらいの大きさの紙を取り出す。
……というか、逃げにくくなるからこの巫女装束は着替えさせてほしかった。 - 753 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:38:06.48 ID:CJeQ+wia0
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のたくった線に、少しだけ見えるのは呪物の野草の汁。
赤と黄緑で彩色された前衛芸術は、よくよく眺めればひとの顔も浮き上がってきそうだ。
そして、たったこれだけの。こんな薄っぺらな紙が――えっちぃ漫画でありがちな陵辱劇を防いでくれるという。
あの感覚にはぞっとさせられる。
自分の意思が捻じ曲げられているのに、まったくそれに気が付くことなく身体を許してしまうあの感覚には。
華奢な手足に低い背丈、軽い体重に弱い力。
今や動きを阻害するためとしか思えないふたつの胸の山に、下に待ち受ける――『受け入れる場所』。 - 754 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:41:02.98 ID:CJeQ+wia0
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その『受け入れる場所』があることが問題なのか、
易々と組み敷かれてしまうことが問題なのか、
自分の意識が書き替わってしまうことが問題なのか、
淫らに乱れて何もかも捨て去ってしまうことが問題なのか、
あるいは、それが『女性』に他ならないから問題なのか、
もしくは、それを『女性』として許せないから問題なのか、
ともかく、キモチワルイ。生理的に。
そして、とてもとてもとても……怖い。 - 757 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:43:39.88 ID:CJeQ+wia0
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見栄と意地と根性とプライドに、ちょっとした逃げ道を与えていた『しかたない』という言葉。
会うと乱れてしまうのは『しかたない』。
乱れてしまっては何も出来ないので『しかたない』。
何も出来ないと困るので『しかたない』。
困りたくはないので『しかたない』。
しかたない、しかたない。しかたないから会えないや。
しかたないから怖い思いを出来ないや。 - 758 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:46:00.29 ID:CJeQ+wia0
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さて、そこに『魔法』君がやってきました。
会っても何にも起こりませんよー。
男村行ってみましょうよー。
怖くないですよー。
楽しいですよー。
え、行けない?
……ああ、そうですよね。今、木下優君は『女の子』でしたね。じゃあ『しかたない』。あんな出来事があったら怖くって怖くって『女の子』みたいに泣いちゃいますよね。
- 759 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:48:53.08 ID:CJeQ+wia0
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別に、誰かにそういわれたわけではない。
苦手に思っているのは事実だが……ひとまずここで生活するならば、ちゃんと男村も知っておいた方がいいに決まっている。
長も冗談のつもりだったんだろう。ぼくがこんなにトラウマ――いやいや、平気だ。平気だぞ!
人、人、人……っと。
観客はかぼちゃ観客はかぼちゃ観客って誰だ?
よし!
「行こう。案内頼むよ、アイさん!」 - 760 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:51:10.12 ID:CJeQ+wia0
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☆「今日のところはこの辺で勘弁しておいてやるっ!」と、捨て台詞を残してみようかなと思う次第w
- 761 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:53:33.58 ID:eejVY7DuO
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- 762 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/12(火) 23:56:50.83 ID:KWne2Sqz0
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乙!
ほのかに香る苦悩とエロスがたまらん。
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