アマノジャック@新ジャンル専用

新ジャンル「かぼちゃの妖精」01_vol02

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new_jack

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新ジャンル「かぼちゃの妖精」
72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:05:33.26 ID:13l1qNcXO
南瓜「……痛いです」

男「デコピンで済んだだけましだろ」

南瓜「ホントに私のお尻を叩いてたら、あなたはただの変態ですよ」

男「それは否めない。ま、とっとと帰りなさいよ」

南瓜「お菓子を貰ってないです」

男「何故あげなきゃならんのさ」

南瓜「ハロウィンですよ? お菓子を渡すのが常識です!」

男「はっ、そんな西洋の祭り事なんて知るか」

南瓜「おや、いいんですか? くれなきゃイタズラしちゃいますよ?」

男「やってみて下さい」



南瓜「運が良かったな。MP切れだ」

男「帰れ」

74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:13:30.66 ID:Or+RqgsL0
ドルンドルンドルン

女「チッうるせえなあ。どこの族だよ」
南瓜の痛車「私だ」
女「おまえか!」
南瓜の痛車「さあ、はやく乗れ! 間に合わなくなっても知らんぞーっ!」
女「乗れるかこんなもん! だいたいどこに連れてく気さ?」
南瓜の痛車「オレとお前の……未来……じゃ駄目かな?」
女「え……わ、わたしなんかでいいの?」
南瓜の痛車「お前じゃなきゃ……駄目なんだ////」
女「う……うん////」
鼠「おめでとう!」
瓜売り「おめでとう!」
瓜葉虫「おめでとう!」
デネブ「おめでとう!」
瓜金上羽「おめでとう!」




女「で、そのときの南瓜品評会で一位になったトロフィーがそれ」
シンデレラ「へー。すっごーい。で、南瓜は?」
イエス「その場で煮込み、参加者に振る舞ったところ、十二の鍋いっぱいに余ったよ」
シンデレラ「うっわ、もったいねー」

75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:13:33.59 ID:13l1qNcXO
南瓜「くださいくださいふください!」

男「断る。つか、さりげなく俺のファッションを否定するな」

南瓜「おや、いいんですか? イタズラしちゃいますよ?」

男「それはもういい」

南瓜「本気ですよ? 本気で本気出しますよ?」

男「だからやってみなさいよ」

南瓜「後悔しても遅いんですからっ」



南瓜「パプリカパプリカキャロットキャベツ!」

男「それ呪文? つか、カボチャを取り入れろよ」

76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:21:22.17 ID:13l1qNcXO
南瓜「ふぅ…さぁ、終わりましたよ」

男「……で?」

南瓜「あなたの服を見てください」

男「服? ……なっ、なんだと!? カボチャの刺繍が縫い込まれて…!?」

南瓜「ふふっ、これが私の力です」

男「…地味なぁー」

南瓜「う、うるさいです! さぁ、お菓子をください」

男「ったく、しょうがないな…」



男「はい。酢コンブ」

南瓜「なん……だと…?」

77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:29:38.45 ID:TklcMe3FO
酢コンブw

78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:32:14.29 ID:13l1qNcXO
南瓜「こんなのお菓子じゃないです! アメとかクッキーとかチョコとか…」

男「――酢コンブ馬鹿にすんな!」

南瓜「……!?」ビクッ

男「俺のガキの頃は、そりゃもう貧乏でな…」

南瓜(唐突に自分語りが始まっちゃった!?)

男「おやつといったら酢コンブ。友達に出せるものといったら酢コンブ!毎日が
  酢コンブでいっぱいだったさ!」

南瓜(トラウマになりそうですね…)

男「くそっ! なんで酢コンブだったんだ…芋ケンピでも良かったじゃないか!」

南瓜(似たり寄ったりですねー)

79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:35:59.02 ID:4QZxcAaZO
>>57
かぼちゃ「とりっく、です」

男「おや、君は」

かぼちゃ「おかしをくれないいじわるなひとに、いたずらにきました」

男「そっかー。でも今はあるんだよね。はい、プリン」

かぼちゃ「わーい」

男「早めに食べるんだよー」


かぼちゃ「ぷりんおいしいです」

もきゅもきゅ

かぼちゃ「はっ、ぷりんでいたずらわすれてました」

もきゅもきゅ

80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:41:14.77 ID:13l1qNcXO
男「そんなこともあってか、俺にとってのお菓子の定番は酢コンブになった訳だ」

南瓜「……」

男「だから、お前さんも何も言わずに食ってくれ」

南瓜「いえ、あの…すっぱいものダメなんで…」

男「ああ、そう。なら帰れ。他にお菓子など無い」

南瓜「嫌です」

男「もうっ! お前はなんなのさ! 何気なく見つけた酢コンブで感動秘話まで
  作らせといて、まだ帰らないのか!?」

南瓜「ウソだったんです!?」

男「俺もあまり好きじゃないしな」

南瓜(こいつ…)

81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:47:57.94 ID:13l1qNcXO
男「あっ、と。もうバイトの時間だ。じゃあな」

南瓜「投げっぱなし!?」

男「お前もカボチャの帽子なんてかぶってないで、さっさとお帰り」

バタン

南瓜「……」

83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:54:24.75 ID:4QZxcAaZO
かぼちゃ「とりっく あんど とりっく です」

男「あれ」

かぼちゃ「たびかさなる くつじょく……もうゆるしません!」

男「ええと」

かぼちゃ「いたずらのかぎりをつくしてみせます!」

男「今日ってもう十一月なんだよね」

かぼちゃ「え」

男「ハロウィン、もう終わり、なんだよねー」

かぼちゃ「……」

84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:57:58.07 ID:13l1qNcXO
ガチャ

男「……」

男「ふぅ、もう居ないみたいだな」

男「さて、急いでバイトに行かんと…ってこれなんだ?」ヒョイ

男「ちっさいカボチャ…」

男「……もしかしたら、これがあの娘だったのかもな」



男「後で食おう」

85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 00:59:36.01 ID:4QZxcAaZO
かぼちゃ「あの」

男「うん」

かぼちゃ「えっと」

男「うん」

かぼちゃ「かえれなく、なりました」

男「うん?」

かぼちゃ「いいわすれましたが、わたくし、かぼちゃのせい ともうします」

男「ご丁寧にどうも」

かぼちゃ「かぼちゃのせいは、はろうぃんにこっちのせかいにきて、そのひのうちにかえるのです」

かぼちゃ「そうしなければ、せかいをむすぶ『もん』みたいのがとじちゃうのです」

かぼちゃ「もん、とじちゃいました」

かぼちゃ「らいねんのはろうぃんまで、よろしくおねがいします」

ぺこり

男「うん?」

86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 01:03:45.29 ID:13l1qNcXO
男「――いらっしゃいませー」

客「Bランチね」

男「かしこまりましたー」


男「お待たせしました」

客「あの…」

男「はい?」

客「このカボチャ尽くしのランチはハロウィンだから?」

男「あれ? さっきまで普通の……ハッ」



南瓜「……」クスクス

男「なん……だと…?」

88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 01:13:55.46 ID:13l1qNcXO
男(あいつの仕業か!? つか、このちっさいカボチャは何だったんだ!?)

客「あの…」

男「あ、すぐ取り替えますんで!」

南瓜「えい!」ピロリロリー

男「ん? うぉ! 突然足元にちっさいカボチャがあああ!」

ステーン

南瓜「派手に転びましたねー」クスクス

南瓜「イタズラを舐めちゃいけませんよっ」

南瓜「私を馬鹿にしたことを身をもって教えてあげます!」

南瓜「私のイタズラは53万通りあるんですから」

90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 01:22:19.44 ID:13l1qNcXO
男「――やっと終わった…」

男「あんにゃろう、バイト中ずっと邪魔してきおってからに!」

男「つか、カボチャを転がしすぎだろjk…」

男「手のひらサイズのカボチャで山ができてるぞ…」

男「何故か店長には俺の責任にされたし…」

南瓜「実際にあなたのせいですけどねー」

男「よーし、いい度胸だ。今度こそ尻叩きをお見舞いしてやる」

南瓜「いい加減にお菓子をくれたらどうです? そしたら私もイタズラしません」

男「ふざくんな! ここまできたら意地でもやらん!」

南瓜「懲りない人ですねー」

91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 01:31:13.98 ID:13l1qNcXO
コン

男「……」

コツン

男「……」

ココン

男「……」

スカン!

男「ええい、うっとうしい! カボチャを頭にぶつけんな!」

南瓜「おお、ようやく突っ込んでくれましたねー。見てください。延々と道に
  カボチャが転がってますよ。カボチャロードです」

男「まるで道に迷わないための目印みたいだな。…俺はどこでファンタジーの
  世界に迷いこんだのだろうか」

92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 01:31:31.32 ID:hKldW7UO0
かぼちゃのようかい
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d479365.jpg

p01_092_viploader2d479365.jpg
94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/11/01(土) 01:33:41.48 ID:TklcMe3FO
>>92
あら可愛い

95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 01:40:19.14 ID:13l1qNcXO
男「なぁ、なんで俺に菓子を貰いたいんだ? いつまで居てもあげんぞ?」

南瓜「私も意地です。決めた以上は絶対に貰いますから」

男「ったく、迷惑な話だ…」

男「…ん? でも、ハロウィンが過ぎたらあげる必要なくね?」

南瓜「ちっ、気づきやがりました…」

男「はっは、なら今日だけ我慢すりゃいいわけだ」

南瓜「ダメですダメです! ちゃんとください! じゃないとノルマが…」

男「ノルマ? え、なに? これ仕事? お菓子をたかるのが仕事?」

南瓜「当然じゃないですか」

男「言い切ったよこの娘」

99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 02:03:23.87 ID:4QZxcAaZO
かぼちゃ「さて」

ぽむぽむ

男「布団、敷いてくれたのかい」

かぼちゃ「はい、どーぞ」

ぽむぽむ

男「それは、一緒に寝ろってことかい?」

かぼちゃ「はやく、きてください」

ぽむぽむ

男「そんなに布団を叩かなくても……はいはい」

かぼちゃ「おやすみなさい」

102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 03:19:50.78 ID:hKldW7UO0
>>57
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d479383.jpg

よしねよう

p01_102_viploader2d479383.jpg
103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 03:21:05.24 ID:TklcMe3FO
>>102
まぁ可愛い

107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 09:02:05.40 ID:Or+RqgsL0
南瓜 ズルズル
男「なあ……」
南瓜 ズルズル
男「せめて、トリックオアトリート、ぐらいいえよ」
南瓜 ズルズル
男「なあ!」
南瓜 ズルズル
男「なんかいってくれよ!」
南瓜 ズルズル



南瓜の精(うっわ、なにあれ?)
南瓜の精(南瓜のつるが家の内外にびっしり張り付いてる……!)
南瓜の精(キモッ! 南瓜キモッ! ここのお宅はパス! 次いこ、次!)

108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/11/01(土) 09:22:01.50 ID:Or+RqgsL0
南瓜殿「……」
女「あの……」
南瓜殿「なんじゃい」
女「お菓子あげるからさ、いいかげん、帰ってくれないかな」
南瓜殿「黙れい!」
女「ひッ!」
南瓜殿「儂は冬至の夜にそなたに食われるために参ったのだ。駄菓子目当てのふぬけた連中と一緒にするでないわあ!」
女「そんな南瓜聞いたことねー!」
南瓜殿「ふん。最近の南瓜は軟弱者ばかりよ! 実に嘆かわしい」
女「どこの品評会で優勝したおばけ南瓜か知んないけど、存在感が邪魔。すっごい邪魔」
南瓜殿「やかましいッ!」
女「ひッ!」
南瓜殿「貴様は来る冬至の夜まで、儂をどう料理してやろうかとそれのみ考えておればよいのだァ!」
女「うう……おかしいよ……こんなハロウィンも冬至も聞いたことないよ……」
南瓜殿「もし一夜にして食い切れなんだら…………貴様を殺すッ!」
女「なぜッ!?」

113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/11/01(土) 11:42:37.22 ID:lghX4rqoO
ハロウィンが終わった後にスレ発見とはな。まぁいいや

~玄関~

?「Treck or Treat?」

男「……どちらさま?」

?「初めまして、こんばんわ。よいハロウィンの夜ですね?」

男「あぁ、初めまして。そうか、そういえば今日はハロウィンか……と言いたいが、初めて会った人物から図々しく菓子寄越せ、と言われてもな」

?「なるほど」

男「そういうわけだから、余所を当たってくれ」

?「Treat、Treat、Treat」

男「は――?」

?「そして、誰もいなくなった。Ho-、Ho-、Ho-!」

カボチャは消えて、空家が残り。



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